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環境農林常任委員会(農政部関係)(平成26年9月30日)

1.開催日時

平成26年9月30日(火曜日)10時00分開始 15時24分終了

2.開催場所

403委員会室

3.出席議員

委員長:萩原渉、副委員長:井下泰伸
委員:中沢丈一、委員:黒沢孝行、委員:松本耕司、委員:織田沢俊幸、委員:福重隆浩、委員:酒井宏明、委員:清水真人、委員:小川晶

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)大雪被害等について

黒沢委員
 大雪被害に係る復興状況について、農業用園芸施設の復旧状況が21.3パーセントであるが、作物によっても復旧の度合いを見極めなければならないと思うが、今年度中の見通しはどうか。

高橋蚕糸園芸課長
 パイプハウス資材については、6月7月にある程度計画通り入ってきたが、8月に入って他の産地で需要期に入ったことから、若干減少した。しかし9月以降、メーカーの努力等により、年度内には再建予定の面積分は、確保の目処が立ちつつある。

黒沢委員
 資材は何とかなっても、人夫がどうしても足りないと聞いているが、人夫の手当はどうなっているか。

高橋蚕糸園芸課長
 自主施工できない方々もいるので、県建設業協会へ人員要請を行ったところである。施工メーカーとしても、資材がいつ供給されるかわからないと、人夫を出せない事情もあり、マッチングがうまくいかなかった時期もあった。9月以降、供給が安定してきたら積極的にマッチングを進めていきたい。

黒沢委員
 大雪被害については国、県、市町村を合わせて9割補助となったが、体力的に農業ができなくなる恐れがあるので、安易に補助を受けられないジレンマや、営農が継続されなければ産地が縮小してしまうという声が現場から聞こえてくるが、補助を受けた場合、最低何年営農を継続しなければ返還義務が発生するのか。

石坂構造政策室長
 例えばパイプハウスの場合、耐用年数はおおむね10年である。この期間内に営農中止、パイプハウス取り壊し等になると補助金返還が生じる。ただ、元々元気だったのが、急に病気になることもあるので、やむを得ず営農継続ができない場合や無償で譲渡する場合、補助金返還は生じない。また、地域農業のマスタープランである「人・農地プラン」の話し合いの中で、地域の中心的担い手を定め、引き取り手を見つけていくことが、産地の維持につながっていくと考えている。

黒沢委員
 ハウスが再建されるまで、どのような減収対策をとってきたのか。

今井普及指導室長
 減収対策については、普及活動で農家に寄り添った支援をしている。例えばニラの地域で、ハウスがつぶれた方に路地ナスを入れて、減収分を少しでも補うようにし、地域の農業を落ち込ませないようにしている。

酒井委員
 大雪被害に対して、被災農家の25パーセントが申請すらしていないと聞いているが、なぜそのような事態になっているのか。現状把握について伺いたい。

石坂構造政策室長
 ひとつはこの国庫補助事業の目的が農産物の生産に必要な設備の再建や修繕ということで、当初想定していた家庭菜園等の方が補助対象外となったことや、農機具格納庫として申請がでてきたが、実際は自家用車の車庫など、精査したところ補助対象外であったということ。庭先の施設で撤去のみで再建しないといったことや、高齢により営農を断念したという事情で減ってきていると考えている。

酒井委員
 再建したい人が断念する事態はなくしていくべきなので、どこまでが補助対象となるのか、きめ細かく支援願いたい。また、他県に比べて農家への支払いが遅れていると聞いているが、申請に対する支払い状況はどうか。

石坂構造政策室長
 他県との比較資料はないが、手続きとして、まず国に事前計画協議をして、予算割り当ての内示をもらい、計画の承認申請、交付決定、支払いという流れになる。本県の場合、事前計画協議の数がかなり多く、8月末までで第3回の事前計画協議が終了したところである。当初予定の4割強で事前計画協議が終了し、割り当て内示が来ている。支払いについて、交付決定まで行けば、市町村で農業者に支払うことはできる。一層努力して、なるべく早く支払いできるようにしていきたい。

酒井委員
 4割程度とのことだが、事業費ベースではどのくらいなのか。

石坂構造政策室長
 第3回の事前計画協議終了後の時点で、事業費ベースで約146億円である。

中沢委員
 大雪被害で再建が進んでいる訳であるが、あくまで原状復帰が前提なのは承知しているが、資材不足や人手不足でままならない状況がある。資材不足と言うより資材高騰で、見積もりを取ると、倍近い額を提示されると聞いたが、実際申請が受理されるのはいつの段階の見積もりによるのか。

石坂構造政策室長
 補助金の申請段階で取った見積書の金額で事業費が決定されるので、まずは交付決定に向けて出される見積書の金額が事業費と言うことになる。

中沢委員
 現在の市場価格による見積書でよいか。

石坂構造政策室長
 同種同規模の施設の再建に要する見積もりにより、得られた額が補助対象となる。

中沢委員
 居住区と施設設置場所が市町村をまたぐ場合、属地主義で、設置市町村に申請することになると思うが、現場では周知徹底されていないと聞く。県で現状を把握しているか。

