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海外調査報告書(平成24年 国際戦略対策特別委員 須藤 和臣)

 国際戦略対策特別委員 須藤 和臣

 中国共産党大会が開かれている最中、群馬県議会国際戦略特別委員会は海外調査として、2泊3日の日程で上海を訪れました。群馬県議会としては、実に7年ぶりの海外調査となります。
 今回の調査は、来春、群馬県が上海事務所を設置することに起因しています。
 議会として、現地の事務所設置場所や現地の状況を確認せずしては、安易に挙手はできないという考えの元、調査実施への経緯となりました。
 調査先は以下の6箇所(上海市)です。

  • 在上海日本国総領事館
  • 群馬県上海事務所設置予定場所
  • 茨城県上海事務所、
  • 信泰鹿島電子(上海)有限公司
  • 東京海上日動火災保険(中国)有限公司
  • JTB(上海)国際旅行社有限公司

 今回の上海訪問で、特に印象的であった事を3点レポート致します。
 第一は、在上海総領事の言葉です。
 「中国に来て6年間になりますが、この6年間は、かつてと比べ非常にピリピリしています。かつて起こったソ連の崩壊やアラブの春も、誰も予測はできませんでした。この中国においても、何が起こっても驚かないように、私は普段から心がけています。」と。
(やはり中国の内政は、非常に不安定であるとの印象を強く持ちました。)
 第二は、上海の環境汚染です。
 天候は晴れていても、スモッグのために近隣のビルは、いつもどんよりと霞みます。
 中国のどの都市も同様かと思いますが、今後も経済発展を優先する限り、環境問題はより深刻になるかと思われます。
(日本に帰国し、群馬の空は美しいと感激しました。)
 第三は、上海在住の日本人子弟の教育についてです。
 上海は、世界で最も日本人の教育環境が整っている都市と言われています。
 日本語の幼稚園から高校まであります。
 月謝は、幼稚園で8万円位。小学校・中学校では2~3万円位。高校では10万円にもなるそうです。
私が現地で懇談した群馬県人会の方は、高校の授業料が高額のため、お子さんを群馬県の高校に入学させようかと悩んでいらっしゃいました。ちなみに、お金のある方はインターナショナルスクールに入れて米国の大学を受験させるそうです。
(海外で教育する事は、非常に難しい事なのだと理解しました。)
 今回の上海訪問の最大の目的は、群馬県上海事務所の調査であります。実際に現場を見てみると、納得するものが多くありました。
 まず、ロケーションですが、上海市の虹橋空港に近く、在上海日本国総領事館や上海市政府商務局など、今後、交流の必要な相手が目と鼻の先に位置しています。ビルの名称は、「上海国際貿易中心」です。ここには、茨城県をはじめ16の日本の自治体が、単独或いは合同で入居しています。このビルは、元々、日本興業銀行と中国政府系企業の日中合弁のビルでしたが、2009年に合弁が解消され、今は中国政府系企業の建物となっています。しかし、合弁時の日本人職員は、会社を移転してそのまま営業や管理をしておられました。ここは、入居率が90%超の人気の建物でした。セキュリティという面でも、廊下に監視カメラが設置されているなどしっかりしています。また、他県と連携・連絡が取れやすいことが、ここでは大きなメリットでしょう。
 群馬県の事務所は、この24階にあります。部屋の規模は約66平方メートルで、事務室の他、会議兼応接室、来客打ち合わせコーナーなど利便性のいい設計となっていました。家賃は、管理費込みで月額約30万円。契約は3年。最初の内装費用は約100万円だそうです。あまりお金をかけないようにとの大澤知事の意向が働いているようです。勤務する群馬県職員は2名。既に準備のため、国際戦略課の山田準備室長が長期出張されていました。そのほかの現地スタッフは、現地中国人を人材派遣会社から採用予定だそうです。給料は月額7~8万円の見込みとのことです。
 上海事務所では、県内への中国人観光客の誘致、農畜産物など群馬県産品の輸出促進、また中国に進出している県内企業の支援などを主な業務といたします。
 尖閣問題など日中関係の荒波の中での船出となりますが、上海事務所設置が、群馬県職員と群馬県民の国際意識向上の一助になればと願っています。


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