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環境農林常任委員会(環境森林部関係)(平成26年12月5日)

1.開催日時

平成26年12月5日(金曜日)10時00分開始 11時45分終了

2.開催場所

403委員会室

3.出席議員

委員長:萩原渉、副委員長:井下泰伸
委員:中沢丈一、委員:黒沢孝行、委員:松本耕司、委員:織田沢俊幸、委員:福重隆浩、委員:酒井宏明、委員:清水真人、委員:小川晶

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)群馬県希少野生動物の種の保護に関する条例(案)について

酒井委員
 群馬県希少野生動植物の種の保護に関する条例(案)について、生息地等保全地区の指定とあるが、具体的には何カ所くらいでどういう地域を想定しているのか。

須藤自然環境課長
 生息地等保全地区は、特定県内希少野生動植物種を指定した後に、指定するものである。現在、専門家とともに指定種の検討を行っているが、種を指定した後にその種の生息又は生育状況を鑑みて、地区指定の必要性を検討して参りたい。

酒井委員
 どういう地域が指定されるかはこれからということで、例えば尾瀬などはかなり希少動植物が多いし、入山規制も取り上げられるくらいだが、そういう中で観光振興と保全の兼ね合いが難しいと思う。自分たちが何をやったらいいのか、何をしたらいけないのか、罰則を設けて強い姿勢で臨んできていると思うが、その辺の兼ね合いはどうか。

須藤自然環境課長
 せっかく条例を制定しても実効性を持たなければ、生物多様性の保全に繋がらないので、これをどういう形で県民に周知していくのかが、制定後の課題だと考えている。例えば、条例制定後に、シンポジウム等を開催し、県民に関心を持ってもらうなど、条例の周知徹底に努めたい。また、先ほど尾瀬という話があったが、尾瀬は自然公園法や文化財保護法で守られている。今回の条例はこのような指定がされていない身近なエリアの保護を想定している。この条例は開発を規制するというよりも、盗掘や乱獲を防ぐことを主な目的としている。

小川委員
 同じ条例の関係で、4月から全部施行ということになっていて、種の指定をして、保全地区についても、指定されたら「こういう行為には許可が必要」ということが県民に伝わるように4月までにやっていかなければならないと思うが、具体的に種の指定や保全地区の指定について、また年明けからの周知についてスケジュールはどうなっているか。

須藤自然環境課長
 特定県内希少野生動植物種の指定案については、専門家と検討しながら4月までには作成したいと考えており、4月の条例全面施行後に指定の手続きを始めたい。4月以降に公告縦覧を行い、意見等が出た場合は公聴会を開催し、その後自然環境保全審議会への諮問などに2から3ヶ月かかる。その間で条例を周知するとともに、特定県内希少野生動植物種を指定した後には指定種の周知を行いたい。

小川委員
 監視体制の関係で、監視員を設置するのか、この辺りは具体的にどのようになるのか。

須藤自然環境課長
 監視員の体制について、規則では県の非常勤職員でできるとなっているが、全体的には予算上の制約があるので、どの位の体制でやっていくか、今後、詰めて参りたい。いずれにしても監視員は置きたいと考えている。

中沢委員
 昨年、絶滅危惧種の関係で藤岡市へ行ってみた。その場所では保護種を守る会長にも、お会いし、大変苦労している話も伺った。ついては今回の条例の中で、まずは周知徹底するということと、その後において保全区域を指定するとあるが、指定するにあたって、それぞれの利害関係者がいるわけで十二分に関係者のコンセンサスを得て、指定していくことが大事だと思うが、今後の展開はどうか。

須藤自然環境課長
 生息地等保全地区は、基本的には土地所有者の財産権を尊重し、また公共の福祉に支障のない範囲で指定しなければならない。また指定するときには地元の市町村の意見を聞いたりしながら考えていきたい。面的な保護制度として昭和48年に制定した自然環境保全条例がある。この条例では地区指定をしているが、その中で自然環境保全地域が県内26地域ある。また、緑地環境保全地域が5地域あり、これらの地域指定は1ヘクタール以上をひとつの単位としている。今回の種の保護条例と自然環境保全条例との住み分けを図る必要がある。種の保護条例は1ヘクタールに満たないような狭い範囲での地域指定がひとつの目安になる。広げすぎて県民生活や公共の福祉に影響が出ないように指定していきたい。

