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環境農林常任委員会(環境森林部関係)(平成26年6月6日)

1.開催日時

平成26年6月6日 10時00分開始 15時22分終了

2.開催場所

403委員会室

3.出席議員

委員長:萩原 渉、副委員長:井下 泰伸
委員:中沢 丈一、委員:黒沢 孝行、委員:松本 耕司、委員:織田沢俊幸、委員:福重 隆浩、委員:酒井 宏明、委員:清水 真人、委員:小川 晶

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)渡良瀬川オートサンプラー設置について

黒沢委員
 オートサンプラーについて、降雨時に1時間ごとに自動採水し水質監視を行うとあるが、どこで遠隔操作をするのか、また出た数値が高かった場合、どこへ連絡してどういう対応をとるのか。

小笠原環境保全課長
 河川水量が毎秒50トンを超えたときに、栃木県から本県に連絡が来るので、携帯電話で遠隔操作により起動させる。得られた結果については、鉱山施設管理者へ伝え、しっかりと山元対策を進めていただくよう要望するとともに、県、桐生市、太田市の三者が情報を共有する。また、全体的な分析結果については、平水時・降雨時の調査と一緒に環境白書で情報の開示をしていきたい。

黒沢委員
 近年、ゲリラ豪雨的な緊急の対応が必要なときに、鉱山施設管理者には誰が連絡するのか。

小笠原環境保全課長
 緊急時には県から鉱山施設管理者へ連絡する。ただし、現在までの降雨時における重金属濃度については、上流部では高い数値が見られるが、実際の利水が行われている草木ダム下流については問題ないレベルである。

(2)指定廃棄物の保管について

黒沢委員
 次に指定廃棄物について、今現在1,100トンほど県内にあるということだが、フレコンバッグに保管されているものや掘って埋めて保管されているものがあるが、今現在の状況はどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 指定廃棄物について、現在7市町村9カ所で1,186.7トン保管している。中身については下水道汚泥の焼却灰、浄水場の汚泥である。いずれも公共機関で保管している。コンクリートの建屋の中にフレコンバッグで保管しているもの、コンクリートビットの中に入れ覆土するものがある。なおフレコンバッグでの保管は4カ所ある。保管状況については県も定期的な現況調査をおこなっており、問題ない状況である。

黒沢委員
 幸い本県は、すべて公共機関に保管されているが、国の施策状況を見ると、保管も長期にならざるを得ないと思う。長期になるとフレコンバッグも劣化していくと思うので、低レベルの汚染物を専門に入れるドラム缶に収納して移動できる状況にしておくべきと思うが、見解はどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 群馬県と同様に宮城県、栃木県、茨城県、千葉県の5県で国が指定廃棄物を処理するとしているが、いずれの県も最終処分場はできていない。本県でも先が見えないというのが現状である。フレコンバッグについて紫外線に当たらないようなカバーをする等の処置をしているが、処分場設置の進捗状況を見ながら、設置者と協議しながら何らかの措置をとっていきたい。

(3)ぐんま緑の県民基金事業について

清水委員
 「ぐんま緑の県民基金事業」の市町村提案型事業の計画提出状況が、21市町村とあるが、2回目の提案募集は何月位を予定しているか。

松本林政課長
 2次募集について、評価検証委員会の開催を10月に予定している。そのときには2回目の審査ができなければいけないと考えているので、遅くとも8月中には提出締切りを考えている。その辺りを市町村とよく協議しながら決定したい。

清水委員
 県民税について、寄付も広く募集したと思うが、そちらの状況はどうか。

松本林政課長
 寄付については今まで2件申込みがあり、うち1件はすでに納入いただいている。この件については来週早々に公表したい。

(4)野生鳥獣の放射性物質の監視状況等について

清水委員
 次に昨年の鳥獣害対策特別委員会で6つ提言を出したが、そのうちのひとつに「食肉等への利活用」というのがある。実際、野生鳥獣が放射性物質を含んでいることもあり、食肉としての加工流通は難しい面もある。食肉等への利活用を進めるには、放射性物質の保有量を調査していくことが大事であり、現在の状況について伺いたい。

