ページの先頭です。
現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 平成27年5月13日~平成28年5月26日特別委員会記録 > 危機管理対策特別委員会(平成27年10月2日)

本文

危機管理対策特別委員会(平成27年10月2日)

1.開催日時

平成27年10月2日(金曜日)10時00分開始 14時41分終了

2.開催場所

301委員会室

3.出席委員

委員長:腰塚 誠、副委員長:井田 泉、須藤(昭)委員、狩野委員、岩上委員、あべ委員、水野委員、中島委員、岸委員、酒井委員、高橋委員、山崎委員、本郷委員

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)障害者福祉施設における自家発電機の助成について

狩野委員
 群馬県知的障害者福祉協会と懇談する機会があった。その時、自家発電機の設備について助成をしていただきたいとの意見があった。知的障害者団体からの要望ではあるが、県内障害者の身体、精神また高齢者福祉施設等数多くあり、多額の予算費用もかかるが、一朝一夕には、結論をだすわけにはいかないが、備えあれば憂いなしで、危機管理の立場で、今後検討をしていただきたいがどうか。

横室危機管理室長
 災害時には他者からの支援が特に必要となるため、危機管理部門としては、その対策が少しでも前に進むように、障害者施設の管理者をはじめ関係部局や市町村と連携を図りながら取り組んでまいりたい。

狩野委員
 特に精神や知的障害を持つ場合は一般の方と一緒だと大声をだしたり問題が発生する場合があるので、精神や知的障害を持つ方の場合は、社会福祉施設に避難せざるを得ない状況を踏まえ、自家発電装置設置のための助成について、中長期的に検討を進めていただきたい。

(2)女性消防団員確保対策について

狩野委員
 女性消防団員確保対策として、全国女性消防操法大会で活躍する女性団員に県はどのような支援を行っているか。

入内島消防保安課長
 消防団員が減少傾向の中で、女性消防団員は増加傾向になっている。予防や広報活動を担っていただいているので、団全体の負担軽減にもつながっている。県としては数と質の確保の観点から女性の入団を推進している。なお、全国女性消防操法大会に出場する前橋市消防団に対しては、県消防協会及び県から激励金等を贈呈したところである。

狩野委員
 女性消防団員の活躍をぐんま広報等で幅広く県民に知らせることが、団全体の活性化につながると思うのでよろしくお願いしたい。

(3)口蹄疫、鳥インフルエンザについて

狩野委員
 口蹄疫、鳥インフルンザについて、発生時の防疫体制についてはどうか。特に口蹄疫は、埋設場所がすぐに確保されないと被害の拡大が懸念されるがどうか。

野呂畜産課長
 県職員をはじめ民間獣医師を家畜防疫員に指定して、迅速な防疫対応がとれる体制を整備している。埋却地については東毛地域は水位が高く、埋却に不適な場所を把握している。迅速に輸送を行うことにより、行政の決定後72時間以内に処分ができる体制を整えている。

狩野委員
 県内では、72時間以内に殺処分した家畜の埋却場所で処理出来ると考えてよいか。

野呂畜産課長
 病性判定後72時間以内に焼埋却を行い、初動防疫措置を終了する体制を整えている。

狩野委員
 発生時に備えて県内7団体と結んでいる協定の内容は何か。

野呂畜産課長
 初動防疫に必要な防疫資材の安定的確保を図るため県内7団体と、また、速やかな埋却を実施するため県建設業協会と基本協定を締結している。

狩野委員
 しっかりと対応出来るよう今後も尽力いただきたい。

(4)農業水利施設の危機管理体制について

狩野議員
 農業水利施設の危機管理体制について、予算が削減され施設の修繕が先送りされる中、老朽化した農業水利施設に関して、災害時の体制についてはどうか。

磯田農村整備課水利保全対策主監
 県では、受益の規模から市町村、地元等と役割分担した施設の保全対策を推進している。災害時も地域防災計画に照らし合わせ、施設管理者と連携の上、適時・適切な対応を図っていきたい。

狩野委員
 役割分担により連携してしっかりと取り組んで頂きたい。また、ハザードマップ作成は、市町村が主体となってやっていることでよいか。

磯田農村整備課水利保全対策主監
 ハザードマップはため池について、重点的に作成している。市町村が作成するが、被害想定区域を地元に示すことなどは、地域防災意識の向上につながることから積極的に支援を行っている。

狩野委員
 ハザードマップについて、先般の鬼怒川では川の対岸に避難するようになっていたという指摘があった。地元の桃ノ木川でも浸水の危険性がある桃ノ木川グランドが避難場所に選定されている。今一度、適切に示されているか市町村に対して、確認してもらいたいがどうか。

荒井河川課長
 洪水ハザードマップは、浸水想定区域図を基に市町村が避難場所や避難ルートを選定して作成している。関係する県内19市町全てで作成されているが、近年、気象状況が激化していることから、水防法改正により、さらに最悪の事態を想定したものに見直しを行うこととしており、より有効なものになるように、県としても市町を支援していきたいと考える。

(5)災害広報について

あべ委員
 災害広報の現状について、台風18号で発生した豪雨災害のときに、県は災害警戒本部を立ち上げ対応したが、このときの広報はどのように行ったか。

横室危機管理室長
 9月9日午前中に、県ホームページの緊急情報欄に災害警戒本部の設置と、気象庁から提供された県内の気象状況を掲載し、県民に注意喚起を行った。気象状況については、気象庁のホームページとリンクするようになっているので、その都度更新された情報を提供できたと思う。設置後は、幸い県内で大きな被害は発生しなかったので、その都度テレビ局や新聞社等のマスコミに情報提供した。

