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群馬県スポーツ推進審議会(令和7年度第1回)開催結果について
1 日時
令和7年8月1日(金曜日)10時00分~11時40分
2 場所
群馬県庁昭和庁舎21会議室
3 出席者
委員(15名中11名出席)
遠藤 祐司 公益財産法人群馬県スポーツ協会会長
齊藤 秀夫 群馬県中学校体育連盟会長
小野里順子 群馬県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会副会長
中島 高志 群馬県パラスポーツ協会会長
設樂 政江 群馬県スポーツ推進委員協議会副会長
菅谷美沙都 上武大学ビジネス情報学部講師
高橋俊一郎 群馬車椅子バスケットボール連盟会長
武 育子 群馬県レクリエーション協会指導委員会委員長
田島 正徳 群馬県高等学校体育連盟会長
野村 徹 群馬県小学校体育研究会会長
福島 真季 公募委員
4 配付資料
- 次第
- 「群馬県スポーツ推進計画」に係る実施状況の点検・評価について
- 「第3期群馬県スポーツ推進計画(令和8年度~令和12年度)(仮称)」の策定について
- 「第3期群馬県スポーツ施設の設置及び管理に関する基本計画(令和8年度~令和12年度)(仮称)」の策定について
- 部活動の地域連携・地域移行について
- 群馬県スポーツ競技力向上対策推進本部の設立について
- 湯けむり国スポ・全スポぐんま2029の準備状況について
- スポーツ基本法の改正について
- 群馬県スポーツ推進審議会委員名簿
5 協議事項
(1)「群馬県スポーツ推進計画」に係る実施状況の点検・評価について
〈事務局説明〉
上記協議事項について、配付資料により事務局から説明を行った。
〈委員からの主な意見・発言等〉
委員発言
「政策目標2 スポーツによる共生社会の推進」における「施策1 障害者のスポーツ参加」について、目標項目である県障害者スポーツ大会の参加人数は目標値1,900人に対し、実績は609人と大きく乖離している。この要因と今後の取組について説明したい。
目標値を策定したのは、コロナ禍前であり、コロナ禍の影響を受けて実績が低迷していると考えている。いくつかの要因が複合的に影響していると考えられる。まず、コロナは5類に移行したものの、依然として大会参加を控える施設が多い。また、働き方改革の影響も大きく、職員の就労時間の制限や週末対応の困難さから、施設側が参加を許可できないケースもある。特に陸上競技では、コロナ対策で種目数を制限していた影響が残り、参加人数が戻っていない。さらに、高齢化の影響もあり、走る・跳ぶといった競技が避けられ、簡易な種目に集中する傾向もある。加えて、特別支援学校では、体育大会の縮小・中止の動きがあり、障害者スポーツ大会への参加拡大につながっていない。このような複合的な要因があり、コロナ禍以後も競技者・参加者の数が増えていない状況である。
こうした現状を踏まえ、現在の取組としては、まずパラスポーツ普及メンターを1人から3人に増員し、学校や施設、企業を訪問して、参加のきっかけづくりを進めている。また、「まずやってみよう」という趣旨で体験会を開催し、気軽に参加できる機会を提供している。さらに、ホームページでの情報発信についても工夫し、申し込みしやすいよう、できるだけ早く必要な情報を届けられるようにしている。
こうした取組を地道に続け、参加者のさらなる増加につなげていきたい。
事務局
委員から説明いただいたとおり、コロナ禍で競技が途絶えてしまったことが、大きな要因であると感じている。そうした面を含め、メンターを通じて参加者を増やしていきたい。
委員発言
様々なところで、コロナ禍の影響が出ている。全体的に、コロナ禍から新たな考え方を練りながら取り組んでいく必要があると感じた。
委員発言
2024年度について、コロナの影響どうみているのか。
事務局
コロナ禍で参加が途絶えてしまった方が戻ってくるというのが、なかなか厳しい状況である。徐々に増えてきてはいるが、そこまで大きくない。
委員発言
コロナ禍で大会が中止になり、その後開催しなくなったものはあるのか。大会そのものが減ってしまっているのであれば、新たなものを作る必要があると思われる。
事務局
全てを把握しているわけではないが、多くは復活してきていると考える。しかし、一度途切れてしまったという点が大きく、大会が復活するといっても、なかなか参加者が戻ってこないというのが現状である。
委員発言
他に参加者が戻ってこないという事例はあるか。
委員発言
総合型地域スポーツクラブについて、多種多様なクラブ運営をしているクラブ間では、コロナ禍でクラブを退会してしまった会員も多く、一度運動をやめてしまった方が再び運動を始めるのは、中高年の多いクラブ等ではハードルが高いと感じている。呼びかけを行い、徐々に会員が戻ってきているが、従前の様な活動は難しく、上手く工夫し運営を継続する為に努力している。
委員発言
「政策目標1 スポーツによる健康増進・生きがいづくり」における「施策3 子供のスポーツ機会の充実」について、中学生は1週間の総運動時間が全国平均を上回っているなか、小学生は下回っている。各小学校において、実態に応じた体力向上の授業を行っている中で、結果が出ていないという点について、どのように考えているか。
事務局
中学生は放課後に部活動やクラブ活動に取り組むため、運動時間が増えている。一方、小学生は以前と比べて放課後の活動が少なくなってきている。SNSの利用等、多岐にわたって問題が生じており、原因の特定は困難な状況である。
