ページの先頭です。

本文

信泰鹿島電子(上海)有限公司

1 調査先及び対応者

 信泰鹿島電子(上海)有限公司 鹿島保宏董事長、張小妹副総経理 他

2 調査日時

 平成24年11月7日(水曜日)13時30分~15時20分

3 調査目的

 今後の企業の海外進出推進のための参考とするため、事業所の現況等について現地調査する。

4 調査先概要

 信泰鹿島電子(上海)有限公司は、本県北群馬郡吉岡町内に本社を置く鹿島エレクトロ産業株式会社の中国国内における生産拠点であり、平成15年に台湾企業との合弁会社として設立された。平成19年には業務拡大のための新工場開設に伴い、合弁会社を解消し鹿島エレクトロ産業の100%出資子会社として現所在地に移転し生産活動を行っている。
 上海の工場における業務内容は、EMS(電子機器受託生産)事業を中心に基板実装やモジュール組立、完成品組立てなどであり、国内拠点における業務との棲み分けを図ることで、コストや品質面での適正管理を行っている。

5 説明要旨

  • 2003年(平成15年)1月上海市松江区に設立、2005年11月に現所在地に移転
  • 現社員数:350人(中国内陸出身の社員が多い)
  • 資本金:500万USドル
  • 投資総額:1,000万USドル
  • 主要製品の生産時期及び変遷:携帯電話完成品(2003年5月)、自動販売機用基板(2004年12月)、デジタルカメラサブ基板(2005年4月)、紙幣選別ユニット(2006年4月)、液晶モジュールバックライト組立(2007年1月)、プラズマテレビ・スキャナCCD(2007年5月)、液晶テレビ用インバータ基板(2009年7月)、カードリーダー用基板(2010年9月)、アミューズメント用基板(2011年6月)、住宅用太陽光発電の基板実装及び完成品組立(2011年12月)、監視カメラシステム用基板(2012年5月)※液晶モジュールバックライト組立:最盛期は1ヵ月あたり250万台
  • 2003年10月:ISO9000及びISO14001取得
  • 日本国内3カ所の生産拠点と上海工場において、顧客ニーズに応じた電子機器受託製造サービス(EMS)を展開。主に日本国内において設計開発・部品選定・生産技術開発・試作等、上海工場において量産・部品調達・生産管理などを行っている。
  • 特色:高密度実装(0603チップ対応、BGA実装)、鉛フリー対応、PCB組立、実装可能最大サイズ(460ミリ×360ミリ)
  • SMTライン構成:最大12ライン(現状は10ライン稼働)
  • 保有設備:LCR測定器、X線分析機、外観検査機、ICT測定機、ルータ基板分割機、Vカット基板分割機、超音波洗浄機、クリーンルーム設備など
  • 生産ラインにおける対策:温湿度管理、静電気対策(設備、人、床、作業台、棚)、異物対策(クリーン度)

工場概要

  • 敷地面積:50,400平方メートル
  • 延べ床面積:81,145平方メートル
  • 主な建物:生産棟(3階建:1フロアは約2万平方メートル)、総合棟(2階建:食堂、コンビニ等)、宿舎棟(6階建)、幹部宿舎棟(5階建)

6 主な質疑応答

質問:受託生産の発注者(顧客)についてはどうなっているのか。

回答:基本的には日本国内より進出した企業からの依頼が多い。エレクトロニクス関連の企業は海外進出しているところも多く、そうした企業の受け皿となっている状況である。現状では日本国内より上海工場の方が忙しくなってきている。

質問:2003年に上海進出した経緯は何か。

回答:1995年から広東省内で台湾企業と合弁会社を設立し事業展開していたが、事業が軌道に乗ったことなどもあり上海進出を決めた。(その後に合弁を解消し、単独での生産活動を行っている。)

質問:この場所(現所在地)に決めた理由は何か。

回答:合弁会社で一緒に活動していた企業側が主に選定したところである。(当時、単独での設置は難しかったと思う。)
 ※一緒に活動していた台湾企業は、わずか15年程で業績を30倍超にするなどしており、想像を超える成長の早さには大変に驚かされている。

質問:サムスン電子などとの事業連携はあるのか。

回答:一番身近な日系企業との連携が主であり、これまではサムスンとの事業連携はない。ただし、現状では特に影響は出ていないが、今後、先の反日デモ騒動による影響が出てくると想定した場合には、検討課題であるとは思っている。

質問:設備投資に対する考えはどうか。

回答:年々、機械も古くなってきており、先の見える顧客相手の場合には設備投資をしなくてはならないと思う。ロボット系や医療系など、中国市場をターゲットに進出してくる企業が多くなってきている。

質問:検査器具の調達はどうしているのか。

回答:一般的な器具は購入してくるが、一部は自社で作れるものもある。

注:この他、適宜、工場内の視察を行いながら質疑を行った。

事業概要等について説明を受けるの画像
事業概要等について説明を受ける

2グループに分かれて工場内を案内していただくの画像
2グループに分かれて工場内を案内していただく

最後に社員の皆さんを交え集合写真撮影の画像
最後に社員の皆さんを交え集合写真撮影