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令和7年3月17日 実地調査議事概要
1 概要
健康福祉部指定管理者評価委員会により、施設の実地調査及び指定管理者等からのヒアリングを実施した。
2 日時
令和7年3月17日(月曜日)午後2時00分から4時45分
3 場所
群馬県聴覚障害者コミュニケーションプラザ
県立点字図書館
群馬県福祉マンパワーセンター
4 出席委員
新木委員長、大谷委員、眞下委員、松岡委員、茂木委員、岩瀬委員(聴覚障害者コミュニケーションプラザのみ)、阿部委員(点字図書館のみ)、島田委員(福祉マンパワーセンターのみ)
5 議事
(1)群馬県聴覚障害者コミュニケーションプラザ
主な質疑等
(サービスの提供内容)
【質問】利用者満足度調査において、回答者の年代が若いことも影響しているのか、コミプラを「使用したことがある」と答えた人のうち、90%もの人が「生活相談をしたことがない」と回答しているが、どのように受け止めているか。今後のことを考えると、若いうちからつながっておいてもらう必要もあると思うがどうか。
【回答】今年度、新しいリーフレットを作成するなど、より多くの相談を受けられるよう広報を頑張っているが、今回の回答者の年代は若い人が多かったので、ご自分で対応できている人が多かったのかもしれない。また、若いうちからコミプラの存在を知ってもらうために、ろう学校の3年生には、卒業前に来てもらい、どんな施設かを案内しているところ。
【要望】卒業後のフォローができるよう、お願いしたい。
【質問】今年度、特に力を入れているものが何かあれば教えていただきたい。
【回答】PRや広報の関係に力を入れている。市町村とも連携し、露出を高められるようにしていきたい。
【要望】市町村の広報誌などを使えるとさらに良いと思う。引き続きよろしくお願いしたい。
【質問】今年度からの創意工夫として、NPO法人と連携した移動ライブラリーを実施とあるが、反響はどのようか。
【回答】まだ2回実施したばかりなので、これからというところもあるが、放課後等デイサービスであり賑わいがある。資料としては24本の貸し出しがあった。
【質問】機材を更新した例はあるか。
【回答】県の備品でもあるので、所管課とも相談しながら、計画的に対応している。近年では、映像に字幕を入れるソフトや、動作撮影のための機材など、相談しながら対応している。
【要望】情報伝達の手段は新しいものがどんどん出ているのではないかと思う。利用者にとっても施設側にとっても利便性が向上することもあると思うので、引き続きよく連携して対応してもらいたい。
【質問】手話通訳者の養成状況はどうか。
【回答】手話通訳者はまだまだ不足していると認識である。そこで本年度は、講師の高齢化や担い手不足に対応するための自主事業として、「手話通訳者を目指す人の自主学習教材作成事業」というものを開始した。試験合格者の増加へ向けて、引き続き取り組んでいきたい。
【質問】5年後に、障害者のスポーツ大会が群馬県で開催されると思うが、この機会をどのように捉えているか。
【回答】2029年に群馬県で国スポ・全スポがあり、機運醸成という意味ではチャンスと思っている。今年のデフリンピックを契機に手話に興味を持ってもらえるよう、取り組んでいきたい。
【要望】手話ができる人=かっこいい、という認識になるとよい。是非、いい機会にしていただきたい。
【質問】機関誌の発行頻度が以前よりも減っているように思うが、改善できないか。
【回答】広報誌のあり方については、御指摘も踏まえてよく検討していきたい。
【質問】土曜開館の効果はどのようか。
【回答】令和6年度は、20回開館し、44人の来館があった。今後については、効果をよく分析し、対応していきたい。
(防災対策及び緊急時の対応)
【質問】防災・安全対策はどうか。
【回答】社会福祉総合センターで火災が起きた時は、非常用のライトから光がでるようになっており、耳が聞こえなくてもわかるようになっている。また、避難時には、トイレの個室や会議室は目視で確認することになっている。
