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令和6年度第54回群馬県公共事業再評価委員会議事録

更新日:2025年1月28日 印刷ページ表示

開催日時

令和6年12月16日(月曜日) 10時00分~12時10分

開催場所

県庁舎29階 第1特別会議室

議案討議

(議長)​
対象議案は県7事業となっている。
本日の委員会の進め方は、重点討議議案を中心に討議していきたい。
重点討議議案は
 第2号議案「西毛広域幹線道路 高崎工区」
 第7号議案「都市計画道路 前橋長瀞線」
の2議案である。​

重点討議事業 県事業 第2号議案 西毛広域幹線道路 高崎工区

【議案書により説明】

【質疑・応答】

(委員)
全体事業費の増加について、この議案は令和2年度との対比で、資材単価が1.8倍、労務単価が1.2倍となっており、標準的な増加率と思われる。

(群馬県)
資材価格、労務単価について、前回事業評価した年度を基準とした増加率を記載しており、議案によって基準年が異なる。資材価格は今回、異形棒鋼と呼ばれる鉄筋を代表例として示しており、これが1.8倍となっている。また労務単価については、国が毎年定期的に労務単価調査を行うことで労働市場の価格を適切に反映しており、県の工事発注でもこの労務単価を用いて積算を行っている。

(委員)
大幅なコスト増にも関わらずB/Cが大きく増加している理由として、走行時間経費の減少と書かれているが、そこまで大きく交通状況が変化しているのか。
また、令和3年に工事着手していながら進捗率が0%という点に懸念があるため、確認したい。

(群馬県)
今回再評価にあたり、平成27年度の交通量調査に基づく最新のデータによって将来交通量を改めて算出した結果、高崎市内の交通需要が前回の将来推計値よりも増加している状況であった。このため、走行時間の短縮や走行速度が上がる交通が多くなり、便益が増加している。
計画延長の進捗率は、部分的に供用している区間を記載することとしており、現時点で供用している区間が無いことから0%としている。

(委員)
自転車歩行者道を地上に変更したことで、歩行者や自転車の動線がどのように変わったのか、変更前と比べて移動距離がどれぐらい伸びたのか、参考までに教えていただきたい。

(群馬県)
当初は西毛広域幹線道路の脇に上越新幹線を渡る歩道を整備する計画だったが、今回、歩道を下に下ろして既存の道路を活用する計画に変更した。これにより、移動距離は100mから200mくらい長くなるが、変更前の縦断勾配5%の坂道よりも歩きやすくなり、沿道からもアクセスしやすくなると考えている。

(委員)
(1)資料中「災害時にも機能する強靱な道路ネットワーク」とあるが、他のリンクとの比較における重要性の違いや防災にどの程度寄与するのか、数字でお聞きしたい。
(2)事業費が2倍となっている。公共建築等で工事費の高騰による事業中止がみられるなか、道路事業を継続する理由は何か。
(3)費用便益分析の中に多様な便益を拾い上げることも国土交通省のマニュアルに書いてある。埋蔵文化財調査により事業費が増加したということだが、例えば県民の誇りになっているなどの便益として拾い上げるような検討をされているのか、お聞きしたい。
(4)前回評価以降からネットワークに変更が生じているということだが、ネットワークの追加なのか減少なのかお聞きしたい。
(5)本区間の将来交通量を改めて算出し、前回の令和12年度推計と比べて、今回の令和22年度推計の交通量が増加した原因と、ほかの区間の交通量の変化を、O D 交通量等で説明いただきたい。
(6)時間短縮便益が4倍というのは上がり過ぎと感じるので、要因を示していただきたい。
(7)路線一体評価の時間短縮便益が減少となっている要因を区間別に示していただきたい。

