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人口減少対策特別委員会(平成27年3月9日)

1.開催日時

平成27年3月9日(月曜日)10時00分開始 14時56分終了

2.開催場所

301委員会室

3.出席議員

委員長:久保田順一郎、副委員長:新井雅博
委員:中村紀雄、委員:腰塚 誠、委員:角倉邦良、委員:あべともよ、委員:水野俊雄、委員:桂川孝子、委員:酒井宏明、委員:安孫子 哲、委員:高橋 正

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)人口減少対策の取組について

中村委員
 人口減少対策というのは、極めて大切な緊急な課題であると同時に、非常に長いスパンで考えなければいけない課題だと思う。子ども達も、深刻な社会を進んで行くわけなので、家庭の大切さや、結婚の意義についての理念を小さいうちから育てていくことが、家庭教育や学校教育の課題と思うがどうか。
本多生活文化スポーツ部長
 人口減少対策は息の長い取組が必要であり、子どもたちに対する働きかけも重要であると考えている。庁内各部局においても、子どもたちに家庭の大切さや生きる意義について考える機会を持たせる事業を実施している。また、当部においては、今年度、高校生に対するライフデザイン講座などを実施した。
今後も、県だけではなく市町村や民間と協力しながら取り組んで参りたい。

中村委員
 今の若者を見ると、文明がどんどん進んで便利になっていく中で、人間がどんどん野生から遠ざかっていると感じている。子どもの世界にとって、生存競争的なたくましさを育むのは必要なことなのに、温室の中で育てられ、きれい事で薄められた人間になって「生きる力」が育まれていないように感じる。
 こうした教育の根本に関わる問題を大胆に改革することが、家庭の大切さや助け合い、地域社会を作っていくことのエネルギーを育てていくことに繋がると思う。このような考えを、市町村や地域社会の人たちと深刻に受け止めて、真剣に取組んでいくことを人口減少対策の基本に据えるべきだと思うが、どう考えるか。

塚越企画課長
 総合戦略の策定と実行に当たっては、県民の理解と協力が大事である。県としても、人口減少の基本認識や経済・社会への影響をしっかりとおさえ、オール群馬体制で、将来を見つめながらもスピード感を持って取り組んで参りたい。

(2)進学に伴う学生の首都圏への流れを抑制する施策について

中村委員
 文部科学省が、首都圏の私立大学の入学者を抑制する方針を打ち出そうとしている。地方から首都圏への学生の流れを抑制しようする動きを、県がどのように受け止めるかを真剣に考える必要があると考えるが、どうか。

塚越企画課長
 文部科学省と総務省が連携し、地方創生に資する新たな取組を打ち出している。県としても、地方大学を活用した雇用創出・若者定着の取組について検討して参りたい。

(3)「あいぷろプラス」について

安孫子委員
 「あいぷろプラス」のコーディネーターについて、どのような方を、どのような形で募集するのか。

五十嵐少子化対策・青少年課長
 県内の結婚式場や結婚相談所などで、実際に結婚支援業務に携わっている方を予定しており、コーディネーターが勤務する企業を5社程度公募する予定である。

安孫子委員
 具体的には、4月1日からスタートするのか。

五十嵐少子化対策・青少年課長
 早ければ、5月か6月頃には募集を始めたいと考えている。

桂川委員
 ぐんま赤い糸プロジェクトについて、出会いの場ができて非常に良い事業だと思う。しかし、あいぷろに参加していない団体、会社も多くあるので、そこに対して呼びかけて参加を促すことも必要だと思うが、どうか。

五十嵐少子化対策・青少年課長
 「あいぷろ」は、独身男性の多い職場、独身女性の多い職場などの偏りに注目し、企業等が会員団体に登録の上、その従業員がイベントに参加する事業として開始した。現在は、誰でも参加が可能となっているが、結婚につながるような出会いの場が十分に提供できていない面もあることから、「あいぷろプラス」を実施するものである。会員団体を対象に、より効果的なイベントを企画して結婚につながる出会いの場を提供するとともに、今後は、県内の企業等に呼び掛けて、会員団体を増やしていきたいと考えている。

(4)3世代同居・近居の支援について

安孫子委員
 親と同居できるような2世帯住宅に対する補助金が必要だと思う。また、2世帯住宅が物理的に無理であれば、敷地内や近居に住める環境を作ってあげられる施策が必要だと考えるが、どうか。

吉田子育て支援課長
 3世代同居・近居への支援については、子育て支援の観点からも有意義なものと考えている。平成27年度には、国においても3世代同居・近居への支援について検討することとしている。県においても、群馬の未来創生本部において、幅広く検討していく課題と考えている。

