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群馬県インクルーシブ教育推進有識者会議(第2回)結果
1 期日
令和6年12月23日(月曜日)午後6時から午後8時
2 場所
県庁24階 教育委員会会議室(対面・オンライン併用)
3 出席者
委員(11名中10名出席)
霜田浩信委員、滝坂信一委員、是永かな子委員、伊藤駿委員、飯島邦敏委員、
藤澤都茂子委員、代田秋子委員、高木沙祐里委員、清田和泉委員、池田克弘委員
モデル校
増田眞次校長
事務局
(職員16名出席)
4 内容
(1) 開会
開会
(2) あいさつ
平田教育長によるあいさつ
(3) 報告
配付資料により下記3点について、事務局が説明した。
- 海外視察報告
- 理解啓発イベント報告
- モデル校実践研究報告
(4) 協議
- 上記報告への質疑応答
- 各委員より意見
5 協議における主な意見(要旨)
(A委員)
- 視察した内容を今後どんな視点で活かすかは大きく3つ。
- 1つめは、協働的な学びの視点と個別最適な学びという視点から、どのようにこれらの実践を取り込んでいくのか。
- 2つめは、先ほど報告にあった不登校なども含め、通常の教育では十分にケアできない子供たちの教育も含んだインクルーシブ教育。障害のみに関わらず、いろいろなニーズに応じること。
- 3つめは、特別支援学校と特別支援学級との統合交流。すべての学びが連続体として位置付いていることが大事。
- 通常学級なのか、支援学級なのか、支援学校なのかではなく、それらがなだらかにつながり、通級的な場所に入ってもよいし、一時的に利用してもよいというところで北欧の実践が参考になるとよい。
(B委員)
- デンマーク、スウェーデンの学校との連携、交流はぜひ進めてほしい。
- 他課において、非認知についてスコットランドで行っている。海外の取組を取り入れる難しさを一足先に感じている。テクニカルなことも含めて参考にすると、同じハードルを乗り越えられるのではないか。
- デンマークの学校で課題だと感じたことがあれば教えてほしい。
- 比較教育学を行っていて思うこととして、輸入すること、参考にすることの難しさを感じている。何となく感じる違い、文化的な違い、ファーストインプレッションなどを視察した方が感じた率直な意見を聞きたい。文化的にここ違うが、意外とこの辺から始められるかもしれないなど。
(A委員)
事務局とも話したが、デンマークを見た際、個別最適な学びの方が強かった。協働的な学びとしての一斉指導、集団づくりの部分が日本に取り入れる際に薄くなると思った。集団で共に学ぶという日本の良いところを少し活かしてもよい。
(事務局)
- 通訳の方との話の中で、その方は日本の教育受けている方であるが、日本の教育のすごさは全国どこに行っても基礎学力がしっかりしていると話をされていた。指導力の高さは日本の教育のすごさだと思う。
- 集団の中で子供たちの基礎学力をしっかりつけるという責任感を先生たちがもっている。だからこそ、逆にやりすぎてしまうことがある。先生が子供たちに教え込むところは、日本の教育の課題と感じる部分もあるが、個別最適な学びと協働的な学びとのバランスは、日本はかなり意識して行っている。そこは自信をもってよいと思う。
- 義務教育課では、させる授業から、する授業ということを行っている。モデル校の資料にあるように、教師が教える授業から子供たちが主体的に学ぶ授業がテーマとなっている。
- 日本の学校の先生は、これを教えるんだという思いがあるがため、しゃべりすぎてしまうところがある。
- 子どもたちの呟きをもっと引き出そうと、今年、17校を指定校にして行ったところ、子供たちがすごく発言するようになった。子供たち一人一人こんなに違うということが理解できてくると違いが見えてきた。この違いが見えてきたってことがインクルーシブになったと思った。
- 日本の授業もそういった意味では変えていく部分はたくさんあると感じた。
- デンマークの良さもたくさんあるが、日本の良さも活かしてできるとよいと思う。
(B委員)
文科省事業を受けている以外のところでも指定校を出して取り組んでおり、そこでもインクルージョンに向けたエッセンスのようなところがあると思う。この事業に限らないところからもインクルーシブなものを群馬として取り組んでいて、よさや課題を感じているところがすごい。希望をもった。
(C委員)
- 群馬がインクルーシブ教育推進に取り組んでいる中で、特別支援教育だけで進めていくのではなく、地域も義務教育も含めて取り組んでいくことが大事だと思う。
- A委員も話していたが、不登校も含めて通常教育に馴染まない子供たちをどうしていくのかといったところも大事な観点かと思う。