(群馬県)
(1)他のリンクと比較して優先順位や重要度というものに差があるわけではなく、いずれの区間や路線も重要な道路と考えている。また、具体的にどの程度防災に寄与できるのか数字で見たいというご意見だが、県としては数字ではなく、災害時にも機能する路線が繋がること、あるいは多重化されることが重要であると考えている。
(2)全体事業費の増加は、労務費や資材価格高騰などの影響を含んでおり、これはやむを得ないものと考えている。能登半島地震において、道路寸断や孤立集落が発生したことを踏まえると、災害時にも機能する強靱な道路ネットワークの整備による多重化の必要性が高まっている。また、周辺交通の渋滞緩和による物流の効率化など、まちづくりの観点からも様々な効果が見込まれており、沿線自治体からの早期完成を求める意見も踏まえ「事業継続」が妥当と考えている。
(3)基本3便益以外のその他便益を見込む検討も進めているところだが、今回のB/Cの算定に、委員ご指摘のような埋蔵文化財調査の効果というものは入れていない。その他の便益を入れる必要があるというご意見については、引き続き検討したい。
(4)ネットワークについては、渡良瀬幹線道路や上信自動車道長野原嬬恋バイパスの事業着手を受けて、前回評価以降追加されており、国から示されている将来交通量推計や費用便益分析手法に基づいて算出したところ、B/Cが上がる結果となっている。
(5)前回評価から将来交通量が変化した理由については、高崎市内の交通需要あるいは、前橋から高崎または前橋から富岡といった交通需要が増加する傾向にあり、それが便益の増加に繋がったものと考えている。また、ほかの区間の交通量変化についてだが、高崎安中工区についても5,400台から9,500台に増加しており、その先の安中富岡工区も8,500台から9,700台に増加となっている。
(6)時間短縮便益が増加している要因については、先ほどご説明の通り、最新の交通量推計データに基づくと、高崎市内における交通量が増加しているため、これらが便益増加に繋がったものと考えている。
(7)路線一体評価については今回の再評価から導入しており、前回からの増減というものはない。表の左側が今回の路線一体評価の状況、その右側は路線一体評価の残事業費を対象として算出したB/Cの結果を示している。

(委員)
交通は動きなので、高崎で交通がどう流れると時間短縮効果が4倍になるのか、O D 交通量でどういう動きの変化が起きているのかを知りたかった。

(議長)
委員意見について、今後の事業を進める参考にしていただければと思う。
特に埋蔵文化財調査によって工期が伸びる事例が多く、ネガティブに考えられがちだが、地域の活性化や観光への寄与などを便益として取り込めると良いのではないかと感じた。ほかの自治体で埋蔵文化財の便益を数値化して評価している例はないのか。

(群馬県)
全国の自治体の状況は把握できていないが、先ほど委員からもご紹介いただいたように、国のマニュアルにも基本3便益以外の追加便益を検討する記載があることは承知しているので、今後の参考にさせていただきたい。

(委員)
どのように便益に入れ込めるのか、ぜひ文化財保護課と意見交換して欲しい。

(委員)
資材価格高騰以外の工事費の増額について、新幹線跨線橋と軟弱地盤対策工事費それぞれの金額を確認したい。また、軟弱地盤対策を当初計画時に予見できず、今回新たに判明した事情と、それに伴う対策工が具体的にどのようなものなのか、ご説明いただきたい。

(群馬県)
新幹線跨線橋の架設について、鉄道事業者とも協議したところ、施工中においても十分な耐震性能を満足する仮設構造などの変更が必要になり、10億円増額となっている。
また、軟弱地盤対策工事費は、軟弱地盤を良質土に置き換える置換工法を採用し、8億円の増額となっている。事業着手段階で密にボーリング調査を実施することは、費用面の問題に加えて、用地買収が進んでいない段階で借地ができないことや、調査地点まで資機材を運搬する進入路の協力が得られないという問題があり、調査の精度が高められていない状況にある。

(委員)
地質リスクを適切に考慮しながら、当初計画になるべく反映していただければと思う。それから、置換工法が最適という話だが、工区全体に対してこの軟弱地盤対策の範囲が非常に限定的だということを回答いただけるとわかりやすい。

(群馬県)
調査できない地質部分のリスクを考慮する必要はあるかもしれない。今後の参考にさせていただきたい。
軟弱地盤対策の工法については、今回対策箇所の軟弱地盤層が浅かったため、この工法を採用しており、引き続きその場所に応じた、最適な方法を検討して採用したい。