安孫子委員
 共働きの社会をつくった結果、保育所の0歳時保育は待機児童が山ほどいるような風潮を元に戻す必要がある。保育所の整備や、特別養護老人ホームの整備に税金を使うなどの、すこしバランスの悪い補助制度をやめて、確率は、0.01%かもしれないが、同居が嫌だという弊害を取り除くために、上限3、4千万円を出す補助金を打ち出すことが必要だと思う。

五十嵐少子化対策・青少年課長
 国の平成25年度の調査で、「子どもが小学校入学までの間、祖父母が育児等の手助けをするのは望ましいと思うか」との質問に対して、約8割が「そう思う」と回答している。こうした手助けを望む方に対して、3世代同居等の支援は必要であると考える。一方、「そう思わない」方も一定数いる。男性では、20代30代が比較的多く、女性は年齢が高い方が多くなっている。
 考え方は多様化していることから、どのような支援を行うかは、状況を見ながら進めていく必要があると考える。

あべ委員
 3世代同居・近居への支援については、3世代同居・近居ができない人もいるため、子育てに対してハンデを背負っている。そんな方たちに対してどう支援していくのか。

吉田子育て支援課長
 地域における子育て支援として、身近な相談先として保育所や児童館における地域子育て支援拠点事業があり、幼稚園や保育所における一時預かり事業、ファミリー・サポート・センター事業による支援等に取り組んできた。来年度から、利用者支援事業という子育て支援に関してワンストップで相談に応じる事業が始まり、利用者のニーズに応じた子育て支援を行っていく予定である。

(5)過疎山村地域の再生について

角倉委員
 平成27年度予算において、中山間地域の再生に向けて、どこに重点が置いているのか見えてこない。過疎山村地域の再生に向けての具体的施策をどのように盛り込んでいるのか示して欲しい。

五十嵐地域政策課長
 平成27年度は、新たな過疎地域自立促進方針と計画、山村振興基本方針を策定して、効果的な方策を検討していく。来年度の具体的な施策として、人口減少の防止が重要課題となっているので、「ぐんま暮らし支援事業」として移住促進に全力で取り組んでいきたい。また、東京都の23区で構成する「特別区協議会」と連携して、首長や職員同士の活発な意見交換を行い、都市と山村との連携・交流や協定促進に取組むこととしたい。

角倉委員
 人口減少が著しい過疎町村に対して、振興局に町村ごとの専従職員を配置するなど、積極的な対応をとるべきではないか。

五十嵐地域政策課長
 今年度においては、振興局を設置して担当者を増員するとともに、振興局と現場の市町村がしっかりと連携するために、地域振興連絡会議を創設し、地域の実情に合った取組を進めている。当課も含めて職員が現場に積極的に出向き、情報交換を行い、課題の把握や連携した対応に努めている。
 当課としては、振興局と一緒に現場に出向いて、市町村からの相談、情報提供を人材支援という形でしっかりとやっているという状況である。

角倉委員
 実際問題、南牧村や神流町では、職員が半分くらい村内ではなく村外に住んでいる。そんな状況も踏まえて、中山間地域の状況をどこまで掌握しているのか。

五十嵐地域政策課長
 現場の把握が一番重要だと考えている。当課で推進している様々な事業、市町村の事業については、出来るだけ現場におもむいて市町村と一緒に議論をして支援している。個別の事業の現場の把握については、徹底してやっている。

角倉委員
 機会があれば、現場の方々の声を聴かせていただきたいと思う。
中山間地域の再生の問題は、県にとっても永遠の課題なので、職員の育成という観点からも地域おこし、地域づくりのスペシャリストを育成していくという視点を持ってもらう必要がある。その結果、県庁のメッセージが関係市町村に伝わって、施策が展開できる。そして、その成果が次に継承される体制を具体的に構築してもらいたいが、どうか。

五十嵐地域政策課長
 県として、現場の市町村と一体となって支えていこうと考えている。そのための人材としては、当課の職員も現場に入って現場の課題に立ち向かっている。今日も職員が現場に行っているし、昨日も地域おこし協力隊全国サミットに出席している。夕方からの地域の会議に出席するなど、現場と一緒にやっている。その動きは見えにくいと思うが、県としてやるべきことの本質をおさえて対応している。

(6)人口減少対策に関する緊急提言について

角倉委員
 群馬県から国に対して、「人口減少対策に関する緊急提言」の中で17項目の要望を行ったとあるが、「高齢者の移住促進制度と併せた若者をはじめとした雇用創出の仕組みづくり」などに関して、国からの回答はあったか。

