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令和元年度第1回群馬県自然環境保全審議会自然環境部会 議事録

更新日:2020年3月9日 印刷ページ表示

1 開催日時

 令和2年2月12日(水曜日)午後2時00分~4時20分

2 場所

 県庁29階 第1特別会議室

3 出席者

 委員:10名(定足数6名)
 事務局(県):自然環境課長、鳥獣被害対策支援センター所長 ほか

4 会議

1 開会

 略

2 あいさつ

 略

3 議事

第1号議案:群馬県イノシシ適正管理計画(第二種特定鳥獣管理計画・第三期計画)の策定について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

【委員】
捕獲目標は年間12,000頭なのか。計画期間の5年間を通して、毎年12,000頭を捕獲しないとイノシシは半減しないという試算か。

【事務局】
その通り。捕獲頭数の実績は、平成28年度の8,694頭が最多で、昨年度は7,819頭と目標は非常に高い。本計画はCSF(豚熱)・ASF(アフリカ豚熱)対策と完全にリンクするものではないが、高い目標はこれらの対策にもつながるものであり、関係者の協力の下、目標の達成を目指したい。

【委員】
イノシシの寿命は豚より短いと聞いている。しかし、長年、山野の状況を見てきたが、どんどん生息数は増えているように感じる。その辺の状況をどのようにつかんでいるか。
放射性物質の問題で、捕獲したイノシシは食肉に利用できない状況であるが、どの程度まで数値が下がれば利用できるのか。

【事務局】
はっきりとした原因はつかめていないが、イノシシは1頭が1年で4~5頭を出産する。野生下では、それが全て成獣になるわけではない。通常、イノシシのエサは、山の木の実や根など栄養価の低いものであるが、畑の農作物など栄養価の高いエサを食べると、幼獣の生存率が高くなり、繁殖率も高くなる。それらが増加の要因の1つと考えられる。
野生鳥獣肉の利用に関する放射性物質の基準は、100Bq/kgを安定して下回ること。
イノシシは平成30年に41個体を検査し、うち11個体が基準を超過しており、まだまだ多い。ニホンジカは、平成30年度に36個体を検査し、うち2個体のみが基準を超過した。イノシシは地中を掘ってエサを取り、シカは地上の上の部分を食べる。こうした食性上の違いが、放射性物質の蓄積にも影響を与えているものと考えられる。シカはだんだん数値が下がってきており、もう少し下がればジビエの利用等も可能になると思われる。

【委員】
イノシシがコンニャクまで食べるのを聞いてびっくりした。忌避植物はあるのか。サクラソウやザゼンソウの保護を続けてきたが、イノシシの掘り起こし等の被害にあった。この様なことは今までになかったことで驚きを感じた。また、銃の捕獲とわなの捕獲の比率は。

【事務局】
イノシシが嫌がる植物は、はっきりしないが、農業被害の場面では、イノシシがあまりエサとして好まないワサビダイコンを試験的に栽培している例がある。
また、サクラソウやザゼンソウを直接、エサにしているかどうかは定かではないが、イノシシは、エサがなければ地面を掘り起こして、木の根等を食べるため、そのような習性上、掘り起こされた事が考えられる。
銃とわなの捕獲の比率は、有害捕獲は、農地や集落周辺で行うため、銃の使用ができない。このため、箱わなやくくりわなが主になる。狩猟は、主に銃であるが、イノシシは有害捕獲の比率が高いので、わなの捕獲が多いと思われる。

【委員】
林業被害は無くなったようだが、特別な施策等を講じたのか。

【事務局】
林業におけるイノシシの主な被害は、掘り起こし等により植えた苗木が根付かずに枯れてしまうことである。平成27~28年までは若干の被害があったが、近年、細かな被害として挙がってこないことも考えられる。森林内にイノシシがいなくなったということではない。

