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坂東工業団地周辺の地下水流動状況調査結果

更新日:2020年4月1日 印刷ページ表示

1 目的

 坂東工業団地(渋川市北橘町)周辺においては、昭和30年代のカーバイド滓の埋設による土壌汚染によって、地下水汚染(テトラクロロエチレン汚染)が顕在化しています。
 そのため、土壌汚染対策法の適用要件である、「同団地の南にある前橋市内の水道水源が、当該地下水汚染の影響を受ける範囲内にある」か否か、を工学的に検証することを目的に、この地区の地下水流動状況調査を実施しました。

2 調査内容

 昨年度(平成19年12月から20年3月)に、群馬県消防学校内の1地点で、調査ボーリング(深度60メートル)を行い、地層・地質調査、透水(湧水圧)試験、水質調査を実施しました。
 また、これらの結果と、周辺井戸の水質・水位調査結果、地層・地質の状況等から地下水汚染の拡大範囲を解析しました。

3 調査結果の概要

(1)坂東工業団地周辺においてカーバイド滓の埋設地以外の特定の汚染源はない。
(2)カーバイド滓の推定埋設場所の下流の既存井戸・水源井戸においてのみ地下水汚染が認められる。
(3)坂東工業団地から水道水源(取水位置)までは同一帯水層であり(地下水脈の連続性)、旧河道の存在により地層の透水性は高い。
(4)地下水は北から南に流れており、推定流速は年60メートルである。
(5)調査ボーリング地点の深度別の水質分析において、テトラクロロエチレンが検出された位置は、深度20メートル及び30メートルで、水道水源の取水位置と概ね一致している。
 (1)~(5)の結果から、前橋市内の水道水源は、坂東工業団地内の土壌汚染による地下水汚染の影響を受ける範囲内にあると考えられます。

模式図画像

※前橋市では、田口浄水場に平成元年に設置した除去装置で、汚染物質を完全に除去し、水質基準(テトラクロロエチレンは0.01ミリグラム毎リットル)の10分の1以下を堅持した安全な飲料水を供給しています。

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