ページの先頭です。
現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 平成26年5月26日~平成27年4月29日特別委員会記録 > 観光・世界遺産に関する特別委員会(平成26年10月2日)

本文

観光・世界遺産に関する特別委員会(平成26年10月2日)

1.開催日時

平成26年10月2日(木曜日)10時01分開始 12時20分終了

2.開催場所

403委員会室

3.出席委員

委員長:岩井均、副委員長:星名建市
委員:関根圀男、委員:塚越紀一、委員:星野寛、委員:塚原仁、委員:岸善一郎、委員:大手治之、委員:原和隆、委員:金子渡、委員:藥丸潔

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)外国人誘客の取組について

関根委員
 外国人観光客の国別状況はどうか。

黒澤観光物産課長
 平成25年の訪日外客数は、日本全体で1,037万人、本県への外国人宿泊者数は9.7万人泊となった。平成26年1~6月の訪日外客数は、日本全体で626万人、本県への外国人宿泊者数は4.7万人泊である。

関根委員
 ビジットジャパン地方連携事業での取組状況はどうか。

黒澤観光物産課長
 国と各自治体や観光関連事業者などが連携して、広域で外国人誘客を行うもので、国が2分の1を上限に事業費を負担するため、本県も積極的に活用し、東アジアやASEAN諸国の旅行会社やメディアの招聘などのPRに取り組んでいる。

関根委員
 韓国、中国、タイ、ベトナム、マレーシアなどにも、誘客の取組を広げてはどうか。

黒澤観光物産課長
 昨年もビジットジャパン地方連携事業を活用して、誘客活動を展開しており、今年度も引き続き取り組む予定である。

星野委員
 海外への情報発信の取組と、実際の来訪状況はどうか。

黒澤観光物産課長
 海外に向けたPRは、9月補正で要求している多言語による公式ガイドブックや周遊観光ガイドブックの活用、ホームページやSNSでの情報発信、台湾でのPRをしていく。外国人の世界遺産への来訪数は、現在のところ調査できていないと聞いている。国内に比べ海外にはまだ十分知られていないと思っており、引き続き情報発信を行う。

星野委員
 外国人向けに日本の観光地を紹介しているインターネットサイト「ジャパンガイド」に富岡製糸場が掲載されているが、拠点が藤岡にあり、もっと働きかけを行ってはどうか。

黒澤観光物産課長
 ジャパンガイドは、開設者の夫人に観光審議会委員になっていただくなど、観光局でも関係が深く、今後も協力いただけるよう働きかけていきたい。

塚原委員
 はばたけ群馬観光プランでの2011年の調査では、外国人観光客の受入への取組が低調であったが、その後、意識や体制整備に変化があったか伺いたい。

黒澤観光物産課長
 はばたけ群馬観光プランでは、外国人受入体制を築く見通しが立たないという回答が多かったが、その後、知事のトップセールスや議員各位の尽力により、外国人観光客が増加している背景を受け、事業者自身も変化してきたと感じる。例えば、先日のムスリム対応講習会においては、県内事業者から多数の参加があり、関心の高さがうかがえる。

藥丸委員
 ムスリムの観光誘客に関し、一歩進んでASEANのムスリムの留学生を増やしたり、アドバイザーとして活用する取組を検討してはどうか。

佐藤国際戦略課長
 県内の留学生約950人のうち、イスラム圏からはインドネシアから28人、マレーシアから48人で、8パーセントにすぎない。ムスリムに限って留学生を増やすことは難しいが、留学生の約6割は日本での就職を希望しており、県内の観光産業等に就職して定着すれば、ムスリム誘客にも結びつくと思われ、ひいては留学生の増加にもつながるものと考えている。

(2)上海事務所の取組について

岸委員
 4月に事務所開設一周年式典を開催したが、その後の取組について特筆するべきものはあるか。

佐藤国際戦略課長
 6月には、上海国際映画祭において「そして父になる」が上映されたことを機にロケ地が前橋であったことを踏まえ、レセプションの際に県のPRを、7月には「ホッとぐんまin上海」と題して、現地観光メディア21社を集め、世界遺産となった「富岡製糸場と絹産業遺産群」を中心に東京からの近さや温泉などをアピールし、雑誌・ネット記事等で取り上げられ、非常に効果的であったと聞いている。

