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令和7年度 発生予察注意報 第2号(イネカメムシ)
更新日:2025年8月7日
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令和7年度 発生予察注意報 第2号(イネカメムシ)(PDF:1.21MB)
1 注意報の内容
- 作物名 イネ
- 病害虫名 イネカメムシ
- 対象地域 県中部、西部、東部地域
- 発生量 多い
2 注意報発表の根拠
- 7月下旬の定期定点すくい取り調査(以下「すくい取り調査」)におけるイネカメムシの捕獲状況は、前年同時期には捕獲されなかった県中部地域(前橋市)や西部地域(高崎市、藤岡市、富岡市)で捕獲がありました(図2)。
- 前橋市では、前年は7月下旬までの期間において予察灯で1頭のみの確認でしたが、本年は、すくい取り調査地点を含めて既に複数地点でイネカメムシを確認しました。
- 安中市では、前年はイネカメムシの飛来が確認されませんでしたが、本年は飛来が確認されています。
- 富岡市では、予察灯への初誘殺が前年より1か月半、早くなりました(図3)。
- 太田市の7月下旬(早期水稲の出穂期)におけるすくい取り調査の捕獲数は137頭で、昨年の約14倍でした(図2)。
- 関東甲信越地方の向こう1か月の気象予報(7月31日気象庁発表)および、向こう3か月の気象予報(7月22日気象庁発表)ともに、今後、イネカメムシが増加しやすい高温傾向となる見込みです。
3 防除対策
- 薬剤防除を「2回」行います。液剤を用いる場合、1回目の防除適期は出穂期(不稔による減収防止)、2回目の防除適期は出穂期から8日後頃(斑点米発生防止)です(図4)。
- 液剤以外(粒剤等)を用いる場合は、液剤の防除適期の概ね3~4日前に散布します。
- なお、出穂前から多数の成虫が侵入している場合には、出穂前にも防除を行ってください。
4 防除上の留意点
- 農薬の散布にあたっては使用基準を遵守し、他の作物等への飛散に十分注意するとともに、周囲の生産者、住民等への事前周知を徹底してください。
- 特にイネカメムシの防除薬剤は、周辺のミツバチに影響を及ぼす可能性があるので、養蜂農家への周知等、必要な被害軽減対策を講じてください。
- 液剤を散布する際は、イネの株元までかかるようにしてください。
- 防除に使用する農薬については、各農業事務所または、各JA、農薬販売店等にお問い合わせください。
図1 イネカメムシ成虫 体長:およそ13ミリメートル
図2 7月下旬すくい取り調査結果(水田内+雑草地の合計、成虫+幼虫の合計)
令和6、7年で比較ができ、捕獲があった地点のみ記載。
図中の数字は、水田20回振り4か所、雑草地20回振り1か所の合計値を示す。
地点名の下のカッコ内は、田植えの時期を示す。
図3 予察灯への誘殺状況(富岡市)
半旬(上中下旬の半分の期間)ごとの誘殺数
令和7年は7月5半旬までの調査結果
図4 イネカメムシの防除適期