あべ委員
 今回群馬県内の被害は大きくなかったとのことだが、仮に栃木県や茨城県で発生したような大規模災害が起きた場合、広報はどのように行う予定か。

横室危機管理室長
 大きな災害が発生し、災害対策本部を設置することになれば、広報班(広報課)が中心となって専任で対応することとなる。

あべ委員
 その広報班では、どのように広報を行っていくのか、どの程度決まっているのか。

横室危機管理室長
 災害対策本部の中で情報を集約化し、その情報を広報班が発信する。状況によっては広報班でツイッターやSNSを活用し、広く情報を提供することとなる。

あべ委員
 今回の災害を踏まえて、県における災害広報の課題についてどのようにとらえているか。

横室危機管理室長
 県は広域的な部分について、市町村は避難情報等のきめ細かい部分を発信していくという役割分担ができていると思う。情報化が進展が激しい時代に、県としてどのように対応していくのかが課題として挙げられると考える。県の防災情報システムを更新する中で新しいツールに対応してきたい。

あべ委員
 コミュニケーションの専門家鶴野光茂氏が自治体の災害広報について研究していて、今回の茨城県と栃木県の災害広報には差があった。栃木県は日本語のみだった。また、茨城県では、ツイッターで常総市や県警の情報をツイートしていたが、栃木県ではなかった。群馬県では、何が必要なのか、もう一度確認してもらいたい。ゆるキャラのツイッター等の活用もひとつ。実際に災害が起きたときに、群馬県の災害広報は良かったと言ってもらえるような災害広報を実現してもらいたいがどうか。

横室危機管理室長
 大規模災害の場合は、県や市町村で検証を行っている。今回の災害についても検証が行われると思うので、その中で委員から御指摘いただいた点を検討していきたい。今、総合防災情報システムの改修に着手しているので、そこに反映できればと思う。

あべ委員
 システムを改修することは重要だが、すぐにできることもあると思う。ある程度やった経験を積み重ねていかないと、適切な運用はできない。是非スピード感を持って対応してもらいたい。

(6)災害ボランティアについて

あべ委員
 台風18号の被災地の支援について、ボランティアの派遣についてどのような形で連携して実施したのか。

渡辺県民生活課長
 現地の状況を考慮し、県社会福祉協議会を通じて情報を収集した。県社会福祉協議会から、ボランティアの不足している栃木市ボランティアセンターへ9月18日、19日に社会福祉協議会の職員が行くという情報を得たため、現地の状況や取組などの情報を得るため、県職員と県が事務局をしている「災害のボランティア」の有志で参加させてもらった。また、10月1日も同様な形で参加した。

あべ委員
 実際にボランティアに参加して、いろいろと見えたことがあると思うがどのようなことか。

渡辺県民生活課長
 災害ボランティアの対応には、ボランティアと地元ニーズ(困っている状況)のマッチングをボランティアセンターで効率よく対応することが重要と感じた。民生委員や区長さんから地元の状況を把握することやボランティアセンター運営に経験者が必要であることを感じた。また、県職員を派遣したことで、即応力や、現地を見たことによる現場への想像力がついたと思われ、顔の見える関係づくりは重要だと感じた。今後の業務に活かしていきたい。

あべ委員
 ボランティアバスは社協職員、県職員、災害ボランティアぐんまの人達で行ったとのことだが、地域のボランティア団体等も栃木県や茨城県での活動を行ったようだ。これらの団体との連携はどう考えているか。

渡辺県民生活課長
 県内でも藤岡や伊勢崎や桐生の団体が茨城県や栃木県に出かけたと聞いているが、災害に特化したところもあれば、通常の活動とは別に出かけたところもあるようだ。今後、これらの団体から情報を収集したいと考えている。

あべ委員
 平時からの関係づくりが重要と思うので、落ち着いたら、ボランティア団体から直接聞き取り調査を実施し、顔の見える関係をつくってほしい。ボランティア制度を持っている県もあり、本県の取組としてまだできることもあると考えるので、研究を進めていただきたい。

(7)災害対応マニュアルについて

あべ委員
 災害対応マニュアルについて、子ども達の災害対応について、各学校等における災害対応のマニュアルは、どの程度作成されているのか。まず、公立学校の状況について伺いたい。

高田健康体育課長
 県の学校災害対応マニュアルについては、平成24年5月に改訂した。公立の小中学校、高等学校、幼稚園がマニュアルを作成する際の参考として使用している。現在、公立の小中学校、高校、幼稚園においては、すべての学校(園)で、危機管理マニュアルが作成されている。

あべ委員
 平成24年5月の改訂後に追加の改訂を行ったとのことであるが、そちらの状況はどうか。

高田健康体育課長
 もともと、平成21年2月に作成した学校災害対応マニュアルを平成24年5月に改訂し、本県東部地域で竜巻による被害が発生したことを受け、前橋地方気象台の協力を受けて「落雷・竜巻等突風編」を平成26年5月に追加作成した。

あべ委員
 改訂したマニュアルの学校への反映状況について把握しているか。

高田健康体育課長
 高等学校については、3年に1度実施する学校安全に関する巡回点検の際に、マニュアルの作成状況や内容の確認を行い指導をしている。小中学校及び幼稚園については、市町村教育委員会等の学校安全の関係者で構成する「学校安全研究協議会」や市町村の指導主事が集まる「指導主事会議」で周知を図っている。

あべ委員
 3年後の平成29年には、反映状況が分かるのか。

高田健康体育課長
 公立高校については、そのとおりである。今年度は、3分の1程度の学校を把握しており、積み重ねれば全体を把握できる。

あべ委員
 マニュアルを作っただけではなく、常日頃から見直しを行っていく必要がある。学校の教職員や児童生徒、地域住民が共有し理解が進むと、よりスムーズな対応が出来るようになると思うが、そのための取組は行っているか。