(3)EUへの牛肉輸出について

岸委員
 EUに上州牛の輸出を開始したようだが、売れているのか。

真下ぐんまブランド推進室長
 月に複数回のペースでイギリス、オランダ等へ輸出しており、輸出額は、順調に伸びると考えている。

(4)世界遺産と東国文化の連携について

関根委員
 世界遺産や東国文化を積極的にPRし、特に子どもたちに見てもらいたいと思うが、歴史博物館はどのくらいの小学校が利用しているのか。

飯塚文化振興課長
 平成24年度の実績であるが、歴史博物館には218校が訪れて、うち県内は122校で、県外からも多くの学校が訪れている。平成25年度は、221校が訪れており、平成24年度と同じ傾向である。

関根委員
 「尾瀬学校」のように「歴史遺産学校」を設けて、学校の授業で世界遺産と東国文化を訪問することを、ぜひ検討してもらいたいがどうか。

飯塚文化振興課長
 改修後の歴史博物館に多くの子どもたちに来てもらい、東国文化や歴史遺産の魅力や学校にとってのメリットをしっかりと情報発信していきたい。

(5)広域周遊観光について

塚越委員
 観光情報誌「ググっとぐんま」では広域周遊観光を意識し、日光の情報を入れるなど、近隣県との連携は良い取組だと思う。今後も周遊観光を中心に取り組んでもらいたいがどうか。

黒澤観光物産課長
 近隣県と連携した広域周遊観光は重要と考え、以前より取り組んでおり、同じ世界遺産である栃木県の日光、静岡・山梨両県の富士山、埼玉県深谷市の渋沢栄一記念館など、今後も近県や県内各地域と連携して、広域周遊観光にしっかり取り組んでいきたい。

(6)田島弥平旧宅に係る広域連携について

原委員
 内閣府の地域活性化モデル事業に、サンデン株式会社を中心に、広域で連携し取り組んでいるが、県はどのように連携し、支援を行っていくのか。

松浦世界遺産課長
 田島弥平旧宅と周辺を周遊する事業として、現在解説者の育成を計画しており、県に事務局を置く富岡製糸場世界遺産伝道師協会が、講師派遣や資料提供などの支援を行っている。

黒澤観光物産課長
 伊勢崎行政県税事務所がとりまとめ地域活性化のモデルコースを設定しているほか、埼玉県観光課と適宜話し合い、深谷市と連携した絹産業遺産マップを作成するなどに取り組んでいる。

(7)パンフレット「ぐんま周遊観光クーポン&スタンプラリー」について

原委員
 100カ所以上のクーポンが掲載されているが、伊勢崎市のものは1つしかなく、世界遺産で盛り上がっているといっても富岡と伊勢崎では温度差がある。県からもっと働きかけがあってよいと思うがどうか。

黒澤観光物産課長
 市町村や観光団体などを構成員とした世界遺産等観光推進部会を定期的に開催しており、当該パンフレットは、そこで様々な議論をする中で作成したものである。世界遺産関連では、これまでも地元市町村をはじめ、商工関係者や観光関係者と意見交換しており、委員ご指摘の件についても、そうした場で話をしていきたい。

(8)富岡製糸場と絹産業遺産群の入場者数維持の取組について

星野委員
 来場者の増加を一過性に終わらせないために、4資産の来訪者からの声を聞き、それらを活かした取組が必要であると思うがどうか。

松浦世界遺産課長
 それぞれ来訪者へのアンケート調査などを実施しており、主な意見とすると、しっかりとした案内や解説に対しては、良い反応が得られているようである。「富岡製糸場と絹産業遺産群」は産業遺産で、わかりにくい面があるので、きちんとした説明が必要と考えており、トイレや駐車場についても、整備を進めている。

黒澤観光物産課長
 11月頃富岡製糸場などにおいて、来訪者調査を予定しており、入場者が、誰と、何日の行程で、どこから来て、どこへ行くのかなどを調べたいと考えている。

星野委員
 県内全域にある絹遺産に対する県民の理解を深めることが重要と考えるが、今回設置する「世界遺産・ぐんま絹遺産継承基金」により、取り組むと考えてよいのか。

松浦世界遺産課長
 基金では、世界遺産のみならず、ぐんま絹遺産の周知を通じ、絹産業・文化の価値を、県民が再認識するような事業を検討している。

星野委員
 解説をより充実させる取組についてはどうか。

松浦世界遺産課長
 関係市町等に対し、解説方法のDVDを配布し、トレーニングに活用してもらうほか、県配置の指導員への研修、ホームページやパンフレットなどの充実により、より分かりやすくしていきたい。