石坂構造政策室長
 申請にあたり、国のほうで属地主義と方針を示して以降、県でも市町村間の調整に関わってきた。県としては、属地主義が浸透していると考えている。

中沢委員
 市町村で手続きにまごついていると聞いたので、県としてもしっかり中に入って指導していただきたい。

中沢委員
 大雪被害緊急対策資金について、農協に行ってもなかなか貸してくれない、農協に若干でも借金があると貸してくれない貸し渋りがあるらしい。県ではどう捉えているか。

小林農業経済課長
 貸し渋りの件であるが、農協も融資機関であるので、融資に当たって審査を行う。借りる金額、経営規模、今までの実績などを総合的に勘案して、返済できるかどうかにより審査している。現実に借りることができない人がいるのも承知している。

中沢委員
 自身の経営手腕により返済できない訳でなく、大雪被害により突然、生産手段を絶たれたものであるから、通常の融資の状況とは全く異なる。今まで焦げ付いた部分をペナルティとして貸さなければ、今までの借金も返済できない。被害農家に寄り添い、できるだけ融資するべきと思う。また保証応諾件数と貸し付け実行件数に開きがあるのはどういった理由か。

小林農業経済課長
 借り入れに当たって、保証協会の保証をつけることが要件となっている。貸し付けは、実際に資金需要が生じた時点で行われる。つまりハウスを再建し請求が来て、支払う段階で実際に貸し付けが行われる。件数に開きがあるのはそういう理由である。

中沢委員
 今までの焦げ付きがあるから、応諾件数と貸し付け件数に差違がないように、今後も指導していただきたいがどうか。

小林農業経済課長
 農協も今回の大雪被害が未曾有の災害であったことは十分承知している。審査に当たって、なるべく必要な資金は融通して復旧してほしいということで審査するが、現実には100人申し込んで、100人貸し付け実行という訳ではない。

中沢委員
 是非、被害者農家の気持ちに寄り添うような、再建が可能なような環境づくりのために、県の支援をいただきたい。

松本委員
 大雪被害対策について、まだまだ大変な状況が続いている。先だって長野県でハウスを復活する農家を一括で取りまとめて、一括で業者に発注したから非常に早くできあがったという話をテレビで取り上げていた。一括で発注すれば金額も大きくなるから、業者も仕事を受けている印象を受けた。そういった事例は本県であるか。

高橋蚕糸園芸課長
 現在、把握していない。

(2)農業委員会について

黒沢委員
 農業委員会のあり方について、国の議論の状況はどうなっているか。

石坂構造政策室長
 農業委員会の見直しについては、平成26年6月24日に、規制改革実施計画が閣議決定された規制改革実施計画に示されている。ひとつは「選任方法の見直し」ということで、今まで公選制でやっている選挙委員、議会・団体推薦による推薦委員をともに廃止し、市町村議会の同意を条件とした、市町村長の委員選任制に一元化するとある。その際には、事前に地域からの推薦・公募も行えるようにしたり、委員の過半数は認定農業者の中から選任する、利害関係がなく公正に判断できるものを必ず入れることを検討されている。また、農業委員の定員を半数程度にして、農地利用最適化推進員の新設等が検討されている。

酒井委員
 農業委員会について、公選制の見直しが検討されているが、こうした見直しの動きをどう見ているのか。農業生産法人の緩和と併せて、企業の農地取得に道をひらくことにつながる懸念に対してどう答えていくのか。

石坂構造政策室長
 議会の同意を前提とする市町村長の委員選任制について、地域の推薦、公募もおこなえるとあるので、国の動向を見ていきたい。農地を保有できる法人として、農業生産法人があるが、見直しの中でいくつか条件が出されている。一番大きいのは構成要件で、総議決権の4分の3以上が農業関係者でなければならない。現在検討されている案では、総議決権の2分の1以上が農業関係者ということになっている。また5年後をめどに検討をおこなうという規定もあるので、今後、どういう議論になっていくか見守っていきたい。

(3)酪農家支援について

黒沢委員
 酪農家支援について、現在円安傾向により、飼料が高騰している。飼料の高騰対策について、支援や研究も含めて伺いたい。

野呂畜産課長
 WCS(稲発酵粗飼料)用イネは、平成14年度から取り組みが始まり、平成23年度は約390ヘクタール、平成25年度は約420ヘクタールまで増加した。平成26年度は米対策の見直しにより、約480ヘクタールが作付けされている。また飼料用米は、平成21年度から作付けがはじまり、平成25年度は約430ヘクタールであったが、平成26年度は約650ヘクタールと大幅な増加となっている。WCS・飼料用米ともに、畜産農家と耕種農家の連携が進み、利活用が増加している。

