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令和7年度 病害虫発生予察情報 第4号(7月予報)

更新日:2025年7月8日 印刷ページ表示

令和7年度 病害虫発生予察情報 第4号(7月予報) (PDF:218KB)

予報の概要

予報の概要の一覧

作物名

病害虫名

対象地域名

発生時期

発生量

イネ

葉いもち

早期栽培地域

 

早植栽培地域

普通期栽培地域

紋枯病

早期・早植栽培地域

やや多い

縞葉枯病

感受性品種栽培地域

 

イチモンジセセリ第2世代幼虫(イネツトムシ)

栽培地帯全域

 

ツマグロヨコバイ

栽培地帯全域

 

フタオビコヤガ(イネアオムシ)

栽培地帯全域

 

ごま葉枯病

栽培地帯全域

 

白葉枯病

栽培地帯全域

 

果樹全般

果樹カメムシ類

(チャバネアオカメムシ)

栽培地域全域

 

やや多い

ハダニ類

栽培地域全域

 

リンゴ

斑点落葉病

栽培地帯全域

 

炭疽病

栽培地帯全域

スモモヒメシンクイ

栽培地帯全域

 

キンモンホソガ

栽培地帯全域

 

ナシ

黒斑病

栽培地帯全域

 

黒星病

栽培地帯全域

 

ナシヒメシンクイ

栽培地帯全域

 

ハマキムシ類

栽培地帯全域

 

ダイズ野菜類

花き類

ハスモンヨトウ

平坦地域

 

野菜類花き類

オオタバコガ

栽培地帯全域

 

やや多い

野菜類

軟腐病

栽培地帯全域

 

キャベツ

コナガ

高冷地栽培地帯

 

タマナギンウワバ

高冷地栽培地帯

 

夏秋ナス

ハダニ類

栽培地帯全域

 

アザミウマ類

栽培地帯全域

 

ネギ

ネギアザミウマ

栽培地帯全域

 

シロイチモジヨトウ

栽培地帯全域

 

(発生時期の空欄は連続発生)

主な病害虫の発生予報

1)イネ

紋枯病

発生地域

発生時期

発生量

早期・早植栽培地域

やや多い

1 予報の根拠

  1. 前年の発生量は平年よりやや多かった。
  2. 向こう1か月の気象予報(7月3日発表)によると、平均気温は高い確率80%、降水量は平年並または少ない確率40%、日照時間は多い確率60%である。

2 防除上注意すべき事項

  1. 薬剤防除は株元まで到達するように散布する。
  2. 今後発生しやすい気象が予報されているため、早期発見、適期防除に努める。
  3. 特に昨年発生が多かったほ場では、前年のイネで形成された菌核がほ場にとどまり、今作の伝染源となるため注意する。
縞葉枯病

発生地域

発生時期

発生量

感受性品種栽培地帯

1 予報の根拠

  1. 令和7年3月に行った県内16地点のヒメトビウンカのイネ縞葉枯ウイルス保毒虫率(ヒメトビウンカがウイルスを持っている割合、以下「保毒虫率」)の県平均は2.4%で、平年の3.3%より低かった。
  2. 保毒虫率が2.0%であった昨年のイネ縞葉枯病の発生は平年並で、被害の情報は無かった。
  3. 現在までのヒメトビウンカのトラップ調査および予察灯での誘殺数は平年並からやや少ない。

2 防除上注意すべき事項

  1. 保毒虫率が高い地点、ヒメトビウンカの発生量が多い地点では、ヒメトビウンカ(ウンカ類)に効果のある薬剤で本田防除を行う。特に東部地域では、保毒虫率が高い地点、イネ縞葉枯病の発生が確認されている地点があるので注意する。
  2. なおこれらの防除は、地域一体となって広域的に行うと効果が高い。

2)果樹類全般

果樹カメムシ類 (チャバネアオカメムシ)

発生地域

発生時期

発生量

栽培地帯全域

 

やや多い

1 予報の根拠

  1. 県内5地点のフェロモントラップへの6月6半旬の誘殺数は平年並からやや多く、特に中之条町では平年の6.1倍の誘殺数である。
  2. 県内5地点のフェロモントラップへの6月の総誘殺数は4地点で平年より多く、特に中之条町では大発生した令和6年と同等である。
  3. 沼田市に設置した予察灯(水銀灯)への誘殺数は6月4半旬に急増し、平年の29.5倍である。
  4. 向こう1か月の気象予報(7月3日発表)によると、平均気温は高い確率80%、降水量は平年並または少ない確率40%、日照時間は多い確率60%である。

2 防除上注意すべき事項

  1. 果樹カメムシ類の飛来状況は園によって差があるので、園内をこまめに見回り早期発見に努め、飛来を認めたら早急に防除を行う。特に、夜間の最低気温が高くなると飛来する可能性が高くなるので特に注意する。
  2. 夜行性で日没後に果樹園に飛来し翌朝飛び去るため、夕方または早朝に薬剤散布を行うと効果的である。
  3. 多目的防災網を設置している園は隙間がないか確認し、見つけたら修繕する。
  4. 1月に実施した越冬量調査では、越冬量は平年より少なかったため、令和7年の発生量は少なくなると予想していたが、現在までのトラップへの誘殺数は平年並からやや多く、果実の被害が心配されるため注意する。

3)野菜類・花き類

オオタバコガ

発生地域

発生時期

発生量

栽培地帯全域

 

