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観光・世界遺産に関する特別委員会(平成27年6月9日)
1.開催日時
平成27年6月9日(火曜日)10時00分開始 14時03分終了
2.開催場所
403委員会室
3.出席委員
委員長:松本耕司、副委員長:萩原 渉
委員:関根圀男、委員:角倉邦良、委員:大手治之、委員:金井康夫、委員:金井秀樹、委員:伊藤 清、委員:荒木恵司、委員:大和 勲、委員:加賀谷富士子
4.欠席委員
なし
5.主な質疑
(1)新町の屑糸紡績所について
関根委員
今までの経過と現状、国重要文化財への指定に向けてこれからのスケジュールはどうか。
布施世界遺産課長
重要文化財への指定については、直接は文化財保護課の所管だが、平成24年から高崎市が文化財指定に向けた調査を始めたと聞いている。指定は官報登載をもって行われるため、2か月後くらいかと思われる。
関根委員
世界遺産登録の前提となる重要文化財に指定されることについてどう考えるか。
布施世界遺産課長
新町紡績所は重要文化財となるが、今の世界遺産登録のストーリーとは異なっているため、今後関係者で研究を進めていかないと、簡単には追加登録というわけにはいかない。
関根委員
高崎市は、重要文化財への指定を受けて、今後、記念講演や写真パネル展の開催などイベントを考えているが、県としても一生懸命応援してただきたいと思うがどうか。
布施世界遺産課長
世界遺産課からは、シルクカントリーぐんま連絡協議会のメンバーである「よみがえれ!新町紡績所の会」に対して活動の補助を行っているところである。「ぐんま絹遺産」に登録をしてもらえれば、こちらの仕組みで連携をすることもできる。
(2)世界遺産センターについて
大手委員
世界遺産センターについて、東繭倉庫で行う暫定展示はどのような内容か。
布施世界遺産課長
今年度、荒船風穴などの模型を展示する。映像資料の作成も考えている。
大手委員
模型は4資産全部か。
布施世界遺産課長
当面、富岡製糸場を除く3資産の模型と、4資産を説明するパネルである。また、「ぐんま絹遺産」についてもPRしたいと考えている。
大手委員
早くセンターを作ってもらうことが地域の人の願いであるがどうか。
布施世界遺産課長
富岡市が今後、西繭倉庫の活用について委員会にかけることにしており、その経過を見て富岡市と協議したい。
大手委員
道の駅の設置を富岡市も考えており、市と強く連携するべきと思うがどうか。
布施世界遺産課長
設置場所については現在、製糸場内ということで富岡市に検討をお願いしている。これが無理だという話が正式にあれば、場外でも検討したい。
角倉委員
施設の中に世界遺産センターを作るとなると、手続などで長期にわたって準備が必要になるが、施設の外ということになれば積極的に対応してもらえるということでよいか。
布施世界遺産課長
富岡製糸場内が難しければ、周辺を検討していきたい。拠点施設整備は推薦書にも書いてあることなので、積極的に取り組んでいきたい。
(3)「富岡製糸場と絹産業遺産群」へのアクセス道路の整備について
大手委員
進捗状況はどうか。
生方道路管理課次長
道路整備課、道路管理課、都市計画課の3課で取り組んでおり、箇所毎に進捗は異なるが努力したい。
(4)富岡製糸場の建物・史跡の保存について
角倉委員
保存のため、県の負担を更に上げることも必要だと考えるがどうか。
布施世界遺産課長
文化財保存事業費補助の上限までいっているのが現状である。それを変更するためにはかなり研究しなくてはならない。
(5)「富岡製糸場と絹産業遺産群」の見学者維持について
角倉委員
見学者の維持のために県としてどのような具体的な取組を行うのか。
布施世界遺産課長
富岡製糸場ではこれから西繭倉庫の大規模修理が本格化するなど、公開範囲が限られる。富岡市でも解体修理の様子を見学できるようにするほか、公開箇所の拡大を計画しているところであり、県も積極的に支援したい。
福田観光物産課長
富岡製糸場を中心とした周遊観光についての広報やキャンペーンを実施する。また、観光コースの提案を行うとともに、新ツアーの造成について、旅行エージェント等への売り込みをしていきたい。
