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令和7年度病害虫発生予察情報 第1号(4月予報)
令和7年度 病害虫発生予察情報第1号(4月予報) (PDF:281KB)
予報の概要
| 作物名 | 病害虫名 | 対象地域名 | 発生時期 | 発生量 | 
|---|---|---|---|---|
| 作物全般 | アブラムシ類 | 平坦地栽培地帯全域 | 並 | 並 | 
| イネ | 縞葉枯病 | 感受性品種栽培地帯 | 並 | 並 | 
| ムギ類 | 赤かび病 | 栽培地帯全域 | やや早い | やや多い | 
| うどんこ病 | 栽培地帯全域 | 
 | 並 | |
| ナシ | 赤星病 | 栽培地帯全域 | 並 | 並 | 
| ウメ | かいよう病 | 栽培地帯全域 | 並 | 並 | 
| 黒星病 | 栽培地帯全域 | 並 | 並 | |
| 施設果菜類 | 灰色かび病 | 施設栽培地帯全域 | 
 | 並 | 
| コナジラミ類 | 施設栽培地帯全域 | 
 | 並 | |
| キュウリ | 褐斑病 | 施設栽培地帯全域 | 
 | 並 | 
| べと病 | 施設栽培地帯全域 | 
 | 並 | |
| うどんこ病 | 施設栽培地帯全域 | 
 | 並 | |
| イチゴ | アザミウマ類 | 施設栽培地帯全域 | 
 | やや多い | 
| ハダニ類 | 施設栽培地帯全域 | 
 | 並 | |
| ナス | ハダニ類 | 施設栽培地帯全域 | 
 | 並 | 
| 夏秋キャベツ | コナガ | 高冷地栽培地帯 | 並 | 並 | 
(発生時期の空欄は連続発生)
主な病害虫の発生予報
1)作物全般
| 発生地域 | 発生時期 | 発生量 | 
|---|---|---|
| 栽培地帯全域 | 並 | 並 | 
1 予報の根拠
- 伊勢崎市の黄色水盤への有翅アブラムシの飛来数は3月下旬に急増し、平年よりやや早い時期から多くなったが、他の2地点のトラップの誘殺数の増加は、平年並の時期に始まった。
- 今後1ヶ月の気象予報(4月3日発表)によると、平年と同様に晴れの日が多く、平均気温は高い確率50%、降水量は平年並の確率40%、日照時間は平年並の確率40%である。
2 防除上注意すべき事項
- トラップへの誘殺数が増加すると、吸汁による被害のほか、有翅アブラムシが媒介する各種のウイルス病の発生が懸念されるので注意する。
- 伊勢崎市の事例のように、平年より早い時期から増加し、作物へ飛来する可能性があるので、早い時期からほ場の観察、見回りと防除の準備を行う。
- 防虫ネットや寒冷紗被覆により有翅アブラムシの侵入を防止するとともに、必要に応じて早期に薬剤による防除を行う。
- ほ場および周辺の雑草は除去する。
2)イネ
| 発生地域 | 発生時期 | 発生量 | 
|---|---|---|
| 感受性品種栽培地帯 | 並 | 並 | 
1 予報の根拠
- 令和7年3月に行った県内16地点のヒメトビンカのイネ縞葉枯ウイルス保毒虫率(ヒメトビウンカがウイルスを持っている割合、以下「保毒虫率」)の県平均は2.4%で、平年の3.3%より低かった。
- 保毒虫率が2.0%であった昨年のイネ縞葉枯病の発生は平年並で、被害の情報は無かった。
2 防除上注意すべき事項
- イネ縞葉枯病抵抗性品種(「あさひの夢」、「ゆめまつり」、「いなほっこり、「にじのきらめき」など)の作付を行う。
- イネ苗へのヒメトビウンカの飛び込みを防止するため、イネ科雑草が繁茂した場所やムギ類作付ほ場付近での育苗を避ける。
- 保毒虫率が高い地点、ヒメトビウンカの発生量が多い地点では、ヒメトビウンカ(ウンカ類)に効果のある箱施用剤の使用や、本田防除を行う。なおこれらの防除は、地域一体となって広域的に行うと効果が高い。
- 県内では成分フィプロニルに対する薬剤感受性が低下したヒメトビウンカが確認されている点に留意する。(フィプロニルを含む育苗箱施用の例:プリンス粒剤、ギャング粒剤など)
- 越冬量については、5月4半旬のすくい取り調査結果を発表するので、この情報に注意する。
3)ムギ類
| 発生地域 | 発生時期 | 発生量 | 
|---|---|---|
| 栽培地帯全域 | やや早い | やや多い | 
1 予報の根拠
- 今後1ヶ月の気象予報(4月3日発表)によると、平年と同様に晴れの日が多く、平均気温は高い確率50%、降水量は平年並の確率40%、日照時間は平年並の確率40%である。
- 今後の気温が高く推移すると予報されており、出穂期がやや早まり、それに伴い発病時期が早まること、発生量が多くなることが予測される。
2 防除上注意すべき事項
- 1回目と2回目の防除を必ず行う。
- 1回目の防除適期は次のとおりである。
- コムギ:開花始期~開花期(出穂7~10日後頃)
- 二条オオムギ:穂揃い期の10日後頃(葯殻抽出始め、出穂12~14日後頃)
- 六条オオムギ:開花始期~開花期(出穂3~5日後頃)
 