高田健康体育課長
 管理職を中心にマニュアルの点検を行い、教職員へ周知を図っている。マニュアルの作成がゴールではなく、随時更新しながら実効性のあるものとしていく。

あべ委員
 県立学校では、生徒たちが大きいので、いざというときに頼りになる場面が出てくる。日頃の防災教育で、自分達がどのような役割を果たさなくてはならないのか、自分達で考えさせるような取組もお願いしたい。

あべ委員
 私立学校、私立幼稚園、保育所、学童保育所における災害対応マニュアルの作成状況はどうか。

横室危機管理室長
 平成25年12月に、学校・保育所等の防災マニュアル作成を推進するため、危機管室長を座長に、庁内関係課をメンバーとするWGを設置し、連携して進めてきたところである。マニュアルの作成状況は2年前と比較して概ね向上している。

あべ委員
 作成状況の具体的な数値はどうか。

横室危機管理室長
 私立幼稚園は平成26年度末現在で86パーセント、私立学校は平成26年度末で81パーセント、保育所は平成27年9月末現在で89パーセント、放課後児童クラブが平成26年度調査で約8割という状況である。

あべ委員
 平成25年12月と比較して進捗はどうか。

横室危機管理室長
 私立幼稚園は74パーセントから86パーセントで12ポイント、私立学校は77パーセントから81パーセントで4ポイント、保育所は71パーセントから89パーセントで18ポイント、放課後児童クラブは現在と同様で約8割程度という状況である。

あべ委員
 策定が進んでいるのはよいことだが、作成をしなくてもよい学校というのはないため、少しでも早く100パーセントにするため支援を行うべきと思うがどうか。

横室危機管理室長
 各々所管は違うが、県関係課や市町村と連携を図りながら進めていきたい。

あべ委員
 群馬の子ども達がどこにいても災害で命を失うことを防ぐという意気込みで、公立では全ての学校で作成済みであることから、その作成に係るノウハウを活用できると考えるがどうか。

横室危機管理室長
 公立学校のマニュアルでモデルとなるものや、他県の先進事例等を取り入れながら、作成が進むよう取り組んでいく。

あべ委員
 学校ではノウハウを他に波及していけるような機会があるのか。

高田健康体育課長
 公立学校においては、地区ごとに学校安全担当者会議を開催しており、資料交換、情報交換を行う機会がある。

あべ委員
 取組が進み、作成率が近いうちに100パーセントになるようお願いする。

(8)原発事故避難者への住宅支援について

酒井委員
 原発事故避難者への住宅支援の問題で、報道によると福島県が今年6月に自主避難者への見なし仮設住宅の供与を17年3月末で打ち切る方針を示したが、群馬県内でも避難者が1,000人位いるが、打ち切りにされると、何人ぐらい避難者が影響を受けるのか、実態把握をしているのか聞きたい。

横室危機管理室長
 福島県からの避難者のうち、応急仮設住宅への入居者は、平成27年8月末時点で208世帯544人である。

酒井委員
 見なし仮設住宅への避難者ということで今、無償提供されている。全体の群馬県へ避難している総数は。

横室危機管理室長
 全体の避難者は、応急仮設と独自に避難している人も含めて、本県への避難者の総数は、平成27年9月2日時点で1,261人である。

酒井委員
 544人という方が影響を受けるということだが、見なし仮設で、公営住宅とか民間の住宅に入っている方、いろいろ家賃も違うと思うが、だいたい月平均家賃はどれくらい掛かっているのか調査しているか。

横室危機管理室長
 個別の調査というところまでいっていないが、1世帯当たり5万円強位である。

酒井委員
 東電から、強制避難者は、原発の事故による強制的に戻る可能性のまったくない方には、一定の支援が支払われているが、自主避難者には、行政による住宅提供がほぼ唯一の継続的支援である。ここで、打ち切られるのは大変だと、これを継続して支援するように福島県、国に対して働きかけるべきだと思うがどうか。

横室危機管理室長
 原発事故に伴う避難者は、個々に事情があると思うが、基本的に福島県、国で大枠をこの制度は作っている。群馬県としては避難者の生活実態について福島県等へ繋いでいきたいと思うが、支援については、その枠組みの中で考えていきたい。

酒井委員
 県内には、544人の方が実際住んでおり、避難を余儀なくされている。そういった方の不安を解消していく役割も県としてあると思うので、きめ細かい支援に向けて努力頂きたいと思う。

(9)県の放射能汚染の対策について

酒井委員
 放射能汚染の対策の問題で、子ども達への健康被害、低線量被ばくによる健康被害で、事故から4年と半年以上経つが、福島県での甲状腺検査において、検査すればするほど実態が明らかになる。群馬でも検査をすべきではないか、福島、茨城の実態をどう受け止めているか。

中村保健予防課感染症対策主監
 福島県健康調査検討委員会では、現時点の検査で発見された甲状腺がんは、今回の被ばくの影響とは考えにくいとしており、本県の過去3回の有識者会議においても、放射線の県民への影響については、問題ないとまとめている。WHOの見解、国際科学委員会の報告書、環境省の青森、山梨、長崎等他県調査結果から、本県において甲状腺検査は必要ないと判断している。

酒井委員
 全く問題ないと言ってしまったらもう先に進まないと、最新の知見も踏まえて、しっかりと少なくても希望者には甲状腺の検査を行うべきではないか。ホールボディカウンタの購入を以前から要望している。群馬になければ、福島や東京にいって計ってもらうとか、希望者には、支援をしてくべきではないかと思うがどうか。

