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令和7年度第55回群馬県公共事業再評価委員会議事録

更新日:2025年10月20日 印刷ページ表示

開催日時

令和7年9月4日(木曜日) 13時30分~15時10分

開催場所

議会庁舎3階 303委員会室

議案討議

(議長)​
対象議案は県8事業となっている。
本日の委員会の進め方は、重点討議議案を中心に討議していきたい。
重点討議議案は
 第2号議案「一級河川 碓氷川外」
 第3号議案「一級河川 男井戸川」
 第4号議案「一級河川 休泊川」
の3議案である。​

重点討議事業 県事業 第2号議案 一級河川 碓氷川外

【議案書により説明】

【質疑・応答】

(委員)
(1)​約20年の事業期間の中で、今後、気候変動を考慮した計画の見直しはあるか。
​(2)資材労務単価高騰にもかかわらずB/Cが大幅に増加しているのは、浸水想定範囲の開発が進んだことにより、評価が上がったということか。

(群馬県)
​(1)ご指摘のとおり、昨今気候変動に伴い降雨の状況が変化しており、河川整備計画等の変更についても、引き続き検討していく必要がある。碓氷川では、下流の直轄区間で毎秒2,000立方メートルという引渡し流量を設定しており、これ以上に過大な整備はできない事情がある。その点について、国としっかりと協議を行い、洪水をより安全に流下させる方法を引き続き検討したいと考えている。
​(2)前回評価した10年前から現在までに、国の治水経済調査マニュアルの改定があり、その中でも大きく2点の改定が影響している。1点目は、昨今の浸水被害の状況を踏まえて、被害率等を再算定した結果、被害率が上昇したことが影響している。2点目は、水害廃棄物が発生した際に、その除去に多大な費用が発生することを踏まえ、水害廃棄物除去費用が便益に見込まれるようになったことである。

(委員)
気候変動の変化速度が速く、河川事業を進めるのは大変であるが、こまめに国と連携しながら必要な見直しを進めていただきたい。

(委員)
事業は継続して進めてもらいたいところですが、事業が完了した後も、県民が日ごろから河川空間に親しみを持てるようなソフト面での仕掛けも検討していただきたい。

(群馬県)
河川改修では、「多自然川づくり」の考え方に基づき、環境に配慮して事業を実施している。また、当該河川では、 事業箇所と違う場所ではあるものの、都市計画や開発の際に、利活用について、市と相談している箇所もある。本事業においても、引き続き、検討してまいりたい。

(群馬県)
本日欠席の委員から「石井橋(いわいばし)とJR橋の桁下高不足となることが判明したとあるが、事前にわかっていたのでは」という質問があった。
事前の段階では、河川をダム、河川改修、あるいは遊水地・貯水池で事業を進めるか検討を行う。当該地域については、当初、上流には増田川ダムの計画があった。しかし、平成27年度に、全国的なダム検証の流れの中で、増田川ダムは中止と判断され、
その代替案として、本事業は河川改修事業として位置付けられた。
事前の段階では、どの区間を掘削・築堤するか等について、概略的に検討しており、その際、詳細な測量及び調査は実施していない。その後、現地立ち入り段階で、より詳細な測量及び調査を実施し、周辺の方々と協議を進める流れとなる。
今回はこの詳細な調査の実施過程において、橋梁の架け替えが必要であることがわかったもので、このことを「判明した」と表現した。​

(議長)
それでは、第2号議案「一級河川 碓氷川外」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第2号議案「一級河川 碓氷川外」については、以上とする。

重点討議事業 県事業 第3号議案 一級河川 男井戸川

【議案書により説明】

【質疑・応答】

(委員)
こちらも事業期間が30年と長期にわたるため、その間の気候変動を考えると、例えば15年で計画の見直しが必要と考えるがどうか。
(群馬県)
降雨状況が変化しているため、それに対応した河川整備計画に順次変更していく予定だが、一方で、現地での工事は着実に進んでおり、一定の治水効果が出ているのも事実である。
さらなる治水機能の強化を検討するにあたり、本地域は住宅地が河川に近接しているため、河道掘削による断面確保だけでなく、たとえば上流に貯留施設を整備する可能性も検討するなど、他の方法も合わせて検討してまいりたい。
今後、計画流量を検討しつつ、市町村等と意見交換を行いながら、河川整備計画の見直し等を進めていきたいと考えている。