黒沢委員
 耕畜連携は順調に進んでいるということでよいか。

野呂畜産課長
 徐々に、自給飼料の作付け面積は増加している。

黒沢委員
 生乳生産量が減っている理由と、飲料用・加工用の価格差はどの位あるのか。

野呂畜産課長
 生乳生産量が減っている理由として、生産農家の減少、昨年の猛暑により、乳牛の出産が計画通りに進まなかったことなどによるものである。また飲料用・加工用の価格差について、平成25年の関東生乳販連の単価では、飲料用は110.46円、加工用は71.9円で価格差は38.56円となっている。県内の生乳は約90パーセントが飲料用に利用されているが、酪農経営の安定・乳製品の安定的供給をはかる意味からも、ラタや脱脂粉乳の乳製品の原料となる生乳、いわゆる加工原料用に対しては、法に基づいて、加工原料用補給金を交付している。

黒沢委員
 飲料用と加工用の差額は補給されるのか。

野呂畜産課長
 差額が全て不足払いされているわけではない。

黒沢委員
 どのくらいは補填されるのか。

野呂畜産課長
 昨年度実績では1キログラムあたり12.8円の補給金が支給された。

黒沢委員
 放射性物質の除染について、例えば浅間牧場などの公共牧場の状況はどうか。

野呂畜産課長
 100ベクレルを超過し、利用自粛と判断された公共牧場は3箇所あったが、うち2箇所は平成24年度中に除染を完了した。残り1箇所は今年度から除染を開始したところである。

黒沢委員
 牧場の除染とはどういう方法でやるのか。

野呂畜産課長
 牧草を除草した後、プラウ等を用いて耕起作業を行い、これにより放射性物質濃度を低下させる。その後、土壌改良剤や肥料等を施用し、新たな牧草種子を播種して一連の除染作業が完了する。

黒沢委員
 根利牧場が16.7ヘクタールのところ、3.3ヘクタールしか除染できなかったという。今後の見通しについてはどうか。

野呂畜産課長
 根利牧場については、平成25年度に除染を試みたが、土中の大きな石が障害となり中断した経緯がある。今年度は関係者と除染方法を検討し、作業を開始したが、年度内に予定面積を完了できなかった。土地柄、冬の間は作業ができないため、来年度については計画的に新たな除染作業を進め、県内すべての公共牧場の除染を完了したい。

(4)鳥獣被害対策について

黒沢委員
 イノシシ対策について、太田市金山付近の住宅地で、イノシシの出没が急増しており、捕獲圧をしっかりやる必要があると思うがどうか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 太田市金山付近は、ここ10年ほどで新たにイノシシが出没した地域である。現時点では捕獲檻を増設し、捕獲圧を高めている。現在100頭ほど捕獲したと聞いているが、オリの管理も地元の捕獲隊の負担が大きい。このため、今年度赤城山麓で実施している大型囲いわなの実証実験で得られた知見を活用し、住宅等平地部で効率的で安全な捕獲ができる開発に取り組んでいきたい。

黒沢委員
 銃器によらず、最後の止めさし技術の開発、研究状況はどうか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 全国的に普及されていないが、電気ショッカーのようなもので捕殺するとか、小さい槍を用いて炭酸ガスを注入する方法も始められている。他県と積極的に情報交換しながら、施行及び検証していきたい。

織田沢委員
 平成25年度に鳥獣害対策特別委員会を設置し、いわゆる鳥獣による被害を低減しようということでいくつか提言したところである。特に組織面について強化し、副知事を本部長とする対策本部までつくった。4月から、この充実した組織での取組状況はどうか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 被害対策と野生動物管理の一元化ということで、鳥獣被害対策支援センターの組織拡充することになった。また司令塔となるべく、組織を横断した対策本部を5月下旬に設置した。まず報告を見ながら数値の低いところ、高いところ、気がついた部分について照会し、情報交換をはかっている。また各集落ぐるみでの被害対策について、今までは防除を中心にしてきたが、一歩進めて捕獲も含めた取り組みを始めている。また赤城山麓のシカ分布について、北東部と南西部に密度が集中しているので、「大型囲いわな」を活用した、安全で効率的な捕獲実証に取り組んでいる。更に鳥獣法の改正があり、国も10年後にはシカ、イノシシの生息数を半減させるという目標を設定し、管理していこうという方針を出している。県も5年後、7年後を目処に生息数を半減させるようにしていきたい。また対策本部については、5月下旬に設置し、今後の基本方針を決定した。8月には対策本部員全員で利根沼田地方の農林業被害及び対策について現状視察し、地域の農家の方々と意見交換し、地域が抱えている課題を共有したところである。また利根沼田地域、吾妻地域で地域推進会議を設置し、10月以降は中部、西部、東部でも設置され、地域の課題や問題点を吸い上げながら、次年度の事業へ反映させていきたい。

織田沢委員
 平成26年度の目標はどうか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 まず第一に捕獲の推進、今までと比べて何頭捕獲するのかというところである。現状はシカ、イノシシは昨年よりかなり多く捕獲できる見込みがあるので、引き続き進めていきたい。また捕獲に向けて未体制の地域について、地域、鳥獣被害対策支援センター、市町村の信頼関係の構築をしていきたい。