中村保健予防課感染症対策主監
 福島県では、ホールボディカウンタによる内部被ばく検査を実施している。その結果、体内で放射性物質が長期間に渡って、放射線を出し続けることを見込んだ被ばく線量は、99パーセントの方で1ミリシーベルト未満である。100ミリシーベルトの被ばくのがんリスクは1.05倍であり、たばこで40パーセント高まることと比べると、運動不足や野菜摂取不足と同程度である。国の専門家会議では、個別の健康相談やリスクコミュニケーション事業を通じて情報を丁寧に説明することが重要としていることから、従来のがん対策の充実が重要と考えている。

酒井委員
 ECRR基準(欧州放射線リスク委員会が出した勧告)ではなくICRP基準(国際放射線防護委員会が出した勧告)で判断しているので、安全の予防原則に立って、緩い基準で大丈夫だからと言ってしまったら世界基準から遅れてしまう。厳しい基準を基に、検査も含めた対策を強く要望したい。

(10)突風被害対策について

酒井委員
 6月15日の突風被害対策について、今回の補正予算でも4,000万円計上されているが、ダウンバーストとみられる突風と降ひょうによって伊勢崎から前橋で大変大きな被害をもたらした。この被害の概要、総額や農畜産物等の被害状況について概略を教えてもらいたい。

横室危機管理室長
 人的被害については軽傷者2名、住家被害については半壊が2棟である。

今井技術支援課長
 6月15日の突風・降ひょうについては、30パーセント以上の農作物の被害があった面積が約45ヘクタール。被害金額は、全体で3億8千5百万円余。農作物については1億9千万円、農業用施設については、1億9千2百万円余の被害となっている。

酒井委員
 大変な被害である。突風や竜巻、最近本当に多いと思うが、補正で支援が計上されたことは、大変評価したい。この対象となる施設はどのくらいあるか。地域的なものと施設数を教えて欲しい。

今井技術支援課長
 今回の補正は、前橋伊勢崎地区の実際に被害のあった状況をそれぞれ見て、トータルを積み上げ、算出し対象施設としては140棟程度を見込んでいる。

酒井委員
 被害を受けた方に3割補助は大変助かると思うが、昨年の2月の大雪被害のときは、国と県、市町村で9割で、今回3億円を超える被害が出ているが、国の被災農業者向け経営体育成支援事業が適用にならないのか。

今井技術支援課長
 農業共済が拡充されたことなどから、国の被災農業者向け経営体育成支援事業については、本年4月に要綱が改正され、「過去に例のないような甚大な気象災害を受けた場合」と、発動要件が引き上げられたことから、適用は厳しい状況である。

酒井委員
 昨年のような補償がなければやめるしかないという農家の方の切実な声を聞いているので、こういう制度を活用し安心していただく、営農をしっかり継続できるように、県としてもきめ細かい支援をお願いしたいと思う。

(11)火山対策について

酒井委員
 火山対策について、8月に鹿児島県桜島を視察した。鹿児島県ではコアグループという連絡会議を年6回開催し、まめに連絡を取り合っていた。このように日頃から顔の見える関係が重要であると思うが、県にもこのような連絡会議はあるのか。

横室危機管理室長
 本県においても浅間山等でレベルが2に上がったときに、コアグループ会議を開催した。

酒井委員
 どの位の頻度で開いているか。

横室危機管理室長
 定例的というよりは、突発的なときに年数回開催している。

酒井委員
 想定を超えた事態を踏まえて、日頃から連絡会議をもっていつ、どういうときに避難勧告を出すのか、その辺のマニュアルを作っていくべきと思う。地域の実態をよく知っている者が入っていることが必要と思うがどうか。

横室危機管理室長
 住民の避難では、浅間の噴火レベル1から5のうち、重い状況4か5で避難を想定している。また、浅間については融雪型の火山なので、冬の降雪時の噴火についても、雪と溶けた粉じん等について避難計画を作成している。

酒井委員
 地域の実態を踏まえた防災センター的な機能の確立強化も必要であると思うが、どうか。

横室危機管理室長
 防災センターがどんな性格であるかにもよるが、基本的には住民の命をということであれば、まず市町村が対応することだと思う。県としてはそれぞれの火山協議会があるので、その中で対応していきたい。

酒井委員
 必要なところに予算の確保をし、緊密な連携を、特に防災担当者の連携を取っていただきたい。

(12)河川整備方針について

山崎委員
 群馬県の代表的河川である利根川についての整備方針や計画はどのようになっているか。

荒井河川課長
 国の利根川水系河川整備基本方針では、3日間雨量で約320ミリメートルの降雨に対応した目標としており、概ね200年に一度発生する降雨量である。また、国は、概ね30年間の整備計画として、平成25年に利根川水系の河川整備計画を定めており、概ね70年から80年に一度の降雨を対象としている。内容としては、上流での八ッ場ダム建設、下流部では河川改修や調節池などを組み合わせ、総合的な治水対策を実施することとしている。さらに、利根川上流を管理する県としても、本年度に河川整備計画を見直し、利根川(県管理区間)の河川改修事業に着手したところである。

山崎委員
 ダムの役割、洪水防止効果について、鬼怒川のダムの効果を把握されているようであれば説明願いたい。

荒井河川課長
 国が公表した資料によれば、鬼怒川上流の国の管理する4ダム(五十里・川俣・川治・湯西川)で約1億立方メートルの洪水を貯めて洪水調節を行っており、もしダムがなければ決壊地点付近で更に約30センチメートル水位が高くなり、氾濫水量が約2倍になったと試算されている。