- 理解啓発イベントの中で、ぐんまインクルーシブフェスタ、シンポジウムにも取り組んでいるが、何か御意見があれば頂戴したい。
(D委員)
- ぐんまインクルーシブフェスタに4,500名ほどの来場者があり大盛況という話を聞き大変嬉しく思う。
- 今回、藤岡北高校、藤岡工業高校、万場高校、桐生清桜高校、桐生商業高校とコラボしたというのは大変素晴らしい取組である。こういったことをどんどん進めてほしいと強く思う。
- スマーク、イオン、けやきウォークなど、一般の方が多く出入りをする、買い物に訪れる、そういったところでこのようなイベントができるとよい。例えば、障害児者とかに全く興味をもっていなかった方が、そのイベントをきっかけに関心を示したり、理解啓発につながったりするのではないかなと思う。
- こういったイベントは、障害者とか、それに関係した側からだけの発信だと受け手となってしまう。理解をしていただきたい方々に届くよう、どんどん巻き込んでいく必要性があると思う。
- こういった企画を通常の学校にどんどんコラボを呼びかけていき、内容も何をするとよいか生徒同士に考えてもらい、企画運営から生徒に任せるとよい。障害のあるなしにかかわらず、同じ子供同士のアイディア、想像力を活かして、どうするとよりコミュニケーションが取れるのか、練習がしやすくなるのか、よりいいものができるのか、多くの人を呼び込めるのかということを全て子供に託してしまうことが必要なのではないか。
(C委員)
多くの方々に伝えていくために、オープンな場所で取り組むからこそ、参加できるような状況をつくることが大事という話。先ほど、シンポジウムの話でもあったが、たまたま県庁に来た方がシンポジウムを見付けて参加される、そんな参加の仕方も大事ということ。
(A委員)
- イベントの場所はポイントだと思う。偶発的な参加者も期待できるような場所はすごくよい。大きなショッピングモールとかよい。
- 同じ活動を仕組むっていうところで、ニジマスバーガーの話では、こういう役割分担でという話があったが、ステージ発表で高校と高等部生徒の役割分担があったのか教えほしい。
(事務局)
太鼓とダンスのコラボでは、既存の音楽に既存のダンスを合わせるということではなく、今回は渡良瀬特別支援学校の音楽をもとに、桐生商業高校の生徒がどう表現するかを考えた。
(A委員)
主体的に生徒に任せる部分を増やすといった際、生徒が自分たちの強みを知っておくことは必要。
(C委員)
- E委員の話にもあったように、イオンなどの商業施設で取り組んでいくことは一つの方法。そうすることで企業とうまく連携することができれば、企業をとおしての理解啓発、一般市民への接点をつくっていくことができるのではないかと思う。
- 群馬県内のスターバックスの中で、障害者アートを展示する企画が行われたと思うが、何か知っていれば紹介をお願いしたい。
(事務局)
聾学校の近くにスターバックスの店舗があり、そこで聾学校生徒の作品展示をしたり、現場実習の受け入れをしていただいたりしている。また、土日に手話の講座も行っているようである。
(C委員)
若者も含めて様々な方々が来店される場所でコラボできるということも理解啓発の大きな機会になるのではないか。
(E委員)
- 今回のようにインクルーシブを目指したイベントを特別に企画するのもよいが、普通のイベントの中に、特別支援学校などが入り込んでいく方が、ある意味インクルーシブなのかと思う。
- インクルーシブというタイトルを出してしまうと、先日のシンポジウムでも話に挙がったように、それに興味をもった人しか来なくなってしまう。そうではないイベントに参加することが大切かと思う。
- マスバーガーは、やりやすいかもしれない。前橋の街中にも売店が出る時があるため、そういったところに入り込んでいけるとよいか。
(C委員)
- とても大事な視点。それこそインクルーシブかと。既存というか、普段あるものに混ざっていく、一緒に取り組んでいくということはとても大事。
- モデル校の実践について話を進めていきたい。何か御意見はあるか。
(F委員)
- 本校が小・中学校と実施している居住地校交流や学校間交流との違いを考えながら、先ほどのモデル校における実践報告を聞いていた。本校の先生方には、交流を実施する際、お互いどういう教育課程で行い、小学校ではどういう位置付けで交流をしているのかを理解した上で、相手校との共通項目、共通した空間や時間をつくってほしいと話している。
- 例えば、小学校は総合的な学習の時間で、本校は特別活動の時間で行っている。小学校は人権教育、障害者理解といった位置付けであり、本校の子供たちは、様々な人と関わるということがねらいであるなど。
- 本校の子供たちは、様々な人と関わるということがねらいのため、一緒の空間で活動するということでは成立している。