織田沢委員
 赤城山の「大型囲いわな」は、我々も見に行けるところにあるのか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 車で行ける場所にある。
織田沢委員
 わなはシカだけでなく、イノシシにも有効なのか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 構造的にもイノシシ捕獲に耐えられるものである。

織田沢委員
 平成26年度の成果によれば、他の地域にもわなの設置が可能なのか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 多少のスケールダウンはあるかと思うが、現在設置したわなの実績を検証した上で、各所で設置できるように進めていきたい。

(5)耕作放棄地について

福重委員
 県では、その耕作放棄地割合や面積はどの位あるか。

石坂構造政策室長
 農林業センサスは5年に一度、農家の自己申告による調査である。直近の2010年調査では、22.3パーセントとなっている。そのほか、毎年実施している「荒廃放棄地の発生・解消状況調査」があり、平成25年ではA分類(再生利用が可能な荒廃農地)が3,800ヘクタール、B分類(再生利用が困難と見られる荒廃農地)は4,180ヘクタールであり、合計7,980ヘクタールになる。この数値を使った場合、耕作放棄地の割合は9.8パーセントとなる。

福重委員
 農地集約化によって農業者の収入をアップしていくのに、先ほど説明のあったA分類をどう活用していくのかが大事だと思う。農地の情報を一元管理して賃貸借に活用することが必要と思うが、農地中間管理機構で考えている事業はどうか。

石坂構造政策室長
 現状の耕作放棄地の解消について、地元の農業委員の指導によって自己解消するのが一番多い。次に貸し付けによる解消、補助事業による解消等でやっているが、今年度から「人・農地プラン」で、農地の出し手について、農地中間管理機構への貸し付け希望を記載することとなった。農地の出し手のデータを集めて、地域におけるマッチングを進めることにより、耕作放棄地の解消につながると考えている。また、出し手のデータを集積することで、新規就農者、企業の農業参入についても活用できると考えている。

(6)農業の6次産業化について

福重委員
 農業の6次産業化への支援について伺いたい。女性の視点を取り入れた商品開発を、農政部として支援していく必要があると思うがどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 女性の消費行動、心理、嗜好を反映した商品開発、販売促進は極めて重要であると考えている。そのため5月に、県の農畜産物を考える女子会、通称「ひめラボ」を立ち上げた。月に1、2回、20代から40代のメンバー、7名が集まり、女性の視点でプロモーションや商品開発に取り組んでいる。

福重委員
 そういうことを始めて、何か成果は。

真下ぐんまブランド推進室長
 夏に富岡市にある「じぇら21」と連携して、3種類のデザート「ベリーベリーシルキー」「桃姫シャーベット」「スノーホワイトやよいひめ」を開発した。非常に評判が良く、10月の収穫感謝祭でも出店を考えている。他からも色々なオファーが来ている。

福重委員
 新潟県で、産官学で取り組んでいる塩分ゼロの味噌を開発し、インターネット販売したところ、現在3ヶ月待ちで、来年は10倍の生産量に増やすという情報を見た。今まで農業者支援は、品種を良くしようという視点であったが、今後新たな視点で商品開発をしていくべきと思うがどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 付加価値を高めることで差別化を図ることは、重要と感じている。色々な情報を収集し、6次産業化サポートセンターとも連携して、取り組んでいきたい。

(7)農業の担い手としての女性に対する支援策について

福重委員
 女性の立場を考えたり農業を職業として考えていく上で、県では家族経営協定を推進していると聞くが、概要とその取組状況はどうか。

澁谷技術支援課長
 家族経営協定は、家族の中で話し合いをしながら今後の経営方針、経営環境の改善、役割分担、給与、報酬などのルールを定め、文書として契約を締結するものである。

福重委員
 家族経営協定で、開かれた農業、職業としての農業が明確になった。家族経営協定は、一般県民は知らないと思う。新規就農するとか新たに農業に関わることになったとき、家族経営の取り組みを一般県民に啓発してはどうか。

澁谷技術支援課長
 9月26日、27日と農村生活学会が本県で開催された。基調講演の中で「家族経営協定は男性の生活の自立、女性の経済の自立、両方がそろわないといけない」旨の発言があった。今まで年1回イベントを開催してきたが、外部へのPRはまだまだ弱いところがあると思う。最近は農家以外から農家に嫁いで頑張っている方も増えており、そういった面も含めて、農業の魅力をPRしていくことも重要だと考えている。

(8)米価暴落について

酒井委員
 「ゴロピカリ」など本県の主要米の概算金の支払い状況はどうか。

高橋蚕糸園芸課長
 米価については下落傾向が続き、JA等が農家の出荷に際し支払う概算金は、25年産と比較して、60キログラムあたり2,000円から3,000円低い状況である。価格について本県は、他県と比べて公表が遅く、本日(9月30日)全農群馬から各農協へ示されると聞いているが、他県の状況を見ると7,000円前後になると思われる。