(議長)
それでは、第2号議案「西毛広域幹線道路 高崎工区」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第2号議案「西毛広域幹線道路 高崎工区」については、以上とする。

重点討議事業 県事業 第7号議案 都市計画道路 前橋長瀞線

【議案書により説明】

【質疑・応答】

(委員)
コストの増加率について、比較となる基準の年度が分からないのでお聞きしたい。

(群馬県)
前回再評価を令和元年度に実施しており、これを基準年として、普通作業員、鉄筋、コンクリートなどの主要な単価上昇率を算出している。

(委員)
労務単価や資材価格の上昇が増額の大きなウエイトを占めているが、埋蔵文化財や軟弱地盤対策を理由とした計画変更も非常に多くみられる。土中の調査が非常に難しいことは理解しているが、このような理由が多いと事前調査不足と捉えられかねない懸念もあるので、努力をお願いしたい。

(群馬県)
国土交通省の方でも、今年6月に開催された公共事業評価手法研究委員会において、当初事業費と実態の乖離が論点に上がっており、事業費の算定にあたって、今後予見される増額の可能性を明示することが求められている。今後は、事前評価時において、増額の可能性が高い埋蔵文化財調査費や軟弱地盤対策費の計上を検討するとともに、橋梁などの重要な構造物想定箇所における地質調査の実施等、精度を上げた事前調査の実施方法を検討していきたいと考えている。

(議長)
計画の段階で個人が所有する土地の中に立ち入って調査するのは難しいが、これが改善されてより精度の高い調査が可能になると良いと思う。

(委員)
断面図の方に見られる植栽のようなスペースは何か。また、事業に当たり配慮した事項として、景観の観点から標識の色を考慮したとあるが、植樹や植栽も景観面に寄与する効果が大きいと思われる。ぜひ景観面への配慮という形で事業効果をとらえて、植栽の維持管理をお願いしたい。

(群馬県)
委員からお話があった通り植樹帯を設けており、先行している道路工区では、地元代表者の区長等と相談の上、オオムラサキツツジを植えている。街路工区についても、地元の代表者から意見を伺って樹種を決定したいと考えており、植えた後の除草等の維持管理もしっかりと行いたい。
また景観については、基本的にグレーベージュで統一しているので、塗り替えの際も気をつけたいと考えている。

(委員)
植樹の維持管理について、街路樹がなくなると元に戻らないので、地元と相談しながら管理に十分注意していただきたいと思う。
前回も再評価を受けている案件であり、その時も事業費が増加している。理由は民地との高低差の調整や歩道の確保等で増額したという回答だったが、今回また増額するというのは、県民意識として納得しがたい。費用便益分析が1.0以上であれば事業を進めて良いという話ではないはずである。
また事業の必要性について、拠点同士の結びつきや、ほかの交通手段との関係性など、もう少しまちづくりに触れる形で、この道路の必要性を説明して欲しい。

(群馬県)
前回、令和元年度に再評価を行った際、交差道路や付加車線の追加、無電柱化推進計画と自転車活用推進計画に基づく電線共同溝と自転車道の追加、物価上昇と詳細な補償調査による増額を行っている。今回は令和元年度に工事着手してから、それまで予測できなかった施工方法の変更や埋蔵文化財調査範囲の拡大などが生じたものであり、やむを得ない必要な増額であると考えている。また4車線道路の整備は、慢性的な渋滞を解消するため、この周辺一体のまちづくりにも寄与するものと考えている。

(議長)
確かに大幅な増額になっている一方、事業効果をみるとやむを得ないと思われるが、いかがか。

(委員)
やむを得ないかどうかは分からないが、意見にとどめておく。

(委員)
都市計画とセットで説明というご意見が出たが、今回評価対象の沿道は比較的緩い用途地域になっており、道路整備で周辺が開発されて、想定している渋滞解消効果が出ない可能性もあると思われる。用途地域を管理する高崎市とは、開発を想定した事業効果について協議しているか。