- 双方が楽しんで活動することがねらいではあるが、教育課程が異なるため、少しずつずれていってしまうことがある。
- それぞれの教育課程の違いを分かった上で、共通的な学習をつくっていくことが大事かと思う。
(C委員)
- 活動を共有することがまず大事であること、教育課程が異なったとしても子供たちに共通の活動があるからこそ、それをベースとして互いの違いや互いの共通性を感じながらも、取組が進んでいけると思い聞かせていただいた。
- 当然ながら教育課程の違いがあったとしても、そこでの活動が一緒であれば、そこで目指す大きなねらいとしては、同じのものがもち得るのかと思う。
- A委員から話があったように、そこへのアプローチの仕方は様々で、それぞれあってよいというところか。
(A委員)
- 北欧の2つの報告にもあったが、異なる教育課程を前提に、いかに個に応じた指導内容や指導方法、評価を行うかが一つの空間の中で求められる。それがスウェーデンなどでは統合児と言われている。そういうことが知的障害児のインクルーシブ教育を進める際の手立てだということは見えてきている。
- 通常学級がそれを追求することが個別最適な学びと連動するのか否か。そこが合致するのであれば、インクルーシブ教育というものと、協働的な学び、個別最適な学びが一体化できると思う。何が共通であり、何か異なるのかということ。
(C委員)
大きな方針として群馬県がどう考えていくかというところはとても大事な観点。
(B委員)
- 個別最適な学びと一緒に考えていくことは、最近ずっと考えているところである。A委員からあったようにカリキュラムの問題はすごく大きい。特に知的障害児に対するというか、今まで特別な教育課程を組んでいた子供たちの教育課程と通常の教育課程がある中で、どう統合していくのかは、日本においてはすごく大きな壁になるだろうということをいろんなところで感じている。
- 個別最適な学びという文脈に位置付けることもできると思う。一方で何かに位置付け続けると、位置付かないものが気になってしまうと思う。そのため、あまり当てはめすぎない方がよいのではないかと思う。規範意識的なものを緩めていく方が、いろいろなことが楽になるのではないか。それはカリキュラムオーバーロードの問題や、いろいろなところに通底する。もう少し緩められるところが逆にないのかと思うところもある。
- モデル校でのブロックチーム担任、これはすごくよいと思う。資料右側にあるアンケートに賛成派と反対派の意見があるが、次元の違う話をしている感じがする。しかし、この否定的な意見は割とクリアしやすい。不足点を言っているだけ、割と乗り越えられるのではないかと思う。
- アンケートにある連絡や相談は一人の担任の方がしやすいとあるが、このような案件は4人の担任で解決した方がよいと思う。ぜひ進めてほしい。
(C委員)
個別最適の話にぴったりフィットさせようとすると、その違いの部分が見えてきて、そこからまたどう進んだらよいか迷ってしまう。おそらく現場の先生はそうだと思う。きっちり決めれば決めるだけ、そこに沿って取り組んでいこうとすると、これはどうしたらよいのかと困ってしまう可能性はある。そこの塩梅をどうするとよいか御苦労が多いかと思うが現場としてはいかがか。
(モデル校長)
- こうあらねばならないとすると苦しくなるため、こうあったらよいな、余白があるとよいなということをいつも感じている。その中で、先ほども話に出ていた個別最適な学びと一斉学習との関係では、やはり一斉学習を全てなくすことは難しいかと思う。
- 私の好きな言葉に塩梅という言葉がある。学級、学年、学校によって、集団になると、そこの雰囲気や学習レベルというのはそれぞれ違う。一斉学習から個別最適な学びにシフトしていくべきだとは思うが、それぞれの学級、学年、学校の実態に応じて塩梅が決まるのではないかと思う。
- ブロックチーム担任制について言えば、これからのキーワードとしては、多様性と寛容性だと思う。
- 学校は未来の小さな社会。多文化共生の共生であれば、互いに軋轢が生まれて初めてそこに新しい価値観が生まれる。共存とは違うと思うが、意図的に多様性を感じられる空間を学校は演出するべきだと思う。
- これまでの固定担任制という学級は、閉塞感を子供は感じる。一年間ずっと同じ担任ということであるならば、小学校では教科担任制を長年行ってきている。少しずつ固定担任制ではない素地ができてきている。さらにそれをダイナミックにシステム化するならば、先生たちが動けばよいのかと。
- 同時に、子供たちの時間割は自分で決めて動けばより流動的になる。
- 群馬県の教育ビジョンの中にある、自分で考えて、自分で決めて、自分で動き出す、とてもよい言葉だと思うが、真ん中の自分で決めてという部分が少なかったのかと思う。