(議長)
年超過確率10分の1はやや小さく感じるがどのように設定しているのか。

(群馬県)
都市部や田園地域などの地域区分や、堀込み河道なのかなどの河道の状況を踏まえながら、決まっている。

(議長)
質問にあったとおり、災害が激甚化していることを考慮して、適時見直しをしていく必要があると感じた。

(群馬県)
流域治水の考え方を含めて、市町村と知恵を絞りながら検討してまいりたい。

(委員)
景観に配慮して整備をしていただいたことについては、大変ありがたく、良いことだと感じている。
自然石面のブロックの写真を見る限り、ブロック積みとも言えない、やや違和感のある景観に見えてしまう。せっかく景観に配慮したのに、逆効果になってしまわないかという懸念がある。
この資料は公表されるものだと思うが、「自然石を使って景観に配慮しました」という書き方をしてしまうと、「石を使えば景観に配慮したことになる」と誤解を招きかねない。
生態系への配慮など、その先の意図と合わせて、深堀して記述していただけると、どのような景観を目指しているのかが伝わりやすくなると思う。

(群馬県)
「自然石面のブロック積み護岸」については、文字では「自然石」のように見えるが、既成品のブロック積み護岸である。この既製品は、多孔質で粗い構造になっており、コケや小さな植物が育ちやすいように設計されており、自然環境の回復を促進させるという目的で採用した。
ご指摘は「まだ改善の余地があるのではないか」というご意見だと受け止めた。この場所はすでに施工が完了しているが、それ以外の箇所や今後の同様の工事を行う際は、自然環境の回復とともに景観にも配慮するという視点で、検討してまいりたい。

(議長)
それでは、第3号議案「一級河川 男井戸川」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第3号議案「一級河川 男井戸川」については、以上とする。​

重点討議事業 県事業 第4号議案 一級河川 休泊川

【議案書により説明】

【質疑・応答】

(委員)
この事業も事業期間が40年と長期にわたるため、その間の気候変動を考えると、計画の見直しが必要と考えるがどうか。また、下流で国が休泊川排水機場の排水能力を増強することに対して、県が河道を整備しているということでよいか。
(群馬県)
気候変動に対応した計画の見直しについては、本河川は流域治水という観点で特定都市河川に指定することでしっかりと対応している。
また、ご指摘の休泊川排水機場の増強については、今後国が整備を進める予定である。一方、河道断面の確保については、県が着実に整備を進めており、国に対しては、河道整備後の速やかな排水機場増強を強く要望している状況である。

(議長)
杭の長さが30メートルから50メートルに変更となったが、50メートルというのはレアケースなのか。

(群馬県)
周辺地域の中には20メートルの杭長が必要な箇所があったが、当該地区は、軟弱地盤層がさらに深くなる可能性を見込み、30メートルと想定した。現地での詳細な地質調査の結果、今回は50メートルとなったが、施工の際に想定と異なる地質であることが判明することはある。

(群馬県)
現在、東毛地域の千代田町の利根川で新橋梁の調査をしており、そのボーリング調査によると、50メートルくらいのところに、支持層があることを確認した。したがって50メートルはあり得るケースと認識している。

(群馬県)
本日欠席の委員から「杭長の変更について、軟弱地盤を予見できなかったのか」という質問があった。
こちらについては、先ほどの説明と重複するが、当初から軟弱地盤層を想定していたもののが、詳細な地質調査の結果、杭を深くする必要が生じたものである。

(議長)
それでは、第4号議案「一級河川 休泊川」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第4号議案「一級河川 休泊川」については、以上とする。​

討議事業 県事業 第5号議案 一級河川 多々良川

【質疑・応答】

(群馬県)
委員から「事業期間が長いが、流下能力計画としては変更不要で十分と考えてよいか」という質問があった。
また、委員から「事業が長期化しており、その間の気候変動も激しく、全県的な災害が大規模化しているが、そうした観点で事業計画の見直しや確認は行われているか」という質問があった。
この2問について、ご指摘のとおり、昨今気候変動に伴い、降雨の状況が変化しており、現在実施中の各圏域における河川整備計画の見直しを順次行っている。
現在実施中の河川整備についても、一定規模の治水機能の向上が期待されているが、今後、河川整備計画の見直しの際に、計画流量が増大する場合は、地域の状況変化を踏まえ、さらなる治水対策の検討をしてまいりたいと考えている。

(議長)
それでは、第5号議案「一級河川 多々良川」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)一級河川 多々良川
特に意見はないようなので、第5号議案「一級河川 多々良川」については、以上とする。​

