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令和6年度上期(令和6年7月26日・令和6年9月12日)議事録
令和6年度 上期 群馬県公共工事入札監視委員会 定例会議 審議概要
開催日
令和6年7月26日(金曜日)
令和6年9月12日(木曜日)
開催場所
群馬県庁 第一特別会議室
出席委員
委員長 足立 進(弁護士)
委員 川畑 泰子(立教大学助教)
委員 木村 恵里子(NPO法人理事長)
委員 鴻田 通雄(公認会計士)
委員 田中 恒夫(前橋工科大学教授)
審議対象期間
令和5年10月1日~令和6年3月31日
抽出案件
一般競争入札11件、指名競争入札8件、随意契約1件 合計20件
令和6年7月26日の審議
1 審議対象工事の抽出結果について
群馬県公共工事入札監視委員会設置要綱第6条第6項の規定に基づき、今回の抽出当番委員から次のとおり抽出結果の報告がなされた。
(抽出結果報告)
一般競争入札556件、指名競争入札655件、随意契約48件 計1,259件の工事から、一般競争入札11件、指名競争入札8件、随意契約1件を抽出した。
※20件の工事は別紙のとおり
2 抽出案件の審議について
抽出当番委員が抽出した20件について、事務局から契約内容及び工事概要等の説明がなされた。
抽出した20件の工事について、群馬県公共工事入札監視委員会設置要綱第2条第2号に規定する事項を審議した。
委員の質疑が行われ、議案8、議案414、議案11、議案130、議案1079の5件においては、より詳細な資料を用いた審議が必要と判断された。
令和6年9月12日の追加審議
5件の審議について
上記5件の工事について、群馬県公共工事入札監視委員会設置要綱第2条第2号に規定する事項を詳細に審議した。
委員からの意見・質問、それに対する回答等
意見・質問 会議の概要のとおり
回答 会議概要のとおり
委員会による提言 なし
会議の概要
議案 8
群馬県防災情報通信ネットワークシステム衛星回線整備工事
発注所属:危機管理課
工事業種:電気通信
契約方式:一般競争入札
予定価格:3,132,100,000円(税抜き)
契約金額:3,059,000,000円(税抜き)
落札率:97.7%
入札参加者数:1者
落札者:NECネッツエスアイ(株)関東支店
【委員】見積依頼先8者のうち提出は何者か。
【発注所属】2者(NECネッツエスアイと富士通Japan)が提出。6者は見積辞退。
【委員】入札参加は1者だったが、入札参加申請の数は入札前に公表するのか。
【発注所属】入札前には公表されず、開札後に入札結果と入札参加者が公表される。
【委員】2者が出してきた工事の見積額の差はどのくらいか。
【発注所属】単価見積のため直接の比較は出来ない。
【委員】全体を更新する工事と聞いているが、一部更新は出来ないのか?
【発注所属】前回の全体整備工事から15年以上経過しており使用している機器全体が老朽化していること、衛星ネットワークが第2世代から第3世代に変わり通信方式も変わることから、引き続き使用することは困難。通信機器等は全面更新をする必要があった。
【委員】応札可能者数は20者で、入札が1者なのはなぜか。
【発注所属】おそらくではあるが、衛星設備の機器が特殊で手配等が難しいことと、今回工事に令和2~4年度に行った「群馬県防災情報通信ネットワークシステム地上回線整備工事」で設置した設備の改修作業が含まれていたため、前回工事を請け負ったNECネッツエスアイ以外での対応が難しかったのではないかと思われる。
【委員】応札可能者が20者と見込んでいて、結果1者だったという点についての考察、反省はあるか。
【発注所属】前回工事の改修作業が含まれていたために他者による施工が難しいと思われることから、前回工事と今回工事を一つの工事として発注すれば応札者数が増えたのではないかと思われる。
【委員】実際に応札できる業者は限られているのに、入札参加資格者委員会では20者と見込むのはどうか。今回のような他者が参入しづらい工事では、一般競争入札ではなく指名にするなど方法を検討して欲しい。金額も高いので。
【委員】一体工事で30数億円かかっているが、分割発注は出来なかったのか。
【発注所属】災害対応の点から県と県内全市町村を一体的に整備するよう消防庁から通知があったことと、地方財政措置の「緊急防災・減災事業債」の適用条件が「県と県内全市町村の一体的整備」となっていたことから、分割発注ではなく、一体での発注となった。
【委員】今後もこのような工事は同じように一体的な発注になるのか。
【発注所属】その可能性は高い。入札方法については県土整備部とも連携して検討したい。
【委員】分割すれば業者間での競争が可能な部分もあるので検討願いたい。
議案414
単独公共 単独地域道路管理管内東部一円 路面補修(0県債)