酒井委員
 7,000円前後だと極めて安く大変な事態と思われる。下落した原因と対策はどうなっているか。

高橋蚕糸園芸課長
 主な原因として、全国的にここ何年か豊作が続いていること、国が定める生産数量目標を超えての作付けがおこなわれていること、少子高齢化により供給が需要を上回っていること等があげられる。この米余りの対策は全国的な課題であるが、本県としては需要に応じた作付けを推進するとともに、一部飼料米に転換してもらうよう推進している。また全農群馬と連携して消費拡大の取り組みを行っているところである。

酒井委員
 農家の方は「米つくって飯食えない」と深刻な状況である。県として補助金や融資制度を設けるべきと思うがどうか。

高橋蚕糸園芸課長
 米価については民間流通の中で決まるものであり、県としてもなかなか対応が難しい状況である。国の対策になるが、米価下落の時に減収した分を補填する制度、いわゆるナラシ対策があるので、県としても加入促進をはかって農業経営の安定化に取り組んでいきたい。特に平成26年産米については、ナラシ対策に加入していない農業者には、ナラシ移行のための円滑化対策があり、収入減少の約34パーセントが交付されることとなっている。

酒井委員
 本県の飼料用米への拡大について、展望と対策について伺いたい。

高橋蚕糸園芸課長
 飼料用米への作付け推進について、昨年度は約430ヘクタール、今年度は220ヘクタール上回る約650ヘクタールと見込んでいる。飼料用米について、主食用米「あさひの夢」や「ゴロピカリ」で作付けしているところが多い。というのは、JA等が集荷する場合に、ライスセンターやカントリーエレベーターで主食用米に混ざってしまうコンタミ(異物混入)の問題があるためである。なお、今年度から数量払いになったので、収量が増えれば交付金も多くなるので、専用品種で取り組んでいきたい。ただ専用品種では保管施設や品種選定、種子確保等の問題もあるので、検討していきたい。

酒井委員
 飼料用米に対して、国の支援に上乗せするとかの検討はどうか。

高橋蚕糸園芸課長
 国の制度でかなりの金額が交付されており、県で上乗せするのは現時点では難しいと思う。作り方によっては主食米より飼料用米のほうが所得があがるので、そういった事例紹介を通じて、生産者の所得確保を図っていきたい。

酒井委員
 根本的に米価暴落を防ぐ意味でも、国に対して緊急に備蓄米の処理を働きかけていくべきと思うがどうか。

高橋蚕糸園芸課長
 国では備蓄米として100万トンほど保管している。棚上備蓄方式により、毎年20万トンから25万トン程度、国が購入している状況である。県ではしばらく様子を見ていく必要があると考えている。

(9)農地中間管理機構について

酒井委員
 農地中間管理機構が借り受ける農地はあらかじめ借り手がいることが前提となっている。高齢者がリタイアしようにも借り手が見つからず、協力金も交付されない等といった問題点があるが、どのように認識しているか。

石坂構造政策室長
 事業規定について、ひとつは再生困難とされている耕作放棄地、貸し付けが著しく困難な場合には借り受けない。農地中間管理機構のシステムとして、まずは農地の受け手を公募してどの程度いるか、「出し手の掘り起こし」ということで、出し手を探してマッチングするとなっている。100パーセント借り手がいるという前提ではないが、機構の目的自体が「農地の集約」となっているので、集約できる見込みがあるところを前提とした規定になっている。

酒井委員
 農地集約が目的のひとつではあるが、一方で耕作放棄地をどうするかという切実な問題がある。耕作放棄地や借り手が見つからない農地も優良農地と同様に受け入れて、必要な条件整備をおこなった上で担い手を確保していくことが重要であり、この農政改革の中で欠落している部分と思うがどうか。

石坂構造政策室長
 耕作放棄地の中でも、面的集積がされている中で、個人的な事情等により部分的に耕作放棄地となっているところは、まず農地を借り入れて解消し、担い手に集積すると考えている。ただ、全ての耕作放棄地を受け入れるのは困難であると考えている。

酒井委員
 営利企業には優良農地を貸し出さないとか、意欲ある農家に貸し出すといった方針を明確にすべきと思うが。

宮崎農政部長
 担い手農家が少ないところでは、地域農業と調和がとれた形で参入する企業であれば、それは担い手の一形態として推進している。これまでの地域農業の実態を踏まえたうえで、そういた部分も判断され、現地で選定されていくことになると思う。

(10)農協改革について

酒井委員
 農協のあり方について、JA中央会の見直し、全農の株式会社化、単位農協から信用事業や共済事業を分離する等、見直しの動きがあるが、家族農業や地域のインフラを提供している農協の役割をないがしろにしてしまうという声に対して、県はどのような認識を持っているか。

