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観光・世界遺産に関する特別委員会(平成27年12月10日)

1.開催日時

平成27年12月10日(木曜日)10時00分開始 14時38分終了

2.開催場所

403委員会室

3.出席委員

委員長:松本耕司、副委員長:萩原 渉
委員:関根圀男、委員:角倉邦良、委員:大手治之、委員:金井康夫、委員:金井秀樹、委員:伊藤 清、委員:荒木恵司、委員:大和 勲、委員:加賀谷富士子

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)観光振興計画について

関根委員
 前回計画と比べて、今回計画の特色は何か。また、人口減少社会について具体的にどういう対策を入れているのか、また、地方創生をどう考え、この観光振興計画を作っているのか。

福田観光物産課長
 首都圏から近いこと、豊富な温泉資源、古代から近代までの歴史資産に恵まれていること等、本県の強みを生かし、交流人口の増加による地域経済活性化や、雇用機会の創出に取り組んでいきたい。前回の計画との違いは、目標に「観光消費額」を掲げたこと、「物産振興と食の魅力向上」を柱の一つに掲げたこと等である。また、「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの中心となる組織であるDMO設置の取組を支援するとともに、受け入れ環境の整備や、観光資源の魅力を向上させる整備事業を支援していきたい。

関根委員
 外国人延べ宿泊者数の目標値を20万人泊に倍増させるとのことだが、それを達成するために具体的な取組はどのようなことをやるのか。

福田観光物産課長
 目標達成には、現地プロモーションも大切であるが、受入体制整備も重要なため、千客万来事業で県内の多言語表記の整備、インターネット環境の整備や人材育成を支援する。東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、日本に注目が集まるこの機会を生かし、本県の観光PRを実施していきたい。

角倉委員
 観光振興計画において、南牧村、上野村、神流町の観光施策の位置付けが計画に書かれているが、もう少し踏み込んだ書きぶりをしてほしいといろいろな形で質問してきたが、この3町村の位置付けについて示していただきたい。

福田観光物産課長
 新計画策定に当たって、3町村の担当者と意見交換をさせていただき、その御意見等を踏まえて、計画を作成している。世界遺産を絡めた周遊観光の促進や、豊かな自然、魅力的な歴史や名物などの観光資源を活用した体験型観光などを推進していく。また、下仁田町を加えた4町村で道の駅の利活用で連携事業を進めており、このような取組も積極的に支援していきたい。

角倉委員
 この3町村が、厳しい状況から脱却できれば、日本中に地域モデルを示せるが、群馬県が当事者性を持って、人口減少と高齢化に立ち向かっていく意思が、この3町村については特に伝わってこない。具体的に3町村から提案があったことについてはきちんと反映させるようにしてほしいと考えるがどうか。

福田観光物産課長
 各行政事務所と連絡を密にして進めていきたい。なるべく支援できる方向でやっていきたい。

角倉委員
 地域の中で目となり足となる行政事務所の担当がいなくなって、本庁に情報が上がらない状況である。町村から上がった声をどう具体的に反映させるか、血の通ったサポートをしていただきたいがどうか。

福田観光物産課長
 これからも積極的に情報交換できるように努めてまいりたい。

大和委員
 県観光情報ホームページアクセス数について、平成26年度157万件を、31年度に200万件にするとの目標案だが、実際、アクセスをした157万件は何か活用されているのか。例えば、アクセスの少ない地域をアピールしていこうとか、連動しているのか。

福田観光物産課長
 外国語版ホームページは英語、韓国語、タイ語、中国語の簡体字及び繁体字の5言語で情報発信を行っているが、最近では、タイから問合せが増えている。問合せにはきめ細かな回答を行っており、口コミが広がることを期待している。日本語のホームページについては、11月には24万件のアクセスがあった。閲覧者の居住地別では、東京、群馬、神奈川、埼玉の順番となっていることを踏まえ、首都圏へ向けての情報発信に積極的に取り組んでいる。

萩原副委員長
 観光振興計画案に記載されている、「新しい旅行形態への対応」がキーポイントになってくると思う。地域にある文化を掘り起こし、地域を活性化させる新しいもの、そういうツーリズムを考えていくことで、明るい目標が持てると思うがどうか。

福田観光物産課長
 思いもよらないものが観光になると気づく必要がある。そういったこともDMOの研修の中で実施していきたい。そして、新たな観光資源を磨き上げていきたい。

(2)コンベンション施設を活用した観光振興について

関根委員
 観光振興のためにコンベンションを利用するとの考えのもと、例えば、ヤマダ電機などの展示会をすることで、中国の爆買いと草津温泉をセットとして考える等の取組が必要と考えるがどうか。

