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令和8年度 病害虫発生予察特殊報 第1号(ネギネクロバネキノコバエ)

更新日:2026年6月19日 印刷ページ表示

令和8年度病害虫発生予察特殊報第1号 (PDF:305KB)

群馬県において、タマネギでネギネクロバネキノコバエの発生及び被害が初めて確認されました。

特殊報とは、新たな病害虫を発見した場合及び重要な病害虫の発生消長に特異な現象が認められた場合に発表する情報です。

1 特殊報の内容

  1. 対象病害虫名 : ネギネクロバネキノコバエ
  2. 学名 : Bradysia odoriphaga
  3. 発生植物 : タマネギ
  4. 発生地域 : 県中部地域

2 発生概況

1 発生確認の経過

  • 令和8年5月、県中部地域のタマネギほ場において、収穫したタマネギの茎盤(注1)及び鱗葉(注2)を加害するクロバネキノコバエ科の幼虫が確認されました。
  • ​群馬県が、採取した幼虫を羽化させて成虫の形態的特徴を確認したところ、ネギネクロバネキノコバエと同定されました。

2 国内の発生状況

  • 群馬県ではネギ及びニラ、埼玉県ではネギ及びニンジンで発生及び被害が確認されています(参考文献1)
  • 現在までにタマネギでの発生及び被害の報告は確認されていません。

3 形態

  1. 成虫(写真1)の体長は、雌雄ともに2~3ミリメートル程度です。幼虫(写真2)は白色を帯びた透明の体で黒色の硬い頭部を持ち、老熟幼虫の体長は4~6ミリメートル程度です。
  2. 類似する農業害虫であるチバクロバネキノコバエでは、平均棍(写真1の矢印)が暗灰色であるのに対し、本種は淡黄色をしています(参考文献2)。
  3. また、雄の触角第4節の長さと幅の比が異なることなどからも区別できます。

4 生態

  1. 類似する農業害虫であるチバクロバネキノコバエ等が有機物を好むのに対し、本種は新鮮な植物を好み、積極的に食害します(参考文献1)
  2. 本種のタマネギにおける生態については現在調査中です。
  3. ネギでは、夏期を含めて断続的に寄生し、成虫は3月中旬から12月中旬にかけて約1カ月周期で発生のピークが見られます。

5 被害の特徴

  1. タマネギでは、幼虫が地下の茎盤や鱗葉を加害しますが(写真3)、地上部に現れる症状については現在調査中です。
  2. ​ネギでは、地下部の加害が激しい場合、地上部の茎葉が萎れて枯死します。寄生頭数が少ない場合、地上部への影響は小さく、地上部の外観から寄生や被害の有無を判別することは困難です。

6 防除対策

1 植え付け前

  • 水はけが悪いほ場や有機物の投入量が多いほ場では、多発生しやすくなります。
  • 明渠や排水路を設置し、ほ場が過湿にならないように努めてください。
  • 堆肥は完熟したものを使用し、多量施用を避けてください。

2 収穫後

  • 被害残渣は、分散防止に配慮し、ほ場外で適切に処分してください。
  • ほ場内では石灰窒素(60キログラム/10アール)を施用して残渣をすき込み、腐熟促進等の処理を徹底してください。
  • 可能であれば、ほ場の土壌消毒を実施してください。

3 その他

  • タマネギを含め、ネギ・ニンジン・ニラや雑草にも寄生するため、周辺作物の防除や除草に努めてください。
  • 現在、タマネギにおけるクロバネキノコバエ類の登録薬剤はありません(令和8年6月19日現在)。

7 参考文献

参考文献1
埼玉県 ネギネクロバネキノコバエ防除マニュアル(令和5年9月版)(PDF:1.29MB)<外部リンク>
​(令和8年6月19日アクセス確認)

参考文献2
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構) ネギネクロバネキノコバエBradysia odoriphaga 防除のための手引き(技術者向け) -2020年改訂版-(PDF:2.42MB)<外部リンク>
(令和8年6月19日アクセス確認)

注釈(図1を参照してください。)

注1 茎盤 ネギやタマネギなどの鱗茎(注3)作物の根と葉の間にある短い茎のことです。

注2 鱗葉 タマネギの可食部である玉の内部を構成する葉から変化した組織です。一般の植物では葉に該当します。

注3 鱗茎 タマネギの可食部である玉の部分で、主に鱗葉と茎盤からなり、茶色の皮=外皮を含みます。

タマネギの可食部断面図の画像

図1 タマネギの可食部断面図

 タマネギの可食部である玉の内部は、一般の植物の葉に相当する部分で、葉から変化した鱗葉で構成されています。

ネギネクロバネキノコバエ成虫の画像

写真1 ネギネクロバネキノコバエ成虫
  左:雄、右:雌、矢印:平均棍、体長は2~3ミリメートル程度

ネギネクロバネキノコバエ幼虫の写真

写真2 ネギネクロバネキノコバエ幼虫
 老熟幼虫の体長は4~6ミリメートル程度

茎盤を加害する幼虫の画像

写真3 茎盤を加害する幼虫
 右写真の矢印:幼虫

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