須藤自然環境課長
 野生鳥獣については放射性物質に汚染されているものがあり、出荷制限がされている。検査状況について、平成23年春以降、捕獲した鳥獣について、毎月20検体を上限に、農業技術センターで検査している。100ベクレルを超える検体は減少傾向にあるが、まだ3分の1程度の検体から100ベクレルを超える数値が検出されている。

清水委員
 基本的にはすべて100ベクレル以下になれば出荷制限が解除されるような見込みはあるか。

須藤自然環境課長
 解除見通しについて、本年3月20日付けで原子力災害対策本部から「解除の考え方」が示された。野生鳥獣の場合は移動するため、解除する場合は県域単位で安定的に100ベクレル以下にならないと解除できない。今後も継続してモニタリングを続け、動向を把握していきたい。

(5)原発事故に伴う菌床きのこ栽培に係るおが粉の高騰について

清水委員
 次におが粉が原発事故の関係で高騰し、菌床栽培をしている生産農家が困っていると聞く。昨年当時の部長から、東京電力と交渉し、早期の賠償に結びつけられるよう努力していきたいと答弁があったが、その後の進捗状況について伺いたい。

鈴木きのこ普及室長
 おが粉の高騰分については、現在も東京電力に対し、高騰分の補償について応じるよう強く要請しているところである。東京電力ではおが粉の値上がり幅、元の価格幅がバラバラであるため、どれが放射線による影響なのか判明しないとして進んでいないようなので、県としては統計資料等を提供し、技術的助言をおこない、適正な補償がおこなわれるよう努めているところである。

(6)粉砕機について

中沢委員
 まず説明いただいた中で「ぐんま緑の県民基金事業」がスタートするわけであるが、市町村による支援の中で「粉砕機」とあるがどのようなものか。

松本林政課長
 粉砕機は竹林を意識したもので、伐採した竹をチップ状に砕く機械である。

中沢委員
 これは市町村に手当するのか。機械の管理はどこが行うのか。

松本林政課長
 市町村による地域支援については、市町村が事業主体になるため、市町村が購入してそれをボランティア団体に貸し出して、地域で使ってもらうこととなる。そのため、機械の管理も市町村となる。

(7)群馬県希少野生動植物の種の保護に関する条例(仮称)について

中沢委員
 次に、群馬県希少野生動植物の種の保護に関する条例(仮称)が制定に向かって動いているが、この条例を制定するにあたり、絶滅危惧種の保護も大事である。種の選定作業は今後どのように進められていくのか。

須藤自然環境課長
 条例案では、希少種の保護を図るために、県として基本方針を策定することとしている。この基本方針において、特に保護すべき種の選定に関する基本的な事項を定める予定である。具体的には、個体数が著しく減少した種、生息地や生育地が著しく減少した種、生息環境が著しく悪化した種、過度の捕獲、採取により絶滅が危惧される種を選定の基準としたい。この基準に基づきあらかじめ候補種を選定し、専門家の意見を聞いて特に保護すべき種を指定していきたい。

(8)バイオマス産業都市について

中沢委員
 次にバイオマスの関係で、ネットで検索していたらバイオマス産業都市の募集という記事を見た。バイオマス産業都市とは経済性が確保された一環システムを構築し、地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした、環境に優しく災害に強いまち作りを目指す地域、平成30年までに100都市を選定していきたいとある。県内で手を挙げているところ、また県ではどのように周知及び取組をしているか。

飯塚環境政策課
 昨年8月に農林水産省で説明会があり、参加して情報収集をしている。今年2月、県で「バイオマス活用推進セミナー」を開催し、市町村や関係団体など約100名が参加し、関東農政局の職員から事業説明をしていただいた。現在のところ、県内市町村では手を挙げているところはない状況である。