(13)土砂災害の防止について

山崎委員
 土砂災害の防止について、群馬県における砂防堰堤の整備状況と今後の整備計画について伺う。

山口砂防課長
 土石流危険渓流箇所における平成26年度末の整備率は、群馬県全体で28.3パーセントが整備済みである。また、土砂災害対策施設の整備として「はばたけ群馬・県土整備部プラン」において、災害時要配慮者関連施設の保全など緊急度及び危険度を考慮し、優先度を定め、計画的、重点的な整備を行い、土砂災害被害を最小限に抑えるよう整備の推進を図っている。

山崎委員
 ハード面に加え、市町村の避難マニュアル作りなど、ソフト対策における市町村への協力・連携体制の状況はどうか。

山口砂防課長
 ソフト対策については、県民の適時的確な避難を促すために、前橋地方気象台と共同で土砂災害警戒情報を発表している。また、平常時における市町村支援策として、住民主導の防災マップづくりや避難訓練を実施するとともに、ハザードマップや市町村地域防災計画の作成において、土砂災害警戒区域等のデータを提供している。どのタイミングで避難勧告を出すかの目安として「群馬県版土砂災害警戒避難ガイドライン」を昨年5月に作成し、市町村に提供している。

山崎委員
 上毛新聞の一面に災害危険地区4482箇所、対策着手67パーセントの記事があった。ハードソフト両面から県民の命を守るために引き続き努力を。

(14)道路施設の安全点検等について

中島委員
 大雪等の自然災害時に、民地側からの倒木で道路が寸断された場合はどのように対応するのか。

若田部道路管理課長
 倒木の所有者が処理することが原則であるが、倒木により道路の通行に支障が生じている場合は、緊急対策として道路管理者が対応する。なお、倒木が電線に掛かっている場合には、NTT・東京電力等の管理者が対応する。また、民有地の立木が傾く等、今後通行の支障になる恐れがある場合は、所有者の対応になる。

中島委員
 雪かき等で、有志が倒木の撤去をした際にけがをしたが、ボランティア活動の場合、けが等があった場合の補償はどうなるのか。

若田部道路管理課長
 自然災害に係る案件は、基本的に補償しないので、倒木の撤去作業での怪我の補償は難しい。なお、道路管理者の管理瑕疵がある事案については、補償対象となる。

中島委員
 ボランティアへの補償はあるのか。

渡辺県民生活課長
 災害ボランティアを行うにはボランティア保険に加入して行うが、一般的な自治会での作業などは対象とならない場合もある。

中島委員
 いずれにしても、緊急で町内で実施し事故があった場合等、危機管理対策として前向きに考えていただきたい。

渡辺県民生活課長
 ボランティア活動保険は、災害ボランティアで被災地ボランティアはボランティア保険に加入して行う。対象とならない活動の規定もある。

中島委員
 消防団員が活動中負傷等した場合は、どのような補償が受けられるか。

入内島消防保安課長
 消防団員については、公務災害の対象となる。

(15)総合防災訓練について

本郷委員
 災害時における自衛隊、警察、消防の連携した活動のための訓練について、総合防災訓練のほか、どのような訓練を実施しているのか。

横室危機管理室長
 平常時に行っている訓練としては、大規模なものは県総合防災訓練で、毎年実施している。そのほか災害対策本部図上訓練を実施している。これらの訓練により日頃から連携を図っている。

本郷委員
 自衛隊、消防、警察と連携する上で課題があるか。

横室危機管理室長
 自衛隊、警察、消防等の連携については、昨年2月の大雪のとき人命救助等の役割分担を3機関で調整をしている。また、昨年4月の桐生での林野火災においても自衛隊のヘリコプターと防災ヘリコプターを調整しながら消火に当たった。訓練でも実際の対応でもこのように調整を行っている。

本郷委員
 調整の場を使ってうまく連携できたらと思う。災害の想定外の事例には、対処が難しいと思うので、連携が迅速にとれるようお願いしたい。

(16)災害時の情報提供について

本郷委員
 県民に対する災害時の帰宅情報について、ワンセグデータ放送やブログ、フェイスブック、ツイッターなどを活用した情報提供を検討できないか。

横室危機管理室長
 ワンセグによるデータ放送で、どこまで災害情報を掲示するかは放送局側の判断である。ちなみに、NHKではワンセグデータ放送で実施している。情報はなるべく複線化すべきという話がある中で、放送局側の対応ではあるが、機会をとらえて要望はしていきたい。

本郷委員
 災害時にはどうしても携帯電話がつながりにくくなるが、輻輳対策はあるか。

横室危機管理室長
 県としては、大規模災害時には災害用伝言サービス171、比較的つながりやすい電子メール等を使用する、手短かな通話を心掛ける、不要不急の電話はしないなどを広報、周知していきたい。

本郷委員
 各市町村によって危機管理のとらえ方、考え方に大きな差があるのではないかと感じている。危機管理について市町村によって差がある部分については、県からも改善するよう指導してほしい。

(17)火山噴火時の上下水道設備の危機管理について

本郷委員
 火山噴火時の上下水道設備の危機管理をどう考えるか。

横室危機管理室長
 基本的には上下水道等の施設管理者が責任を持って対応すべきものである。洪水や噴火に十分耐えるというのはなかなか難しいかもしれないが、ライフラインであり、基本的には施設で対応するべきものと考える。

(18)市町村相互間の応援態勢について

高橋委員
 市町村は災害時に、他の消防機関の応援が必要な場合は、まず知事に依頼するのか。

入内島消防保安課長
 市町村は、自らの消防力で災害対応できなければ、知事に要請するのでなく、相互応援協定により県内の他の市町村の消防本部に応援を要請でき、相互に対応している。また、県内消防機関のみでは対応困難と判断されれば、他県の緊急消防援助隊の出動を知事に対して要請する。

