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社会基盤づくり特別委員会(平成26年3月19日)
社会基盤づくり特別委員会 委員長 中沢 丈一
中沢 丈一 委員長
社会基盤づくり特別委員会における審査経過と結果について、ご報告申し上げます。
本委員会は、経済的低成長時代の到来や少子高齢社会の進展など、社会情勢が大きく様変わりする現代において、県民の暮らしや経済活動を支える社会基盤整備のあり方をここでもう一度見つめ直し、一体的、横断的、集中的に議論することを目的に、昨年5月に設置されました。
以来、委員会審査においては活発かつ慎重な議論を行うとともに、委員会調査においては、地方鉄道の現状を見聞するための県内調査や、コンベンション施設及びまちづくりの先行事例を求めての県外調査を実施いたしました。
また、コンベンション施設整備に関して2度の勉強会を開催し、県内関係団体や専門家との意見交換を行うなど、社会基盤整備のあり方について、現状、課題、展望などの認識を深めて参りました。
そうした委員会活動の積み重ねの中、先の9月定例会後期議会においては、「群馬県コンベンションビューローの早期設置についての提言」を取りまとめ、知事あて提出したところであります。
今定例会中、3月13日に開催された委員会においても、付議事件について各般の議論が活発に行われましたので、その主な項目を申し上げます。
まず、コンベンション施設整備につきましては、
- 施設の概略設計について
- 事業手法としてのPFIについて
- 展示施設の規模について
- 周辺道路の整備について
- 地元要望への配慮について
- 議会との十分な議論について
- オープンまでのスケジュールについて
- コンベンションビューローの立ち上げについて
などであります。
その他の付議事件につきましても、「社会資本の長寿命化計画」や「高崎駅における上信電鉄とJRの乗継ぎ」などについて質疑されました。
また、同日の委員会では、これまでの議論、調査、要望及び本会議での質疑を踏まえた、「群馬県の社会基盤づくりに関する提言」について協議を行い、10項目からなる提言を取りまとめ、知事あて提出することを決定いたしましたので、以下、その項目を申し上げます。
- 公共交通については、鉄道事業者間及び路線間の乗り継ぎ改善や鉄道と路線バスの連絡強化などにより、利用者の利便性向上と利用促進を図ること。
- 中小私鉄等3路線や路線バスについては、自立経営を基本としつつ、交通弱者や通勤・通学利用者の足を確保する観点から、必要な支援と指導を行うこと。
- まちづくりの概念に景観などにも配慮した都市デザインの考えを取り入れ、魅力的な街並み整備を進めること。
- ぐんま“まちづくり”ビジョンに係る市町村アクションプログラムについては、作成段階から積極的に支援に関わり、県施策との調和を図ること。
- 中心市街地の活性化について、街中に人を呼び込み、賑わいを取り戻す取組には長い時間を要するため、県はそうした事業者を粘り強く支援すること。
- 中山間地、農村地域において、地域活性化や持続可能なまちづくりに向けて新しい事業に取り組む市町村を積極的に支援すること。
- まちづくりの主体は市町村という考えに拘われず、県自身も様々な振興施策を展開し、全県的な発展を図ること。
- 高崎競馬場跡地のコンベンション事業については、今後も県議会の議論と、広く県民や地域住民、関係団体、及び専門家の意見やアイディアを取り入れ、群馬らしさや地域景観、自然エネルギーの活用や防災拠点としての機能等に配慮した明確な設計コンセプトのもと、機能的な施設となるよう、十分な検討を行うこと。
- バックアップ機能誘致については、充実した交通体系や自然災害の少なさなど、本県の優位性を最大限に活かし、官民含めあらゆる施設の誘致に努めること。
- 防災・減災対策においては、災害備蓄の強化や防災教育の実施など、ハード整備とソフト対策の両面の充実を図り、安全・安心な県土づくりを進めること。
以上、10項目であります。
また同日、審査終了に伴う委員会報告書についても内容審査したところ、全会一致で了承され、さらに当日の協議内容の追記についても正副委員長にご一任いただきましたので、所要の追記を加え、先日議長あて提出させていただきました。
これをもちまして、当委員会における一連の審査は全て終了した訳でありますが、社会基盤づくりは永遠の行政テーマであり、また、コンベンション施設整備については、今後より一層の議論が待たれるところであります。
知事及び執行部におかれましては、当委員会の1年間の活動成果を施策に活かすとともに、引き続き議会へのきめ細やかな説明と要望聴取を望むものであります。
以上、申し上げまして、委員長報告といたします。