(9)富岡製糸場と絹産業遺産群及びぐんま絹遺産の連携について

岸委員
 県内には、まだ登録されていない絹遺産があると思うが、各自治体間の連携などはどうか。

松浦世界遺産課長
 平成23年度からぐんま絹遺産の登録を行っており、現在22市町村にぐんま絹遺産がある。本年も9月末に募集を行い、今後は、県と市町村、市町村相互の連携を強化し、活用を促すとともに広域周遊ルートの検討などを行いたい。

岸委員
 市町村によっては、ぐんま絹遺産への取組に温度差があるようだが、予算的な支援も含め、県が主導する必要があるのではないか。

黒澤観光物産課長
 観光情報誌「ググっとぐんま」で扱っているほか、千客万来支援事業でもぐんま絹遺産の整備について支援していきたい。

松浦世界遺産課長
 ぐんま絹遺産の趣旨を市町村に説明し、積極的に取り組むよう促したい。

(10)旧新町屑糸紡績所について

関根委員
 旧新町屑糸紡績所の価値について、どのように考えているか。

松浦世界遺産課長
 旧新町屑糸紡績所は、明治10年に屑糸から絹糸を生産するため日本人が設計した木造の官営紡績場で、主要な施設が良好な状態で残存するなど高い価値を有していると考えている。

関根委員
 世界遺産への追加登録について、どのように考えているか。

松浦世界遺産課長
 世界遺産登録に向けては、国文化財指定が条件であり、現在、高崎市が国文化財指定に向けて取り組んでいると聞いており、取組により成果が出れば新たな動きも考えられる。

(11)群馬よいとこ観光振興条例について

塚原委員
 本年4月に施行され半年が経過するが、条例をどのようにPRし浸透させているのか、状況はどうなっているか。

黒澤観光物産課長
 条例周知については、県内各市町村、観光協会を集めた会議において、趣旨・理念について説明したほか、関係団体等の会議でも印刷物を配布するなど周知を図った。また、県ホームページに全文を掲載するとともに、一部マスコミに記事を掲載して情報発信するなど、条例の浸透に努めた。今後も、条例の浸透に努めるとともに、来年度に策定する新観光計画では、条例の趣旨を十分踏まえた計画としていきたい。

塚原委員
 一般県民への周知をどうするかが課題であり、各地域で県民一人ひとりが観光の掘り起しを行うよう、もう一歩踏み込んだ県民への浸透が進むような取組をお願いしたいがどうか。

黒澤観光物産課長
 今後も県ホームページのほか、会議、イベント、県政懇談会等で、チラシを配布するなどして浸透を図りたい。

(12)世界遺産関連施設でのボランティアガイドの育成について

塚原委員
 世界遺産への理解を深めるためには、熟度の高いボランティアガイドの育成が重要と考えるが、現状はどうなっているか。

松浦世界遺産課長
 富岡製糸場はボランティアが、その他の3資産については、市の臨時職員が中心に解説を実施しており、ボランティアの会も、主に土日に解説を行っている。県では、解説方法のDVDを配布するほか、県配置の指導員への研修を実施し、ガイドのスキルアップに努めている。

塚原委員
 子どもボランティアガイドの育成については、どうか。

松浦世界遺産課長
 富岡市が子どもガイドを育成しているほか、富岡製糸場では夏休み期間中に富岡高校や富岡東高校の生徒が場内ガイドを行っている。また、高山社跡では、群馬医療福祉大学の学生が、9月下旬から週末を中心に受付や順路案内を始めており、学生による解説実施も可能であると思う。

(13)世界遺産に関する展示について

藥丸委員
 来場者の理解をより深めるため、岡谷蚕糸博物館のような、実際に糸をつくる様子の動態展示を実施すべきと考えるがどうか。

加藤総合政策室長
 富岡市に、実際に繰糸機を動かし、できた糸で加工・販売をするという構想があると聞いている。取水・排水の問題や繭の確保など課題があるようであるが、動態展示は、世界遺産やぐんま絹遺産への理解、観光の振興、絹産業の振興など様々な面で有効と考えられるので、国の省庁や関係者と連携しながらサポートしていきたい。

