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厚生文化常任委員会(健康福祉部・病院局関係)(平成27年3月5日)

1.開催日時

平成27年3月5日(木曜日)10時00分開始 15時11分終了

2.開催場所

402委員会室

3.出席委員

委員長:舘野英一、副委員長:大手治之
委員:関根圀男、委員:塚越紀一、委員:新井雅博、委員:伊藤祐司、委員:金井康夫、委員:藥丸潔

4.欠席委員

委員:田所三千男

5.主な質疑

(1)医師確保対策について

関根委員
 医師確保対策について、医師不足の現状と課題はどうか。

歌代医師確保対策室長
 本県医師数について、平成24年12月末の全国調査によると医療施設従事医師数は4,281人、人口10万人当たりでは214.9人で、前回調査より8.5人増加し、全国平均の増加数7.5人を上回っているが、全国では30位となっている。また、県内では、前橋保健医療圏を除き、9医療圏で全国平均を下回り、地域間で偏在が生じている。さらに、産婦人科や小児科など特定診療科における医師不足が顕著になっていることや女性医師割合の増加に伴う就労支援などが課題であると認識している。

関根委員
 医師確保対策の平成27年度の具体的な取組はどうか。

歌代医師確保対策室長
 平成27年度は、群馬大学医学部の地域医療枠学生の確保や小児科・産婦人科など特定診療科対策としての修学研修資金、臨床研修支援による臨床初期研修医確保、女性医師支援などに取り組むとともに、群馬県地域医療支援センターを中心に医師のキャリア形成と県内定着を図るための施策を総合的に実施する予定である。地域医療枠学生は、今年の3月に6人が卒業予定であり、地域医療支援センターで作成したキャリアパスを充実させて、医師不足病院の支援や地域偏在解消にも寄与できるよう取り組んでいきたい。また、女性医師支援については、県医師会で実施している保育サポーターバンク事業の拡充を支援するなど対策を図りたい。

関根委員
 地域医療枠の修学資金貸与者は毎年何人くらい養成し、最終目標で何人確保する予定か。

歌代医師確保対策室長
 地域医療枠の修学資金貸与は平成21年度から実施しており、初年度は5人採用で、編入もあり今年度6人卒業となった。以後、平成22年度は17人、平成23年度から毎年18人を確保するなど、平成31年度入学生までで合計172人を養成する予定である。

(2)高齢者介護について

関根委員
 介護人材確保対策の現状と課題はどうか。

星野介護人材確保対策室長
 県内における介護職の有効求人倍率は、平成26年12月が2.89である。全職種の1.23と比較すると2倍以上になっており、人手不足は非常に深刻な状況となっている。限られた人材の中から介護人材をしっかりと確保していくことが課題であると認識している。

関根委員
 今後、介護人材確保対策をどのように進めていくのか。

星野介護人材確保対策室長
 事業者との適切な役割分担のもと、介護人材確保対策を進めていきたい。具体的には、第6期群馬県高齢者保健福祉計画に記載している三本柱がある。「参入促進」として、元気高齢者等の介護未経験者の参入を促進し、「資質向上」として、ぐんま認定介護福祉士養成研修をはじめとする高度な研修を通じ、介護人材の質の向上を図りたい。また、離職防止対策が重要になってきており、採用間もない職員の離職防止をはじめとする「定着支援」の取組も実施していきたい。各対策の実施に当たっては、来年度から新たに介護も対象になる地域医療介護総合確保基金を有効に活用し、しっかりと取り組みたい。

関根委員
 予算説明書では、介護人材確保対策の予算額が年々減少しているがどうか。

星野介護人材確保対策室長
 介護人材確保対策の予算には、前年度まで、介護職員処遇改善等臨時特例基金の施設開設準備経費補助が含まれている。これを除くと前々年度が3,620万7千円、前年度が6,009万4千円であり、年々増加している。平成27年度は、さらに地域医療介護総合確保基金の活用を進めていきたい。