井下副委員長
 希少野生動植物の種の保護について、個体等の捕獲採取殺傷に関する禁止条項が載っているが、具体的にはどういうケースがあるのか。

須藤自然環境課長
 例えば公共事業をやって道路を拡張するときに道端に希少種があったというような例を考えている。そうした場合、移植をしてもらうことなどを考えている。またこの条例で重要視しているのは盗掘や乱獲の防止である。例えばラン科の植物で盗掘が原因で絶滅してしまった種もあると聞いているので、そういったことを抑止していきたい。

井下委員
 罰則があるから一定の抑止効果はあるということでよいか。

須藤自然環境課長
 そのためにも県民に対する条例の周知徹底と監視体制の整備が重要と考えている。

(2)群馬県地球温暖化対策実行計画について

黒沢委員
 東日本大震災でベース電源、この部分が大きく変わってきているので、この辺をどのように数値目標を出していくか、ベース電源の位置付けをどうするかによって相当大きな変化をするのではないか。今現在、日本では原発が稼働していないので、そして今日のニュースでも化石燃料の利用が1.3パーセント増えている。というときに2020年の数値目標8パーセントあるいは現在の6パーセントという数値は信じられる数値なのか。

中田温暖化対策室長
 数値目標8パーセントは、現在原発は稼働しない想定で考えている。
黒沢委員
 平成27年の3月には議会に提出されるなかで、例えば次世代の自動車普及率など、価格との問題、経済活動によって大きく変わるため、環境という分野だけで積み上げていくのが可能なのか疑問に思う。また一方では、自然エネルギーを積極的につくれという反面、接続制限があると。こう相矛盾した部分があるので、本当に積み上げられるのか腑に落ちないので、その疑問にお答えいただきたい。

中田温暖化対策室長
 例えば次世代自動車の普及率は現在9パーセント。2007年は1パーセントであって、普及はかなり加速度的に行われている実態があり、そういった状況を踏まえると20パーセント程度は可能ではないかと推定を行っている。それぞれ、家庭、交通、自動車、資源利用、エネルギー等指標を整理しているが、全て当方で推計した訳でなく、国立環境研究所のプロジェクトチームで、それぞれの排出量の今後の推移推計を行っている。そういったものも勘案し、本県の地域性を加味して2020年の数値を取りまとめている。

酒井委員
 地球温暖化対策実行計画について、国際的な枠組みというか気候変動に関する政府間パネルが先日も報告書を出して、このまま温室効果ガスの排出が続けば、21世紀末までに平均で最大4.8度上昇する深刻な事態、後戻りできない状況にあると警告しているが、こうした中で東日本大震災があって、原発が停止しているというだけで、28パーセント削減していいのか問われていると思う。2007年に比べ、減っていることに満足していては、とても国際的な枠組みに追いついていくことはできない。政府、民間を含めて削減の努力が求められていると思うが、産業界で6割排出されているという報告もあるが、産業界に対する働きかけはどうか。

中田温暖化対策室長
 産業界については、地球温暖化対策実行計画とは別に地球温暖化防止条例を運用し、二酸化炭素排出量の多い事業者からは排出量の報告をもらい、当該事業者に対して立ち入りするといったことも可能であるので、県として必要があればそういった措置も行っていきたい。また環境GSという取り組みをしており、こういった事業者を意欲的に増やしていきたいと考えている。

