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ひょう害(令和4年5月27日)に対する農作物の技術対策

更新日:2022年5月31日 印刷ページ表示

 5月27日(金曜日)の夕方から夜にかけて、県内各地で降ひょうがありました。農作物等に被害が発生した地域では、以下の対策を講じて、改善を図ってください。

1.普通作物

(1)麦類

  • 被害を受けた麦は、極力収穫してほ場外に持ち出す。
  • 麦が脱粒したり、やむを得ずすき込む場合など、麦種実がほ場に投入される場合は、後作の施肥量の調整を行う。後作が水稲の場合は、脱粒子実が10アールあたり300キログラム程度では基肥窒素を1~2割減肥し、10アールあたり400キログラム以上では基肥窒素を10アールあたり2キログラム程度にとどめる。さらに、土壌の強還元化(ガス害)を防止するため、間断かん水や中干し等の水管理を十分に行う。

2.野菜

(1)共通事項

 野菜は、種類、生育ステージにより草勢回復力が異なるので、傷害程度を的確に把握し、早期の対応に努める。

  • 葉の損傷程度の軽いものや、回復が見込まれるものは、薬剤散布による病害の予防や追肥などの対策を講じる。ただし、被害が甚だしく回復不可能なものは、まき直し、または植え直し等を実施する。
  • 損傷部分は病原菌が侵入し、病害が発生しやすいので、早急に登録薬剤による予防散布を実施する。
  • 草勢の回復を図るため、速効性肥料で追肥を行う。ただし、基肥施用量を十分考慮し、軟弱徒長な生育にならないようにする。なお、茎葉の病害が心配ない場合は、液肥の葉面散布剤も有効である。

(2)作物別

ア 露地ナス

  • 寒冷紗等のトンネル被覆に被害がある場合は、トンネルの補修を行う。
  • 強風で倒伏した株は起こし、株元をしっかり固定する。
  • 葉が損傷した場合は、わき芽かきや下葉の摘葉を遅らせ、葉数を確保することで草勢回復を図る。また、果実を早期に取り除いて着果負担を軽減し、草勢の回復を図る。
  • 主枝が損傷した場合は、側枝を伸長させて代替えし、1株当たりの主枝本数を確保する。
  • 茎葉の損傷部から病原菌が侵入し、病害が発生しやすいので、登録農薬による予防散布を実施する。

イ レタス、キャベツ

  • 収穫期に近いものは、被害状況により出荷団体と相談の上、出荷の可否を判断し対応する。
  • 茎葉の損傷部から病原菌が侵入し、病害が発生しやすいので、登録薬剤による予防散布を実施する。
  • 外葉の被害程度によっては、生育遅延や小玉結球、下位等級となるので、追肥、葉面散布等で生育を促す。
  • 定植直後のものは、被害の程度によって予備苗で植え直しを行う。被害の軽いものは、登録薬剤による予防散布を行う。
  • 回復が見込めない畑では、早急に後作の作付計画を検討する。

3.果樹

(1)共通事項

  • 枝葉が損傷した場合は、病原菌の侵入を防ぐため、適用殺菌剤を特別散布する。
  • 収穫が近い作物では農薬使用基準に注意する。
  • 突風で袋や傘が外れた場合はかけ直す。

(2)作物別

ア ナシ

  • 摘果は、幼果の損傷程度がはっきりしてから、傷の小さいもの、浅いものを残すようにていねいに行う。過度の摘果は避け、樹勢の安定に努める。

イ ウメ

  • 殺菌剤の散布は、収穫中なので、安全使用基準と農薬による果実の汚れを考慮して行う。
  • 果実を収穫しないで放任すると、樹勢低下を招くので注意するとともに、病害虫の防除にも注意する。

ウ リンゴ

  • 摘果は幼果の損傷程度がはっきりしてから、傷の小さいものを残す。すでに摘果を行った樹では、過度の摘果を避け、樹勢の安定に努める。

エ モモ・スモモ

  • 摘果は、実施時期をできるだけ遅くし、果実の損傷程度がはっきりしてから、傷の小さいものを残す。
  • 葉や枝の損傷部から細菌性の病気が侵入するため、適用のある農薬を確認して防除を行う。

4.花き

(1)共通事項

 花き類は、種類、生育ステージにより草勢回復力が異なるので、傷害程度を的確に把握し、早期の対応に努める。

  • 茎葉の損傷程度の軽いものや、回復が見込まれるものは、薬剤散布による病害の予防や追肥などの対策を講じる。ただし、被害が甚だしく回復不可能なものは、まき直し、または植え直し等を実施する。
  • 損傷部分は病原菌が侵入し、病害が発生しやすいので、早急に登録薬剤による予防散布を実施する。
  • 草勢の回復を図るため、速効性肥料で追肥を行う。ただし、基肥施用量を十分考慮し、軟弱・徒長な生育にならないようにする。なお、茎葉の病害が心配ない場合は、液肥の葉面散布剤も有効である。
  • 被覆資材、遮光カーテン、支柱等栽培施設の点検・修復を行う。キクなどの電照施設においては、速やかに作動状況の点検を行い、電照処理等が確実に行われるよう確認する。

(2)作物別

ア シクラメン

  • 降雹や強風により鉢の転倒や落下があった場合は、速やかに植え直し等を行う。また殺菌剤の散布や潅注を行い、病害の予防に努める。

イ 切り花類

  • 切り花類では、降雹や強風によって折損した茎葉の整理と適用薬剤の散布を的確に行い、病害の発生を防止する。