(6)富岡製糸場の世界遺産登録による上信電鉄への効果について
萩原副委員長
富岡製糸場の世界遺産登録による上信電鉄への効果はどうか。
小此木交通政策課長
上信電鉄の利用者数は、定期、定期外を合わせて、平成25年度が222万3千人であったが、平成26年度は236万5千人と、6.4パーセントの伸びとなっている。
(7)高崎駅における上信電鉄へのアクセス向上について
萩原副委員長
以前、社会基盤整備特別委員会で、高崎駅のJRから上信電鉄へのアクセスについて、駅の中から直接行けるように要望したが、その後の状況はどうか。
小此木交通政策課長
JR高崎駅から上信電鉄高崎駅へは誘導のための案内板を設置している。上信電鉄高崎駅と直接行き来はできないが、エレベーターを使えるようになり利便性は高まっている。上信電鉄からもJRに働きかけていると聞いている。
(8)蚕糸業継承対策について
角倉委員
養蚕農家の維持には、若い担い手が必要である。桑の切り出しから製品の加工までを一体的に若い人たちへアピールするため、繭というキーワードでアイドルを活用した企画を作り、メディアに売り込むべきと考えるがどうか。
新井広報課ぐんまイメージアップ推進室長
イメージアップ推進において、富岡製糸場は核となるものととらえており、情報発信をする中で、アイデアの一つとして参考にさせていただきたい。
伊藤(清)議員
養蚕農家の現状はどうか。
毛利蚕糸園芸課絹主監
平成26年度における養蚕農家数は143戸、繭生産量は47トンとなっており、桑園面積も従来に比べて減少傾向となっている。
伊藤(清)議員
遺伝子組換えカイコの飼育実験はどのようなものか。
毛利蚕糸園芸課絹主監
遺伝子組換えカイコは、新たな付加価値を生む技術であり、養蚕農家の収入増に結びつくと期待されるため研究を推進している。自然界に存在しないカイコを飼うため、カルタヘナ法の規制の中で進める。
伊藤(清)委員
遺伝子組替えカイコが養蚕農家に行き渡るまでにどのくらいの年数がかかるのか。
毛利蚕糸園芸課絹主監
最短でも実験後1、2年の期間は必要となる。
伊藤(清)委員
従来の養蚕の建物を県や市町村が借り上げ、県内外から養蚕希望者を募集してはどうか。
毛利蚕糸園芸課絹主監
大日本蚕糸会で、新規に養蚕を始める方への支援や、必要な資材への支援がある。また、県では、繭生産グループを作っていただき、養蚕を始める場合に必要な資材購入の経費、桑園確保の経費などに支援して、担い手の確保、養蚕の振興につなげていきたい。
伊藤(清)委員
カイコが桑を食べて繭になる過程を体験することが必要と考えるがどうか。
毛利蚕糸園芸課絹主監
養蚕体験については、日本絹の里の夏の企画で、カイコ飼育セットの販売、飼育体験を行う。
伊藤(清)委員
桑の実ワインの現状はどうか。
毛利蚕糸園芸課絹主監
県全体の生産量等は把握していないが、甘楽富岡蚕桑研究会では生産・販売をし、また富岡の高校でも試験的に生産しているとの話を聞いている。
(9)「ぐんま絹遺産」について
金井(秀)委員
登録申請は随時なのか。
布施世界遺産課長
市町村からの申請を年1回受け付けている。
金井(秀)委員
例えば、家庭にある養蚕道具や写真などは登録対象になるか。
布施世界遺産課長
個々のものは難しいが、集合体になっており価値が明確なものであれば登録対象になる。
金井(秀)委員
日本遺産「かかあ天下-ぐんまの絹物語-」について、「埼玉と連携・製糸場PR」という新聞記事があり、経済産業省の補助事業で物語化することについて採択されたが概要を伺いたい。
戸塚観光局長
地域イノベーション競争プログラム補助金という事業で、地域の資産を活かして、ストーリー化して新たな産業を起こそうという事業である。県内の民間団体に声を掛け、今回、埼玉の本庄市に本拠を置いているNPOを中心に掘り起こしてもらい、採択になった事業である。
(10)4資産及び「ぐんま絹遺産」に係る周遊コースのPR並びにガイドブックについて
金井(秀)委員
4資産の周遊ガイドブックの配布状況はどうか。
福田観光物産課長
65万部作成し、各関係機関に配布しPRを行っている。
金井(秀)委員
建物だけを見ても分からない面もある。エージェントに説明する際は、もう少し掘り下げることが必要と考えるがどうか。
福田観光物産課長