関根委員
 平成27年度は介護人材を何人くらい確保できる予定か。

星野介護人材確保対策室長
 第6期群馬県高齢者保健福祉計画では、平成29年度、平成32年度、平成37年度の介護人材の需給を推計しており、平成27年度の数字は正確には把握できていないが、平成24年度の実績と平成29年度の推計の中間の数字に近いと考えている。

関根委員
 地域包括ケアシステムの構築には、在宅医療と介護の連携が必要であると考えるが、具体的な方策はどうか。

片野健康福祉部長
 地域包括ケアシステムの構築については、現在は退院支援体制が不足しており、まずはその部分をしっかりとしていきたい。また、地域医師会と介護等の関係事業者を、市町村などがバックアップし、地域包括ケアシステムをコーディネートする人の養成を、平成37年を念頭に取り組んでいきたい。

塚越委員
 認知症については、早期に発見し治療すれば症状の進行を遅らせることができるようであるが、対策はどうか。

尾池認知症対策主監
 認知症は早期診断・早期対応をすることにより、その進行を抑えられることもあるので、早期受診が望まれる。県としては、かかりつけ医に対する早期診断に必要な研修の実施、認知症の疑いのある高齢者宅を訪問し、早期医療につなげる「認知症初期集中支援チーム」の設置支援、認知症サポーターの養成支援により県民の認知症に対する理解を深め、そういった方による見守り体制の活用等により、認知症対策に積極的に取り組みたい。

塚越委員
 新聞情報によれば、サービス付き高齢者向け住宅等への入居者に対して、必要以上の介護サービスを提供する「介護漬け」や、自社の介護利用を入居条件とする「囲い込み」といった実態があるようだが、現状と対策はどうか。

宮下監査指導課長
 いわゆる「介護漬け」や「囲い込み」については、苦情や相談が寄せられることがあり、実地指導においても介護度等に照らし過剰と思われるようなサービスの提供が散見されることがある。これに対して、ケアプランの作成やこれを踏まえた個別支援計画の作成において、適切な計画作成とサービスの提供を行うよう指導している。また、サービス付き高齢者向け住宅と併設の居宅サービス事業所は一体的な運営がなされていることから、先月、施設管理者に対する説明会を実施し、適切な介護サービスの提供について指導を行ったところである。

伊藤委員
 介護報酬引き下げにより、特養は収入減になるといわれている。国は、介護職へ処遇改善加算をするというが、それ以外の職種の賃金改善にはつながらず、士気の低下を招くとの声もある。この状況についてどう考えているか。

渡辺介護高齢課長
 国によると、加算により収入は維持されるとしているが、処遇改善加算分は全て職員に支払われることになり、実質的な収支は減となる。今後各施設の経営の実態等について調査した上で、政策要望等の機会に国等への要望を行っていきたい。また、現状の処遇改善加算では、介護職員以外への賃金改善にはつながらず、職員同士のチームワークを乱すことにもなり、県としても問題と認識している。これまでも国等へは改善の要望をしているところである。

伊藤委員
 特養の入所待機者の解消対策についてはどう考えているか。

渡辺介護高齢課長
 入所待機者のうち、緊急に入所を要する方が約1,000名いるため、引き続き計画的な整備が必要と考えており、第6期計画では第5期計画を上回る整備を計画している。ただし、それだけでは入所待機者を解消できないので、あわせて地域密着型サービスの充実により、全体として特養への入所待機者を減らすよう努力している。

伊藤委員
 へき地での在宅サービスの提供についてはどう考えるか。

渡辺介護高齢課長
 へき地での在宅サービスは事業としては成り立ちづらい面があり、これまでは住み慣れた地域を離れてしまうことが多かった。地域包括ケアシステム構築の過程で、地域を離れずに暮らし続ける方策を各市町村やそれぞれの地域で考えていく必要がある。県は地域の取組に対して支援をしていきたい。

伊藤委員
 社会保障改革の法律が成立し、自助・共助・公助という順番だが、共助なので地域で考えてほしいということなのか。

渡辺介護高齢課長
 自助、共助、公助が強調されていることは確かだが、地域で考えることだけでなく、国もいろいろな基金や制度を整備している。県としても広域調整や後方支援、好事例紹介など積極的に対応していきたい。