【意見】実際の災害では、例えば風向き一つで、どこへ避難すべきかが変わってくる。聴覚障害者を誘導することになるので、日頃からできる限り具体的に定めておけるとよいと思う。
【質問】災害時、要配慮者の個別避難計画を策定することが義務化された。コミプラとして、何か市町村の取組を支援しているなどの取組はあるか。
【回答】基本的には各市町村での対応となるため、個別には把握していないが、対象者の個人情報の扱いといった観点もあり、一足飛びには進んでいないのではないかと感じている。
(利用者対応)
【所感】満足度調査において、「見たいDVDを借りられた」と答えた人が多かったのは良かったと思う。
【要望】聴覚障害者は、人の表情をよく見るので、スタッフの来客対応に当たっては、表情の明るさにも留意いただきたい。
【要望】利用者満足度調査において、コミプラを「使用したことがない」と答えた人のうち、40%近い人が「今後コミプラを利用したいと思わない」と回答しているが、少し寂しい気もする。引き続き、広報等の努力をお願いしたい。
(その他)
【報告】昨年度の指摘事項を踏まえ、来館者を知らせるためのフラッシュライトを導入した。
(2)県立点字図書館
主な質疑等
(サービスの提供内容)
【質問】広報に公式LINEを活用しているとのことだが、現在の登録者数と、情報発信の頻度はどうか。
【回答】現時点で106人の方に登録いただいている。更新頻度としては、隔月で図書館だよりを発行しているほか、体験会やイベントなどの行事を、その開催のタイミングにあわせて情報発信している。メニューを6つに分けているので、情報の体系化はなされており、後からでも見やすくなっていると思う。
【質問】LINEの周知はどのように行っているか。HPでも周知しているか。
【回答】HPにバナーを出すなどして、PRしている。また、LINEを登録するための、スマートフォンの操作研修会なども行った。
【意見】高齢者のデジタル機器の利活用についてフォローが大切である。
【回答】今まで、普及率の観点からiPhoneだけを対象に教室をやっていたが、メーカーや機種によっては、より視覚障害者への対応が進んでいることがわかり、使いやすさの点で可能性を感じているところだ。
【質問】点訳、音訳それぞれで、奉仕員の人数はどれくらいか。
【回答】いずれも70人くらいである。高齢化に伴い、減っており、また1人当たりの活動時間も短くなっている状況。新規奉仕員も減っており、課題に感じている。
【質問】点字図書館としてのニーズには足りているのか。
【回答】当館運営上では、大きく不足している状況ではないが、余裕がある状況でもない。ボランティアの方には負荷がかかってしまっているものと認識している。
【質問】今後、現在の利用者が高齢化していく。また、中途で視覚障害になる方もいるだろうから、白杖に関する情報など、点字がわからない人のための情報発信も必要と思うが、どうか。
【回答】中途でなる方の場合、障害者手帳を取得するまでの間に様々な困りごとがあると伺っている。なるべく早くつながれるよう、取り組んでいきたい。
(サービス向上のための取組)
【意見】渋川市、前橋市、邑楽町の公共図書館で、点字図書館の紹介展示ができたことはとても良かったと思う。手応えはどうか。
【回答】以前からやりたかった事業なので、実施できてよかった。点字に興味を持っている人もいるかもしれないので、いろいろなルートで働きかけ、広がっていけばいいなと思っている。
【要望】各公共図書館も、企画展示のテーマ探しに迷っている部分もあったりするのではないかと思う。小さなところからでいいと思うので、引き続き取り組んでいただきたい。
【質問】ICTの活用などはほかに何か考えられるか。YouTube動画などはどうか。
【回答】県外の大規模な点字図書館では、機器の操作方法に関する動画などをYouTubeにアップしている事例があるとは承知している。動画作成のノウハウも必要になるので現状での対応は難しいが、アイデアとしては頭に置いておきたい。
(その他)
【所感】この一年間、様々に工夫をして取り組んでいただいたと思う。
【所感】眼科医会との連携はとても良い取組だと思う。