中沢委員
 動きがあるところも、まだ見えない段階か。県から市町村に積極的に働きかけてはどうか。

飯塚環境政策課
 色々な機会を捉えて情報提供に努めていきたい。

(9)2月の大雪による森林被害について

中沢委員
 次に、2月の大雪では県内で大変な被害があったが、林業業者に対する被害もかなり大きかったと思うが、どの程度であったのか。

金井田森づくり主監
 桐生市、藤岡市、富岡市、下仁田町、甘楽町の3市2町で被害が発生している。被害内容は人工林の幹折れや倒木などである。5月現在では、被害面積10ヘクタール、被害額1,000万円となっている。国の基準により、被害を受けた林木の本数率で30パーセント以上のものを森林被害として取り扱っているが、現地調査したところ、被害が小面積で分散しており、当初7市2町と多めに概況を報告していたが、30パーセントに満たない箇所もあり、被災市町村数が減少した。

(10)県有林について

中沢委員
 次に素朴な質問になるが、県有林がどのくらいあって、どのように活用されているのか。

半藤緑化推進課長
 県有林は現在、3,960ヘクタールあり、県内12カ所に点在し、1ヶ所ごとに経営区と呼んでいる。7市3町1村に12経営区がある。そのうち約半数が人工林であり、人工林の半数が50年生以上で伐期を迎えている。ピーク時では5,000ヘクタールほど県有林があったが、昭和50年以降約1,000ヘクタールを森林公園として造成した。

中沢委員
 伐期を迎えているとあったが、これからお金になるのか。

半藤緑化推進課長
 昭和43年ごろまでは一般財源へ繰り入れていたが、それ以降林業が低迷しているため、一般財源から繰り出しとなっている。ただ模範林経営であるため、昨年も2,000立方メートルは素材生産を行い、市場に出荷して1,200万円程度の収入を得ている。


中沢委員
 今後の県有林のあり方検討会ではないが、新たな段階に来ていると思うので、県有林の資産活用を検討すべきと思うがいかがか。

青木環境森林部長
 先ほどの説明にあったように、50年生以上の伐期を迎えている樹木、これは県有林だけの問題でなく県下の森林について言えることである。県有林は模範林として管理してきた経緯もあるので、材を資産として世に出していくという観点で、あり方を色々な角度から研究していきたい。

(11)「森林県」から「林業県」への転換について

松本委員
 まず「森林県」から「林業県」への転換にあたり、変わった点を教えていただきたい。

根岸林業振興課長
 計画では素材生産量を大きな目標としている。平成22年が20万立方メートル、平成23年が22万立方メートル、平成24年が24万立方メートル、平成25年は昨年に比べ約2万立方メートル増加し、26万立方メートルの見込みである。それに応じて素材の生産性についても改善している状況である。

松本委員
 生産したものは全部、商品として販売できているのか。

根岸林業振興課長
 建築用のA材、多少曲がったB材、曲がりの多いC材とも、用途に応じて余るようなことはなく利用されている。

(12)県産材住宅の建設促進について

松本委員
 次に「ぐんまの木で家づくり支援事業」は現在、どのようなことをやっているか。

根岸林業振興課長
 昨年度は駆け込み需要等によって住宅需要もあり、11月と2月の議会で増額補正を行ったところである。今年度は今まで県産材の使用率を60パーセント以上としていたところ、50パーセント以上に下げて補助しているところである。

松本委員
 例えば3,000万円の家を建築した場合、どの程度の補助金が出るのか。


根岸林業振興課長
 建築価格ではなく、全体の木材利用に占める県産材の割合と家の面積によって決まる。

松本委員
 施主が申請するにあたり、工務店と調整して割り出さないといけないのか。

根岸林業振興課長
 この事業の趣旨が県産材を多く使っていただいた方に補助したいものであり、工務店などに「木ひろい表」を作成してもらえば、それをもって申請できるようになっている。