高橋委員
 県内は知事に要請しなくてもよいのか。

入内島消防保安課長
 相互応援協定での対応であれば、知事への要請は必要としない。

(19)災害ボランティアに対する支援について

高橋委員
 災害が起こったときには、社協の理念として自助・共助・公助とあるが、ボランティアには公の支援が必要となる場合もある。ボランティアに行こうという人達がまとまった場合にはバスを出すといった、公助の視点からの支援を検討してほしい。また、常総市等の被災地支援について、茨城県に陸上自衛隊第12旅団から隊員は派遣されたのか。

横室危機管理室長
 陸上自衛隊第12旅団について茨城県は担任区域に入っていない。しかし、相馬原駐屯地からも自衛隊員が派遣されたと聞いている。

高橋委員
 自衛隊第12旅団の隊員も榛東村の村民であるので、群馬県の代表として行ったことになる。自衛隊員が派遣されたということを是非とも広報誌に掲載していただき、隊員に元気が出るようにしてもらいたいと思う。

(20)山地災害危険地区について

岸委員
 山地災害危険地区の状況はどうか。

鈴木森林保全課長
 山地災害危険地区は危険度によりA、B、Cの3ランクに区分しており、優先度、緊急性を考慮し事業を実施している。危険度の高いAランクについては、1,327箇所あり、うち998箇所75.2パーセントで着手している。

岸委員
 過去に被災した箇所の復旧への対応はどうか。

鈴木森林保全課長
 山地災害危険地区の判定にあたって、危険度を高く判定し、優先度を上げている。

岸委員
 台風18号で被災した高崎市中室田の災害対策はどのようになっているか。柳沢工業団地の復旧工事について、地域の声をきいていないようだがどうか。

鈴木森林保全課長
 復旧工事にあたっては、住民への説明や現地調査を行い、再発防止に向けて事業を実施している。柳沢工業団地については、現地を確認してきた。発生の原因は、長時間の連続した降雨によって、上部の畑地の雨水が斜面に多量に流れ落ち、既設構造物を巻き込んで新たな崩壊が発生したものである。今後の対策に十分考慮して実施したい。

岸委員
 地域の人の声をよく聞いて、工事を実施してほしい。選定基準が国から示されたら聞きたい。

(21)防災航空隊「はるな」の活動について

岸委員
 防災航空隊「はるな」の活動について、平成24から26年度までの活動はどうか。

入内島消防保安課長
 緊急運航件数は、平成24年度171件、平成25年度194件、平成26年度218件となっている。活動内容は、林野火災、救急搬送、捜索救助、広域応援、他県への活動などがある。

岸委員
 広域的な航空応援対応はどうか。

入内島消防保安課長
 全国的な広域航空応援のほか、隣接県との相互応援協定により対応している。具体的には、福島、茨城、埼玉、群馬、栃木の5県協定、新潟、山梨、長野、群馬の4県協定などがある。

岸委員
 隊員の日常の訓練体制はどうか。

入内島消防保安課長
 自隊訓練に加え、消防機関や警察とも合同訓練を実施している。

岸委員
 茨城の豪雨災害など、過酷な条件で活動する隊員の健康と安全管理に留意いただきたい。

(22)災害医療提供体制の整備について

岸委員
 災害医療コーディネーター等の災害医療提供体制の整備状況はどうなっているか。

島田医務課次長
 本県の災害時の医療提供体制については、県内に17箇所ある災害拠点病院を中心にハード面を整備するほか、平時から災害を念頭に、関係機関による連携体制を確認するため、想定訓練等を実施している。災害医療コーディネーターは、本県では、前橋赤十字病院の中野院長に就任していただいており、DMATの派遣、他県に医療チーム受入れ調整や、平時の災害医療提供体制への県への助言等を目的に設置している。新たに災害医療サブコーディネーター6名を設置し、県内11地域毎に地域災害医療コーディネーターを延べ27名設置し、災害医療提供体制を強化している。

岸委員
 災害コーディネーターは27名か。

島田医務課次長
 地域災害医療コーディネーターは27名である。本県のトップである災害コーディネーターは1名で日赤の中野院長である。

岸委員
 DMAT隊員を養成するための研修の実施状況は、どうなっているのか。

島田医務課次長
 DMAT隊員を養成するための研修については、平成16年度から日本DMAT研修を厚生労働省が実施しており、これまで県内では204名が受講している。なお、平成25年度から群馬DMAT研修を県と前橋赤十字病院の共催で実施しており、これまで109名が受講している。

(23)農業用ため池の危機管理体制について

岸委員
 農業用ため池は市町村や施設管理者が管理している。しかし、専門的な調査が難しいことから、亀裂が生じやすいため池については、5年に一度位は検査してはどうか。

磯田農村整備課水利保全対策主監
 農業用ため池は管理者である土地改良区等が管理規程に基づき、定期的に点検・監視を行っている。異常があれば、県に報告をするとされており、適時、技術支援を行っていきたい。

(24)茨城県常総市の洪水被害の状況について

水野委員
 茨城県常総市では、浄水場が水没することにより、水道が止まり、復旧作業が停滞したと聞いているが、どのような状況だと理解しているか。

下田衛生食品課長
 常総市は、浄水場の設備まで水没したことから、復旧には時間がかかると聞いている。また、同様に浄水場に被害のあった栃木県小山市は、施設の消毒や清掃のみで対応できたため3日間程度で復旧したと聞いている。