やや多い

1 予報の根拠

  1. 現在までの発生量は平年並。
  2. フェロモントラップ調査の誘殺数は7地点中5地点では平年並だが、2地点では平年より多い。
  3. 向こう1か月の気象予報(7月3日発表)によると、平均気温は高い確率80%、降水量は平年並または少ない確率40%、日照時間は多い確率60%である。

2 防除上注意すべき事項

  1. 幼虫は生長点付近の茎葉・蕾・花・幼果に食入する。組織内に入り込まれてからでは防除が困難になるため、ほ場をよく見回り、幼虫は見つけしだい捕殺する。薬剤防除を行う場合は、発生初期に実施する。
  2. 施設開口部は防虫ネットで被覆し、成虫の侵入を防ぐ。
  3. 薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統薬剤の連続散布を避ける。
  4. 今後、発生量が増加しやすい気象が続くと予報されているため、県が発表するトラップ調査結果や情報を確認し、ほ場での発生に注意する。

4)野菜類

軟腐病

発生地域

発生時期

発生量

栽培地帯全域

 

1 予報の根拠

  1. 現在までの発生量はレタスでやや多い。
  2. 向こう1か月の気象予報(7月3日発表)によると、平均気温は高い確率80%、降水量は平年並または少ない確率40%、日照時間は多い確率60%である。

2 防除上注意すべき事項

  1. 雨水がたまりやすいほ場は排水溝を掘り、ほ場の排水に努める。
  2. 発病後の防除効果は低いので、予防的な防除を重点に行う。
  3. 降雨によってはね上がった土が作物の傷口に付着することで感染が助長されるため、降雨後は適用薬剤による防除を行う。
  4. 被害残さは感染源となるため、被害株はすみやかに抜き取り、ほ場の外に持ち出し適切に処分する。
  5. 薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統薬剤の連続散布を避ける。
  6. 曇雨天が長引いた後や、突発的な雷雨等の後に気温が上昇すると発生が拡大するので注意する。

その他の病害虫の発生予報

その他の病害虫の発生予報一覧

作物名

病害虫名

発生時期

発生量

特記事項

イネ

葉いもち病

 

現在までの発生量は平年並。BLASTAM(ブラスタム コラム参照)の結果、6月1日~7月1日までの感染好適条件日の出現日数の合計は平年並である。

イチモンジセセリ第2世代幼虫(イネツトムシ)

 

フェロモントラップ調査による誘殺数は平年並。

ツマグロヨコバイ

 

予察灯による誘殺数は平年並。

フタオビコヤガ(イネアオムシ)

 

フェロモントラップ調査および予察灯による誘殺数は平年並。

ごま葉枯病

 

現在までの発生量は平年並。

白葉枯病

 

現在までの発生量は平年並。

果樹全般

ハダニ類

 

現在までの発生量は平年並。晴天が続くと多発する可能性があるので注意する。

リンゴ

斑点落葉病

 

現在までの発生量は平年並。高温多湿条件で発生しやすく、連続した雨などの短期間の気象条件で急増することがあるので注意する。

炭疽病

現在までの発生量は平年並。高温多湿条件で発生しやすく、特に果実の濡れ時間が長いほど感染しやすいので注意する。

スモモヒメシンクイ

 

フェロモントラップ調査による誘殺数は平年並。

キンモンホソガ

 

フェロモントラップ調査による誘殺数は平年よりやや多い。現在までの発生量は平年並。

ナシ

黒星病

 

現在までの発生量は平年並。

ナシヒメシンクイ

 

フェロモントラップ調査による誘殺数は平年並。

ハマキムシ類

 

現在までの発生量は平年並。

ダイズ野菜類花き類

ハスモンヨトウ

 

現在までの発生量は平年並。

キャベツ

コナガ

 

フェロモントラップ調査による誘殺数は平年並。

梅雨明け等に伴う天候の回復、気温の上昇により、被害が拡大することがあるので注意する。

タマナギンウワバ

 

現在までの発生量は平年並。

夏秋ナス

ハダニ類

 

現在までの発生量は平年並。晴天が続くと多発する可能性があるので注意する。

アザミウマ類

 

現在までの発生量は平年並。

ネギ

ネギアザミウマ

 

現在までの発生量は平年並。

シロイチモジヨトウ

 

現在までの発生量は平年並。

【コラム】-いもち病(葉いもち)の発生とBLASTAM-

現在までのBLASTAM(ブラスタム)による葉いもちに感染しやすい日(以下、感染好適条件日)の出現日数の合計は、概ね平年並と考えます(表)。

表 BLASTAMによる葉いもちの感染好適条件日の地域別の出現日数の合計(6月1日~7月1日)

地域名

沼田

中之条

前橋

桐生

上里見

伊勢崎

西野牧

館林

神流

本年値

平年値

1.0

1.8

1.0

2.1

4.0

2.8

3.5

3.5

4.0

3.9

2.0

3.1

1.0

2.6

3.0

3.2

1.0

1.4

注)平年値は直近10ヵ年の平均値。

  1. BLASTAMとは、アメダスデータから葉いもちに感染しやすい日を予測する発生予察モデルです。感染好適条件日が多かったり、連続したりすると葉いもちの発生が多くなることがあるので、特に注意が必要です。
  2. 葉いもちは感染してから発病(目に見える)まで約1週間かかります。そのため、BLASTAMで予測された感染好適条件日の約1週間後が、葉いもちが発病したり増加したりする危険性が高まる時期になります。その時期にほ場の見回りを行い、早期発見に努めましょう。

注)「BLASTAM」の結果は農業技術センターホームページにて更新しています。

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