【委員】
イノシシの捕獲数が、1年おきに増減しているがこの原因は。
毎年、この位は捕獲しているにもかかわらず、増加し続けてしまうのか。

【事務局】
捕獲数は、狩猟と有害捕獲の合計。狩猟は、年により若干の増減があるものの比較的一定している。一方、増減が明らかなのが有害捕獲である。有害捕獲は、農地周辺や里に出て来たものが捕獲される。山に堅果類(ドングリ)などのエサが少ない場合、エサを求めて農地周辺に出てきて捕獲される傾向にあり、有害捕獲数が全体を左右すると考えている。
推定生息数の増加は、捕獲目標に対して、実際にそれを達する捕獲ができていない事が大きい。また、イノシシの推定生息数を試算するデータとして捕獲数への依存が大きく、捕獲数が多いほど推定生息数も多く見込まれるいう統計上の要因もある。さらにイノシシは、個体数の年次変動が大きく、推定が非常に難しい獣種である。

【委員】
CSF(豚熱)対策で野生イノシシへの経口ワクチンを実施しているが、避妊薬の開発や計画等はないのか。

【事務局】
狩猟において、毒薬等での捕獲は禁止されている。実際、避妊薬のようなものはないが、開発されたとしても、イノシシ以外の他の動物が食べた時の影響等を考慮すると、現段階での実用化は難しい。

【委員】
近県のイノシシの状況はどうか。他県でも増えているか。

【事務局】
関東近県で情報交換等も行っているが、特に減少している旨は聞いていない。明確なデータは無いが、隣接県境付近では、イノシシの移出入が見られる。

第2号議案:群馬県ニホンジカ適正管理計画(第二種特定鳥獣管理計画・第五期計画)の策定について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

【委員】
イノシシの目標が、直近で7,819頭の捕獲に対して12,000頭。シカの目標が、直近で8,729頭の捕獲に対して15,000頭と非常に高い。このような大幅な目標の増加に対して、実際に駆除する人のマンパワーなど現実的にはどうか。

【事務局】
委員ご指摘のとおり、現状に比べて非常に高い目標である。1頭でも多く目標に近づけるため捕獲を強化していく。具体的には、まずは高齢化や担い手不足である狩猟者をどう確保していくかである。まだ取組が始まったばかりだが、狩猟や銃に興味がある方の掘り起こしや免許取得者の環境を整え、一人でも多くの狩猟者を確保していきたい。
なお、有害捕獲は市町村が主体で、狩猟はどちらかと言えば趣味であるが、有害捕獲と狩猟の両方を併せて増やしていくことが大事である。
また、有害捕獲は、市町村の実施体制をしっかり整えることが必要。捕獲には、わなの見回りから止め刺し、処分など、非常に手間がかかる。わなの見回りにICTを活用した通報装置を用いるなど、可能な限り省力化を図る。
更に、GPSでシカの移動経路を把握し、効率的に複数頭の捕獲ができるような技術の実証・普及を図り、捕獲頭数を増やしていきたい。

【委員】
文言の修正をお願いしたい。「(3)生息環境管理 エ 草地での対策の推進」の中で、新規造林地と記載があるが、新規造林地は草地ではないので、「エ 森林・草地での対策の推進」としてはどうか。
また、「11 計画の実施体制(5)森林管理署」とあるが、群馬県は森林管理局もあり、局と署が一体的に実施することから、関係機関名には、「(5)森林管理局・署」と記載していただけるとありがたい。

【事務局】
了解した。

第3号議案:狩猟鳥獣捕獲禁止区域の延長について

事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。

【質疑応答要旨】

【委員】
川場狩猟鳥獣捕獲禁止区域には国有林が含まれるが、森林管理局や森林管理署が利害関係人に含まれていない。何か理由があるか。

【事務局】
利害関係人は(H27年の)設定時と同じメンバーとしたが、国有林があるのでメンバーとすべきであった。今後はメンバーに含め、意見聴取をする。

【委員】
期間満了時の検討について、ぜひやっていただければと思う。

【事務局】
審議会にかけて審議していただきたいと考えている。

4 閉会

 略

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