川原健康福祉課長
 高齢者を都市部から受け入れる際、特養などの施設整備については都道府県や市町村が実施することになるが、例えば、入所者の住んでいた都市部の自治体が補助する制度の創設や、介護保険関係は住所地特例が適用されるが、後期高齢者医療制度では75歳前に転入して来ていて、施設の中で75歳に達すると住所地特例が適用にならないため地方の負担になっていることから、適用するよう要望している。また、国の対応であるが、住所地特例については、国の社会保障審議会保健医療部会で実現に向けての検討が行われているとともに、雇用の創出では介護人材の処遇改善を図ることが重要であることから、これも国において医療介護総合確保基金において、来年度、介護人材確保のための予算を創設しているところである。

角倉委員
 提言の内容は、市町村からの要望をそのままあげたものか。

川原健康福祉課長
 住所地特例については、以前より市町村から要望があったものである。

角倉委員
 提言の17項目については、財政的にも国がやるべきだと思うが、県がどうしても必要だと考えても、国がやらないときは県単でやるべきだと思うが、どうか。

本多生活文化スポーツ部長
 国へは人口減少対策以外にもいろいろ提言している。それでも国がやらない例として、子どもの医療費無料化があるが、これは県独自に行っている。このように優先順位が高いものは県独自に行う場合がある。

角倉委員
 これからも、県が単独でやる必要があると判断したものは、県として独自に行うと認識でよいか。

本多生活文化スポーツ部長
 そういうスタンスである。もちろん、税制のように国の法律に関わることは無理である。

(7)県立高校における職業教育について

角倉委員
 人口減少流出の歯止めをかけるために、県内の若者に対する労働力の育成が必要だと思っている。専門高校等の実習で使われる機材を更新させていかないと、生徒が社会に出ても即戦力になることができない。これだけ、時代が進んで、技術が進展して、イノベーションが刷新され、機械が更新される中で専門高校の生徒に対するスキル向上のための支援策はどう考えているか。

遠藤高校教育課次長
 本県の普通科、専門学科、総合学科の比率は6対3対1であり、全国的に見て職業系の比率が高く、ものづくり県の特徴である。そうした枠組みの中で、各校に対して熟練技能者の派遣等の支援を行っている。

角倉委員
 今年の入学試験の応募状況をみると、いかに専門高校の応募倍率が高くなっているのかが分かる。これからは今まで以上に、学生も実利という観点から進学先の高等学校を選択していくようになると思う。現場の一線で活躍するためのスキルを身につけるためには、技術習得のための設備の更新が必要と思うがどうか。

吉澤管理課長
 実習の核となる専門高校の設備については、継続的な更新が必要と考えている。更新に当たっては、各学校の要望を聞き、現場調査を実施のうえ、指導主事のアドバイスを受けながら、更新すべき設備を決めている。

角倉委員
 予算の推移は、どのようになっているのか。

吉澤管理課長
 予算については、次代を担う職業人材育成のための教育設備充実として、平成25年度、平成26年度、平成27年度の当初予算で5,000万円を確保している。また、今年度については、介護人材育成のために別枠で1,000万円の予算措置をした。

角倉委員
 予算が増えればいいということではないが、現場に行くと古い設備が相当ある。子どもたちの技術の習熟度合いを高める方向で進めてほしいと思う。予算が減らなかったことはいいが、これから子ども達の県外への人口流出を阻止するためには、人への投資が必要である。平成26年度の介護人材育成のための1,000万円は別枠か。

吉澤管理課長
 平成26年度については、ベースの5,000万円のほかに、介護人材育成の機器導入ために別枠で1,000万円を予算措置し、合計6,000万円である。平成27年度については5,000万円を計上している。

角倉委員
 設備を更新すれば、生徒の習熟度合いが即高まるわけではないと思うが、現場を掌握して子ども達の技術の習熟度合いを高めていく方向で検討していただきたい。

吉澤管理課長
 管理課においても、専門高校における現状について把握しており、委員指摘の内容も一部あることは認識している。それについては、現場や指導主事の意見を聴きながら、優先順位をつけて、実習に支障が出ないように対応しているが、高価な機械もあるので今後も予算の確保に努めていきたい。

(8)群馬大学医学部附属病院の医療事故について

水野委員
 群馬大学医学部附属病院の医療事故の問題について、県としても「群馬がん治療技術地域活性化総合特区」を取得して、医療産業の充実を図っている中で、非常に残念な事件が起きたと思う。県として、今回の事件をどのように捉えているのか。

北爪医務課長
 群馬大学医学部附属病院において、8人が腹腔鏡肝切除手術で死亡し、開腹手術でも10人の死亡が判明している件についてであるが、今回の件では、まず真相究明をし、徹底した再発防止策を講じてもらう必要があると考えている。さらに、遺族や県民にも説明責任を果たしてもらいたい。また、重粒子線治療等高度先進医療にも取組んでおり、医工連携を通じて、本県の経済や地域振興にも寄与しているところである。早期に信頼を回復し、しっかり再生してもらいたいと考えている。