各構成資産で細かいパンフレットを作っているので、一緒にエージェント等には配布して、良い商品を造成してPRしてもらえるようお願いしたい。
荒木委員
県内には、養蚕から製糸、織物、市まで、一連のものを持っている地域もある。シルクをキーワードにしたストーリー性のあるコースも成り立つと思うがどうか。
福田観光物産課長
「かかあ天下-ぐんまの絹遺産」の日本遺産認定や、世界遺産と本庄市等の資源を組み合わせた地域ストーリー策定事業の採択に伴い、わかりやすく、ストーリー性のある新しい観光周遊コースの作成が必要になってくると認識している。
萩原副委員長
世界遺産関係のパンフレットは何か国語で作成しているのか。
布施世界遺産課長
「ぐんま絹遺産」、「世界遺産・ぐんま絹遺産周遊ガイド」は日本語版のみである。「世界遺産公式ブックレット」は4言語作成している。
福田観光物産課長
周遊ガイドブックについては、簡体字版が出来ている。
(11)上野三碑の世界記憶遺産への登録推進について
角倉委員
登録に向けた情勢はどうか。
加藤文化振興課長
ユネスコへの国内候補枠の2件に入れるよう、現在申請書の作成を進めている。他には、南九州市から「特攻隊員らが残した遺書や手紙」、奈良県の人権団体と京都の自治連合会から「水平社宣言」、広島市が市民グループと共同で申請する「原爆文学資料」の3件で申請の動きがある。
角倉委員
4分の2の状況ということか。
加藤文化振興課長
今、3件の動きがあるので、4件目になる。ほかにあるか分からないが、少なくとも3件は報道されている。
角倉委員
世界遺産の登録の際には順番の問題があったが、最初に手を上げたところが有利といったことはあるのか。
加藤文化振興課長
どちらが先ということはない。
(12)ぐんまを代表する食の消費推進について
伊藤(清)委員
ぐんまの食と言えば、すき焼きや粉食文化の焼きそばなどが主流であるが、夏場に消費が減少すると思うがどうか。
真下ぐんまブランド推進課長
「ぐんま・すき焼きアクション」の取組として、すき焼きのレシピ提案や、賛同企業とのミーティングを実施するなど、夏季における対応を検討していきたい。
(13)プレミアム宿泊券について
金井(康)委員
全国的に見て、群馬県の発行枚数はどのような状況か。
福田観光物産課長
発行枚数は全国最大規模である。
金井(康)委員
売れ切れにならないような状況か。
福田観光物産課長
他県ではコンビニで早く売り切れたと報道されている。本県では、実券を観光キャラバンやぐんまちゃん家、通販サイトの「CASA(カーサ)ぐんま」など他県では行っていないような販売方法もとることとしており、すぐに売り切れるということはないと考えている。
金井(康)委員
1人10枚を上限としているが、それ以上購入した人への対応はどうか。
福田観光物産課長
通販サイトでは、一度に10枚以上は買えないシステムとなっている。「ぐんまちゃん家」等での対面販売では、購入者に申込用紙に住所、氏名を記入してもらうこととしている。
金井(康)委員
ホテル以外での支出でも、ホテルの精算で確認できるものはプレミアム宿泊券で対応可能という理解でよいか。
戸塚観光局長
フロントで精算できるものであれば問題ないと考えている。
(14)新桐生駅のトイレ改修及びトイレ利用の際のモラル向上策について
荒木委員
駅構内のトイレはどこの所管でどのような援助をしているのか。
福田観光物産課長
千客万来支援事業の補助による整備支援を行っている。桐生市には昨年度、西桐生駅の駅前トイレの整備に対し支援したところである。
荒木委員
ポイ捨てや不法投棄の防止条例はあるが、トイレに限定したモラル条例は全国でもほとんどないと思う。公衆トイレモラル条例のようなものを策定すべきと思うがどうか。
福田観光物産課長
トイレ利用のモラル向上となると、県民生活全般に関わることとなり、所管を超えるため、ここでの回答は難しい。
(15)ジェトロへの職員派遣について
荒木委員
ジェトロに職員派遣から帰ってきた後の対応、方針はどうか。
真下ぐんまブランド推進課長
職員派遣は県国際戦略の目標「農畜産物の海外における販路拡大」の一端を担うものであり、派遣期間中に輸出業務に特有な情報や人脈の開拓、ネットワーク構築などをしっかりと学んでもらい、県に戻った際には、農畜産物輸出業務で力を発揮してもらいたい。
