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令和7年度 病害虫発生予察特殊報 第4号(トマトキバガ)
更新日:2026年3月6日
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令和7年度 病害虫発生予察特殊報 第4号(トマトキバガ) (PDF:317KB)
群馬県内のトマトほ場において、トマトキバガの幼虫による被害が初めて確認されました。
特殊報とは、新たな病害虫を発見した場合及び重要な病害虫の発生消長に特異な現象が認められた場合に発表する情報です。
1 特殊報の内容
- 対象病害虫名 : トマトキバガ
- 学名 : Tuta absoluta (Meyrick)
- 発生植物 : トマト
- 発生地域 : 県北部地域
2 発生概況
(1)発生確認の経過
- 令和7年9月中旬、県北部地域のトマトほ場において、葉及び果実に食害痕が確認されました。
- 葉の食害痕から幼虫(写真1)を採取し、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構に同定を依頼したところ、トマトキバガであることが確認されました。

写真1 トマトの葉の食害痕及び幼虫
赤丸:幼虫の食害痕 矢印:葉に潜った幼虫
(2)国内の発生状況
- 令和3年10月に熊本県で国内初確認されて以降、令和6年12月までに全都道府県でフェロモントラップへの成虫の誘殺が確認されています 参考文献1)。
- このうち、農作物への被害発生に伴う注意喚起(特殊報、注意報等)は28の道府県で発表されています(令和8年2月時点)。
(3)県内での発生状況
- 令和6年7月、県中部地域に設置したフェロモントラップで初めて成虫の誘殺が確認されました(令和6年度 病害虫発生予察特殊報 第1号にて発表(令和6年8月2日))。
- その後、同年12月までに、県内4か所(中・西・北・東部地域に各1か所)に設置した全てのフェロモントラップで成虫の誘殺が確認されています。
- 今回、群馬県内でトマトキバガの幼虫による被害が初めて確認されました。
3 形態および生態等
- 成虫(写真2)の体長は約5ミリメートル(翅の開張幅約10ミリメートル)、前翅は灰褐色の色地に黒色斑が散在し、後翅は淡黒褐色です。
- 終齢幼虫(写真3)は体長約8ミリメートルで、体色は淡緑色~淡赤色、頭部は淡褐色です。前胸の背面後方に細い黒色の横帯があります。

写真2 トマトキバガ成虫

写真3 トマトキバガ終齢幼虫
4 被害の特徴
- 国内では、トマトやナスなどのナス科植物で被害が報告されています 参考文献2)。
- 被害痕は、ハモグリバエ類やオオタバコガによる加害と類似します 参考文献3)。
- 写真4:
葉では、葉肉内を面的に食害し表面が薄皮状となり、白から褐色に変色した外観となります。ハモグリバエ類と比べて食害が面的で、虫糞を一か所にまとめて排泄するのが特徴です。 - 写真5:
果実では、表面に直径数ミリメートルの穴を開けて内部を食害します。特に果実とへたの隙間に潜むことが多く、見落としやすいため注意が必要です。オオタバコガに比べて、食入痕から少量で乾いた糞を排泄するのが特徴です。
- 写真4:

写真4 葉の被害
赤丸:トマトキバガの虫糞 青丸:ハモグリバエ類の虫糞

写真5 果実の被害
赤丸:トマトキバガの虫糞 青丸:オオタバコガの虫糞
写真4、5 提供:岩手県病害虫防除所。写真の無断転載は禁止。
5 防除対策 参考文献1)
- 目合い0.8ミリメートル以下の防虫ネットを設置すると侵入を予防できます。
- ほ場内で発生を確認した場合には、トマトキバガに登録のある薬剤を散布してください。ただし、薬剤は果実内、葉肉内に侵入した幼虫には効きにくい場合もあり、放置すると被害が拡大する恐れがあります。被害果、被害葉を見つけた場合は、ほ場内に放置せず、ビニール袋に入れて密閉するか、ほ場外の土中深くに埋却するなど殺虫に努めてください。
- 周辺のナス科雑草は増殖源となる可能性があるため、除草に努めてください。
6 参考文献
参考文献1)
トマトキバガ防除対策マニュアル-基本情報編-(PDF:26MB)<外部リンク>(令和8年3月5日アクセス確認)
参考文献2)
植物防疫所 病害虫情報138号-(1)<外部リンク>(令和8年3月5日アクセス確認)
参考文献3)
病害虫防除技術情報R5-2 令和5年に新奇発生したトマトキバガ ~被害と生態の特徴 ~岩手県病害虫防除所(PDF:1.59MB)<外部リンク>(令和6年3月発表、令和8年3月5日アクセス確認)