【要望】音声解説付きの映画が好きでとても楽しみにしているのだが、年度末の短い期間に様々な行事が集中してしまうと、都合を付ける方も大変になってしまう。開催時期を分散してもらいたい。
(3)群馬県福祉マンパワーセンター
主な質疑等
(サービスの提供内容)
【質問】来所者数が大幅に減少しているが、どのように受け止めているか。また、取組内容として挙げられている「丁寧な対応」や「窓口アンケート」は、具体的にどのようなものか。
【回答】来所者が減っているのは現場でも感じているが、一人一人に丁寧に対応しているところである。例えば、「現在、別の業種の仕事をしているが、研修が少なそうで不安だ」といった声をいただいた事例では、センターで実施している研修を詳しく案内したり、不安の内容をさらに細かく掘り下げたりして対応したところ。施設側としても、転職希望者が何を不安に感じているがわかっていないことも多いので、良い転職につながるよう相談に応じているところである。
【質問】Instagramの活用とあるが、具体的な内容はどうか。また、利用者に対する普及の状況はどうか。
【回答】相談会の広報等に活用している。また、実際に「インスタを見て来た」という方が毎回一定数いるので、効果はあるのだと感じている。
【質問】ハローワークとの連携状況はどうか。
【回答】月に数回、出張相談という形で出向き、ハローワークと連携して求職者からの相談に応じている。
【質問】センターの設備として、不足しているものはあるか。
【回答】あえて言えば研修会場ということになるが、コロナ後はオンラインの併用も進んでおり、集合研修自体が減っている状況もある。もっとも、初任者の研修は集合の需要も高いので、社会福祉総合センターの6階研修室や、市町村会館を使ったりしている状況であり、直ちに不足しているという状況にはない。
【質問】ぐんま保育士就職支援センターとの間で、役割分担や連携はしているか。
【回答】保育センターとは同じ部屋で一緒に相談を受けることもある。研修の受講生に案内をするなど、さらに連携を図っていきたい。
【質問】就職した後、離職してしまった人のフォローは何かしているか。
【回答】データとして把握している状況にはない。
【質問】オンライン見学会は、希望すればどのような施設でもHPに載せてもらえるような仕組みになっているのか。それとも、何か基準を設けて線引きをしているのか。
【回答】基準を設けているわけではなく、希望があった場合に個別に対応しているところである。あとは、求職者のニーズに応じて対応したり、センター側からの提案した企画に応じてもらったりである。
【質問】オンライン見学にこだわらずとも、あらかじめ撮影した動画で案内することは選択肢として考えられないのか。
【回答】全施設の紹介動画を網羅的に用意するなどの対応は考えていない。求職者のニーズに沿って、柔軟に対応していきたい。
【質問】現地見学はどのようか。
【回答】それなりの頻度で実施しており、センターとしても、やはり一度は現場を見てもらいたい思いがある。求職者と施設をうまくマッチングできるよう、随時、個別に対応しているところである。
【要望】やはり、人によって合う・合わないがあるので、現場を見てもらうことは大事だと考える。引き続きよろしくお願いしたい。
(サービス向上のための取組)
【所感・要望】昨年度コメントさせていただいた、SNSでの広報について、早速ご対応いただき感謝申し上げる。求職については入りやすさ、とっつきやすさが大事だと思うので、30代に届くような形で今後ともお願いしたい。こうした取組が実績にどのように結びついてくるのか、今後分析等もしていただき、来年度以降の取組に活かしていただきたい。
【所感】今、福祉業界では人の取り合いといった構図が生じている。養成校の生徒数自体も減少しており、閉校に至るところもある。福祉という業種の魅力をどう見せて、どうPRしていくか、よく考えなければいけないと思う。職場の雰囲気なども伝えられればよい。
【所感】福祉業界から離職する人の理由で一番多いのは、どの業界も同じかもしれないが、やはり「職場環境」とか「人間関係」だと思う。業界全体があり方を問われているものと思う。研修一つにしても、誰を対象にどのような目的で行うのか、突き詰めて考える必要がある。