水野委員
 今回の洪水により、浄水場が水没するという事態が発生したが、このようなリスクについて、県内の水道事業者は想定していたか。

下田衛生食品課長
 個々の水道事業者の責任において、検討、実施するものであり、想定の有無については把握できていない状況である。

水野委員
 浄水場の水没からの復旧について、ろ過材等の入れ替えで済めば早期の復旧が可能だが、運転制御のための電気機器が水をかぶる等で故障した場合には、復旧に多大な時間が必要である。これらのリスクをどう考えるかを含めて、何か対策があるか伺いたい。

下田衛生食品課長
 県としては、浄水場が経費面の効率化を重視し、ポンプ等の動力を使用せずに給水を行えるよう、給水区域の中でも比較的高い場所に設置されていることが多くなっていることから、給水の障害になるリスクを周辺地域や上流地域の状況も含めて把握し、リスクの分析、評価を行う必要があると考える。県は、このようなリスクや新たな脅威等、入手した最新情報を提供し、各水道事業者間で情報共有を行えるよう環境整備に努めていく。

水野委員
 想定外のことが起こるとその被害は非常に大きくなる。水道事業者は、想定外を見直し、リスクの評価を行う必要があるが、水道事業者は、少ない担当者によっては、思ったように進まないこともある。県として、リスク評価のできる知識を持った職員を派遣する等の支援を進めていただきたい。

(25)県庁のBCP(業務継続計画)について

水野委員
 県庁のBCP(業務継続計画)について、現在の計画の内容はどのようなものか。

横室危機管理室長
 県庁のBCPについては、平成24年3月に策定している。内容は、地震等の大規模災害が発生した場合に、県庁としての業務をどのように継続していくかを定めたものである。具体的には、災害発生時に、職員全員が登庁できない前提の上で、県の通常業務と災害応急対策業務のうち、どの業務を優先して進めていくのかを規定している。

水野委員
 県庁の電源喪失は想定されているのか。

横室危機管理室長
 電力事業者等の施設が被災し、外部から電源が入ってこない場合に備え、県庁舎には非常用発電機が設置されており、72時間の電源を確保している。

水野委員
 本県の県庁は設計時に浸水のリスクについて考えられているのか。

横室危機管理室長
 本県の県庁舎については、非常用発電機は地下3階に設置されているが、バッテリーは33階にも設置し、補完的役割を持たせている。また、県庁舎は、前橋市のハザードマップによる浸水想定区域からは外れている状況である。想定を超える規模の災害への対策については、対策に必要な経費と実際に浸水する可能性との勘案になると思うが、今後の課題として、庁舎管理を所管している管財課等の関係所属につなぎたい。

水野委員
 危機管理部門は、リスクに対し、前例に頼った帰納法的発想ではなく、先回りした発想も必要であると考えるがいかがか。

萩本危機管理監
 災害対策について、過去の災害を一つの尺度とするのはやむ得ないことであり、重要なことである。最近は前例を大きく超える災害が発生しており、過去の災害を基にした備えだけで安心できる状況ではない。リスクをどこまで先回りして発想するかは難しい問題であるが、全国で発生している想定を超える災害を我が事に置き換え、考えることの積み重ねが、本県の災害対策の強化につながると考える。

(26)茨城県の災害について

岩上委員
 群馬県の35市町村で浸水する危険な庁舎はあるのか。市町村が作成しているマップから、そういう市町村はないという認識でよいのか。

横室危機管理室長
 35市町村のハザードマップを細かく把握しているわけではないが、市町村がハザードマップを作成しており、それぞれ安全な庁舎を避難所等として指定している。

岩上委員
 市町村の庁舎が危険かどうかについても、県として把握しておく必要があるのではないか。県庁は、前橋市のハザードマップでは浸水地域に入っていないが、現実に常総市では浸水が起きているので、これらも含めて把握しておく必要があると思う。

横室危機管理室長
 県内の市町村の庁舎の状況を情報として把握しておくことも必要と考える。一方、危機管理としては様々な情報を集約し、把握しておく必要も感じるが、実際の限られた態勢の中で、その重要度等を見極めた上で対応していく必要がある。

岩上委員
 茨城県の災害を受けて、群馬県でも注意していく必要があると感じたことは何か。

横室危機管理室長
 県としても人命救助が最優先事項であるため、関係機関との情報連絡に漏れがないよう点検を行いたい。

岩上委員
 危機管理の専門性を持った人間を育てていく必要があると感じるがどうか。

横室危機管理室長
 専門性を持った職員の育成は重要と思う。現在の危機管理室には、自衛隊OB、警察の出向者、土木の技術者等がいて対応に当たっているが、そのほかにも国の防災部門との交流人事等の機会をとらえて職員の専門性を高める努力をしていきたい。

岩上委員
 群馬県は災害が少ないと言われているからこそ、また起きても大丈夫という安心感を与えられるようお願いしたい。

(27)河川整備の執行計画とそれに伴う予算確保について

岩上委員
 河川整備について交付金・災害事業を主として整備が行われているのだと思うが、その中で県の単独事業でいかに進めていけるのか。工事可能な期間が限られている中、計画的に予算を確保し事業を執行しなければならないと思うがどうか。

荒井河川課長
 河川改修は交付金等で実施をしているが、堆積土の除去や小規模な改修は単独事業で実施している。少しでも安全度を向上させるため、更に整備を進める必要があると考えており、予算確保に努力したい。

岩上委員
 先の豪雨災害を受けての河川・砂防の区別なく連携して事業を実施し、予算確保についても協力すべきと考えるがどうか。

荒井河川課長
 河川は氾濫被害防止、砂防は土砂災害防止と役割を分担して進めているが、河川区域と砂防指定地が重なっている箇所もあり、災害防止という目的は同じであるので、連携して事業実施、予算確保に努めていきたい。