- どの先生に相談しても決められる。自由度がある。保護者もしかり。
- 逆に誰に相談してかわからないというのが出てくるが、決めるというのは子供たちのエージェンシーを発揮させる場面では大切なキーワードのかと思う。
(C委員)
- 決めることのよさと、そこから見えてくる課題といったところか。何かを進めていくためには、我々の中で共通の言語、共通の概念をもたなくてはならないことがある。特にインクルーシブ教育という中での共通項をどうつくっていくかは、1回目の有識者会議でも課題になっていたこと。
- 必ずしも個別最適な学びと一致させようということにはならないが、そこをA委員は考えたかったのではないか。
- 我々が何を共通概念としてインクルーシブにもっていくとよいのか、G委員に御意見を頂戴したい。
(G委員)
- 少し戻って質問したい。海外視察について、実際に行かれた方々がそれぞれ何に最も触発されたかということを伺いたい。
- 最近、よく話題にしていることがある。それは「授業」という言葉。「授業」は「業」を「授ける」ということ。ここには、「業」を「授ける教員」と「授けられる子ども」という、学校という場における教員と子どもの関係が凝縮されている。このことから、「授業」という言葉をやめ、他の言葉に置き換えられないかと話題にしている。同じようなことが、小学校、中学校、高校を規定した学校教育法「教育を施す」にもある。
- 今、我々はこの考え方や関係を超えようとしている。先生方が、自分たちが置かれてきた立場や子どもたちとの関係を相対化し(気づき)、どのようにあったらよいのかに取り組むことが大切だと思った。
- インクルーシブフェスタについては、県民の方々や関係の先生方がこの意味や意義をどう捉えたのかを知りたい。
- モデル校は、学校をあげていろいろな工夫をしていることと思う。私が大切にしたいと考えるのは、ボトムアップ。この取組はある意味トップダウンでスタートしており、それを先生方がどう自分たちにとって必然の取組に転換していくことができるのか、そのプロセスが欠かせないと思う。半年ほど取り組んできて、先生方は何を手応えとして感じているか、それを言葉にしてもらうことによって状況の確認と今後の見通しの共有ができるように思う。
- この学校ではこのようなことに取り組んでいるということを子どもたちに伝え、子どもたちに「どうですか?」と聞いてみる。子どもたちや先生方の気持ちや手応えをどのように拾い上げるか、すでに行っていれば後で伺いたい。
- 近年の学習指導要領は、扱う内容について裁量の自由度を増していると思う。小学校だけではなく、中学校までの9年間でどのように育てるかという視点や教科を越えた視点をもつことなどが示されている。これを考えると、教科研究が欠かせないと思う。
- 中学校までの9年間の中で、その教科の構造や体系、教科間の関係が分かっていることによって、自由進度学習を行うにしても、その子がどこまできているのか、そして次の学習課題が見えてくる。それは個々の評価と言い換えることもできる。
- 総合教育センターは、学校の行うそういった教科研究をサポートする役割を担うことができる。
(C委員)
大変貴重な御意見。海外視察で触発されたこととして意見を頂戴したい。
(事務局)
- 一番感じたことは、子供たち一人一人の「やりたい」「学びたい」が尊重されていること。
- インクルーシブという視点で視察に行ったが、今、行っている非認知の視点と全く同じであった。どの子供の意思も尊重すること。そのための手助けとして何ができるのかを考えていく、子供が元々もっている力をいかに発揮できるようにするのかといった視点が大事。全て通じているのだと思う。
(C委員)
- とても大事な観点かと思う。F委員よりあった授けるではなく、子供とともにどうつくりあげていくか、子供主体であるべきだというところか。そこをさらに進めていき、教科の構造を先生方が分かるからこそ、子供が理解でき、そこから個別最適な学びにつながっていくという考えはとても大事なことだと思う。
- インクルーシブ教育を子供に主体を当てて進めていくためには、そこを上手に構成していく先生方の意識やスキルを向上させていく必要がある。そうすることで、様々な教育の大事さが包含された形で進められるのではないか。
(事務局)
- 中学校までの9年間という話があったが、我々は幼稚園から高校までの流れをとても意識している。幼稚園の遊びの中で、自発性、主体性、能動性を育てていくため、幼稚園教育を重視していている。幼稚園から小学校、小学校から中学校、中学校から高校、高校か大学までの流れを、教科、領域も含めて意識して行っている。
- 不登校の問題についても考えている。不登校の子供たちに聞くと、学校はしなければならないこと、してはいけないことばかりだと。Don’tとmustしかないと。したいこと、やりたいこと、やれそうなこと、そこにやるべきことがつながっていくとよい。先生方の意識がそう変わるように取り組んでいるところである。