藥丸委員
 政府でも女性の活躍について取り組んでおり、女性の活躍に光を当てるという視点から、工女の活躍をPRする必要があると思うがどうか。

松浦世界遺産課長
 製糸業における女性の役割については、ユネスコの決議文にも研究の継続が記載されており、その資料収集や調査研究に努めたい。また、その成果を基に、学校教育や一般向けのイベント、印刷物等で、工女の活躍を伝えていきたい。

(14)富岡製糸場の西繭倉庫保存修理について

大手委員
 整備の様子を一般に見学させる計画があると聞くが、どのようなものか。

松浦世界遺産課長
 保存修理は、整備方針や文化財修理の工法を様々な形で説明できるよい機会でもあり、富岡市や文化庁と協議しながら、連携して対応していきたい。

(15)上野国分寺まつりについて

岸委員
 10月26日に開催する「上野国分寺まつり」に県も力を入れていると聞いているが、イベントの内容はどういったものか。

飯塚文化振興課長
 奈良の平城京天平行列を再現するもので、文化庁補助金を活用し絹で作った衣装100着を地元の小学生や住民などに着てもらい、奈良時代の雰囲気を出したいと思っている。また、夕刻には築垣を背景に雅楽の演奏会を開催する予定であり、去年にも増して、賑やかな「上野国分寺まつり」にしたい。

(16)観光面でのICT(情報通信技術)の利用について

原委員
 グーグルマップのストリートビューでは、富岡製糸場の場内まで載っており、掲載の依頼など、多くの人が利用するICTの活用について、企業との連携をどう考えているか。

松浦世界遺産課長
 グーグルマップは、要請を受けて作成されるものではないが、チャンスがあれば積極的に情報発信をしたい。現在は、ICTによる情報発信として、カーナビの地図作成業者には、4資産周辺の駐車場に誘導するような位置を落とすように申し入れている。

(17)群馬シルクのPRについて

金子委員
 JR東日本のトランヴェール6月号に、山形シルクに関する特集記事が掲載されていたが、本県でも、群馬のシルクを積極的にPRすべきと考えるがどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 世界遺産登録により、絹産業再生への機運が高まっており、これまでの取組に加え、本年9月の「絹の郷シンポジウム」によるマッチング、繊維工業試験場が行う世界遺産関連シルク製品開発プロジェクトとも連携し、新たな商品開発を進めている。また、碓氷製糸工場への見学者受入体制整備の支援など、蚕糸業の振興対策を講じている。

(18)シルクに関連した食のPRについて

金子委員
 山形県では、観光の目玉となる食に関し、シルクを使ったメニューの開発や女子高校生によるスイーツの発案、商品化などに取り組んでおり、本県でも、シルクと食を関連させた取組が必要と考えるがどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 本県でも、本年5月に女子会(通称 ひめラボ)を立ち上げ、女性視点のパッケージングなど、付加価値を高める取組を行っており、シルク液を入れたジェラートを発売したところ、好評を得ている。女子会の更なる活躍に期待しているところであり、ブランド力向上に繋げていきたい。

(19)ググっとぐんま観光キャンペーンについて

星名委員
 DC誘致の予定はあるか。

戸塚観光局長
 平成28年度まで開催地が決定しているが、DCは観光誘客はもとより地域経済活性化の面でも有効と考え、JR高崎支社に早期開催を要請している。

星名委員
 2020年(平成32年)開催の東京オリンピックを念頭においた誘致活動を進めてもらいたいがどうか。

戸塚観光局長
 大きなイベントと併せてDCを開催することは、相乗効果が見込まれ有効だと思う。市町村や観光団体等と協力しながら考えていきたい。

(20)災害時の対応について

星名委員
 御嶽山の噴火災害に関連し、本県にも5つの活火山があり、近くに観光地もあるが、噴火に備えた対応や危機管理部門との連携はどうか。

高橋産業経済部長
 災害対応は人の生命にかかわることもあり非常に大事と認識している。草津白根は現在、夜間通行規制となっているが、昼間の通行ができることから、危機管理室や県土整備部と連携して観光客への情報発信を行っている。今後も、関係部局と連携し、安全を確保した上で誘客を図っていきたい。


現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 平成26年5月26日~平成27年4月29日特別委員会記録 > 観光・世界遺産に関する特別委員会(平成26年10月2日)