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海外調査報告書(平成24年 国際戦略対策特別委員 塚越 紀一)

 国際戦略対策特別委員 塚越 紀一

 私は今まで3度中国を訪問しており、今回、議会の特別委員会調査として4度目の訪問となる。
 最後の訪問から既に20年以上経過しており、経済発展の著しい中国の様子は各種報道では知るものの、特に今回、中国の中でも商工業の中心地として最も開発・発展が続いている上海市の調査ができ、委員会が学び取ってきたことをわが県への観光誘客や県産品の輸出、県内企業の進出のガイドとして役立てられればという強い思いをもった3日間でありました。
 日本と中国は時差も1時間であり、上海浦東空港までは約2時間30分で到着できた。足早に6ヶ所の調査先を巡り、現地事情を聞き、今後の県のあり方や方針を定めるため、各々の委員から熱心な質疑があるなど有意義な調査ができたと感じている。
 最初の調査先である在上海日本国総領事館では、泉総領事から「9.18尖閣暴動事件」についても、日本で報道されている程には上海市では過激なものではなかったこと、中国との商取引ではお国柄の違いもあり注意が必要なことも強く指摘されました。
 次に、総領事館から間近にある本県上海事務所が設置される上海国際貿易センタービルの間取りを拝見し、概要説明を受けた後、同ビル内にある茨城県上海事務所を訪問。茨城県上海事務所は、今から16年前に開設され、県内企業のビジネス活動支援や中国の経済文化などの最新情報の提供、友好交流活動などへの取り組みについて懇切な説明を受けました。茨城県には日立企業グループの拠点があり、関連企業を中心に上海市などに60社も進出しているほか、特に近年では茨城空港も開港し、中国への直行便もあり大いに誘客面でも力を入れております。本県としては北関東自動車道も開通し、隣県である栃木県、茨城県と連携した積極的な観光客誘致を計画的に進めるべきであると痛感しました。
 続いて、企業訪問では、北群馬郡吉岡町に本社のある鹿島エレクトロ産業(株)の上海進出企業を調査しましたが、広い工場で国内拠点業務との棲み分けを図ることによって、コストや品質面でのメリットを活かした適正な管理が行われている様がつぶさに感じられました。
 また、東京海上日動火災保険グループの中国での欧米諸国との進出競争の状況や、特に中国政府の特異な監督官庁の特徴や政変が業務に与える影響の深刻さについても、日本国内とは全く別の不安な面があること。特にあふれかえる自動車の渋滞の中で交通事故は頻発し、交通事故による死者は年間11万人を超え深刻な社会問題となっている。上海市の人口は東京都の倍の2,400万人と増え続け、発展と混乱が続くなかでの保険業務の困難さについても実感いたしました。
 最終日のJTB上海では、特に尖閣暴動により大きな影響を受けながらも、600名の社員を抱えて頑張っているとの報告がありました。実務担当の社員の方からは、群馬県へのアドバイスとして、テレビ報道番組などの有効利用、第2次交通網の整備、更には中国富裕層の中でもターゲットをなるべく絞ってPRすることが肝要。今、中国では温泉ブームが起こっているので、草津温泉などは本物の温泉、温泉の効能について訴えることや、草津の湯もみ音頭の中国語版のカセットを作って宣伝に使ってはどうかなど、いずれにしても、何年というある程度の時間をかけての宣伝が必要だという貴重な提案もいただきました。これからの県の戦略を考える際に反映していきたい。
 13億人を超える人口を抱え、中国は将来展望に一抹の不安も感じられるが、増大する市場としては圧倒的な規模であり、わが県も共に成長する関係を保ちながらこれからも進んでいきたいと考えさせられた調査だったと思っています。


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