討議事業 県事業 第1号議案 一般県道南新井前橋線 4期工区

【質疑・応答】

(群馬県)
委員から「工事費等が15億円近く増額しているが、B/Cが増加しているのはなぜか」というご質問があった。
B/Cの増加は、走行時間短縮便益と走行経費減少便益が増加したことによるものであり、主な理由は2つある。
1点目は、事業着手時と今回とで、費用便益分析マニュアルが変更されたことにより、便益算定式における原単位および各種係数が変わったためである。
特に、時間価値を示す原単位が約7%増加した。また、車両の走行経費を示す原単位も13%から24%上昇しており、これが便益の増加に大きく影響している。
2点目は、本路線の周辺に位置する榛東村や吉岡町で、評価対象区間の将来交通量が約1.3倍に増加したことで、便益の増加に大きく影響している。

(群馬県)
委員から「副道は当初予定の用地買収範囲に収まるのか。増えた場合は、残地部分の農業の継続に影響はないか」というご質問があった。
副道の整備は、事業着手時点では計画に含まれていなかったが、道路計画の策定過程で、県の定める地域ニーズを反映した公共事業ガイドラインに基づいてアンケート調査を実施し、このアンケート調査を通じて、周辺住民の皆様のご意見を丁寧に伺った結果、「バイパス沿道での農作業の作業性を確保する」ことを目的として、副道の整備を決定した。
用地取得にあたっては、沿道で農業を営む地権者の皆様と個別に協議を行い、残地が中途半端な形状や面積にならないように配慮したところである。その結果、用地買収は円滑に完了し、現在も地権者の方々は残地で問題なく農業を継続されている。
今後の工事においても、引き続き地権者の皆様のご意見を丁寧に伺いながら、適切に対応していきたい。

(議長)
それでは、第1号議案「一般県道南新井前橋線 4期工区」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第1号議案「一般県道南新井前橋線 4期工区」については、以上とする。​

討議事業 県事業 第6号議案 奥山六車線

【質疑・応答】

(群馬県)
委員から「B/Cに関して、算出マニュアルがあるが、工事費の増大分が森林の公益的機能便益の修正で補われる形になっている。この評価は非常に難しいが、どのように評価あるいは修正がなされたのか」というご質問があった。
本事業の費用便益については、林野庁が所管する林野公共事業における事業評価マニュアルに基づいて算出しており、ご質問の森林の公益的機能については、林道を整備することによって、新たに手が加わる森林に対して、公益的機能の向上の影響を評価するものである。
具体的には、樹木や土壌による二酸化炭素吸収量の増加や、水を蓄える力、洪水や土砂災害を防ぐ力の向上を評価している。
公益的機能便益については、評価項目、評価手法は前回評価時と同様で、代替法で算出している。
便益が前回評価時より増加した主な要因は、代替手段としての治山ダムについて、ダム建設費の高騰により減価償却費が上昇したことや、堆積土砂の撤去費の上昇などにより、森林整備による公益的機能の経済的価値が高まったことによるものである。

(委員)
治水ダムの減価償却費の上昇が便益の増加につながるというのはわかるが、堆積土砂の撤去費用の上昇が便益につながるというのに関して、理解が及ばない部分がある。マニュアルに従って評価した結果と解釈してよいか。

(群馬県)
そのとおり、マニュアルに従って算出している。
(群馬県)
委員から「幅員を5メートルから4メートルに変更したことで、カーナビの影響で地元民以外の、観光客が狭い道に入り込み、他の車の円滑な通行を妨げる懸念があるため、道路開通後の道路案内板や標識などに留意して欲しい」というご意見があった。
道路の幅員を5メートルから4メートルに変更した区間は、地元住民や観光客の利用が少なく、主に森林整備のために使われることが想定される区間である。
現に、幅員が狭くなる手前には注意喚起のための警戒標識を設置して、安全に通行できるように、配慮している。
また、この林道は、大部分が1車線の道路になるが、林道規程で定められる間隔に従って、待避所を設けるなど、対向車とのすれ違いもスムーズに行えるようにしており、通行車両の円滑な走行が確保できるように努めている。

(委員)
補足であるが、この意見は私の経験に基づくもので、注意喚起標識を設定するにあたっては、しっかりと強調して書いていただいてもよいかもしれない。

(議長)
それでは、第6号議案「奥山六車線」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第6号議案「奥山六車線」については、以上とする。​