水野委員
 真相究明を行い、再発防止策がどのように作られるのか推移を見守りたいと思うが、県からも可能な限り要望をしてもらいたい。
今回の事件で、群馬県の医療体制の信頼が損なわれることとなったが、信頼を回復し透明度を高めるという意味でも、データヘルスを活用することにより、医療事故を把握することも可能であると考えるがどうか。

川原健康福祉課長
 今回の事案は、病院が長期間にわたって事実を把握できなかったことが課題であることから、データヘルスを活用することにより、医療事故などが随時把握できるようになれば、効果のある対策になると考えている。県としても、委員の提案について今後検討していきたい。

(9)子どもの貧困対策に係る学習支援について

水野委員
 子どもの貧困対策として、経済の格差が学力の格差につながらない学習支援の取組をしてもらいたいとお願いしてきた。現在の学習支援の取組状況と来年度の予定を伺いたい。

川原健康福祉課長
 県としては、今年度、生活困窮者自立支援のモデル事業を実施している中で、23町村全ての町村に学習支援の要望等の意向調査を実施してきたが、様々な課題がある中で、結果的に希望する町村はなく、来年度、事業化することができなかった。しかし、町村が希望しないとしても、県が主導的に実効性のある学習支援に取組み、町村に協力を求めていくべきであると考えている。一方、学習支援については、国において様々な事業をメニュー化しており、そうした中、県では来年度、教育委員会をはじめ庁内の関係部局が横断的に、教育の支援をはじめ様々な施策を総合的に進めるために、子どもの貧困対策の推進計画を策定する。その策定の中で、本県の貧困の現状について把握し分析して、平成28年度は実効性のある学習支援を行っていきたいと考えている。

水野委員
 奨学金について、一般質問でも質問させていただいたが、創生本部のワーキンググループのテーマとして検討を始めるとのことであった。具体的に、どういったステージで検討し、スケジュールはどのようになっているのか。

塚越企画課長
 一般質問の答弁であったように、部局横断的な議論が必要なことから、ワーキンググループで議論するテーマの一つとして、県内の大学や産業界等から意見をもらいながら、良く効果を検討し、研究をして参りたい。先行例や類似例等があるので、まずはそういったものの調査から始め、現場をよく把握し、意見をもらいながら進めて参りたい。

水野委員
 ワーキンググループでという話だったが、移住促進ワーキンググループ、若年女性の雇用創出ワーキンググループ、家族の理想実現ワーキンググループの3つある。奨学金について家族の理想実現ワーキンググループで扱うものではないように感じる。若年女性の雇用創出ワーキンググループが受け皿ということでよいか。

塚越企画課長
 どのワーキンググループで扱うものかという観点からの議論もある。ワーキンググループのメンバー構成等も視野に入れながら、よく連携して検討して参りたい。

(10)企業の地方拠点強化税制導入に伴う移転促進策について

水野委員
 地方拠点強化税制については、これは、本社機能を東京23区から三大都市圏(東京、名古屋、大阪)を除く地域に移転する企業に税金の優遇措置を行うという制度である。これにより、本社機能、研究機関を首都圏から地方への移転を促進する働きかけができると国は考えているようだが、県としての取組状況はどうか。

石川労働政策課長
 県としては、昨年12月の国への緊急提言の中で本社機能等の移転促進について要望しており、国において、地方の雇用の場の創出の観点から特例措置として創設したもので、今後、活用に向けて制度の詳細を確認するとともに、本社が東京23区内にあり、主要拠点を県内に置く約100社をピックアップして企業訪問やダイレクトメール等により企業誘致推進室を中心に働きかけを行っていく予定である。

水野委員
 100社程度ピックアップして、ダイレクトメール等で働きかけを行うという話だったが、ワーキンググループで企業誘致に関するテーマは扱っているのか。

塚越企画課長
 国への提言を行う際に各ワーキンググループからの意見等を反映している。今後も様々な視点を持ち、情報を収集しながら検討を進めて参りたい。

水野委員
 企業に働きかける全庁体制の取組が必要だと考える。それを、群馬の未来創生本部で主導する必要があると思うが、部長の考えはどうか。

本多生活文化スポーツ部長
 人口減少対策は一つの部署でできるものではなく、ワーキンググループも部局横断的に行っているところである。企業誘致については、産業経済部の企業誘致推進室で企業訪問等による働きかけを行っており、顔の見える関係を築いていると聞いているが、担当部局だけに任せるのではなく、関係する部局が連携して取組んでいきたいと考えている。

(11)児童・生徒の居場所の確保について

桂川委員
 幼稚園、保育園、放課後児童クラブの枠を超えた、既存の学童や保育施設の活用や、地域の空き家の活用など様々な形態があると思うので、そこに県が支援して一定の質を確保するなどの取組が必要だと考えるが、どうか。

