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令和7年度 病害虫情報 第10号(コナジラミ類)
更新日:2025年10月17日
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令和7年度 病害虫情報 第10号(コナジラミ類) (PDF:631KB)
施設キュウリ・施設トマト:コナジラミ類
【対象地域:県内全域】
施設栽培での発生が多くなっています。適期防除を行いましょう。
1 現在の発生状況
- 県内全域のほ場観察等において、以下の状況が確認されています(各地域の状況は表1)。
- 施設キュウリ、施設トマトでコナジラミ類の発生が多くなっています。
- コナジラミ類のうちタバココナジラミが媒介するキュウリ退緑黄化病、トマト黄化葉巻病が県内全域で発生しています。
2 心配される被害
- コナジラミ類のうちタバココナジラミ(図1)は、「キュウリ退緑黄化病」(図2)、「トマト黄化葉巻病」(図3)の原因となるウイルスを媒介します。
- これらの病害は一度発生すると治療ができないため、減収等の被害が懸念されます。
- 発病株を放置すると、タバココナジラミを介して被害がさらに広がってしまうため、発病株を見つけたら、直ちに抜き取り施設外へ持ち出し適切に処分しましょう。
図1 タバココナジラミ成虫
(写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集)
図2 キュウリ退緑黄化病
図3 トマト黄化葉巻病
3 防除対策
共通対策(キュウリ、トマト)
- 早期発見、適期防除を行いましょう。
- 薬剤散布は、幼虫が寄生している葉裏まで、薬液が十分かかるように行いましょう。
- 施設の開口部は全て防虫ネット(目合い0.4ミリメートル以下が望ましい)を設置して、施設内への侵入を防止しましょう。
- 雑草にも寄生するので、ほ場周辺の雑草を除去しましょう。
- 成虫を捕らえる黄色粘着板を設置し、成虫の発生状況を把握しながら適期防除しましょう。
キュウリ栽培における対策
- 抑制キュウリ栽培終了後は、次作へ持ち越さないために蒸し込み(※注)を行いましょう。
- 促成キュウリ栽培においても、前作からの持ち越しを考慮し栽培開始時から注意しましょう。
(※注) 抑制キュウリ栽培終了後の蒸し込み方法
- 栽培終了後に作物を地際部で切断するなどし、すべての株を枯死させます。
- 施設内に雑草が残っていると効果が落ちるので、蒸し込み処理前に雑草を除去しましょう。
- その後、施設を密閉し、蒸し込み処理を行います。
- 低温期である11月~12月は1か月程度、施設を密閉しましょう。
地域 |
品目 |
状況 |
---|---|---|
中部 |
キュウリ |
多くのほ場でコナジラミ類の発生が確認される。 一部ほ場で退緑黄化病が発生している。 |
トマト |
定植が早いほ場でコナジラミ類の発生が多い。 一部ほ場で黄化葉巻病が発生している。 |
|
伊勢崎 |
キュウリ |
退緑黄化病の発生が例年に比べて多い。 |
富岡 |
キュウリ |
多くのほ場でコナジラミ類の発生が確認される。 一部ほ場で退緑黄化病が発生している。 |
利根沼田 |
トマト |
昨年にくらべてコナジラミ類が多く見られる。 |
東部
|
キュウリ |
多くのほ場でコナジラミ類の発生が確認される。 一部ほ場で退緑黄化病が発生している。 |
ミニトマト |
太田市内のほ場観察においてコナジラミ類の発生がかなり多い。 多くのほ場で黄化葉巻病が発生している。 |
|
桐生 |
キュウリ |
多くのほ場でコナジラミ類の発生が確認される。 一部ほ場で退緑黄化病が発生している。 |
館林 |
キュウリ |
コナジラミ類、退緑黄化病ともに、発生が多かった昨年よりさらに多い。 |