松本委員
 補助にあたって、地域の事務所が現場に確認に行くのか。

根岸林業振興課長
 群馬県木材組合連合会の中にあるぐんま優良木材品質認証センターが確認している。

松本委員
 県有林が3,960ヘクタールあり模範林であると話があったが、間伐や下草の処理などきちんと処理しているのか。

半藤緑化推進課長
 当方では手入れを行って森林整備に努めている。

(13)間伐材の活用について

松本委員
 群馬県全体の森林の手入れ状況はどうか。

松本林政課長
 群馬県の森林面積が約42万ヘクタール、うち半数が民有林、さらにその半分が人工林である。人工林のうち約2万ヘクタールが手入れが遅れている状況である。残り9万ヘクタールのうち8万ヘクタールは最低でも15年に1回、間伐等の手入れがされている。さらに1万ヘクタールは既に高齢となり、手入れの必要がない。2万ヘクタールについて、今年度創設された「ぐんま緑の県民税」で間伐等により健全な森林に改善していきたいと考えている。

松本委員
 以前、群馬の間伐材について、職員が2万人ほどいるからネームプレートに利用したらどうかと提案して、実現した経緯がある。現在、発生する間伐材について販売もしくは利用されているのか。

根岸林業振興課長
 現在、間伐材の中には径の太いものもあり、柱材として利用できるので、搬出等の条件が整えば充分商品として利用できる。

(14)大同特殊鋼(株)渋川工場のスラグ問題について

酒井委員
 大同特殊鋼株式会社渋川工場から出たスラグに関し、環境基準を超える有害物質が含まれていた問題について、質問したい。27工事についてスラグ採石を使用したことを認めているが、調査概要、またこの27ヶ所でどのくらいスラグが使用されていたのか伺いたい。

小笠原環境保全課長
 県土整備部において、27ヶ所について品質規格証明書により安全を確認しているが、念のため27ヶ所のうち使用年度や使用量、使用場所を勘案して、6ヶ所の工事について再度スラグの分析を行った。その結果、6ヶ所すべてでスラグが日本工業規格の環境安全品質基準に適合していることが確認され、5月9日に検査結果が発表された。

酒井委員
 環境基準値以下と言うが、県が調査した別の場所で土を掘って試験したところ、すぐにアルカリ反応を示したところもあった。また日本共産党渋川市議団が独自に調査したところ、基準値の6倍近い値を出したところがある。県は抽出で6ヶ所調査とあるが、27ヶ所すべてで調査すべきではないか。

小笠原環境保全課長
 繰り返しになるが、県土整備部において27ヶ所、品質規格証明書で安全性を確認している。念のため、6ヶ所の工事について検査をし、その結果、基準に適合していることが確認されたということである。

酒井委員
 品質規格証明書で証明されていると言っても、そのこと自体が疑わしいと思われる。また、3月27日に水資源機構が発表しているが、群馬用水の管理用道路にスラグを使用した事実で、8ヶ所調査したところ、全部でフッ素が基準値を超えていたという事実がある。工事箇所の前橋市も緊急対策として管理用道路を通行止めにした。これらの事実を県としてどのように受け止めているか。

小笠原環境保全課長
 県以外の工事について、国土交通省関連では45工事でスラグが使用されたと聞いている。国土交通省では45工事のうち、品質規格証明書で安全性が確認できなかった6工事について、再検査したところ、1工事、渋川市半田の国道17号線沿いで基準値を超えていた。その地点について、環境保全課では、県民の安全を第一に、工事カ所周辺の7ヶ所にある井戸を調査したが、地下水汚染は認められなかった。次に、水資源機構については、8カ所で基準を超え、用水路であるので、適切な措置を要請している。最後に、渋川市の状況について、38ヶ所でスラグが使用されていることが明らかになっており、複数ヶ所で汚染が確認されている。現在、渋川市で調査中であり、県への報告を踏まえて適切に対応をしていきたい。

酒井委員
 表向きではスラグを売るふりをしながら実際は処理費を出す、このような逆有償取引という形態、本来廃棄物として処理しなければならないものと思われるが、その辺りの見解はどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 廃棄物になるかならないかの判断は、物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思等を総合的に判断するものである。スラグに関して、長い期間に渡って様々な形態で流通されていることを把握している。廃棄物・リサイクル課では現在、廃棄物処理法に照らして、抵触の可能性について、立ち入り検査や報告の徴収等を通じて総合的に判断していきたい。