(群馬県)
令和22年度の将来推計値でみると、現状の混雑度おおよそ1.36が、整備後には1.0を下回る予測となっている。周辺でどの程度開発されるのかというのもあるが、このような背景から渋滞解消の効果は期待できると考えている。

(議長)
自動車だけでなく、歩行者や自転車等の通行も多いようなので、その安全性を確保する効果も考慮すると、やはりこの整備は必要と判断できるのではないか。

(委員)
事業が必要ないとは思わないが、土地利用も考えないと、むやみに開発されて道路をつくる効果が薄れてしまうのではないか、ということを心配している。

(群馬県)
既存の公園や工業地域を除いて、基本的に沿道は住居系の用途地域になっており、商業開発や沿道開発ができないことになっている。準工業や商業系の用途地域に変更されないよう、しっかり調整していきたい。

(委員)
岩鼻は化学兵器の工場だった歴史があり、そういうものをまちづくりに生かして欲しいと思うのだが、遺跡調査で負の遺産みたいなものは出ていないか。

(群馬県)
埋蔵文化財調査の中では、縄文・古墳・平安時代の竪穴、中世・近世の溝や土坑などは確認されているが、負の遺産的なものというのは出ていない。

(委員)
化学兵器工場の歴史を伝える土地であり、それらをうまく使ったまちづくりとして、この土地らしい歴史を紡ぐような事業計画として欲しい。

(議長)
コメントを参考にして事業を進めていただければと思う。

(議長)
それでは、第7号議案「都市計画道路 前橋長瀞線」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第7号議案「都市計画道路 前橋長瀞線」については、以上とする。​

討議事業 県事業 第1号議案 国道122号 館林バイパス

【質疑・応答】

(群馬県)
委員から「資材のコストアップは理解できるが、労務単価1.4倍というのは、一般のモノづくり中小企業や、ほかの議案と比較しても高い」というご意見があった。
資材や労務単価の増加率は、事業着手時もしくは直近の事業評価時点を基準年として算出しており、国道122号館林バイパスについては平成27年度を基準としているため、ほかの事業よりも比較期間が長いことから、増加率が大きくなっている。

(群馬県)
委員から「期間延長はコスト削減の設計変更によるものか」というご質問があった。
都市計画変更に必要な公聴会の開催や都市計画審議会の付議などの不確実性が大きかったことから、事業完了を令和12年度以降としていたが、都市計画変更の手続きが完了し、事業工程の目途が立ったことから、事業完了を令和16年度としたものである。

(群馬県)
委員から「(1)住環境の変化を心配する声が多いのであれば、歩道を拡幅した方がよいのではないか、(2)主要渋滞箇所の対策とはどのようなものか、(3)もともと長期計画なのだから当初の計画通り進めればよいのではないか」というご質問があった。
(1)住民アンケート等により、できるだけ買収面積を減らして欲しい、道路による地域分断が心配、という声が出たことから、道路の幅員の縮小や、道路横断ボックスカルバートの位置を住民と協議するなどし、住民の懸念事項を改善した。
(2)主要渋滞箇所の対策については、本バイパスの整備、歩道整備、短期的なソフト対策や中長期対策の検討に取り組んでいる状況である。
(3)先の委員への回答のとおり、もともと事業工程の不確性が大きかったため、事業完了を令和12年度以降としていたが、今回、事業工程の目途が立ったことから、事業完了を令和16年度としたものである。

(議長)
それでは、第1号議案「国道122号 館林バイパス」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第1号議案「国道122号 館林バイパス」については、以上とする。

討議事業 県事業 第3号議案 西毛広域幹線道路 高崎安中工区

【質疑・応答】

(群馬県)
委員から「資材単価、労務単価の増加率について」ご意見があった。
この議案については、令和2年度を基準とした増加率を示している。

(群馬県)
委員から「令和3年度に工事着手したにも関わらず、計画延長の進捗率が0%なのは大丈夫か」というご質問があった。
計画延長の進捗率は、部分供用されている区間の割合を示すこととしており、この工区は部分供用がないため、進捗率が0%となっている。