吉田子育て支援課長
 子どもの居場所の確保については、保育所や放課後児童クラブでの受け入れの他、親が共働きでない場合は児童館を利用することもできる。市町村の児童館運営を県は支援しており、職員の研修もこどもの国児童会館で行っている。子ども・子育て支援新制度での様々な子育て支援の事業を通して、子どもの居場所を確保していくことが必要と考えている。

桂川委員
 国で示された事業以外に、枠を超えた県独自の取組で選択肢を増やす必要があると考える。子どもを夕方から安心して預けるために、従来の枠内の部分と枠を超えた部分を、面として広げて取り組む必要があると考えるがどうか。

吉田子育て支援課長
 来年度からの子ども・子育て支援新制度のスタートに向けて、市町村で様々なニーズ調査を行い、各市町村の子ども・子育て会議で議論を重ねてきた。委員指摘の内容は市町村での取組であるので、市町村の相談に応じ県として支援していきたい。

桂川委員
 市町村から上がってきたものだけでは従来のままである。働く女性の支援として、祖父母の助けがない家庭は特に支援を必要としているし、学校や保育園も、夕方以降の学童保育なども安心して子どもを預かってもらえる環境が必要である。民間や地域の有志も含めて、縦割りでなく「面」で対応する支援が必要だと考えるがどうか。

塚越企画課長
 たしかに個別事業では輪切りになってしまうが、ご指摘のとおり面で捉えて全体を見渡した議論をするために未来創生本部やワーキンググループを立ち上げ議論している。ワーキンググループを中心にやっていくが、ワーキンググループで全て対応できるわけではないので、アイディアや意見を各部局に投げかけ、各部局で具体的な施策づくりを検討し、面的な取組として考えていきたい。

(12)男性の育児休業について

桂川委員
 育児休業について、男性も育休を取得するキャンペーンを行うなど、男性が育休を取得しやすくなる取組を進めてもらいたい。その反面、働く女性にとって3年間の育休は長いという意見や、子育て後に再就職できる選択肢にも対処してもらいたいという意見もある。この2点について、どう考えるか。

福田労女性・若者就職支援主監
 本県は男性の育児休業取得が少ない状況なので、力をいれて取組んでいきたい。また、育児休業や子育てが終わった女性がスムーズに仕事に復帰できるよう、来年度は類似する3制度を統合して新たに創設する「いきいきGカンパニー認証制度」をしっかりPRし、支援していきたい。

(13)ぐんま暮らし支援について

桂川委員
 ぐんま暮らし支援について、相談に来た方々に対して、群馬はどのような魅力があるのか、魅力あるパッケージとして訴えていくと思うが、具体的にどんなことを訴えていくのか。

五十嵐地域政策課長
 群馬の良さとして最も強調したい点としては、東京との近接性がポイントになるかと思う。群馬は、二地域居住、移住はもとより、東京へ通勤もできるということで、様々な選択肢を用意できるというところが強みと考えている。東京との比較でいえば、ちょうどいい暮らし、ちょっといい暮らしができるということで、分かりやすいPRに努めていきたい。

桂川委員
 20代~30代の移住を考えている方に対しては、東京への近接性だけでなく、子育て環境やホワイトカラーの魅力ある働く場づくりといった環境整備をして、パッケージとして提示していくことが必要と思うがどうか。

五十嵐地域政策課長
 県としては、子ども医療費無料化、ぐーちょきパスポートといった施策も講じているなど、子育てしやすい環境にあるということも群馬の強みであり、今後もしっかりとPRしていきたい。

酒井委員
 ぐんま暮らし相談員について、東京都の有楽町に相談員を配置するということだが、相談員の体制やどのくらいの相談件数を目標としているのか。

五十嵐地域政策課長
 東京交通会館に入居しているNPOふるさと回帰支援センターに委託し、同センターの職員という身分で、群馬県専任の相談員1名の配置を予定している。また、移住は、移住そのものが人生を変えたり、生き方を変えていくことにつながることから、じっくりと時間をかけて検討を行うケースが非常に多い。相談件数の目標については、すぐに物を買うようには設定しにくい。いずれにしても相談員を配置して、しっかり相談件数を上げていくような取組をやっていきたい。

酒井委員
 相談員はパートやバイトではなく、正規雇用か。

五十嵐地域政策課長
 NPO法人の職員となる。

酒井委員
 相談員のサポート体制や研修なども重要と思うがどうか。また、35市町村の中で、特に重点的に取組を進めていきたいということで手を挙げている市町村はあるのか。