委員発言
障害者のスポーツ参加について、やる方が減っているのではなく、支える方が減っていると感じている。8月2日~8月3日に安中しんくみスポーツセンターにて、天皇杯車椅子バスケットボール関東ブロック予選が開催され、約200名参加するが、ボランティアの方が集まりにくい状況である。ボランティアや支援者が集まらないと、障害をもった方が活躍するのは難しいので、考慮する必要があると感じている。
また、ボッチャの大会では2/3が障害者、1/3は健常者が参加し、それぞれが支え合いながらチームを作っている。障害者だけでなく、健常者も障害者スポーツに参加できる大会があるとよいと思う。
(2)「第3期群馬県スポーツ推進計画(令和8年度~令和12年度)(仮称)」の策定について
(3)と併せて説明。委員からの主な意見・発言は、(3)を参照ください。
(3)「第3期群馬県スポーツ施設の設置及び管理に関する基本計画(令和8年度~令和12年度)(仮称)」の策定について
事務局
先程、スポーツを支える人も増やす必要があり、その中でボランティアの参加についてご発言があったが、第3期計画では「「湯けむり国スポ・全スポぐんま」のアクションから未来につながる価値創出」の資料に記載があるとおり、ボランティア参加・観戦の幅広い募集を行うことで、共生社会の実現に向けた取組を進めていくという点を盛り込む予定である。
委員発言
第3期計画は、これまでの計画と国スポの計画をわけるのか。
事務局
計画は一本である。国スポについては、国スポ・全スポを契機としたスポーツ環境の向上と、次の時代に繋がるレガシーの創出を、盛り込む予定である。
委員発言
ONEGAMEというeスポーツの団体がある。障害者自身が運営を行っており、障害をもった方の活躍の場が増え、やりがいや自信が生まれ、収入にもつながっている。このような取組みで地域や仕事と関わっていくことで、よりよいスポーツ参加につながっていくとよいと思う。
事務局
eスポーツの推進にあたっては、競技という側面と産業育成・振興という側面があると思っている。高校でも「大会に出たい」という部活もあれば、「運営をしたい」という部活もある。競技・産業育成の両面でできるのが、まさにeスポーツであるため、参考とさせていただき、県の施策としても展開していきたい。
また、eスポーツをやるためのパソコンは高額であり、部活動のために購入することが難しい高校もあると聞いている。新前橋駅近くに上毛スクエアができたが、その上毛スクエア内に、県内の高校生が集まりeスポーツをプレイできる共同の部室のような施設を作るという動きも、県内の民間の動きではあるが出てきている。スポーツの関係者にも、情報を提供しながら取り組んでいきたい。
委員発言
第3期計画の政策目標に、「パラスポーツの推進を軸とする共生社会の実現」とある。「パラスポーツ」という言葉がまだ広く浸透していない中、この目標を明確に掲げていただいたことは意義深い。この方向でぜひ進めてほしい。
委員発言
小学生や中学生は、マンガやアニメの影響を大きく受ける。第3期計画の施策にもあるが、マンガやアニメを通じた取組みは、スポーツを「みる」観点から、スポーツ機会の創出によい影響があると思う。また、プロスポーツの魅力を、こどもたちに味わってもらえれば、スポーツに関心をもち、「する」「みる」「支える」につながってくると思う。これらの取組みが計画に明記されているのは、ありがたい。
委員発言
国の計画では、社会状況の変化や状況に応じて、既存のスポーツ環境の仕組みにとらわれずに柔軟に見直し、最適な手法や環境をスポーツに携わる人々自らが作り出すという方向性である。群馬県の計画は、用意されたスポーツ環境でスポーツを「する」ことが前提で、する人を「支える」という考え方であると感じる。「自らがスポーツを創造していく」という文言があると、国の政策にも合致すると思う。
インクルーシブなスポーツ環境の構築という最近の流れがある中で、第3期計画は、前回と同様に、競技スポーツやパラスポーツといった形でわかれてしまっている。一本軸を通すような「インクルーシブスポーツ」という文言があるとよいと感じる。
事務局
ご意見いただいた点は、検討させていただく。スポーツの役割については、スポーツ基本法の改正の中で、「する」「みる」「支える」に加え、「集まる」「つながる」という視点が加わった。第3期計画にもしっかり取り入れていきたい。
6 報告事項
(1)部活動の地域連携・地域移行について
〈事務局説明〉
上記報告事項について、配付資料により事務局から説明を行った。
なし
(2)群馬県スポーツ競技力向上対策推進本部の設立について
〈事務局説明〉
上記報告事項について、配付資料により事務局から説明を行った。
なし
(3)湯けむり国スポ・全スポぐんま2029の準備状況について
〈事務局説明〉
上記報告事項について、配付資料により事務局から説明を行った。
○委員発言
群馬で国スポ・全スポが開催されることが浸透していない。皆さんにおかれましても、国スポ・全スポの広報・周知をお願いしたい。
○委員発言
当日の大会運営に関わるボランティアのほか、開催前に国スポ・全スポを盛り上げるボランティアもあると思う。国スポ・全スポを盛り上げるために何が出来るのか、早めに情報をいただければ、学校としても早めに準備できるので、検討いただきたい。
(4)スポーツ基本法の改正について
〈事務局説明〉
上記報告事項について、配付資料により事務局から説明を行った。
なし
以上