- 2回目の防除適期は次のとおりである。
- 1回目の防除から10日後頃
 
- 本年は特に、は種時期の遅速によって生育差が大きくなっている(注)ので、ほ場ごとによく観察し、適期に防除する。
- 次の基準を超えるものは流通できなくなるので防除を徹底する。
- 食用麦では、赤かび被害粒混入割合基準(0.0%=10,000粒に5粒未満)を超えるもの。
- 小麦では、デオキシニレバノール(DON)濃度が1ミリグラム/キログラムを超えるもの。
 
(注)令和7年産小麦の作況と麦類の当面の技術対策(令和7年3月20日現在 群馬県米麦畜産課発表)
4)イチゴ
| 発生地域 | 発生時期 | 発生量 | 
|---|---|---|
| 施設栽培地帯全域 | 
 | やや多い | 
1 予報の根拠
- 現在までの発生量は平年並であるが、一部でやや多い。
- 今後1ヶ月の気象予報(4月3日発表)によると、平年と同様に晴れの日が多く、平均気温は高い確率50%、降水量は平年並の確率40%、日照時間は平年並の確率40%である。
2 防除上注意すべき事項
- 花への寄生が確認されているため注意する。
- 気温の上昇とともに発生量が多くなるため、ほ場をよく観察し、発生を認めた場合は早期防除に努める。
- 薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統薬剤の連続散布を避ける。
- 薬剤防除にあたっては、アザミウマ類の種類によって薬剤抵抗性が異なるので、発生している種に効果がある薬剤を用いて防除する。
- また、天敵や訪花昆虫(ミツバチ等)への影響を考慮し、薬剤を選定する。
- 主に花の内部に寄生するため、薬剤散布は丁寧に行う。
- 多くの植物に寄生するため、ほ場及び周辺の雑草は除去する。
その他の病害虫の発生予報
| 作物名 | 病害虫名 | 発生時期 | 発生量 | 特記事項 | 
|---|---|---|---|---|
| ムギ類 | う ど ん こ 病 | 
 
 
 | 並 | 現在までの発生量は平年並。風通しや日当たりの悪い場所、厚播きや窒素質肥料の多施用、追肥の遅れなどにより軟弱過繁茂したところでは発生量が多くなるので注意する。 | 
| ナシ | 赤星病 
 | 並 | 並 | 現在までのビャクシン上の冬胞子堆の成熟は平年並。胞子の飛散時期と予想される4月中下旬に降水量が多くなると感染しやすいので注意する。 | 
| ウメ | かいよう病 | 並 | 並 | 現在までの発生量は平年並。 | 
| 黒星病 | 並 | 並 | 現在までの発生量は平年並。 | |
| 施設果菜類 
 | 
 灰色かび病 
 | 
 
 | 
 並 | 現在までの発生量は一部でやや多いが平年並。発病葉や発病花、発病果は伝染源となるため速やかに取り除き、施設外に持ち出して適切に処分する。 | 
| 
 コナジラミ類 
 | 
 
 | 
 並 | 現在までの発生量は平年並。多発後は防除が困難になるので、早期防除を心がける。 | |
| キュウリ | 褐斑病 | 
 | 並 | 現在までの発生量は平年並。 | 
| ベと病 | 
 
 | 
 並 | 現在までの発生量は平年並。肥料切れや草勢の衰えにより発生量が多くなるため、適正な肥培管理を行う。 | |
| うどんこ病 | 
 
 | 
 並 | 現在までの発生量は平年並。多発後は防除が困難になるので、早期防除を心がける。 | |
| イチゴ | ハダニ類 | 
 
 | 並 | 現在までの発生量は平年並。多発後は防除が困難になるので、早期防除を心がける。 | 
| ナス | ハダニ類 | 
 | 並 | 現在までの発生量は平年並。 | 
| 夏秋キャベツ | コナガ | 並 | 並 | 現在までの育苗ほにおけるトラップ誘殺数は平年並。苗のトンネル被覆を剥がすこの時期は、苗に産卵されることでコナガを本ぽへ持ち込むことが懸念される。コナガの寄生が心配される場合には、育苗ほで防除後、採苗する。 | 