井下副委員長
 地球温暖化対策実行計画の見直しということで、資源利用のところで県民1人あたりのゴミの量、リサイクル率等記載があるが、本県はゴミ排出量が多いと聞いている。7年前から現在に至るまで、1.2パーセント減、6年後には25パーセントにするとしているが、具体的にはどのような取り組みをしていくのか。
根岸廃棄物・リサイクル課長
 温暖化対策の中で廃棄物に由来するものは重要な部分であると考えている。今後低炭素社会に向けた取り組みについて、廃棄物でどのようなことができるのか具体的な方策を考えていきたい。

(3)地域森林計画(案)について

中沢委員
 西毛地域森林計画について、説明の中で広葉樹の主伐量が現行計画の5倍となっているが、広葉樹はどんな樹が主体になっていくのか。また林道の開設について、現行計画で目標数が達成しているから、次期計画の中では93パーセントでいくと理解して良いのか。

松本林政課長
 1点目の広葉樹の樹種について、本県では里山中心にコナラが多い。ただ当計画でどの樹種ということについては検討していない。なお、奥山にいくとミズナラやヤマザクラ、ケヤキなど雑多な樹種がある。人工造林として造林している事例では、やはりコナラが非常に多い状況である。2点目の林道について、路線として計画に搭載していないと国の補助金が得られないため、かなり幅広く搭載している。ただ計画に搭載していても、最近の財政状況や現地の状況を見て、実行のほうは計画を100パーセント達成するところまでは至っていない。林道の現在の状況としては、集落と集落を結ぶ生活道的な林道については、必要なところはある程度整備が済みつつあると考えている。今後必要なのは、森林人工林がたくさんあって、そこにまだ道がない地域がある。林業専用の林道というのはまだまだ今後整備していかなければならないと考えている。
 今回森林計画で落としたのは、具体的に必要と想定される路線を精査したうえで、また今までの傾向を踏まえ若干の減という格好の数字になっている。

中沢委員
 間伐材を切り出したり、これから林業県として盛んにやっていこうというのに、数値目標が最初からマイナスというのは、なかなか理解されないのではないか。

松本林政課長
 現在本県の林内路網について、林道と作業道を整備推進している。全て林道にすると、林道は幅員が広くなるので、傾斜が急な地域では全て林道にできないところもあるので、作業道と併用して森林整備を進めていきたい。

(4)ぐんま緑の県民基金市町村提案型事業について

酒井委員
 ぐんま緑の県民基金市町村提案型事業について、以前いただいた資料で採択事業一覧を見たが、補助金が全額出ているのとそうでないものがある。例えば下草刈りは全額補助、粉砕器の購入等は6割7割で出ている。この辺の基準はあるのか。

松本林政課長
 機械購入の補助率は4分の3となっている。4分の3に加えて上限額をそれぞれの機械で設定しているので、補助率が市町村によって異なってくる。また森林整備等についても1ヘクタールあたりいくらと設定しているので、実際に現地でそれ以上かかる場所もある。その場合には市町村もしくは地域の団体で負担してもらい事業を実施している。

酒井委員
 庁内審査会の意見ということで、「粉砕器の購入については必要性と利用計画を整理しておくこと」ということだが、これに対する県の対応はどうか。

松本林政課長
 粉砕器購入の前提が、この税の事業で竹林や森林整備で粉砕処理するために使っていただくことになるので、今後、森林整備が該当市町村で展開されていくことが、まず判断基準となる。その際、どの程度の台数を購入するかについて、事業量が少ないところに何台も購入ということのないよう必要性をしっかり確認して補助していくよう市町村に指導している。

酒井委員
 機械を購入すれば何年ももつと思う。最初は全然希望がなかったのに、今年はこれだけ増えたのは購入のチャンスがあるという動機付けがあるように思うが、どう捉えているか。

松本林政課長
 粉砕器を購入する市町村については、ほとんどが本年度もしくは来年度、竹林や森林整備を計画しているところである。また粉砕器については、一度購入すれば今後活用していただけると考えている。また刈り払い機を導入する市町村が35のうちそれほどないので、今後は導入の計画が上がってくると考えている。