(モデル校長)
- モデル校でのボトムアップ、先生方や子供たちの手応えというところでは、ブロックチーム担任制で言えば、先生方は2学年を見ているため、コミュニケーションを取らざるを得ない状況。必然となっている。多数の学級を見るため、当事者意識が広がっていっている。
- 子供たちは、ダイナミックに変わり始めている。子供たちに「学校は誰のもの?」と聞いた際、「自分」と答えるようになってきている。「自分が学校の中を変えていくんだ」「学校は自分を変えていくんだ」という意識が教師も含め芽生えてきている。
- 先生方は、子供たちが変化していることで手応えを感じている。そういった意味ではシステムが機能しているか。教師も子供も新しいことに挑戦しているというマインドでは、コンセンサスは取れていると感じる。
(H委員)
- 群馬県のインクルーシブ教育推進が、障害だけではなく不登校や生きづらさを抱えた子供たちを含むという点が非常に嬉しい。モデル校でのブロックチーム担任制は、環境をつくっていくという点ですごく意味があると感じる。
- 授業は授けるものという話があったが、ブロックチーム担任制になり、子供たちは相談の場面でもたくさんの先生方に相談ができるようになった。一方で、先生方の中には授けたい気持ちがたくさんあり、指導しなかったり、自分の価値観の中にもっていったりすることがある。先生方の意識やスキルが同時に変化していくことが欠かせないと感じている。
- 相手を知るということに力を入れ、いろいろな動きが出てきている中で、縦だけの物差しで相手を知っていくのではなく、体験の中から互いの違いを自然に感じられる知り方をしてほしいと強く感じる。
- どっちがよくて、どっちが悪い、どっちが強くて、どっちが弱いというのを子供はすごく受け取りやすい。そういった中で支援を受けづらくなっている子供がいるということも感じている。
(I委員)
- 今日の内容で気になるところはブロックチーム担任制のところ。私の子供は特別支援学校に通っている。担任の先生はいるが、課程内にも先生方がおり、みんなチームとなって情報共有をされている。保護者としても、いろいろな先生に相談したいが、一番は担任の先生なのではないかというところで、担任に相談をする。やはり子供が誰に相談したいのかを大事にして、いろいろな先生に相談できるスタイルがあるのはよいと思う。
- モデル校の交流及び共同学習のところでは、是非振り返りの時間を設け、子どもたちに聞いてほしい。
- 障害のあるなしに関わらず、相手がどんなことに興味があるのかということを子供たちは一番知りたいのだと思う。興味があれば自分もやりたい、もっと引っ張っていきたいなどが自然と出てくるのではないか。
- 交流で関わり合っている際は、子供たちの中に「こうしたい」があると思うが、離れた際も、他に何をしたいのかが子供たちの中には考えがある。そこは大人として学ぶところ。
(J委員)
- 理解啓発イベントでは、今までもハートフルアート展という特別支援学校の子供たちの作品を県民の方に見ていただく仕組みがあった。それがインクルーシブフェスタということで形が広がり、今までを知っているものからとすると、すごく広がった感じがする。ニジマスバーガーの販売や和太鼓とのコラボで高校生が参加したことは今までにはなかったこと。今後、商業施設で行うことで、さらに広がっていくのではないかという期待がある。
- モデル校の取組の中で、先生方が非常に手応えを感じている、子供たちも「学校は自分のもの」という話を聞き、すごいな、大事なことだなと思った。成果が出てきていることに感激した。
- モデル校での自由進度学習に興味がある。私はかつて義務教育校にいた。義務教育校では、学年ごとに取り扱う内容が決まっているため、個に応じた目標を立てにくい状況。通常学級の一斉授業において、どう行うのか興味がある。
- 特別支援学校では、目標はそれぞれ子供によって違うが一斉授業の中で行う。少ない人数ではあるが、一緒の活動をしながらも、ねらいは一人一人違う。実際に知的の特別支援学校では行っている。
- 国語など、系統的な学習が必要な内容での交流及び共同学習は難しさがあるのだろうと思う。まずは、音楽や美術などの実技教科から行っていくことはできると思う。この辺にも自由進度学習がどのように入っていくのか。
- 特別支援学校では、それぞれの学校で小・中学校や高校との交流及び共同学習を行っている。すでに行ってきているもの、積み上げてきているものに少し目を広げていくと、いろいろとヒントが得られるかもしれない。
6 その他
事務局から事務連絡
7 あいさつ
平田教育長によるあいさつ
8 閉会
閉会