酒井委員
 三重県の大手化学メーカーで、土壌埋め戻し材を不法投棄したことで、大阪地方裁判所が賠償命令を出した。判決内容も「有害物質を含む廃棄物と認識しながら、安全性確認を怠り、巨額回収費用がかかるのを知りながら、出荷し続けた」として賠償責任を命じ、同時に廃棄物処理法違反として刑事事件にも発展している。大同特殊鋼株式会社等、刑事事件として告発すべきと思うがどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 現在、色々な資料を取り寄せたりして事実確認の上、廃棄物処理法に抵触するか否か判断したい。

酒井委員
 今でも渋川スカイランドパーク駐車場に敷砂利として使用されており、むき出しの状態になっている。群馬用水の管理用道路も生活道路として使用されている。周辺住民に周知徹底すべきと思う。そのような汚染土壌を大同特殊鋼株式会社等の責任で除去させるべきと思うがどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 調査結果により廃棄物処理法に照らした上で、措置について考えたい。

酒井委員
 こういう状況について、土壌汚染対策法により措置命令や費用請求等もできると規定されている。汚染物質の除去について、早急に対策を打つべきと思うがいかがか。

青木環境森林部長
 このたびのスラグ問題については、県としても由々しき問題として捉えている。県としても法に照らしてきちんとやるべきことはやっていく、今後、調査等に展開があれば報告したい。

酒井委員
 法に則って、厳正に対処して欲しい。

(15)群馬県地球温暖化対策実行計画について

小川委員
 地球温暖化対策の関係でそもそも論の質問になるが、現在の排出量や削減目標はどういったところで把握しているのか。

中田温暖化対策室長
 現在の地球温暖化対策実行計画の策定にあたり、民間会社に委託して排出量などの調査をしている。調査結果を元に将来見込み等を立てて排出目標を算定している。

小川委員
 どういったところから数値を出しているか分からないか。

飯塚環境政策課長
 具体的な算出にあたっては、例えば県内電力使用量、ガソリン使用量などの統計資料に一定の係数を掛けて数値を出している。フロンなどは事業者の製品生産量を元に算出している。

小川委員
 周りでもエコに気をつかったり、二酸化炭素の削減に個人的に取り組む人が増えてきた感がある。計画で削減目標を出す際に、民間で取り組む削減量がどう評価されているかを知りたかったが、先ほどの説明にあったように統計数値のみが目標の算定基準となっているのか。

飯塚環境政策課長
 エコに取り組む県民の皆さんも以前に比べて増えてきているので、本来であればそういった方々の取組を積み上げた形で示せればよいが、公的な統計数値を使って目標を算出せざるを得ない面もある。

小川委員
 民間の方のやる気が起きるような計画を作成していただくと、県民も取り組みやすくなると思う。

(16)野生の山菜類に係る放射性物質の検査状況について

小川委員
 次に新聞報道で、みなかみ町のコシアブラから基準値の5倍を超えるセシウムが検出されたと記事があった。山菜採りに出かけた人は既に食べてしまった人もいるかと思うが、山菜の検査状況はどうなっているか。

鈴木きのこ普及室長
 県では流通に係る野生の山菜について検査している。5月末現在、18検体の検査を実施し、1検体が基準値を超過している。その他、流通段階で直売所に検査したものを扱うよう要請している。

小川委員
 直売所に対しては要請しているが、全部の商品が検査されているかは分からないのではないか。

鈴木きのこ普及室長
 流通段階に乗ってしまった場合には、食品衛生法から回収命令など直売所に対して非常に重い責務がかかってくるので、それを充分に踏まえた上で扱うよう指導している。