小林農業経済課長
 農協は農業の面だけでなく、地域の生活の面も支えている側面もあわせ持っている。今回の改革議論の中では、正組合員との関係で、「準組合員への事業利用の制限」が挙げられている。県として改革が実施されるにあたり、農協が地域で果たしてきた役割を十分検証し、関係者の意見を聞いた上で、希望が持てるような改革を実施してほしい旨、国に要望している。6月には北関東磐越知事会名で「農業改革に関する緊急要望」をおこなっているし、県議会からも意見書の提出をいただいているところである。

(11)日本型直接支払制度について

酒井委員
 日本型直接支払制度について、多面的機能支払とか制度が変わってくるということだが、本県のなかで中山間地の直接支払い、これがどれだけ活用されているのか伺いたい。

村上農村整備課長
 中山間地の直接支払いは、平成25年の時点で20市町村、229協定、1,578ヘクタールに交付している。

酒井委員
 多面的機能支払交付金の概要はどのようなものか。

村上農村整備課長
 多面的機能支払交付金は、平成19年度から実施してきた農地・水保全管理支払交付金の制度拡充・組み替えをおこなったが、昨年度やってきた内容と変わっていない。名称が変わったと。もうひとつの特徴は、本年度から新たに「農地維持支払」という形で、昨年度までは地域住民と一緒に活動しなければ対象とならなかったが、今年度からは農家の方々だけの活動に対しても交付するものである。

酒井委員
 農地を提供した土地持ち非農家が、これまで総出でおこなってきた農地、水路等の維持管理に参加しなくなるので、多面的機能支払交付金でつなぎ止める狙いがあるのではないかと言われているが、見解はどうか。

村上農村整備課長
 この制度は農地や水路等の多面的な機能を維持する目的で交付金を支払うものであると同時に、担い手に農地が集約されていくと農地等の維持負担が増え、その負担を軽減することで構造改革の後押しをしていく側面をもったものと考えている。

(12)TPPについて

酒井委員
 TPPの問題で、秘密交渉が国民主権に反するということで違憲訴訟の動きがある。この点で早期の撤退を政府に求めるべきと思うが、現時点でこの交渉を県ではどのように見ているのか。

樋口農政課長
 県では5月に国に対して「交渉で得られた情報をできる限り明らかにするとともに、国内産業のあるべき姿や将来像を明確にすること」、「影響の大きい農業分野については持続的発展に必要な国内対策を着実に実施すること」を要請したところである。

(13)スラグ問題について

酒井委員
 スラグ問題で、東吾妻町萩生川西地区でスラグ砕石にアスファルトを被せた状態になっているが、その経過はどうか。

村上農村整備課長
 昨年度補助整備をおこない、8路線でスラグが使用されていた。そのうち3路線は舗装まで完了した。5路線については路盤工までであったが、本年7月末に舗装が完了した。

酒井委員
 有害なスラグが現に使われていて、撤去の声も上がっているが、それは被せたままなのか、今後撤去する可能性があるのか。

村上農村整備課長
 路盤工を施工した際、使用材料承認願の提出を受け、品質規格証明書により環境基準への適合を確認している。本年度、県土整備部が実施した、現地で採取した砕石による分析結果でも、基準に適合することが確認されている。
 なお現在、環境森林部が進めている調査結果を踏まえ、適切に対処していくことになる。

酒井委員
 現在進められている土地改良区の疑いのある箇所は、全て調べるべきではないか。いま埋められているところを隠せば良いという懸念がある。全地区の使用実績調査はしないのか。

村上農村整備課長
 ほ場整備について、道路が完成すると市町村に施設譲与し、認定道路として市町村が管理している。そのため、完成すると県の所有ではなくなる。なお、現在、環境森林部が進めている調査結果に基づいて適切に対処していく。

(14)農商工等連携促進対策費及び6次産業化推進費について

小川委員
 野菜や米に付加価値をつけて流通させたり、どれだけ地産地消できるかが大事になってくる。県の食品流通対策の予算について、農商工等連携促進対策で約400万円の予算、6次産業の推進で約8,000万円の予算がついているが、事業内容と実施状況について伺いたい。

真下ぐんまブランド推進室長
 農商工連携については、約400万円予算を計上したが、国の割り当てが少なくなり、実際には約100万円程度になってしまった。内容はマッチングフェア、いわゆる農業者と生産者を結びつけるビジネス交流会を進めている。6次産業化の事業については、県商工会連合会にサポートセンター業務を委託している。その予算が約1,100万円ついている。更に6次産業化のためには、1次産業、2次産業、3次産業の連携が必要となってくる。事務的に計画プランを作成するにあたり、サポートセンターの支援で約420万円の予算、またソフト事業からハード事業へ移行するための予算として約6,000万円つけたが、今年度はハード事業を断念することとなってしまった。

(15)食品自給率について

小川委員
 食糧自給率について県の目標が出ていたと思うが、進捗状況はどうか。

樋口農政課長
 食糧自給率は8月に国が公表し、あわせて都道府県で平成24年度の概算数値を公表したところである。本県の数値はカロリーベースで34パーセント、生産額ベースで91パーセントであり、前年比でカロリーベースで1パーセントアップ、生産額ベースで1パーセントダウンである。県の目標について平成23年3月に策定した「ぐんま農業はばたけプラン」の中で27年度の目標として、カロリーベースを37パーセント、生産額ベース97パーセントとしているが、まだ目標には達していない状況である。