福田観光物産課長
 今後、所管部局と連携して、コンベンション施設の観光振興への活用を検討していきたい。

(3)台湾からの観光誘客等について

関根委員
 本特別委員会で台湾への調査を実施したが、新竹県は群馬県に大変好意的で、交流をしたいと県長も言っていたので、すぐに交流を初めるべきではないか。

戸塚観光局長
 台湾では人間関係の構築がビジネスを進めるうえで重要であることを肌で感じている。今後も、これまでに構築された交流を生かして本県の観光振興に取り組んでいきたい。

大手委員
 台湾の海外調査を行って、直ちに実行しなければならないと思っていることは何か。

戸塚観光局長
 台湾では、店舗や交通機関における英語表記が充実していた。インバウンドを進める上で最低でも英語表記は必須であるが、当県は整備が遅れていることから、千客万来支援事業を活用し整備を進めたい。また、来年1月に、新竹県の高等学校が教育旅行で当県を訪れる運びとなった。若年層の交流によっても、台湾との関係をより強固にしていきたい。

角倉委員
 本委員会の調査時、台湾の旅行業組合関係者から、群馬県の観光の説明に来るのであれば、今度は全部の会員を集めるということをお話いただいた。これに群馬県として具体的に応えていかなければならない。現段階でどう対応しようとしているのか。

戸塚観光局長
 台湾には、知事トップセールスや県議会の皆様の御協力のおかげで、人的つながりができており、この関係を大切にしたい。来年度に向けて、期待に応えられるよう努力したい。

金井(康)委員
 本委員会の調査時に約束をしてきた所がある。例えば、新竹県で絵を飾ろうとか、台湾政府観光局へダルマを持って行く等、様々な話があったが、今後について伺いたい。

佐藤国際戦略課長
 訪問先の各機関等は、大変前向きに対応してくれたと思う。すぐに対応が必要な事項については訪問団の関係者と調整していきたい。

大和委員
 台湾調査において、台湾メディアの方から、九州を紹介するフリーペーパーを作ったという話があった。本県が実施している海外メディアを招へい事業の詳細を伺いたい。

福田観光物産課長
 国のビジットジャパン地方連携事業を活用し、26年度は台湾、マレーシア、香港、タイ、インドネシアの5カ国・地域のメディア17社を招へいし、世界遺産や温泉、スノーレジャー、果物狩り、だるまの絵付け体験等の取材を行った。成果として、各メディアがそれぞれの国・地域におけるテレビや旅行誌、SNS等に情報発信し、本県への誘客につながっている。

加賀谷委員
 台湾政府文化部を訪問した際、日本との文化交流について、青森県とは映画で、九州とは博物館での交流がされていて、群馬県は今回の訪問が始めてで印象が薄いという話をされた。群馬県にも歴史博物館や高崎映画祭があり、交流を深めていくべきと考えるがどうか。

加藤文化振興課長
 「上野三碑」や「東国文化」は、東アジアとの文化のつながりが強かったことを示すものであり、平成29年の「上野三碑」の世界記憶遺産登録に向けて、東アジア各国の理解も必要なことから、各国との文化交流にも力を入れていきたい。

佐藤国際戦略課長
 大規模な交流は予算措置が必要だが、これまでにも草の根的な交流は行っている。昨年8月に台北駐日経済文化代表処や台湾観光局等との協力で県庁31階で「群馬県と台湾の交流展」を開催した。また、昨年10月には同協会と協力して、台南市で世界遺産のPRや和太鼓披露などを行った。今後もさらに文化交流を進めたい。

萩原副委員長
 台湾への海外調査について、調査に同行した感想を伺いたい。海外戦略をするにしても、一番大事なのは人間関係、人脈づくりだと思う。この調査を具体的に生かして次につなげていくのかが肝要だと思うが、それぞれの思いを述べていただきたい。

戸塚観光局長
 人脈づくりは大事であり、つながりができて、絆が深まって、人・文化の交流、そして観光交流も盛んになってくると思う。また、若者の交流も大事であり、相互に教育旅行に力を入れ、交流を発展させていきたい考えている。

佐藤国際戦略課長
 台湾を訪れてみて、日本への関心の高さは予想以上だった。群馬県に訪れる外国人の半数以上が台湾からであり、相手を理解することが「おもてなし」にも通じるので、台湾を県内向けに紹介するようなイベントを様々なところと連携して進めたい。人脈については大変重要であり、台湾では「海外ぐんまサポーターズ」を委嘱している。また、みなかみ町、渋川市、桐生市も交流を行っている。こうした様々なパイプを束ねるような形で連携して国際戦略を推進していきたい。