小川委員
 県として、山菜を採って自己責任で食べている方もいると思うが、その辺についての考え方はどうか。

鈴木きのこ普及室長
 県民の方が流通しているものが安全と思って食べてしまう事態は、避けたいと考えている。山菜採りに行く方については、山菜から基準値を超過している事例があることを報道等で提供しているので、充分認識した上で行動して欲しい。

小川委員
 スーパーと同様、直売所で売られているものも安全であると認識してしまうと思うので、購入者に対しても注意喚起を周知する必要があると思うが。

小笠原環境保全課長
 放射性物質について一番大切なことは、検査をして県民に周知することである。流通食品については問題ないが、県民が自分で採取したり栽培したものについては、市町村が無料で検査する体制を整えているので、そのような事についてもPRさせていただきたい。

小川委員
 今回、みなかみ町の山菜から検出されたが、山菜がとれた地域の土壌汚染調査は実施しているか。

小笠原環境保全課長
 県及び市町村が協力して、生活空間を中心に1,100ヶ所以上で放射線量を測定し、放射線マップを年2回作成している。現在のところ、問題となる地域はない。また、森林について、国で地上1メートルの放射線量が測定できる航空機モニタリングを行っている。県内では震災以降4回行われたが、放射線量はかなり減衰している。

(17)赤城山の松枯れについて

小川委員
 次に赤城山の松枯れが一時問題となり、色々と対策が取られてきたが現状はどうか。

金井田森づくり主監
 松食い虫によりかなりの面積が枯れてしまっているが、取組により徐々に復旧されている。またぐんま緑の県民税では松食い虫被害地を再生する事業を進めているところである。

小川委員
 赤城山は群馬県の貴重な財産であるので、きれいな緑を取り戻したいと思う。松食い虫被害防止のため薬剤を注入していると思うが、それでも枯れてしまう木もあると思うが現状はどうか。

金井田森づくり主監
 松食い虫が全県に拡がったときには全県駆除をしていたが、対策しきれないこともあり、現在は守るべき森林を指定して、集中的に伐倒駆除や樹幹注入を行っている。また樹幹注入の効果は数年確保できる。

小川委員
 森を元気にするということで炭撒きを行っている団体があるが、森と炭の関係について研究をしているか。

松本林政課長
 森林そのものに炭を撒く行為が森林によいかどうか科学的な知見は出ていない。ただ畑とか緑化木の公園とかで土壌の中に炭を敷き込むことについては、土壌改良効果があるとされている。樹木の根は土に密着することによって、しっかりと養分を吸収する訳だが、炭をそのまま撒くと逆に根が乾いて密着せず、悪い影響が出る面もあるので、基本的には土と粉炭を混ぜて使用するのが一般的である。

小川委員
 前橋市内の嶺公園や敷島公園で、炭を土と混ぜて復活の様子を見る団体があり、公園ではそれなりの効果があると見てよいのか。

松本林政課長
 それなりの効果は出ると思う。

小川委員
 西毛地域などでは竹害も問題となっており、竹炭をつくって土壌改良に利用しようという団体もあるので、今後研究いただいて効果があるようなら県立公園でも活用願いたい。

(18)ゴミの減量化について

福重委員
 県民の方と意見交換をする際、環境に対する意識が非常に高くなってきている。県民の意識が高まっているにも関わらず、群馬県のごみの排出量が多いことに対する県の認識と取組はどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 本県はごみの排出量が全国でも多い状況が続いている。指標となるリサイクル率においても、全国平均よりかなり低い状況である。原因についても、これと言ってはっきりしていない。ゴミの減量化については、ライフスタイルを変えていかないとなかなか難しい。3R(リディース、リユース、リサイクル)を進めていく上で、まず県民が参加しやすいリユース、リサイクルを進めていきたい。そういった中で、昨年、前橋市とグリーンドーム前橋でリユース宝市を行い、大変盛況であった。このようによい事例を他の市町村にも広めていきたい。

福重委員
 一般ゴミや家庭ゴミの収集は市町村が行うので、県としては実体的な取組ができない。県ができることは県民の意識を変えていく啓蒙活動となる。まず一番大事なのは、ハードルを決めて目標に向かって答えを出していくという情熱を持って取り組む姿勢である。県ホームページのトップページに小さく「ECOぐんま」とバナーがあるが、アクセス数は年間どのくらいなのか。