井下副委員長
 ぐんま緑の県民基金事業について、なかなか一次募集では集まらず、2次募集で予算額と同等の要望が集まったとのことであるが、実際どのような形で市町村に働きかけをして理解を得られたのか。

松本林政課長
 一次募集の採択をした以降、林政課及び森林事務所が連携して、一次募集で採択した事例を紹介しながら、事業内容の説明をおこなってきた。具体的には6点あるが、まず1点目は林業担当所属に個別訪問して説明を行った。2点目は林業担当以外の所属、教育委員会やボランティア関係所管所属へ説明を行った。3点目は区長会等での説明、出前講座での説明。4点目は林業関係団体やNPO等、既存のボランティア団体、建設業関係の団体、観光協会等、地域で活動している団体へ事業説明を行った。5点目は鳥獣被害対策支援センターと協力して、鳥獣被害対策に取り組む集落の関係者に税事業の活用を説明した。6点目は市町村から事業に関する問い合わせ等に対し、不安解消と事業取り組みを支援するなどを行ってきた。

小川委員
 緑の県民基金事業について、先日もらった一覧表を見て、二次募集でたくさんの応募があってよかったということと、内容を見て各地域で様々な課題があることが分かった。小さいところでは4,000円の補助から大きいところでは高崎市の3,510万円の補助というところもある。
 高崎市の3,510万円というのはどういった規模でどういった竹林整備をするのか。

松本林政課長
 高崎市の3,510万円は、竹林整備が主な内容となっている。1ヘクタールあたり270万円を上限に補助するとなっているので、計算すると10ヘクタールを超える。そこは複数箇所で実施予定となっている。

小川委員
 事業の中身を見ると、整備をすると管理の必要性が発生するので、継続して来年度以降もやっていくメニューがいくつかあると思うが、これは平成27年度も同じ内容で応募するのは可能か。

松本林政課長
 管理については、税事業実施期間中、もしくは最大5年間継続して支援が可能である。また森林環境教育についても継続実施が可能となっている。

(5)大同特殊鋼の鉄鋼スラグについて

酒井委員
 鉄鋼スラグの関係で、先日国交省が八ッ場造成地などを試掘して、11月27日に中間報告という形で出したが、この中で鉄鋼スラグを26工事で確認し、大同特殊鋼に聞き取り調査を行った結果、鉄鋼スラグを出荷した記録がある等の報告があったが、県としてどう受け止めているのか。

小笠原環境保全課長
 中間結果の報告について、国交省では平成20年度以降の工事箇所について調査を行ってきた。但し、この問題が広く顕在化したことで、平成3年度以降まで対象を広げたところ、工事箇所が3,800箇所、その中でスラグ使用が疑われるところが56箇所であった。国は工事の発注者として実態把握に努めているものと、県としては認識している。

酒井委員
 分析試験を実施するとのことだが、結果はいつ頃出る予定なのか。

小笠原環境保全課長
 近くまとまると聞いている。

酒井委員
 11月26日、国・県・渋川市と連絡会議を行った。県の環境部門がメンバーに入っていないのは何故か。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 この会議の目的は公共事業発注部門が、相互の情報共有をはかり連携していくことと聞いている。環境部門とするとまずは関係者からの報告を徴するなどして、全容解明を進めていきたい。

酒井委員
 国会でも、11月12日に問題となっているが、廃棄物である鉄鋼スラグと自然砕石を混ぜたとしても、廃棄物でなくなるわけではないと答弁があった。これは重要な答弁であると思う。つまり薄めても廃棄物であるという点で、本県の対応が問われていると思うがどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 環境省とも十分協議しながら進めているところである。まずは廃棄物処理法上、どう判断し整理していくかについて最大限の努力をしていきたい。

酒井委員
 今回の件を踏まえて、リサイクルの促進についてもきちっとルールを作っていく必要があると思う。県で検討を始めているとかそういうものがあればお聞かせ願いたい。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 ただいまこの問題の全容解明に向けて全力を払っているところである。今後、これらを踏まえてリサイクルに関して、どのような仕組みがつくれるか協議していきたい。


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