(16)外国人観光誘客について
大和委員
本県における外国人宿泊者数について、国別割合はどうか。
福田観光物産課長
台湾からの宿泊者が最も多く5.2万人泊で全体の約51パーセントを占めており、中国からが9千人泊で約9パーセント、香港からが7千人泊で約7パーセントとなっている。
大和委員
台湾からの宿泊者数が半数以上を占めている理由は何か。
福田観光物産課長
日台議連等において、県議の皆様にも積極的に台湾からの誘客に協力いただいていることと、知事のトップセールス等の成果と思われる。
大和委員
外国人観光客を増やすため、受入マニュアルをどのように普及しているのか。
福田観光物産課長
「ウェルカム・ぐんま国際観光推進協議会」において作成した。市町村を通じて、県内の観光施設に配布し活用をしていただいている。外国人観光客が増加し、多言語での対応が求められる施設も増加しているので、今後もマニュアルの周知を図りたい。
大和委員
県内の免税店の件数と県の関わり方はどうか。
福田観光物産課長
平成27年6月8日現在で、県内には、大型家電販売店や大型ショッピングモール等の店舗を中心に47店舗が開設されている。本年4月からは、ショッピングセンターや商店街等の一定の要件を満たす「特定商業施設」において、免税手続カウンターを設置すれば、より多くの店舗が免税店の制度を活用出来る制度改正があるので、この制度の活用の周知をしていきたい。
(17)田島弥平旧宅周辺の案内看板について
大和委員
道路の案内標識が20か所くらい設置されているが、南北の導線は目についたが、東西の標識が足りない気がする。県道綿貫篠塚線の世良田交差点に、道路標識の設置が必要だと思うがどうか。
生方道路整備課次長
今後、来訪者の動線を関係者と確認し、設置に向けて検討したい。
大和委員
埼玉県道本庄妻沼線の滝瀬交差点と、国道17号の岡(東)交差点について、首都圏からの来客を想定し、設置が必要だと思うがどうか。
生方道路整備課次長
滝瀬交差点と岡(東)交差点は南北側に案内標識を設置している。東西側の設置については、関係者と調整し、また、各道路管理者と協議の上、検討したい。
(18)芳ヶ平湿地群のラムサール条約湿地の登録について
萩原副委員長
先月、芳ヶ平湿地群がラムサール条約湿地に登録され、県内での登録は、尾瀬、渡良瀬遊水地に次いで3番目であり、当地の景色を観光面にも活用してほしいと考えるどうか。
松下自然環境課長
登録を契機に、尾瀬、渡良瀬そして芳ヶ平湿地群のラムサール条約湿地3か所を県ホームページに掲載しPRしている。また、当地を活用した観光については、今後、関係町村や関係各課と協力して検討して参りたい。
萩原副委員長
観光的な活用についてはどうか。
高橋産業経済部長
ラムサール条約に3か所も認められるのは全国的にも珍しいことであり、新たな観光資源としても有望であると考えている。今後、周知に努め、全国から多くのお客様にお越しいただきたいと考えている。
萩原副委員長
草津にある音楽の森から旧六合村の熊倉地区へ向かう大沢バイパスについて、工事が中断しているが、芳ヶ平湿原周辺のラムサール条約登録を受けて、バイパスの整備をどう考えているか。
塚越道路整備課次長
大沢バイパスはスキー場計画が中止になったことにより、現在休止状態である。このため、現道の橋梁架け替えや、前後の現道改良を行っているところである。
(19)上信自動車道について
萩原副委員長
上武国道の一部開通により関越自動車道渋川インターチェンジの本線まで渋滞し始めている。上武国道や上信自動車道が開通すると更なる渋滞が想定されるが、国との協議状況はどうか。
塚越道路整備課次長:上信自動車道は渋川インターチェンジから八ッ場バイパスまで8工区あり、その内7工区は県が事業を進めている。渋川西バイパスの5キロメートル間は国が早期完成に向けて努力していると聞いている。
(20)シーニックバイウェイ(日本風景街道)について
萩原副委員長
軽井沢から志賀高原まで認定されボランティアが色々な活動を行っているが、今後県としてどう進捗させていくのか。
塚越道路整備課次長
詳細について確認させていただきたい。
松本委員長
後日、文書で委員全員に配布をお願いしたい。