(議長)
それでは、第3号議案「西毛広域幹線道路 高崎安中工区」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第3号議案「西毛広域幹線道路 高崎安中工区」については、以上とする。​

討議事業 県事業 第4号議案 西毛広域幹線道路 安中富岡工区

【質疑・応答】

(群馬県)
委員から「資材単価、労務単価の増加率がほかの事業と比較してわかりにくい」というご意見があった。
それぞれ事業着手時や前回の事業評価時を基準として増加率を表示しており、本議案は平成28年度を基準年として示していることから、令和2年度を基準とした事業と比較して増加率が大きくなっている。

(群馬県)
委員から「計画延長の進捗率0%で大丈夫か」とのご質問があった。
ほかの議案と同様、現時点で部分供用がないため、進捗率を0%としている。

(群馬県)
委員から「碓氷川橋の橋台付近は、既存の住宅地を分断するように道路が新設されるため、地域住民の動線ニーズを満足しているか」というご質問があった。
碓氷川左岸側の道路計画は、住宅地と本線の高低差を設けない計画として本線へのアクセス性を確保している。また碓氷川右岸側の本線は、住宅地より高い盛土構造となるため、アンケート調査等により住民ニーズを把握した上で、道路横断するためのボックスカルバートを計画し、地域住民の動線を確保している。また、既存市道から本線へアクセスできる構造としている。

(議長)
それでは、第4号議案「西毛広域幹線道路 安中富岡工区」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第4号議案「西毛広域幹線道路 安中富岡工区」については、以上とする。​

討議事業 県事業 第5号議案 主要地方同高崎神流秩父線 矢田工区

【質疑・応答】

(群馬県)
委員から「資材単価、労務単価の増加率」についてご質問があった。
本議案については、前回再評価を実施した令和2年度を基準とした増加率を示している。

(群馬県)
委員から「コストが上昇しているにも関わらずB/Cが増加しており、走行時間・経費の減少が理由とのことだが、計画の大幅変更があったのか」というご質問があった。
道路計画の大幅な変更は行っていない。前回まで令和12年度の将来交通量推計だったものについて、最新データに基づいて令和22年度の推計を行った結果、高崎市及び周辺の交通需要が増加していることにより、走行時間や走行速度が上がる交通量が多くなり、便益が増加したものと分析している。

(群馬県)
委員から「時間短縮便益が2倍になっている原因を示して欲しい」というご質問があった。
先ほどの回答と同様、最新の交通量推計データに基づいた分析を行ったところ、高崎市及び周辺の交通需要が増加していることにより、走行時間や走行速度が上がる交通量が多くなり、便益が増加したものと考えている。

(群馬県)
委員から「埋蔵文化財調査の増額幅がほかの事業に比べて大きいが、具体的にどういう内容か」というご質問があった。
遺構が出土することはわかっていたが、試掘調査を実施したところ、遺構が存在する層の厚さが当初の想定よりも大幅に厚いということが判明した。このため調査量が増加し、ほかの工区と比較して埋蔵文化財調査費の増額幅が大きくなっている。

(委員)
今回の工区は確かに渋滞しており、特に通勤時間帯と夕方はかなり混み合っているため、迂回することもある。多胡橋が広がると、おそらくかなり渋滞が緩和されるのではないかと今から楽しみにしている。ぜひ継続をお願いしたい。
事業期間が平成29年度からとなっているが、当時はまだ工事を実施していなかったのではないか。

(群馬県)
工事を始めるまでには、都市計画変更の手続き、用地買収、埋蔵文化財調査などが必要であり、平成29年度から事業には着手している。また、令和4年度から多胡橋の工事に着手しており、現在、岩崎交差点において非常に渋滞していることから、多胡橋の4車線化を優先整備箇所としており、早期完成を目指している。

(議長)
それでは、第5号議案「主要地方道高崎神流秩父線 矢田工区」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第5号議案「主要地方道高崎神流秩父線 矢田工区」については、以上とする。​