飯塚環境政策課長
 どのくらいの閲覧数か、今のところ手元に数値がない。言い訳になるが前はもっと小さいバナーだった。トップページに載ったのでその辺りは評価願いたい。

福重委員
 さきほど話のあった「ぐんま緑の県民税」についても、ホームページ等で活用例が紹介されれば、貴重な税金が使われている実感が湧くと思う。他県の例など色々なことを試みることで、来年はワースト1位を脱却できるよう努力いただきたい。

(19)ライフル射撃施設整備について

織田沢委員
 クレー射撃場のこれからの設置計画について伺いたい。今年はどの程度まで進むのか伺いたい。

須藤自然環境課長
 昨年度県議会よりいただいた提言については、重く受け止めている。今年度、県では整備の必要性を県民に理解していただくとともに、防音に配慮した構造などの技術的観点や、需要見込みに基づいた基本構想について、学識経験者、狩猟者、ライフル射撃関係者、建築士等で構成する検討委員会で検討したい。26年度中に基本構想をとりまとめ、関係者の理解を得ながら次年度以降の整備に繋げたい。

織田沢委員
 できるだけ早く基本構想をまとめて、住民へ説明してほしいが。

須藤自然環境課長
 できるだけ早く基本構想を作成し、県議会からの提言に応えられるように努めたい。

(20)きのこの生産振興と課題について

織田沢委員
 次にきのこ生産の現状と課題について伺いたい。まず原発被害により東京電力から賠償がなされる中で、賠償の支払い状況について伺いたい。

鈴木きのこ普及室長
 農畜産物損害賠償対策群馬県協議会による請求額は、現在244億5,000万円程度である。それに対し、支払額は218億7,000万円で89.4パーセントの支払状況、そのうちきのこ関係では請求額30億9,000万円、支払額は30億3,000万円と98.1パーセントの支払状況である。団体請求に関しては非常に順調に進んでいる。

織田沢委員
 きのこについては、かなり賠償は進んだという認識でよいか。何か課題は。

鈴木きのこ普及室長
 今後、ほだ木等の請求に関して生産者個人による個別請求になるということで東京電力から通知が出ている。

織田沢委員
 農家の方が個人請求するのはなかなか大変である。県やJAからの相当のバックアップが必要と思うが、対策はどうか。

鈴木きのこ普及室長
 おが粉の対策と同様、個々の生産者が自己の被害を証明するのでなく、共通してできるよう県として東京電力に技術的資料等を提供して、交渉がスムーズに行くよう努めている。

織田沢委員
 東日本大震災以降、この3年間のきのこ生産量の推移はどうか。

鈴木きのこ普及室長
 事故前、平成22年の生産量は11,000トンで約66億円の生産額があった。うち生椎茸は4,821トンで全国4位、うち原木は1,359トンで全国1位であった。事故後、平成24年の生産量は8,600トン、50億5,000万円の生産額、生椎茸は3,966トンでうち原木は911トンで平成22年の約67パーセントに減少した。

織田沢委員
 県内の生椎茸の価格推移はどうか。

鈴木きのこ普及室長
 平成22年では742円、平成23年は709円、平成24年は717円と推移している。

織田沢委員
 生産量、価格ともに下がっている。まさに負のスパイラルに入っていると思う。西毛地域では主要生産物で生活の糧である。どう対応していくか。

鈴木きのこ普及室長
 東日本大震災以降、風評被害がまだ見られるのでそれを払拭するため、引き続きモニタリング検査を通じて安全性のPRを行いたい。その他、きのこの安心安全キャンペーンを展開する予定である。きのこ振興協議会等に支援してラジオスポットCM、ぐんまちゃん家での販売促進を行う。また国で行っている原木椎茸の再生緊急対策事業を利用して、新規事業を創成したいと考えている。