萩原副委員長
 台湾への海外調査時にお世話になった方には、県としてもお礼状を出す等、これからの人脈づくりに資する取組が重要と考えるがどうか。

佐藤国際戦略課長
 人脈を大切にしていきたい。

(4)新町紡績所について

関根委員
 念願の国の重要文化財及び史跡に指定され、世界遺産の追加登録に向けて活気が出てきたが、今後の世界遺産追加登録に向けてのスケジュールはどうか。

布施世界遺産課長
 「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産としての顕著な普遍的価値である「高品質生糸の大量生産に係る技術革新と技術交流」との整合性を示すための研究が必要である。その後、文化庁に暫定リスト記載について提案することになるが、現在提案方法はルールがなく、公募の時期も不明である。

(5)富岡製糸場と絹産業遺産群について

関根委員
 構成資産の周辺道路整備の現状はどうか。

塚越道路整備課次長
 富岡製糸場周辺では、国道254号の富岡交差点改良事業を今年度着手し、現在用地調査を行っている。高山社跡周辺では、県道下日野神田線の拡幅工事を、荒船風穴周辺では、県道下仁田浅科線の待避所設置や部分改良工事を進めている。県道下日野神田線と県道下仁田浅科線は、平成28年度の完成を目指している。

関根委員
 4資産を連携するネットワーク整備をする必要があると思うが、現在はどうか。

塚越道路整備課次長
 4資産を連携する県内のネットワークとしては、国道254号バイパスや東毛広域幹線道路などが、有効に機能すると考えられる。このほか、国事業の国道17号本庄バイパスなどが整備されると、利根川右岸を通る新たな広域ネットワークが形成されると考えている。

関根委員
 高山社跡と田島弥平旧宅を結ぶルート上にある新町駅周辺のJR高崎線踏切で渋滞が発生している。この解消対策である連続立体交差事業については、観光面でも重要であるため、早く着手してほしいが、状況はどうか。

佐藤まちづくり室長
 新町駅付近連続立体交差事業については、国土交通省主催の「連続立体交差事業に関する勉強会」に参加したところ、費用便益分析の見直しについて、いくつかの提案がなされ、その内容などの検討をしている。検討結果を踏まえ、今後とも前向きに取り組んでいきたい。

大手委員
 富岡製糸場と絹産業遺産群について、富岡製糸場を除く3資産は来訪者が減っているようだが対応はどうか。

布施世界遺産課長
 3資産の来訪者数の対前年度比は、富岡製糸場に比べて減少率が高い状況にある。富岡製糸場の東繭倉庫で暫定展示として3資産の外観模型を展示し、3資産への来訪を促しているほか、観光部局では、4資産セットでPRを行い誘客を図っている。

大手委員
 今度は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、富岡製糸場と絹産業遺産群を外国人にPRしていかなくてはならない。通信環境の整備を積極的に進めていただきたいと思うがどうか。

福田観光物産課長
 通信環境の整備の必要性は認識しており、海外への観光PRと併せて、推進を検討したい。

大手委員
 外国の方に来ていただくのに、免税店を現状の70店舗から倍にするという目標値があるが、富岡製糸場近隣についてはどういう考えか。

福田観光物産課長
 富岡市では、「お富ちゃん家」を免税店としたが、今後は、近隣の商店も含めて免税店制度を活用するため、免税手続き一括カウンターも検討したいとの希望もあるので、市と連携して、免税店活用の支援をしていきたい。

(6)群馬のイメージアップについて

角倉委員
 ぐんま大使である中山さんと井森さんには今後も頑張っていただくという前提だが、ポスターも含め、今のイメージのままで行くのか。群馬のイメージとしてどこにターゲットを絞って群馬を売り出そうとしているのか、県の考え方はどうか。

福田観光物産課長
 ぐんま大使の2人には、バラエティ番組の出演時など、様々な機会で群馬県のPRをしていただいており、今後もぐんま大使として活躍していただきたいと考えている。ポスターを含め、イメージ戦略については、イメージアップ推進室とも相談していきたい。

金井(康)委員
 ルーマニア人のリタさんが出演する「GNN GUNMA News Network」(ぐんまニュースネットワーク)を立ち上げたようだが、これを活用して積極的にPRするべきと考えるがどうか。

新井ぐんまイメージアップ推進室長
 平成25年度から実施している「群馬のプロモーション事業」について、今年度は、日本遺産に認定された「かかあ天下」を切り口にして、「富岡製糸場編」「すき焼き編」「おっきりこみ編」「温泉編」の4素材を国内外にアピールする映像を制作することとしている。主演には、本県在住のルーマニア出身留学生を起用し、留学生の目で見た群馬の魅力をPRする内容となっている。

