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令和6年度第2回群馬県自然環境保全審議会自然環境部会議事録

更新日:2025年2月20日 印刷ページ表示

1 開催日時

令和7年2月3日(月曜日)午後1時00分~午後3時25分

2 場所

県庁29階294会議室

3 出席者

委員8名(定足数7名)
事務局(県):自然環境課長ほか

4 会議

1 開会

2 あいさつ

3 議事

第1号議案:群馬県ニホンジカ適正管理計画(第二種特定鳥獣管理計画・第六期)の策定について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

【委員】
わなはどういったものを使用しているか。

【事務局】
くくりわなと箱罠の2種類を使用している。

【委員】
管理の目標のうち農林業被害額について、これは全国的な数字から設定したのか、群馬県のこれまでの被害額の推移をみて設定したのか。また、達成できそうな数字か。

【事務局】
全国的な数字からの設定ではなく、群馬県の被害状況等を勘案して設定した数字となっている。前期計画では目標達成できなかったが、決して達成できない数字ではないと考えている。

【委員】
管理の目標に記載されている「自然生態系への影響の低減」は、具体的にどのようなことか。

【事務局】
希少種の保護を主な目的として記載している。局所的な対策だけではなく、全体的な生息頭数の減少により取り組んでいく。

【委員】
山林内などに保護区域などをつくって、食害や盗掘から物理的に保護するということか。例えば、国立公園内であれば、柵などにより植物を保護しているところがある。

【事務局】
尾瀬であれば、環境省や市町村と一緒に植生保護に取組んでおり、そういったところは柵設置などによる物理的な保護を行っている。全てのエリアを物理的に保護することは難しいが、エリアを絞った取組は行っている。

【委員】
シカが下草を食いつくすと、鳥類や昆虫類の生息域にも影響があり、そういった点でも生態系への影響があるといえる。

【委員】
半減目標が困難であると記載があるが、この状況を先送りすればますます達成が困難になると思うがいかが。

【事務局】
委員ご指摘のとおり。

【委員】
草津など北西方面から入ってくる個体群があると聞いているが、この計画には含まれないのか。

【事務局】
本計画内では、関東山地地域個体群に含んでいる。

【委員】
狩猟者不足の原因は何か。また、何が捕獲の障害となっているのか。

【委員】
有害・許可・狩猟捕獲の主力は罠。罠は1日1回の見回りが義務づけられており、それが負担になっている。また、罠にかかっていれば処理も必要となる。そのため、罠の資格をとっても農業者や自営業者でないと取組みづらい。シカは季節移動するので、季節に応じて集中して獲らないと個体数を減らすのは難しい。

【委員】
シカの移動ルートは特定できているので、移動時期を利用して、柵設置などにより移動ルートを限定させて捕獲するような手法はとれないのか。

【委員】
嬬恋村でそのような取組を行っている。浅間山の麓から草津へ抜けるルートに高さ2メートル以上ある網を張ったが、沢や道路があり張り切れないというのが現状。他にも長野県と連携した取組もある。

【事務局】
シカにGPSを付け、移動ルートを把握したうえで、群馬県側では主に夏に嬬恋村で捕獲をしている。冬になるとシカが長野県側に移動するので、長野県は主に冬に捕獲している。

【事務局】
尾瀬の事例も同じ。GPSを付け、ルートを把握して捕獲している。

【委員】
隣接県との協力体制はどのようになっているか。

【事務局】
関東山地ニホンジカ広域協議会というものがあり、埼玉県や東京都、長野県、山梨県と連携し、情報交換等行っている。

【事務局】
尾瀬でも広域協議会で連携して取組んでいる。

【委員】
個体群管理するうえでは、個体群の中でどれくらい捕獲したかを把握しておく必要があると考えるが、いかがか。

【事務局】
最終的には地域個体群で対策をとっていく必要があるが、現状では県内の被害が大きいため、まずは県内の捕獲数を増やす努力をしていきたい。

【委員】
どれくらいの数のシカにGPSを付けているのか、また、GPSデータから見えてくる個体群の移動状況が計画に盛り込まれていると、より科学的になる。今後の課題として検討してもらいたい。