発注所属:太田土木事務所
工事業種:舗装
契約方式:一般競争入札
予定価格:14,360,000円(税抜き)
契約金額:13,800,000円(税抜き)
落札率:96.1%
入札参加者数:11者
落札者:石橋建設工業(株)
【委員】入札参加業者11者のうち、1者のみ資格確認を行った理由は。
【発注所属】この案件は、事後審査方式・価格のみ評価の一般競争入札を採用している。事後審査方式では、予定価格の範囲内で最も安価な業者について入札参加資格を審査し、参加資格ありとなれば他の業者の審査は行わない。もし参加資格なしとなった場合は、次順位の業者を審査することとなる。
【委員】一抜け方式を採用しているのか。
【発注所属】他の1案件と合わせて2案件の一抜け方式を採用しており、そのうちの一案件目に当たる。
【委員】一抜け方式の採用はどういった基準で決めたのか。
【発注所属】太田土木管内一円の路面補修工事であり、管内を旧太田支部と旧郡部の東西2つに分けて一抜け方式として発注した。
【委員】他にも一抜け方式を採用する案件はあるのか。
【発注所属】工事延長が長い場合なども、分割1・2・3号というように複数に分けて発注することがあり、そのような場合に一抜け方式を採用することがある。
【委員】入札参加資格確認では、参加資格なしと判断されることもあるのか。
【契約検査課】入札参加条件として指定している業者格付と異なる格付の業者が参加したり、書類に不備があったりすると参加資格なしとなる。しかし、実際は参加資格なしとなるような事例はほとんど発生していない。
議案11
群馬県庁館銘板設置工事
発注所属:財産有効活用課
工事業種:建築一式工事
契約方式:指名競争入札
予定価格:7,790,000円(税抜き)
契約金額:7,000,000円(税抜き)
落札率:89.9%
入札参加者数:9者
落札者:佐田建設(株)
【委員】なぜ指名競争入札だったのか。一般競争入札を実施しても良かったのではないか。
【発注所属】県庁正面玄関に設置ということで内部の調整に時間を要して、工期が短くなってしまうため、年度内完工させるために指名競争入札とした。この工事の難しい部分として、短期間で安全管理を徹底しながら完工させるということ、また今回の館銘板は鉄骨にガラスを貼るといったオーダーメイドのような形での製作というところがある。県庁の顔になる看板なので、シンプルではあるが、デザイン性も重要視する一方で、強度や長持ちするという点を兼ね備えたものにすることや、建物との調和も考慮した。その辺、施工業者側からの提案なども期待している部分もあったので、経験豊富で技術力の高い業者を指名することとした。
【委員】銘板を設置したのは誰のアイデアか。
【発注所属】広場には元々モニュメントがあって、群馬県庁と名前が入っていたのを取り壊したのでそれに変わるものを設置。
【委員】銘板をいらないと思う人もいると思うが、こういうことは議会で決めるのか。
【発注所属】群馬会館、昭和庁舎にも銘板がある。県民からすれば、群馬県庁と分かるが、他県の人も来るので、銘板は必要である。華美にならないよう最低限シンプルな形で設置した。
【委員】前の石のモニュメントを撤去することを決めたのは、議会か。
【発注所属】広場を一体的にイベント等で使いたいということで、撤去は執行部で考えて、撤去費用として予算計上し議会の議決を得た。
議案番号:130
令和5年度ぐんまフラワーパークリニューアル展示ホール電気設備工事
発注所属:蚕糸園芸課
工事種別:電気工事
契約方式:指名競争入札
予定価格:50,800,000円(税抜き)
契約価格:48,700,000円(税抜き)
落札率:95.9%
入札参加者数:28者
落札者:(株)ソウワ・ディライト
【委員】辞退者が多い理由は何か。28者指名するのなら、一般競争入札でもよかったのではないか。
【発注所属】工期が少し短かったことと、電気工事業者の人手が不足している状況から辞退する業者が多かったのではないかと考えている。工事設計金額で考えれば一般競争で入札を行うことが基本となるが、フラワーパークのリニューアルオープン時期を考慮し、早期に業者を決定する必要があったことから、入札手続の期間が短くなる指名競争入札で実施した。
【委員】指名をした業者は、手を挙げそうな業者を選定したのか。
【発注所属】指名した業者については、工事場所(フラワーパーク)を起点として、ある程度の距離(土木事務所の管轄区域)の範囲内で選定した。1回目の入札が不調になったため、2回目はエリアを広げて1回目よりも指名の数を増やした。
【委員】通常であれば10者程度を指名すると思うが、今回28者指名したのは、辞退が多いのを想定して、指名業者を多くしたのか。
【発注所属】指名する業者については土木事務所の管轄エリアで決めているため、2回目の入札は対象エリアを広げて業者を選定したので、指名業者数が多くなった。