五十嵐地域政策課長
 相談員のサポートとしては、しっかり研修を行っていく。受け皿としては、過疎山村地域の市町村が熱心に取組んでいるが、人口減少対策の視点からの取組であることから、オール群馬で、全市町村で取組むことが必要と考えている。その底上げを図るため、ぐんま暮らし推進連絡会議を設置し、取組んでいきたい。

酒井委員
 市町村の中には、定住促進のための取組として、みなかみ町や片品村のように、家賃補助や新築補助を行っているところもあるが、そういった市町村に対してどんな効果があったか。

五十嵐地域政策課長
 市町村の取組としては、住宅取得補助を行っているところや、出産祝い金支給、給食費や保育料の無料化などの移住対策等を進めているところもある。また、市町村の個別の取組まで含めてしっかり情報提供できるよう支援していきたい。

(14)周産期医療について

桂川委員
 周産期医療について、妊娠中の無理な労働は早産など母体にリスクがあるということを、職場等に対しても啓発する必要があると思うがどうか。

津久井保健予防課長
 女性の心身に関する相談は不妊専門相談センターや女性の健康支援センターで行っている。企業や学校に対しても、妊娠や女性の体に関する知識の啓発に努めたい。

酒井委員
 周産期医療について、平成16年度からずっと全国平均を上回っている。特に、平成16年は全国ワースト1位であった。この間、色々と対策をとって来たと思うが、昨年もワースト6位であった。なぜこんなに高いのか原因を伺いたい。

津久井保健予防課長
 周産期死亡率は、妊娠22週以降の死産数と早期新生児死亡数で算出する。平成16年に比べて平成24年は半分までにはなっていないが、数値としては改善している。全体の数字(妊娠22週以降の死産数と早期新生児死亡数の実数)が少ない中では、5~10件で全国順位は変動する。原因については、具体的に小児科医や産科医により調査をしているがはっきりとはわからない。新生児死亡については、医師に対して蘇生法等の研修を行うことで数値は改善している。今後とも関係者と協議しながら対応して参りたい。

酒井委員
 分娩取扱施設数や産婦人科医師数は減少傾向にあり、これが原因になっているのではないか。特に産婦人科医師確保の取組についてはどうか。

歌代医師確保対策室長
 医師数については、人口10万人当たりの医療施設従事医師数は(多い方から)全国30位、産婦人科医師数は全国31位であり、産婦人科医が特段悪いわけではない。産婦人科の病院医師数は、ここ数年ほぼ横ばいとなっており、産婦人科医師確保の対策として、産婦人科や小児科など特定診療科を対象とした医師確保修学研修資金などを実施しており、また平成27年度から群馬大学の産婦人科教室と連携して、研修医や総合診療医などを対象に周産期救急に効果的に対応できる知識や能力を身につけるための研修に取組むこととしている。こうした研修など、県内で学べる環境を整えることにより、産婦人科医師の確保につなげていきたいと考えている。

酒井委員
 拠点病院だけではなく、地域に産婦人科があることが必要だと思う。計画の中にも非常に厳しい就労環境だとあるが、それに見合った形できちんと医師確保対策をしていく必要があると思う。このままでは悪循環になるが、地域に見合った対策、群馬ならではの対策が必要だと思うが、どうか。

歌代医師確保対策室長
 この計画にも触れているが、今後の周産期医療提供体制については、機能分担と連携の検討部会を設けて、専門家の意見も聞きながら検討して参りたい。

(15)中小企業における育児休暇の取得について

桂川委員
 育児休業の取得は大切なことだが、特に中小企業は余裕がないので、育児休業の取得が困難な状況にあるが、育児休業取得のために企業に対してのような支援ができるか。

福田労女性・若者就職支援主監
 周りに気を使い育児休業を取得できないなどの理由で、結婚・出産をきっかけに退職してしまう女性が約6割いると聞いているが、育児休業制度は、長い目で見れば企業にもメリットがあることから、中小企業に対してもしっかりPRしていきたい。

(16)若年女性のアンケートについて

あべ委員
 若年女性のアンケート調査について、調査項目を見せていただいたが、調査対象者は、1 県内居住の20~39歳の女性、2 県外居住で群馬県出身の20~39歳の女性とのことだが、それぞれ何人か。

塚越企画課長
 県内居住と県外居住の方、それぞれ500人程度を予定している。

あべ委員
 県内居住者と、県外居住で群馬県出身の方を対象ということだが、県外居住で群馬県出身者でない人は対象としないのか。

塚越企画課長
 今回の調査は、県外在住の方は県内出身者のみとした。限られたリソースでやっている中、まずは群馬出身者にいかに戻ってきてもらうかとの視点を中心に考えたところである。