小川委員
 23年と24年を比べたところ、ちょっと増えたり減ったりということだが、食糧自給率向上のために、今後どのように取り組んでいくのか。

樋口農政課長
 カロリーベースでの自給率が、本県は低いところが課題となっている。今後の対策として県も農業団体と連携して、小麦の二毛作や飼料用米や米粉用米の生産を推進していく。消費の面ではカロリーの高い米の消費拡大、地産地消の取り組みを推進していきたい。

(16)太陽光発電について

小川委員
 最近、農地だったところが太陽光発電に変わっているところを見かける。農地の転用というか、太陽光発電に今、どのくらいなっているか、またその現象について県はどのように考えているか。

石坂構造政策室長
 太陽光発電の状況だが、固定価格買い取り制度が始まった平成24年度からである。平成26年3月末で農地を転用して太陽光発電を設置したのは計469件、面積で103ヘクタール弱である。農地転用をして太陽光を設置することについて、第1種農地(優良農地)は原則転用できない。優良農地は守っていくが、優良農地以外の農地であれば、許可できるものについては転用を行うこととなる。

小川委員
 一時転用も認められると聞いているが、本県の状況はどうか。

石坂構造政策室長
 いわゆるソーラーシェアリング、下を農地として利用し、支柱を立てて上でソーラーパネルを設置するというものがある。平成26年3月末時点で10件、面積で188平方メートルの許可が出ている。面積が小さいのは、支柱の部分だけを3年を限度として、転用許可をして下の部分については農地として利用することになっている。これが平成25年3月の国の通知により、営農型発電として認められることとなった。ただ営農型発電については条件があり、まず下の農地の営農継続が確実であること。次に周辺農地の効率的利用や流排水施設の利用に影響を及ぼす恐れがないこと。それから最終的にやめるときに支柱を含めた施設撤去に必要な資力と信用があることを確認した上で、一時転用できることとなっている。

中沢委員
 3年ごとの許可更新は更地にしてからか。

石坂構造政策室長
 きちんと下の農地の生産ができていれば、撤去せずに継続して許可を受けることができる。

(17)公の施設のあり方検討について

松本委員
 公の施設のあり方検討について、どのようにしたのか。

高橋蚕糸園芸課長
 あり方検討したのは、ぐんまフラワーパークと日本絹の里の2つになる。

松本委員
 どこが検討したのか。

高橋蚕糸園芸課長
 庁内関係各課を構成員とする検討会を設置し、施設のある地元市や第三者評価委員会の意見も踏まえて検討した。

松本委員
 管理運営コストがマイナス、例えば日本絹の里では業務等の見直しのところで、引き続き管理運営コストの削減をはかるための方策や検討に取り組むと謳っているが、逆に増えている。いつまでに目標を達成するとかいった、具体的なものがここには現れていないのはなぜか。

高橋蚕糸園芸課長
 管理運営コストの歳入について、県のお金で歳入歳出ということなので、施設全体として見ると、黒字となっている。

松本委員
 実際の運営はプラスになっていると、ただ管理運営コストの部分では県のお金だといってもマイナスが続いていっていいんだということで良いのか。

毛利絹主監
 日本絹の里の管理運営コストについて言うと、施設管理部分の収支計算である。施設を借りるためには施設の収入としては19万円しかないのでマイナスとなるが、不足分は指定管理料で支払われている。またマイナスが毎年増えているのは、平成23年度から平成27年度の5カ年間の指定管理契約が決まっており、毎年指定管理料を支払う。管理運営コストの削減について、指定管理料は決まっているが、やはり節約できるところは、節約してやっていきたいという考えである。平成28年度以降、指定管理ということになれば、その際、改めていくらくらいの指定管理料が適正か、その中でコストのことも検討してやっていきたい、そういう意味である。

松本委員
 5年で指定管理が変わるから、目標は5年間でよいか。

毛利絹主監
 そうである。

(18)新規就農者について

松本委員
 先日、我々に新規就農者の資料が配られた。大雪被害で仕方なく営農をやめる人もいる。やめる人については全く記載がなく、新規就農者、つまりプラスの部分のみが教えられる。これはなぜか。

澁谷技術支援課長
 新規就農者については、毎年8月1日時点の数値を報告している。その後の定着状況については、2年ごとに「青年農業者の実態調査」で調査している。一昨年の調査では約95パーセントの定着率で、その前の調査と比べると定着率は上がってきている。今後、議員の方々にも提供していきたい。