山口砂防課長
 砂防事業は土砂流出対策として下流人家等に被害を与えないよう上流で事業を実施している。河川事業と連携して進めていきたい。

岩上委員
 砂防と河川が一緒になっている県もあるが、本県は別である。より連携してメリットを明確にして県民の安全安心をお互いに切磋琢磨して確保することを要望する。

(28)台風第18号災害における教訓について

須藤委員
 台風第18号災害において、被災した宮城県・栃木県・茨城県において、危機管理監と危機管理室はどんな役割を果たしたのか。

横室危機管理室長
 被災地では、復旧活動が続いているため、災害対応の詳細は聞けない状況であるが、今回のような大災害が発生した場合は、一定期間をおいて検証を行うこととなるため、その際はよく状況を聞かせてもらいたいと考えている。

須藤委員
 詳しい調査はこれから行うとのことだが、危機管理監及び室と市町村との連携も調査してほしい。現時点で、危機管理室として何を学んだのか。

横室危機管理室長
 洪水時における避難勧告や避難指示の発令のタイミングの難しさが挙げられる。また、救援の声を上げたところだけでなく、上げられないところの情報をいかにして収集し、全体を見渡した災害対応をするかが重要であると思う。

萩本危機管理監
 危機管理監や危機管理室の役割は、他県と大きな違いはない。関係機関との総合調整や災害対策本部内で、本部長(知事)を補佐する。また、防災計画上は、県と市町村との役割分担や連携について規定されているが、実際の災害で対応できたのかをよく検証して、今後の防災対策に生かすことが重要と考える。

須藤委員
 災害対応において県が、市町村への応援又は支援が必要と考えるがどうか。

萩本危機管理監
 危機管理室における市町村に対する支援は、防災計画の策定や事前の防災対策など、発災前の準備段階での支援がメインとなるが、発災時には、必要に応じて県職員を派遣して情報収集を行うなどの人的支援も行うこととしており、県全体として迅速な災害対応が可能となるよう、必要な支援を行っていきたい。

須藤委員
 できるだけ早いうちに、茨城県に職員を派遣し、災害対応の経験を聞いていただき、今回の災害の教訓を是非、本県における防災対策に生かしてもらいたい。

(29)消防団員の確保について

井田副委員長
 消防団員については、定員より1,000人不足している。早急の対策が必要と考える。県職員の消防団員が少ないことについて、全国的に減少傾向だから仕方がないと考えていないか。

入内島消防保安課長
 全国的に人口が減少しているのは確かだが、それで団員が減ってよいとは考えていない。

井田副委員長
 県が県庁職員も含めて積極的に加入をする方向性であれば、市町村も士気が上がると考えているが、県庁分団の新設は必要性が少ないとのことで、県職員6000人のうち121人でよいと聞こえたがどうか。

入内島消防保安課長
 県職員の入団については、知事から職員に対して地元の消防団加入の呼び掛けをしているほか、活動に当たっては職務専念義務の免除を実施している。また、一定期間消防団活動を継続した職員に対しては知事表彰をしており、その表彰枠を広めることを検討している。

井田副委員長
 県内の消防団員が不足する中、同じ県職員として、警察や教職員で「消防団に入るよう」働きかけを行っているのか伺いたい。

大橋危機管理対策統括官
 警察では、職員に対して、消防団に入るように呼びかけは行っていない。

井田副委員長
 なぜ実施していないのか。

大橋危機管理対策統括官
 私見になるが、任務に重複することが多いためと考える。

井田副委員長
 警察官の中でもPTA活動等ボランティアに携わっている人もいる。採用時に認識だけでもきいて頂く等協力体制をとってほしい。また教育委員会ではどうか。

高田健康体育課長
 今までそのような投げかけを受けたことはなかったが、歴任校での経験としては、事務職員が地元の消防団に加入しており、職務専念義務免除により活動を行っていた事例はあった。

井田副委員長
 特に若い教員に率先して消防団活動に参加してもらう方針で、教育長名で通達を出してもらうことはどうか。

高田健康体育課長
 教員の公務が多忙である昨今の状況を踏まえると、地域に貢献している先生がいることは、大変ありがたいと思う。通達等で勧奨することは、持ち帰って検討したい。

井田副委員長
 強制的に参加させるのではなく、是非、志のある方がいたら進んで協力してもらいたいという感じの通知を出してもらえば、おそらく何名かは手を挙げてくれるのではないかと期待している。

井田副委員長
 消防団の募集をするに当たっては、補助金制度は費用負担の問題もあり難しいようであるが、団員版のぐーちょきパスポートを実施してはどうか。

萩本危機管理監
 県では今まで消防団員確保対策として、市町村等の現場の意見を聞いた上で有効と判断した広報活動を行ってきた。しかしながら、団員の減少傾向は続いており、改めてどのような施策や要望があるのか市町村等の現場の意見を聞いてみたい。消防団の経費については、市町村の負担で行うのが原則であり、それを補助金で単に補填することは経費の肩代わりとなり、財政規律上ハードルが高い。補助金や新たな御提案も含め、有効な方策を改めて検討したい。
 なお、県職員への入団呼び掛けについては、単に文書を出すだけでなく、同時に消防団の意義等についても周知したい。

井田副委員長
 命を張って現場で活動する消防団員であり、15年程の自身の団員経験を踏まえ、是非、前向きに検討していただきたい。


現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 平成27年5月13日~平成28年5月26日特別委員会記録 > 危機管理対策特別委員会(平成27年10月2日)