あべ委員
 この若年女性アンケートについては、まずは、流失を抑制するのと出身者に戻ってきてもらうことで社会減を食い止めるということか。

塚越企画課長
 今回の調査の主たる目的だが、委員から話があったとおり、特に若年女性が居住地を決定する要因を中心に調査を行いたいと考えている。まず、群馬県から県外に出る一番大きな契機は大学進学で、その次が就職だと考えているので、どういった要素で県外を選択しているのか、その意思決定のキーパーソンは誰なのか。女性にだけ注目しないで、例えば夫婦という形もあるので、そういったところも捉えられるように工夫して調査したい。

あべ委員
 このアンケートで、親との近居・同居に関する項目では、選択肢が「している」「したい」「してもよい」「したくない」「わからないまたは該当しない」となっているが、「わからない」と「該当しないで」は全く違うことだと思うが、この二つを同じ選択肢にしたのはなぜか。

塚越企画課長
 今回の調査では、自分の親か配偶者の親かという相手方の属性別の近居・同居の実態と、「したい」「してもよい」「したくない」という意識を把握することを目的としたもの。まずは意識の程度を捉まえていきたいと考えており、これら以外は細かく分けないこととした。

あべ委員
 親との近居・同居に関する項目では、近居・同居をしたい人やしたくない人の割合は出るが、親と近居・同居の現状を聞くだけでは、したいけどできない理由やしたくない理由は分からず、近居・同居を進めるための施策に活かせないのではないか。

塚越企画課長
 委員ご指摘のとおりアンケート形式による調査だけでは限界があるので、アンケートを補う意味で座談会形式のヒアリングも計画しており、ご指摘の点についてもそれらと併せて深掘りしていきたい。

(17)女性・若者の雇用拡大について

あべ委員
 女性若者の雇用創出について、県内においても地域や職種によって雇用情勢は異なっている中で、人手不足になっている地域もあると思う。仕事がないから女性や若者がいないと言われているが、そうであれば人手不足のところには女性や若者がいるはずだと思うが、どうか。

福田労女性・若者就職支援主監
 県内の有効求人倍率は都市部が高く、渋川・安中・桐生地域が比較的低いという状況にあるが、中之条地域は、旅館からの求人が多く、高い倍率となっている。
産業別にみると、宿泊・飲食業では6割以上が女性であり、ほかにも医療・福祉、卸・小売などは女性比率が高い。中山間地域に仕事があっても人が来ないことについては、例えば旅館業などは拘束時間の割に低賃金であることなどが要因と考えられる。
若者女性の雇用創出ワーキンググループにおいても、どんな仕事が必要かという議論をしているが、相応の賃金が得られて、仕事が安定している正社員であること、やりがいがあるということ、この3つを揃えないと難しいと考えている。人手不足になっている業種については、いずれかが足りないのではないかと思う。来年度から、サービス産業の振興について産業経済部で取組む予定であるので、その中で研究していきたい。

(18)3世代同居・近居への支援について

あべ委員
 3世代同居・近居への支援については、3世代同居・近居ができない人もいるため、子育てに対してハンデを背負っている。そんな方たちに対してどう支援していくのか。

吉田子育て支援課長
 地域における子育て支援として、身近な相談先として保育所や児童館における地域子育て支援拠点事業があり、幼稚園や保育所における一時預かり事業、ファミリー・サポート・センター事業による支援等に取り組んできた。来年度から、利用者支援事業という子育て支援に関してワンストップで相談に応じる事業が始まり、利用者のニーズに応じた子育て支援を行っていく予定である。

(19)3歳未満児保育料軽減事業の廃止について

あべ委員
 2つの事業費を比較すると、約1億円の減額となる。子どもたちが多くなると家計にも負担がかかるので、第3子以降3歳未満児保育料免除は必要なことだと思うが、代わりに3歳未満児保育料軽減事業を廃止して、2つの事業費を比較すると、結局予算が1億円減額になるが、どう考えるか。

吉田子育て支援課長
 平成27年度当初予算の編成において、人口減少対策の観点で施策の総点検を実施した。これまで、第1子以降すべての3歳未満児の保育料を1人あたり月額3,000円を上限に市町村へ補助する事業から、第3子以降の3歳未満児の育料を無料にするポイントを絞った施策に見直した。このような多子世帯を対象にした施策は、国の進める新たな少子化対策大綱においても、子育て世帯における多子世帯の一層の配慮が重点課題となっている。差額の1億円については、食物アレルギー対策、放課後児童クラブひとり親家庭利用料補助、児童虐待防止対策の拡充などの、子どもの安全・安心に係る事業を新規に取組んでいる。

あべ委員
 施策の総点検で3歳未満児保育料軽減事業から、多子世帯への支援に振り向けたということだが、施策の総点検において多子世帯への支援の方が、人口減少対策に効果が大きいという根拠を持って振り向けたのか。

