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日本脳炎の感染に注意しましょう
近県で日本脳炎の報告がありました。感染を媒介する「蚊」が、まだ多い時期が続きますので気をつけましょう!
日本脳炎とは
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスによっておこる感染症です。ブタなどの動物の体内でウイルスが増殖した後、そのブタを刺した蚊が人を刺すことにより感染します。ワクチンの普及と生活環境の改善により日本脳炎の患者は減少していますが、蚊の発生時期である夏から秋にかけて、年間0~10例程度の報告があります。関東近県での患者発生や県内のブタ調査で感染例も確認されているため注意が必要です。なお、人から人への感染はありません。
ウイルスを保有する蚊に刺されても、症状が現れずに経過する場合がほとんどです(100人から1000人に1人の割合で発症するといわれています)。症状が出る場合には、通常6~16日間の潜伏期間の後に、数日間の高熱(38~40℃あるいはそれ以上)、頭痛、悪心、嘔吐、めまいなどの症状が現れ、重症例では意識障害とともに神経系障害が生じます。脳炎を発症した場合の致死率は20~40%といわれており、乳幼児や高齢者では死亡の危険が高くなります。また、生存者の45~75%に痙攣、麻痺、精神障害などの後遺症が残るともいわれています。
日本脳炎にかからないために
日本脳炎ウイルスを媒介する蚊は、コガタアカイエカ(コガタイエカ)で、日本全国に生息しています。
蚊に刺されない・増やさない
コガタアカイエカ(コガタイエカ)は水田のある地域に多く発生し、日没後に活動が活発になるとされています。
- 外出時は、肌の露出を少なくするため、なるべく長袖シャツ、長ズボン等を着用し、適切に虫除け剤や蚊取り線香を使用しましょう。
- 家の中へ蚊が入らないように窓や扉の隙間をなくし、網戸や蚊取り線香などを使用して蚊の侵入を防ぎましょう(蚊帳も有効です)。
- 出入口や窓にぶら下げ型虫除けを複数個吊したり、蚊が数時間居なくなるスプレーを使用するなどして建物外周に蚊が近寄りにくくしましょう。
- 蚊の発生を防ぐため、家の周囲の小さな水たまりをなくしましょう。植木鉢やプランターの水の受け皿、庭先に置き忘れたバケツや子どものおもちゃ、放置されている空きビンや缶、古タイヤ、ビニールシートのくぼみなどにたまっている水にも注意しましょう。
予防接種を受けましょう
ワクチン接種により、日本脳炎の感染リスクを75~95%減らすことができると報告されています。
小児期に定期接種を忘れずに打ちましょう。第1期3回、第2期1回、計4回の定期接種が定められています。受け忘れに気がついたら、気がついた時点でかかりつけ医に相談し、すぐに接種しましょう。
1期(初回) | 1期(追加) | 2期 |
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接種開始年齢:3歳 接種回数:2回 接種間隔:6日以上 |
接種年齢:3~4歳 接種回数:1回 接種間隔:初回免疫終了後6ヶ月以上 (概ね1年) |
接種年齢:9歳以上13歳未満 接種回数:1回 |
発症を予防しよう
休養、栄養、睡眠を十分にとり、過労をさけ、免疫力を維持して健康管理に努めましょう。
感染症流行予測調査を行っています
群馬県衛生環境研究所において、県内のブタを対象に感染源調査を行っています。
群馬県感染症流行予測調査について<衛生環境研究所>