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令和7年度 病害虫情報 第6号(イネカメムシ)
更新日:2025年7月16日
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令和7年度 病害虫情報第6号(イネカメムシ) (PDF:534KB)
イネカメムシの発生に注意してください
<対象地域:県内全域稲作地帯>
水田を見回り、発生を確認したら適期防除を行いましょう。
概要
- 7月上旬調査における板倉町および館林市のイネカメムシの発生量が、昨年に比べて多くなっています(図1、図2)。
- 今後、イネカメムシを含む斑点米カメムシ類が増加しやすい気象が予報されています。
- そのため、イネカメムシの発生が、他の地域でも増加することが心配されます。
図1 イネカメムシの水田内すくい取り調査捕獲数
調査時期:7月上旬
図2 イネカメムシの予察灯への誘殺数の推移(6月5半旬~7月1半旬)
設置場所:館林市
1 現在までの発生状況
- 水田内すくい取り調査で捕獲されたイネカメムシ成虫は、板倉町大荷場で昨年の約15倍、同除川、同大高嶋では昨年並です(図1)。
- 館林の予察灯へのイネカメムシ成虫の誘殺数は、6月6半旬が昨年の6倍、7月1半旬が昨年の約3.7倍です(図2)。
- 太田市菅塩町の7月4日水田内すくい取り調査で捕獲されたイネカメムシ成虫は29頭で、分布域の広がりが心配されます。
2 今後の発生予測
- 関東甲信越地方の向こう1か月の気象予報(7月10日気象庁発表)および、向こう3か月の気象予報(6月24日気象庁発表)とも、今後気温が高くなる見込みです。
- このように、イネカメムシが増加しやすい高温傾向の予報となっていますので、今後の情報に注意してください。
3 想定される被害
- 出穂期に加害されると「不稔の被害」が発生し、減収します。
- 出穂期から8日後頃に加害されると「斑点米の被害」が発生し、等級落ちまたは斑点米を取り除く場合は減収します。
4 防除方法
- 薬剤による防除を「2回」行います。
液剤を使う場合、
- 1回目の防除適期は出穂期です。(不稔による減収防止)
- 2回目の防除適期は出穂期から8日後頃です。(斑点米発生防止)
注)液剤以外(粒剤等)を用いる場合は、液剤の防除適期の概ね2日前に散布します。
図3 イネカメムシの防除適期
〇防除適期を逃さないコツ(出穂期の判定に不安のある方へ)
水田ごとに、初めて出穂を見た日(出穂始)を0日目とします。
1回目の防除を3~5日目に行います。
2回目の防除を11~13日目に行います。
注)使用する農薬については、お近くの農業事務所、JA等にお問い合わせください。
【参考】イネカメムシについて
- 体長12~13ミリメートルの斑点米カメムシです。
- 大型の斑点米カメムシのため、被害が大きく、適切な防除を行わないと、大きな減収につながることがあります。
- 出穂より前から水田に侵入しますので、よく水田を見回り、早期発見に努めてください。
- 周囲に比べて、出穂期が早い水田に侵入しやすいので注意しましょう。
- 地域ぐるみで、適切な防除を行いましょう。
写真1 出穂前から水田に侵入するイネカメムシ(赤丸の中)