【事務局】
地域別の取組になるので計画本体にそのような資料は掲載していないが、今後の参考とさせていただきたい。

【委員】
罠にかかったシカを食べるクマが見つかったという報道があった。そうしたクマが定着する可能性はあるのか。

【委員】
クマがシカを食べるというのは以前から報告がある。他の獣類もシカを食べる。

【委員】
こうした状況が進むと、ますます人への影響が出てくると考えられる。

【委員】
狩猟期間を定めずに、年間を通して捕獲することが捕獲頭数の増加に有効だと考える。​

第2号議案:群馬県イノシシ適正管理計画(第二種特定鳥獣管理計画・第四期)の策定について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

【委員】
イノシシは豚熱発生後、頭数が減った。また、イノシシは罠で捕獲しやすい。

【委員】
ワクチン散布による個体数への影響はあるか。

【委員】
あまりないと考える。狩猟によって頭数は確実に減っている。

【委員】
センサーカメラに映ったイノシシを見ると、ブタのようなイノシシが映っていることがある。これはどういった個体なのか。

【委員】
交配しているとは思えないが、実際に捕獲したイノシシの中に、白いツメを持つイノシシを見たことがある。

【委員】
豚熱に関連して、山林内で発見されたイノシシの死体通報システムは確立されているのか。豚熱による死亡個体数やその回収数は把握しているのか。

【事務局】
豚熱にかかっているかどうかは、有害・許可捕獲で獲った個体の中から調査している。山林内で発見された死亡個体の調査は行っていない。

【委員】
狩猟者への捕獲による補助金や奨励金の制度はあるのか。

【委員】
県下一律ではないが、市町村が捕獲奨励金という制度を設けている。許可捕獲はもちろん、狩猟期間中に捕獲した場合に奨励金が出る場合もある。狩猟者にとって、これは励みのひとつになっている。

【委員】
個体よっては放射線量が高いため、ジビエへの活用に制限があると思うが、今後の見通しはどうか。

【事務局】
モニタリング調査と一部解除制度というものがある。出荷制限の一部解除として、高崎市とみどり市で捕獲したシカを全頭検査し、指定の加工業者から流通できるようになっている。

【事務局】
令和6年度の12月までの出荷制限の一部解除に基づく高崎市とみどり市で捕獲されたシカの全頭検査では、放射線量が基準超過したものは200頭のうち8頭。令和5年度のモニタリング検査では、シカは48頭中2頭、イノシシは26頭中4頭、クマは52頭中10頭が基準超過であった。基準値超過が検出される状況で、厳しい状況である。

【委員】
近隣県の対応はどうか。

【事務局】
一部解除制度に基づき、全頭検査するのが基本。出荷制限となっている県は、全ての県が一部解除で対応している。

第3号議案:群馬県ツキノワグマ適正管理計画(第二種特定鳥獣管理計画・第三期)の一部改定について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

【委員】
クマの活動域に変化はあるのか。

【事務局】
令和6年度に全県下で50地点ほどカメラを設置し、クマの生息動向の調査を行っている。現在、集計中であり、今後とりまとめたいと考えている。

【委員】
緩衝地帯の規模はどれくらいを考えているか。

【事務局】
今後、ゾーニング管理を進めていく。これは、人間の生活圏に入ってきたクマについては排除し、本来クマの生息地である場所はクマの生息地として管理するというもの。これから国がクマの管理に関する指針を発表するので、県内の生息状況調査等の結果をもとに、その中間となる緩衝地帯がどれくらい必要なのか、検討を進める。

【委員】
センサーカメラに寄ってくるクマもいて、人を恐れないクマが増えていると感じている。また、県外からクマが移動してくる可能性もあるため、広域で対策を検討すべき。

【事務局】
国からも個体群ごとの広域管理を求められている。しかし、まずは、個々の都道府県計画を調整しながら、進めていきたい。

【委員】
第7号議案資料で利害関係人からクマに関する意見が出ているが、この方たちの意見が反映された計画となっているのか。

【事務局】
当該地域であるみどり市では、全県の適正管理計画に基づく「地域計画」を策定している。

第4号議案:神津東部狩猟鳥獣捕獲禁止区域(ニホンジカ及びイノシシ以外)の期間延長について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

【委員】
第4~10号議案全ての地区、特に第8号議案の地区ではサルの農業被害が大きいとして、害獣駆除が行われていたことがあるが、現在は問題になるほどではないのか。

【委員】
下仁田町では一日中サルの巡回監視を行っている。数は以前よりも減少しているようである。もしくは他地域へ移動したか。

【委員】
倉渕の山の方にはまだいる。

【事務局】
下仁田や富岡地域では、年間20頭ほど捕獲されている。サルは捕獲を行うと群れが分散してしまうため、捕獲よりは追い払いを行い、群れを管理していくということが基本的な考え方である。