討議事業 県事業 第7号議案 笠張地区

【質疑・応答】

(群馬県)
委員から「市町村意見の欄に「事業負担の増額は協議済み」とあるが、渋川市や赤城西麓土地改良区の負担はどうなっているか」というご質問があった。
負担割合は、渋川市が10%、赤城西麓土地改良区が7月5日%となっている。
今回の事業費増額に伴い、渋川市の負担額は約60,000千円の増額となる見込みだが、関係機関との協議を経て、了承をいただいている。
また、赤城西麓土地改良区についても、負担額が約45,000千円の増額となる見込みであるが、農地集積率が一定の要件を満たすことにより交付を受けられる「促進費」を活用することで、地元負担の軽減が図られ、こちらについても了解を得ている。

(議長)
それでは、第7号議案「笠張地区」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第7号議案「笠張地区」については、以上とする。​

討議事業 県事業 第8号議案 大谷牛秣地区

【質疑・応答】

(群馬県)
委員から「2017年の九州北部豪雨災害でもため池の決壊被害事例が多くあり、本案件は非常に重要である。工事費増大にも関わらずB/Cが倍増しており、それ自体は非常に良好な点ではあるが、その理由として「作物生産効果」と「災害防止効果」を挙げている。それらが事業前から大きく変化した理由を教えてほしい。」というご質問があった。
B/Cは、農林水産省所管の「新たな土地改良の効果算定マニュアル」に基づき算出している。この費用対効果分析に必要な単価や諸係数等については、評価時点の数値を使用することとされており、今回のB/Cの増加は、これら数値の変更によるものである。
まず、作物生産効果については、一部作物の単価及び純益率が前回に比べて上昇したことにより、効果額が増加した。
主な変更点を一部抜粋して説明する。水稲はキログラム当たり182円が197円に増加。トマトはキログラム当たり274円が283円に増加、ナスはキログラム当たり295円が335円に増加、いちごはキログラム当たり1178円が1357円に増加するなど、大幅に価格が増加している。
純利益については、水稲は71%から89%に上昇、トマトは76%から91%に上昇、ナスは76%から91%に上昇、イチゴは75%から91%に上昇している。
災害防止効果については、建物評価額の変更により効果額が増加しており、事務所は1棟当たり82,663千円が627,436千円に上昇、農業用納屋は1棟当たり1,927千円が11,474千円に上昇、公共建物は1棟当たり51,732千円が163,954千円に上昇するなど、価格が上昇している状況である。
これらの要因により、B/Cが前回評価時よりも大きく増加している。
(委員)
建物単価の大幅な上昇が少しわからなかったので教えてもらいたい。

(群馬県)
国土交通省所管の建築統計年報を基に、都道府県における平均的な規模と単価を算定している。建築統計年報については1年前の単価を使用し、支出済み費用や換算係数等を乗じて現在価値化して価格を算定している。

(議長)
2024年に改訂があったということか。

(群馬県)
年報なのでそうである。

(群馬県)
委員から「震災想定区域図の見方や緊急輸送道路が決壊時の浸水想定範囲を通っているが大丈夫か、貯水池が決壊した際の浸水想定範囲はどの辺りか」というご質問があった。
浸水想定区域については、再評価調書の41ページ水色で着色された範囲となっている。その他については、薄い赤色で着色された範囲は貯水池の水を利用している農地、赤や黄色の丸印は、公共施設の位置となっている。
もう1つの質問について、浸水想定範囲内に緊急輸送道路等が含まれており、仮に貯水池が決壊した場合には、当該道路のような被災を防止するためにこの事業によって堤体の耐震補強を実施しているという流れとなっている。

(委員)
本事業で対策を講じた場合、水色の浸水想定がなくなるのか、それとも、浸水が懸念される範囲が狭まるということか。

(群馬県)
基本的には、ため池を決壊させない形で、耐震対策を講じることによって、浸水想定を未然に防ぐというものである。

(議長)
それでは、第8号議案「大谷牛秣地区」の対応方針は、「継続」となっている。対応方針について、意見はあるか。

【意見なし】

(議長)
特に意見はないようなので、第8号議案「大谷牛秣地区」の対応方針は、については、以上とする。

(議長)
これで議案討議を終了する。
今回の資料のうち委員名簿及び参考資料については、非公表とさせていただく。
そのほかに公表を差し控える資料はあるか。

【特になし】

(議長)
それでは、群馬県公共事業再評価委員会運営要領第5条に基づき、今回の委員会資料等の公表については、委員の意見を踏まえ事務局で判断いただければと思う。
以上で、「議事」は終了した。進行を、事務局に返す。

(事務局)
委員の皆様には、長時間にわたりご議論を頂きありがとうございました。
以上をもちまして閉会とします。

閉会(15時10分)