討議事業 県事業 第6号議案 都市計画道路 敷島公園大師線

【質疑・応答】

(群馬県)
委員から「コスト増加の関係」についてご質問があった。
平成26年度を基準年度として増加率を示しているが、資材単価の増加率として本議案がコンクリートを例示しているのに対し、第4号議案は鉄筋を例示していることから増加率が異なっている。

(群馬県)
委員から「通学路の整備も重要」というご意見があった。
委員ご指摘の通り、事業箇所は周辺の小中学校、高校の通学経路になっており、本事業は児童生徒のための、重要な安全対策と考えている。早期に効果が出るよう、歩道未整備区間の整備を優先的に完了してまいりたい。

(群馬県)
委員から「小中学校、高校の動線に配慮した横断歩道の設置や、自転車と横断者の動線が接触しないような配慮がされているか」というご質問があった。
横断歩道の配置については、近隣の学校の通学経路を考慮し、学校・警察・地元の方も含めた関係者と調整の上、決定している。また、自転車と横断者の動線が交差する箇所については、今後、警察と協議をして、歩行者・自転車の通行の安全を確保したいと考えている。

(議長)
それでは、第6号議案「都市計画道路 敷島公園大師線 2期工区」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第6号議案「都市計画道路 敷島公園大師線 2期工区」については、以上とする。

(議長)
議案については以上だが、各議案に共通する意見が残っているため、執行部より回答をお願いしたい。

(群馬県)
委員から「人件費その他経費アップが民間ではなかなか認められない状況を踏まえると、労務費の増加率が大きすぎるのではないか」というご意見があった。
公共事業については「公共工事の品質確保の促進に関する法律」や「群馬県財務規則」の中で、市場における労務及び資材の取引価格を的確に反映した上で積算することが定められている。
これに基づき、群馬県では近年の資材価格の急激な上昇に対応するため、2か月から3か月に1回程度、資材の市場価格を調査している。また労務単価については、国が毎年1回定期的に全国一斉調査を行い、各都道府県別の労務単価を決定しており、この労務単価に基づいて積算を行う流れとなっている。なお、公共事業はどうしても長期計画となるため、比較する期間の幅が長くなることで増加率が大きく見えがちだが、単年度の増加率で見れば5%程度に収まっている。
公共事業の品質や現場の労働環境を適正に確保する観点から、市場価格を適正に反映した積算を進めており、引き続き適切な工事に努めていきたいと考えている。

(委員)
今後、為替が円高に振れて資材単価が下がった場合、事業費の方にも反映されてくるという見方でよろしいか。

(群馬県)
資材によって敏感なものと鈍感なものがあるが、定期的に市場価格の調査を行っているので、市場価格が下がってくればその分の価格を反映することになっている。

(議長)
議案については以上となるが、ほかに何か意見はあるか。

(群馬県)
先ほどご意見いただいた第7号議案前橋長瀞線の開発の話について、改めて今の見解を述べたい。
将来交通量推計では、周辺の開発がわかっていれば、一定規模以上の開発を交通量の中に盛り込むことになっている。また本工区より南側が4車線から2車線になるためボトルネックとなるが、ここは次期・県土整備プランの中で着手予定の事業に位置づけている。
仮に予定外の開発が入ったとしても、中央分離帯が右左折の出入りに一定の制約をかけることや、交通量の発生が大きい場合には、開発事業者の方で一定の対応を行うことが開発許可の条件になるため、総合的に判断してこの路線は大丈夫と見立ている。

(議長)
これで議案討議を終了する。
今回の資料のうち委員名簿及び参考資料については、非公表とさせていただく。
そのほかに公表を差し控える資料はあるか。

【特になし】

(議長)
それでは、群馬県公共事業再評価委員会運営要領第5条に基づき、今回の委員会資料等の公表については、委員の意見を踏まえ事務局で判断いただければと思う。
以上で、「議事」は終了した。進行を、事務局に返す。

(事務局)
委員の皆様には、長時間にわたりご議論を頂きありがとうございました。
以上をもちまして閉会とします。


閉会(12時10分)