【発注所属】結果的には、1回目の入札が不調になってしまったので、一般競争入札でもよかったのではないかと考える。
【委員】人手不足等もあるので、指名競争入札ではなく、なるべく一般競争入札でやっていただいた方がよい。
【委員】2回目の入札を実施するまでの期間は、何か設計変更等を行っていたのか。
【発注所属】1回目の入札でどこの業者からも手が挙がらなかった。同じ条件では2回目の入札も手が挙がらないので、設計で無理がありそうな部分を変更するなど、設計変更を行っていた。
【委員】設計に無理があったという話であったが、どういった観点から設計変更を行ったのか。
【発注所属】具体的には新たに取り付ける照明機器があるが、その照明機器の一部に特注品が入っており、納期に時間がかかる見込みであったため、その機器を設計から除いて入札を行った。
【委員】納期に時間がかかるといった情報は、業者から聞くのか。
【発注所属】積算を行っている県庁の建築課や、今回の設計を行った設計会社に相談するなどして、内容の見直しを行った。
【委員】業者の価格に開きがあるのは、それらの機器が原因なのか。
【発注所属】たくさんの照明機器等があるので、それらの価格に開きが出たと考える。
【委員】設計の業者はどのように決めたのか。
【発注所属】フラワーパークのリニューアルに当たっては、3段階で計画・設計を策定しており、最初に基本計画、次に基本設計、最後に実施設計となっている。最初の基本計画、基本設計についてはプロポーザルで業者を選定している。最終的な実施設計については、基本設計を策定した業者に随意契約で契約している。結果的には、基本計画から実施設計まで同じ業者が設計を行っている。
【委員】設計業者は工事期間が短い中で、納期に時間がかからないものを選定しているのか、それともデザインを重視して選定しているか。
【発注所属】設計業者には、デザインを重視しつつも、きちんと納期におさまるような機器を選定するようにしてもらっている。
【委員】先ほどの話では、特殊な機器で納期がかかるので、2回目の入札では設計変更を行ったといった話であったが。
【発注所属】1回目の入札については納期が間に合うという前提で特殊な機器も入れて入札を行ったが、結果的にはどこからも手が挙がらなかったので、2回目の入札ではなるべく業者から手が挙がるような設計に見直した。
【委員】機器については、メーカーや品番なども示して入札を行っているのか。
【発注所属】メーカーや品番は入札の際に示しており、特殊な機器については見積を取った業者も示している。
議案番号:1079
田口発電所分水弁下流仮設遮水壁工事
発注所属:企業局管理総合事務所
工事業種:鋼構造物
契約方式:随意契約
予定価格:7,210,000円(税抜き)
契約金額:7,000,000円(税抜き)
落札率:97.1%
入札参加者数:1者
落札者:(株)須田鉄工所
【委員】業者選定の考え方で、「受注者が、独自の設計に基づき」と書かれているが独自性が高いのか。
【発注所属】遮水壁に大きな水圧を受けるため、それに対応する設計を行い、製作している。工事の契約工期は6ヶ月あるが実施の工事は、遮水壁の設置・撤去ともに5日から1週間位の期間で施工する必要があり、短期間となる。
【委員】総務部は7百万円の工事を指名競争入札で実施している。この業者しか出来な
いのか。最初から指名競争入札をすることは考えなかったのか。施工期間を確保すれば、施工できるのではないか。
【発注所属】最初から、随意契約方式で考えている。この工事は、指名競争入札には適さない。施工期間を確保すれば、他の業者でもできないことはないと思われるが、説明したとおり、施工は短期間で行う必要があり、写真を見てもらうとわかるが、現場は暗く狭いため施工条件が悪い。
【委員】この業者は、他の箇所でも工事をしているか。
【発注所属】ゲートの点検等を実施しており、現場を良く知っている。
【委員】一般競争入札をした場合は、他に応札する業者がいないのか。また、施工期間を延ばすことはできないか。
【発注所属】一般競争入札をした場合、他に応札する業者はいないと思われる。また、施工期間については、水を農業用水として使用しているため関係機関と調整する必要があり、以前から断水期間を延ばしてもらうように要望しているが、延長してもらうことが難しい。
【委員】施工の時期は。
【発注所属】10月末に設置、3月末に撤去をそれぞれ5日間位で作業しなければならない。
【委員】今後、施工できる業者がいなくなった時には、困るのではないか。なかなか期間を長くとることは出来ないと思われるため、今回は、随意契約をすることはやむを得ないが、今後施工できる業者を育てなければならないのではないか。
【発注所属】今後、検討する必要がある。
総括審議
【委員長】今回は、提言する事項はなしということでよいか。
【委員】異議なし。