伊藤委員
 高齢者の様々な問題で困っている人はどうすればよいか。

渡辺介護高齢課長
 まず高齢者の相談窓口である地域包括支援センターに相談し、センターから提案を受けて対応していくのがよいと思う。

伊藤委員
 地域包括支援センターに相談しても、なかなか解決しない事例が結構あると聞いている。一歩踏み込んだ支援ができないか。

渡辺介護高齢課長
 地域包括支援センターは、今の体制では、個々の相談にきめ細かく対応するには厳しい面があると認識している。国に対しては人材の確保対策を要望し、各市町村に対しては地域包括支援センターの強化を依頼している。

伊藤委員
 高齢者を支えるのが社会保障、介護だと思う。県民に寄り添った施策を実施することが必要であり、県の対応が求められていると思うがどうか。

片野健康福祉部長
 行政として様々な事業に取り組んではいるが、実際、個々の高齢者などに支援が届かない実態があることは認識している。全体として持続可能な制度を維持しながら、どう高齢者に寄り添っていくか、県、市町村、医療・介護事業者など関係者がともに、自助、互助の精神も活かしながら取り組んでいきたい。

(3)障害者への理解促進について

塚越委員
 3月21日は国連の定めた「ダウン症の日」であるが、市町村と連携し、広めていくべきと考えるがどうか。

根岸障害政策課長
 ダウン症も含め、障害の有無によって分け隔てられることなく、共生できる社会を実現するため、理解促進・住民啓発に取り組んでいきたい。

(4)群馬県手話言語条例について

伊藤委員
 プロジェクトチームで検討したとのことだが、メンバーは誰か。

新井委員
 中沢丈一議員、松本耕司議員、橋爪洋介議員、星名建市議員、そして私である。

(5)子育て支援について

伊藤委員
 来年度から放課後児童クラブに対する補助制度が改正されるが、変更点はどうか。

吉田子育て支援課長
 クラブ単位の運営費補助から、支援の単位といわれる児童の集まりを対象とした補助に変わり、補助基準額の単価も引き上げられ、財政支援は拡充するものと思われる。

伊藤委員
 概ね40人とされている支援の単位に分けることが困難な場合はどうなるのか。

吉田子育て支援課長
 各市町村で、支援の単位を概ね40人とする基準条例を定め、その基準に適合するよう計画的に整備していく。個々のケースに対して県は相談に応じ、施設整備等に必要な予算を確保していく。

伊藤委員
 施設に差があり希望が集中することや希望者の減少により利用児童数が変動し、運営が難しくなるクラブも出てくると思うが、対応はどうか。

吉田子育て支援課長
 年度による人数の変動に対する対応は難しいが、そこは計画的にしてもらうことになる。施設整備に関しては、施設改修も補助対象となっている。また、教育委員会と連携した放課後子ども総合プランの推進をしており、クラブと学校の責任者の話し合いの中で、需要不足を考えてもらう仕組みが必要と思う。委員指摘の点について、対応できるように考えていきたい。

伊藤委員
 新たに設けられる指導員の資格に対して、県が果たす役割は何か。

吉田子育て支援課長
 新制度の中で、新たに放課後児童支援員という指導者資格が設けられ、県がその認定研修を行うこととなった。5年間の経過措置の間にすべての指導員が研修を受講できるようにしたい。

伊藤委員
 指導員研修の受講費用はどのようになるのか。研修時間や場所についても配慮が必要と考えるがどうか。また、カリキュラムについて、関係者でよく議論をしてもらいたいと思うがどうか。

吉田子育て支援課長
 費用は、テキスト代を実費として徴収する予定である。研修時間は、1日3時間の午前中を8日間受けていただく予定で、場所はなるべく多くの方が受講できるよう配慮したい。カリキュラムは、大筋は国からも示されており、関係者の話も聞き適切に対応していきたい。