伊藤(清)委員
 群馬は「温泉県」、「野菜大国」、「すき焼き県」などのキャッチフレーズで様々な取組を進めているが、全国的にネームバリューが弱い。大分の「温泉県」や香川の「うどん県」など、枕詞になるようなものがあると印象が違ってくると思うが、こういったキャッチフレーズについてどう考えているか。

新井ぐんまイメージアップ推進室長
 「群馬といえば○○」と想起できるものを作ることが一番効果があると考えており、「群馬のプロモーション事業」で「温泉」「すき焼き」「おっきりこみ」「世界遺産」を重点的にPRしている。その効果、「おっきりこみ」や「すき焼き」のメディアへの露出も増え、少しずつ効果が出ており、情報発信を着実に行っていくことが重要と考えている。

伊藤(清)委員
 群馬県全体をイメージできるキャッチフレーズを探したり公募したりすると効果的と考えるどうか。

新井ぐんまイメージアップ推進室長
 一つのものに絞ってPRするのも1つの方法であるので、今後のイメージアップ施策を考えていく上で、どのようにしていったらいいのか研究していきたい。

伊藤(清)委員
 市町村単位でやれることを取り組んでいくのが当然だと思うが、群馬県として、市町村の取組をまとめる中で、「こういったものが県の後押しなんだ」というものがあるべきだと思うがどうか。

高橋産業経済部長
 ブランドやイメージづくりは大切だと考えている。県としては、庁内部局が歩調を合わせ、他都道府県の中に埋没することなく、「群馬」を意識してもらえるよう、イメージづくりを戦略的に取り組んでいきたい。

(7)農畜産物の輸入規制措置について

角倉委員
 台湾調査の際に、立法委員から、群馬県の農畜産物の台湾の輸入規制について、いい見通しの話をいただいたが、解除に向けたこれまでの経過と今後の取組はどうか。

真下ブランド推進課長
 台湾については、平成23年3月11日の原発事故以降、酒を除く全ての本県産食品について、輸入が規制されている。その後、複数回にわたり知事のトップセールス等により、輸入規制解除の要請を行ってきた。いつ解除されてもいいように、どういったものが有望な商品として台湾に輸出できるかという研究もしながら準備を進めている。

角倉委員
 解除に向けての今後の取組についてはどうか。

真下ブランド推進課長
 関係機関に対し、県として、輸入規制解除を強く要請するなどの働きかけは必要と考えている。

角倉委員
 総統選後、現体制が変わることで解除となる可能性が高いと聞いているが、体制交代後を見据え、どのような取組を行っていくのか。

真下ブランド推進課長
 規制解除を前提に、「こういった取組をしていこう」というプランは検討している。

(8)ASEAN地域からの観光誘客について

金井(康)委員
 来年2月に大澤知事がベトナムを訪問することにあわせて、議員も訪問する予定となっている。群馬銀行が主体となって、県内企業も一緒に行くとのことであるが、今後、ASEAN全体に観光としてどのような戦略を考えていくのか。

福田観光物産課長
 ベトナムは、高い経済発展をしている市場であり、訪日旅行への期待をしたいターゲットと考えている。現在のベトナムの国民一人当たりの名目GDPを見ると、日本の約18分の1であるが、今後の成長を期待し、ベトナムをはじめとするASEAN諸国を対象にしたPRをしていきたい。

金井(康)委員
 ASEAN諸国の方に聞くと、9割方が日本に旅行したいと答えているアンケートも出ている。今後重要なのは、英語表記もあるが、例えばイスラムの方が多いので、ハラルフード、豚とか酒の関係、礼拝の関係等を踏まえた群馬県の体制を今の段階から積極的に研究すべきと考えるがどうか。

福田観光物産課長
 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、各国・地域の市場を分析するとともに、各宿泊施設が外国人旅行者に対して、対応できること・できないこと等をHP等で発信できるよう取り組んでいきたい。

(9)花等の振興による観光誘客について

伊藤(清)委員
 観光情報誌「ググっとぐんま」に秋間梅林等を出していただいたが、今は福寿草よりロウバイに多くの人が訪れている。誰が調査をして、どういう形で掲載されているのか、経過を伺いたい。

福田観光物産課長
 事前に市町村や市町村観光協会に照会し、寄せられた観光素材情報の中から選定している。今回掲載できなかったロウバイの情報については、今後製作するマンスリー情報誌に掲載することを検討したい。