織田沢委員
 農業新聞の市況を見ると、本県のきのこは栃木県に比べて安い。根本的な原因があるのではないか。昨年、生産量日本一の徳島県を視察したが、品質を上げる努力を全ての地域で取り組まれている。そういうところを見ると、生き残っていくためには、いいところの真似をしていかざるを得ないと思うがいかがか。

鈴木きのこ普及室長
 東京市場の平均に対して群馬県市場の平均は、8割程度の価格で推移している。事故前から価格差があることも事実である。色々原因は考えられるが、価格を上げて少しでも収入をあげられるような施策は必要だと思う。生産者団体と協議しながら販売拡大に結びつけていきたい。

織田沢委員
 徳島県ではキロ単価900円台に対して、本県ではキロ単価700円台と大きな開きがあるのに驚いた。徳島県の真似をして、そういうところに補助金を投入していくことも考える必要があると思うが。

青木環境森林部長
 大雪直後、富岡地区の椎茸生産現場に行き、つぶれたハウスと放射能汚染の原木、生産者の話を聞いて非常に厳しい状況を理解し、事態を重く受け止めている。生産者が事業を継続していくためだけでなく希望が持てるように行政が総力を挙げて取り組んでいく必要があると思う。

織田沢委員
 大雪被害に関し、被害報告は面積で示されているが、きのこハウスの棟数では何棟になり、全体で何割になるのか。

鈴木きのこ普及室長
 1,060棟のキノコハウスが被害に遭い、全体で1,455棟ほどあるので約7割になる。

織田沢委員
 放射能汚染のほか、大雪被害と追い打ちがかかっている現状を充分理解いただきたい。

(21)地熱発電について

井下副委員長
 地熱発電、バイナリー発電に係る本県の取組状況はどうか。

飯塚環境政策課長
 当方で把握している限りでは、県内で導入の動きはない。

(22)芳ヶ平湿原周辺湿地群のラムサール条約の登録について

井下副委員長
 中之条町で芳ヶ平湿原周辺湿地群のラムサール条約登録の動きがあるが、県の対応はどうか。

須藤自然環境課長
 環境省が中心となって中之条町と取り組んでおり、県ではラムサール条約登録に関する直接的な事務は発生しないが、上信越高原国立公園内の県有施設の整備等で側面的に支援していきたい。なお県内では尾瀬、渡良瀬遊水地が既にラムサール条約の登録を受けており、登録されれば3番目となる。

井下副委員長
 側面的支援とは、登録が決定した後になるのか。

須藤自然環境課長
 自然公園の管理については、今でも適正管理しているが、登録されれば利用者の増加が見込まれるので更に適正に管理していきたい。

(23)木質ペレットについて

井下副委員長
 次に、森林バイオマスで木質ペレットの普及があるが、現状はどうか。

根岸林業振興課長
 県内に2ヶ所、前橋市の苗ヶ島にある電力中央研究所内の株式会社セレス赤城事業所と上野村で製造している。25年次の生産量は併せて約600トン弱である。利用に関して、ペレットボイラーでは農林大や上野村のやまびこ荘、しおじの湯などに入っている。県で全ては把握できていないが、ペレットストーブが240台程度、ペレットボイラーが8台程度入っている。木質ペレットは製造コストと利用状況のバランスが大事だと考えている。

井下副委員長
 上野村で取組をしていると思うが、県で支援をしているのか。

根岸林業振興課長
 上野村については、ペレット製造施設の建設、村営住宅や一般家庭でのペレットストーブ導入の支援をした経緯がある。

(24)外国資本による水源地域の売却事例について

井下副委員長
 「ぐんま緑の県民税」導入に際して、当初外国資本が水源地などを買い漁る危機感があり、何とかしなければならないという問題意識があった。本県でも嬬恋村の買収事例以外にあるのか。

松本林政課長
 群馬県水源地域保全条例の事前届出制度が施行され1年6ヶ月が経過した。これまで470件程度の事前届出があったが、外国資本による森林買収の事例は見受けられない。


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