伊藤委員
 第3子以降3歳未満児保育料免除を新規事業の目玉としてあげているが、この事業を実施するに当たり廃止した事業はあるのか。

吉田子育て支援課長
 3歳未満児保育料軽減事業を平成11年度から実施してきたが、この事業を少子化対策の観点で多子世帯を重点的に支援する施策に転換を図った。

伊藤委員
 3歳未満児保育料軽減事業の平成25年度決算額に比べ新規事業の予算は1億円程度の減額となるが、これで目玉事業といえるのか。

吉田子育て支援課長
 平成27年度からの子ども・子育て支援新制度に係る子育てや保育サービスに要する予算は全体で大幅に増額となっている。従来の軽減事業を見直して、食物アレルギー対策、放課後児童クラブひとり親家庭利用料補助、児童虐待防止対策の拡充などの子どもの安全・安心に係る事業を新規に実施することとしたところである。

伊藤委員
 国の制度変更に対して事業費を増額し、県独自のよい施策を減額するのはどうか。

吉田子育て支援課長
 昨年から、市町村担当者に対して新制度や少子化対策としての予算の総合的な見直しについて情報提供や意見交換を実施したところ、県単独補助金の見直しの趣旨については、一定の理解をいただいたと認識している。

(6)病院事業職員の給与の種類及び基準を定める条例の改正について

伊藤委員
 結核性疾病の取扱いを変更する理由はなにか。また、最近の利用実績はどうか。

青木病院局総務課長
 本条例改正は、病院局だけでなく、知事部局も同様の取扱いをするものであり、結核性疾病に係る病気休暇について、事例がほとんどないという中で、私傷病における特定疾病と同じ取扱いにするものである。病院局においては、分かる範囲では結核性疾病の実績はない。

伊藤委員
 結核の完治する期間はどうか。退院すれば復帰してよいのか。半年の休暇でよいのか。

津久井保健予防課長
 結核は現在薬を使って治る病気となっている。結核菌に耐性がなければ、6から9か月で治療は終了する。入院する場合も2から3か月である。治療に2、3年かかったのは、過去の話である。結核菌検査で菌が出ていなければ、出勤は可能であり、個人差はあるが、治療により1か月程度で感染力がなくなるのが一般的である。

(7)ハンセン病行政資料調査報告書について

伊藤委員
 ハンセン病行政資料調査報告書は、ハンセン病対策普及啓発事業や今後の感染症対策に係る人権尊重の推進に役立てることと思うが、何部作成するのか。

津久井保健予防課長
 300部を作成し、関係団体等への配付を予定している。

伊藤委員
 県内の図書館や人権団体、高校の図書室にも配付した方がよいと思うが、300部では足りないのではないか。

津久井保健予防課長
 作成部数については、委員の意見を踏まえ検討したい。

(8)周産期医療について

伊藤委員
 総務省が発行している「統計で見る都道府県の姿」によれば、本県は妊娠・分娩及び産じょくによる死亡率全国4位、周産期死亡率6位、新生児死亡率5位、乳児死亡率3位と心配な数字が並んでいるが、なぜこのような状況なのか。

津久井保健予防課長
 母子保健の統計数値については、全国的に改善しており、群馬県も長期的に改善している。乳児死亡率は平成2年に4.8だったが平成24年は3.0、周産期死亡率は平成2年に12.8だったが、平成24年には4.8とそれぞれ改善している。全国的に順位が低いことについて、個々の例を調べてもはっきりした原因はない。全体が100に満たない数においては、5人から10人で順位は大きく変わってしまう。なお、平成24年の妊産婦の死亡は2名だったがその他の年は0人である。

(9)救急搬送支援システムについて

藥丸委員
 救急搬送支援システムの詳細を聞きたい。

北爪医務課長
 救急搬送支援システムは、救急医療情報システム等と統合・更新を進めており、新システムでは、スマートフォンを活用して搬送実績がリアルタイムで入力できるようになり、救急隊員の業務が軽減される。また、救急現場で撮影した画像を搬送先の医療機関に送信することで、正確な搬送先の選定と受入れ準備を整えることが可能となる。さらに、搬送困難事案を防ぐために近隣の医療機関等に一斉にSOSを通報する機能や、MC医師が救急救命士の活動を支援するための機能等が追加され、4月から本格稼働の予定である。本システムの運用により、救急搬送のさらなる効率化を進めていきたい。


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