荒木委員
 桐生の鳴神山に世界でここの地域にしか自生しない植物カッコソウが存在するが、近年、盗掘や生育環境の変化で自生地が激減している。現在、カッコソウ協議会が主体となって、効果的に保存をしていく流れできており、当該協議会には、群馬県、桐生市、みどり市が入っているが、県としてはどのような取組をしているのか。

松下自然環境課長
 桐生市に事務所を置くカッコソウ協議会に参加したり、ぐんま緑の県民税を通じて、生育地調査や森林環境教育に対する支援を行っている。また、種の系統保存を進めるため、農業技術センターの植物インキュベーターを同協議会に対して貸し出すなどの取組を進めている。

荒木委員
 カッコソウを積極的に周知をして、地域の宝として一緒に守っていく活動が必要と思う。また、自生している場所以外にもクローンのカッコソウを移植した場所があり、本来なら自然のまま保全できれば理想的だが、難しいとなれば、人工的に種を保存することも一つの方法と思う。そういった形の補助、支援、周知について、今後どのように取り組むのか。

松下自然環境課長
 自然保護だけに取り組むことは、社会経済の発達した中では難しいと考えている。カッコソウ協議会において、保全と利活用について議論してまいりたい。

荒木委員
 観光面での活用も含め、カッコソウを新たなブランドとすべきと考えるがどうか。

松下自然環境課長
 世界的に貴重な種であるため、観光部局や、桐生市、みどり市とも相談しながら、情報発信できればと考えている。

(10)外国人観光客の買い物環境整備について

加賀谷委員
 外国人観光客に群馬県でしっかり買物をしてもうため、どのような取組をしているのか。

福田観光物産課長
 免税店制度やクレジットカードの普及のため、商工団体と連携してセミナー等を開催したほか、草津温泉ではバスターミナルに外貨両替機を設置するなど、買物しやすい環境の整備に向けて取り組んでいる。

加賀谷委員
 台湾の調査で、日本からのお土産トップ3を聞いたときに、ドライヤー、掃除機、炊飯器ということで、日本の電化製品が人気であるという話だった。群馬県にはヤマダ電機があり、東京と比べてゆったりと買物ができると思う。企業と連携していくべきと考えるがどうか。

福田観光物産課長
 県内には免税店となっている店舗も増えてきている。大量購入しても移動の負担がかからないよう、空港に荷物を送るシステムができればいいと思うので、研究していきたい。

(11)観光振興に資する県境を越えた道路アクセス整備について

萩原副委員長
 群馬県は県境に観光地が多いと思う。道路がつながることで他地域からの集客期待が高まる。県境を越えた道路アクセスの整備について、近県との協議状況はどうか。

塚越道路整備課次長
 観光振興のためには、アクセス道路の整備が重要であると考えており、7つの交通軸構想に基づき、道路ネットワークの整備に取り組んでいるところである。また、栃木、長野、新潟の各県とは毎年、県境道路に関する調整会議を行っている。

萩原副委員長
 観光的視点を持って、隣県とお互いにアクセスを良くしようという話はしているのか。

塚越道路整備課次長
 移動性、アクセス性を基本としているが、観光誘客も考慮した協議を行っている。

戸塚観光局長
 善光寺や軽井沢、また日光からの誘客については、長野県・栃木県の観光局と連携を図っている。今後も隣県と連携を図り、群馬を周遊してもらえるようにしていきたい。道路整備については、できるだけ早く整備が進むことを望んでいる。それまでは、既存のものを最大限に活用しながら連携を図っていきたい。

萩原副委員長
 観光のネットワーク化を図る上で、交通拠点と観光地、観光地と観光地を結ぶことが非常に重要であるが、産業経済部長の所見はどうか。

高橋産業経済部長
 隣県の部長と定期的に意見交換を行っている。その中で、例えば、隣県の観光マップに群馬県の観光地を載せてもらい、群馬県の観光マップには隣県の観光地を記載するなど、周遊観光に係る連携について話し合っている。道路整備は、観光振興を進める上で重要な基盤であると考えており、引き続き連携を進めていきたい。

(12)日本遺産のイベントについて

萩原副委員長
 中之条町で行われたイベントについて、観光・世界遺産に関する特別委員に開催案内を出したのか。

布施世界遺産課長
 今回は会場のキャパシティの問題もあり、地元の県議会議員のみ案内を出した。

萩原副委員長
 せっかく県議会が委員会を設置して群馬の観光振興を図ろうとやってきたのだから、きっかけがあればイベントを案内するといった視点がいると思う。少なくとも特別委員会の委員には、イベントの通知をしていただきたいと考えるがどうか。

布施世界遺産課長
 今後は案内を出すようにしたい。


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