松本委員
 本県の農業者総数はどうか。増加しているのか減っているのか。

澁谷技術支援課長
 農家総数としては減っている。

松本委員
 ということはやめている人がいるということ。

澁谷技術支援課長
 高齢の方がやめている現実があるが、中核的農家として、地域でどう定着しているかを把握している。新規就農者についても、農家指定が昨年より10名ほど増えている。大雪被害があったにも関わらず増えているということは、良い経営をされている方たちが残っていて、そういうところにはしっかりした後継者が定着していると考えている。

松本委員
 本県も農家だけで食べていけるところも少ないわけで、農業として守っていけるか指導を考えていかないと、農業者はどんどん減っていってしまうがどうか。

澁谷技術支援課長
 まずは、食べていける農業経営を展開できる人を育成していくことが大きな使命である。もう一つは中山間農地であれば農地の維持と別の仕事を持つ等、地域の活性化に貢献してもらえると思う。色々な側面から、平坦地であれば面的に基盤を確保、中山間地域であれば、直売所や道の駅に出荷するなど、しっかりした担い手と地域農業の活性化をにらみながら取り組みを進めていきたい。

松本委員
 積極的な農業ができるということは、基盤がしっかりしているからだと思う。しっかりした農業を本県も農産県として進めていくために、部長はどのように考えているか。

宮崎部長
 本県農業は、産業としての側面と地域活性化としての側面に分かれると思う。農業は地域社会や地域経済にも寄与しており、地域の状況を聞かせていただきながら、農業振興に取り組んでいきたい。

(19)県産農産物の輸出戦略について

清水委員
 農産物輸出について、地元剣崎の桃が、シンガポールへ無事に輸送できるか試験を行った結果と、今後どういった取り組みにつなげていくのか。

真下ぐんまブランド推進室長
 JA高崎では、輸出に対して積極的であり、県でもどれくらいの日数で鮮度を保ったまま相手方に渡るか、8月20日から22日にかけて試験を行った。結果、約2日で品物はシンガポールへ届いている。比較的固めの桃を用意し、シンガポール在住のぐんまサポーター5名に送ったところ、非常に良い状態で届いた。県でも良い感触を受けている。今回の輸送は、沖縄国際物流ハブを活用し、試験的に行ったものだが、今後シンガポールとのルートが確立したときには、意欲ある事業者の品物についても輸送したい。

清水委員
 剣崎の方々は意識が高く、「世界遺産登録と併せてこちらにも寄って下さい」とか、活動意欲のある団体は県内にいっぱいあると思う。国民性によって、日本のどの果物が好まれるのか、ニーズ調査もしっかりやる必要があると思う。本県にも色々な農畜産物があるので、その国にあったものをコーディネートしてやっていく必要があると思うがどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 果物について、東南アジアの方は酸味があまり好きではないらしい。そういった現場のニーズ等をあらゆるルートを使って情報収集するのは重要である。また剣崎のように、県内各地の地域掘り起こしをして情報をまとめていきたい。今後、輸出に意欲ある生産者と輸出国とのマッチングをはかることが我々の仕事と考えているので、積極的に取り組んでいきたい。

(20)烏川合口堰について

清水委員
 烏川合口堰について、この施設が昭和35年にできたもので、大変老朽化している。取水部分も漏れたりしている。今、各分野で災害対策が謳われている中で、もし大きな洪水等が発生した場合、この故障している堰に流木が引っかかったりして、逆に上下流の施設に大きなダメージを与えることも考えられる。サケの遡上についても段差があるためなかなか超えられない、といった問題もある。現在、改修に向けた進捗状況はどうか。

村上農村整備課長
 河川管理者である国土交通省、施設を管理している高崎西部の土地改良区、高崎市と協議調整してきたところである。内容的には木工沈床という変わった工法で、その一部の老朽化が相当進んでいる。部分的に老朽化したところを直したり、約2メートル段差が生じている河床が、これ以上洗掘されないように護床工を設置する計画である。また段差によりサケが遡上できないことから、木工沈床の段数を重ねていって階段状にして、環境に配慮した計画を策定した。これから来月に事業審査、事業審査が通れば国庫補助の申請を経て、来年度からやっていきたいと考えている。

(21)農産漁村地域整備交付金について

織田沢委員
 昨日(9月29日)環境森林部にも聞いたが、農山漁村地域整備交付金について、ここ数年の配分に比べ、今年は半分程度になった。まず農政部において、現状どのように予定していた予算割り当てとなっているか。

村上農村整備課長
 国費ベースで考えると、14億1,700万円予算計上しているが、国からの配分は7億6,000万円で充足率は53.7パーセントになっている。

織田沢委員
 53.7パーセントだと、現実の事業に影響が出ていると思うが。

村上農村整備課長
 農政部では、農地を整備する事業から水利施設を保全する事業、農道を保全する事業など、5事業種35地区が対象となっている。これらの地区について事業内容を精査し、本年度に事業完了する地区や、農地整備など次年度の作付けに直接影響が大きい地区へ、優先的に配分を行うなどしている。しかし、各地区での事業執行計画に大きな影響を及ぼしており、地元土地改良区や市町村などは大変困惑している状況となっている。


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