第5号議案:高山狩猟鳥獣捕獲禁止区域(ニホンジカ及びイノシシ以外)の期間延長について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

【委員】
利害関係者からゴルフ場跡地の現地調査や下草刈りの意見が挙がっているが、当該場所は実際にゴルフ場として利用されておらず、太陽光発電の予定地なのか。下草刈り等の対応は難しいのか。

【事務局】
当該土地について、ゴルフ場として利用されていないが、太陽光発電用の予定地であるかどうかは把握していない。民地であるため、県として下草刈り等を行うことは難しい。現状や意見については、高山村役場にも情報共有したところである。

第6号議案:川場狩猟鳥獣捕獲禁止区域(ニホンジカ及びイノシシ以外)の期間延長について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

【委員】
当該区域では、狩猟鳥獣を捕獲できるのか。

【事務局】
鳥獣保護区を緩和し、ニホンジカ及びイノシシを捕獲可能とした区域であるため、ニホンジカ及びイノシシを除く狩猟鳥獣は捕獲できない。

【委員】
ハクビシン等被害を及ぼす鳥獣を保護してしまうと、かえって生態系を乱してしまうのではないか。

【事務局】
当該区域では、狩猟による捕獲はできないが、許可による捕獲であれば可能である。

第7号議案:袈裟丸山狩猟鳥獣捕獲禁止区域(ニホンジカ及びイノシシ以外)の期間延長について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

【委員】
当該区域では、第6号議案で話が出たように、ツキノワグマの許可捕獲を行っているのか。

【事務局】
当該区域内でも許可を出し、地域計画に基づき年間10頭、捕獲を行っている。

【委員】
鳥獣保護区の設定当初は、クマタカ等の希少種を保護する目的があったかもしれないが、ニホンジカやイノシシの増加により、なし崩し的に制度が改正されてきた。その時々の政策で完結させようとすると、広い意味での生態系や自然保護の一貫性というところで疑問を抱く。

【委員】
本議案について、異議なしということでよいか。異議はないが、条件を付し、知事に対して答申することもできる。

【委員】
本議案は区域の期間延長であるため、意見にある被害の補償要望等については別の問題であると考える。

【委員】
異議なしであるが、住民や利害関係者からツキノワグマに関する意見があるため、引き続き検討いただきたい。

第8号議案:妙義狩猟鳥獣捕獲禁止区域(ニホンジカ及びイノシシ以外)(銃猟(止め刺しを除く))の期間延長について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

【委員】
指定計画書の植物相の概要中に、「ヒメコマツ」と「ゴヨウマツ」の記載があるが、これらは同一の植物であるため、どちらかに表現を統一した方が良い。また、「ミツバツツジ」と記載されているが、多くは「トウゴクミツバツツジ」である。

【事務局】
修正したい。

【委員】
鳥獣保護区の設定当初当はイヌワシを保護する目的もあったと考えられる。現在は巣や生息環境は残っているが、餌が不足しているため、姿は見られない。

【委員】
イヌワシの状況について、事務局では把握しているか。

【事務局】
近年、当係ではイヌワシの調査は行っていないため、把握していない。

第9号議案:叶山三津川地区狩猟鳥獣捕獲禁止区域(ニホンジカ及びイノシシ以外)の期間延長について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

なし

第10号議案:叶山三津川地区狩猟鳥獣捕獲禁止区域(ニホンジカ及びイノシシ以外)の期間延長について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

【委員】
第9号議案の地区もそうであるが、本議案の栃の木沢ではニホンジカの数が群を抜いて多い。希少種も多かったが、絶滅寸前。シニホンジカを積極的に捕獲してもらいたい地区である。

【委員】
鳥獣保護区全般的に言えることであるが、国有林が多くある。国有林では狩猟による捕獲を行うことはできるが、許可による捕獲を行うことができない。国有林で許可捕獲が行えるようになれば、捕獲率が上がると考える。

【事務局】
第9号及び10号議案の地区において、ニホンジカが特に多いことは当局も認識している。農政部の方で、農林水産省の補助金により新しい捕獲事業ができないか検討を始めているところである。

【委員】
異議なしであるが、ニホンジカが非常に多い状態であるので、引き続き対応いただきたい。

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