吉田子育て支援課長
 この事業だけで人口減少をくい止めることは難しい。理想の子どもの数を3人以上とする県民意見に応えるための支援を考えた。全国では、8県ほど第3子以降の保育料無料化関連の取組をしているが、その県では合計特殊出生率が全国平均を上回る結果となっており、一定の効果は認められると判断した。

あべ委員
 県が3歳未満児保育料軽減事業を実施してきたのは、若い女性が働いて得る給料と比較した時に、保育料の金額が大きな負担になるため、この負担を少しでも減らそうと行ってきた重要な事業であり、人口減少対策に効果があると考える。予算がかかっても、県として人口減少対策に必要な事業についてはやっていくべきではないか。

塚越企画課長
 人口減少対策は、国と地方が一体的に行っていくべき喫緊の課題であり、施策の総点検を通じて、新しいことにもしっかりと取組む必要がある。そのためには財源確保が欠かせないことから、必要に応じて他の分野から財源を振り替え等の手続きが必要である。その際、国民的なコンセンサスが必要になることもあると思われる。国は先行型交付金を措置したが、本格的な取組は来年度議論するとしているので、必要に応じて国に提言して参りたい。

酒井委員
 現行の3歳児未満保育料軽減事業から第3子以降3歳児未満児保育料免除に移行した場合の市町村負担は、どの程度になるか。

吉田子育て支援課長
 3歳未満児保育料軽減事業については、平成11年度から県単独で実施している。第3子以降3歳未満児保育料無料事業は、すべての市町村で実施する見込みであるが、今までの月額3,000円の軽減を市町村単独で実施するかどうかは、市町村の判断であり、現段階で把握していない。

酒井委員
 数千万円の負担になる市町村もあると聞いている。新たな、第3子以降3歳未満児保育料無料事業では少子化対策にならないという声も聞いている。保護者が負担する保育料は、変わらないのか。

吉田子育て支援課長
 国の定める徴収基準額に基づいて、各市町村が軽減措置を設けて保育料を決定している。この基準では、3歳未満児と3歳以上児で3,000円の差額があり、新制度においてもこの差額はあるが、これによって負担が増えることはない。

(20)長時間労働について

あべ委員
 出生率の向上という観点からも、長時間労働の見直しに対してしっかり取組む必要があると思うがどうか。

石川労働政策課長
 長時間労働の見直しは、家庭と仕事の両立という観点からも解決していかなければならない問題と考えている。国では、「働き方改革」に向けた取組を行っており、群馬労働局でも1月に「働き方改革推進本部」を設置したところであり、県としても、労働局等と連携しながら、家庭と仕事を両立できる職場環境の整備について推進して参りたい。

(21)地域消費喚起・生活支援型交付金について

高橋委員
 消費喚起・生活支援型の交付金事業について、各自治体が商品券等を発行しており、プレミアム率が市町村ごとで異なっているが、県から指導しているのか。

塚越企画課長
 消費喚起生活支援型については、市町村課で対応しているが、市町村が発行する商品券のプレミアム率については、各市町村によって独自に設定しており、県から指示をしているということではないと思われる。

(22)女性の雇用について

高橋委員
 国において、すべての女性が輝く社会の実現を目指して取組を強化している。県の取組はどうか。

福田労女性・若者就職支援主監
 働く女性の活躍については、群馬県雇用戦略本部の下部組織である「働く女性の活躍推進研究会」において議論している。具体的には、「人の流れを変えるための就職支援」として、「U・Iターン就職支援」、「出産や子育てを理由に離職した女性の再就職支援」に取組むこととしている。また、「働き方を変えるための各種支援」として、「妊娠・出産・子育て期における継続就業に向けた支援」、「学生や社会人のキャリア形成支援」、「起業等チャレンジに向けた支援」に取組むこととしており、これらの施策を庁内全体で推進して参りたい。

(23)農業政策について

高橋委員
 強い農林水産業に向けた体制強化や6次産業化など様々な施策があるが、地方創生に向けて地方が元気になるには、第1次産業である農家が元気にならなければならないと思う。農業政策について聞きたい。

澁谷技術支援課長
 6次産業化は、1次産業がしっかりすることで2次、3次につながっていく。また、6次産業化では女性の活躍も目覚ましく、女性による起業件数は、現在308件が立ち上がり活躍している。
 強い農林水産業に向けて、平坦地においては規模拡大や法人化の推進、中山間地では地域の実情に合わせて直売所などを中心に女性や高齢者が活躍できる農業などを進めることが重要であると考える。
 農業は地域に根ざした職業であり、新規就農者を受け入れ、地域に定着して活躍できるよう、しっかり取組みを進めていきたい。


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