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文教警察常任委員会(警察本部関係)(平成28年6月9日)

1.開催日時

平成28年6月9日(木曜日)10時00分開始 11時54分終了

2.開催場所

302委員会室

3.出席委員

委員長:清水真人、副委員長:山崎俊之

委員:腰塚誠、委員:織田沢俊幸、委員:角倉邦良、委員:井田泉、委員:臂泰雄、委員:藥丸潔、委員:加賀谷富士子

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)交通安全対策について

井田委員
 県交通安全条例の制定前後における交通事故発生状況はどうか。

上原交通部長
 平成27年とその前年との比較では、死者数は1人増の68人、人身事故件数は約1千件減の約1万5千件、負傷者数は約1千人少ない約2万人となっている。人身事故件数、負傷者数は平成17年から11年連続で減少し、死者数も統計開始以降、平成26年に次ぐ2番目に少ない数値であった。

井田委員
 交通安全教育についての取組状況はどうか。

上原交通部長
 初心運転者の事故防止や自転車を利用する学生のマナー向上を図るため、高校卒業前の3年生、大学・短大等の1年生、中学生に対する各交通安全教室を開催するなど、県民の交通安全意識高揚に努めているが、今後も引き続き年齢層に応じた交通安全教育の充実を図っていく。

井田委員
 安全性能の高い自動車や自動走行システムを登載した自動車が多くなっているが、安全対策についての企業との連携はどうしているか。

上原交通部長
 開発は企業主体で行われているが、必要な統計や分析データ等の提供は警察庁において協力しているものと思っている。警察庁から自動走行システムに関する一定基準が示されており、必要な情報提供をしつつ企業と連携しながら安全対策を図っていきたい。

井田委員
 運転中の携帯電話のハンズフリー通話は違反になるのか。

上原交通部長
 違反として検挙はしていないが、運転中は運転に集中すべきであり、できるだけ控えていただきたいと考えている。

井田委員
 最近の交通指導取締状況はどうか。

上原交通部長
 平成27年中は約9万件検挙している。県警としては事故抑止効果の高い違反を重点に取締りを実施しているところである。

(2)山口組分裂騒動に係る現状と対応について

井田委員
 分裂騒動に伴う県内の暴力団情勢と県警の取組についてはどうか。
北爪組織犯罪対策統括官
 県内では、現段階で当該対立抗争と認められる事案等の発生はないが、影響が及ぶ可能性は否定できないため、本年3月に組織横断的な集中取締本部を設置するとともに、両団体に関する情報収集と関係場所の警戒、取締りを強化しているところである。

(3)伊勢志摩サミット警備への対応について

角倉委員
 サミット警備に伴う派遣等の対応についてはどうか。

前原警備部長
 本県からは、機動隊や管区機動隊等を特別派遣し、会場周辺の警戒や交通検問、要人警護等に当たったが、具体的な人員及び期間については今後の警察活動に支障を及ぼすおそれがあり差し控えたい。

角倉委員
 サミット開催時の県内警備状況はどうか。

前原警備部長
 駅等の公共施設やショッピングモール、スタジアム等の多数の者が集まる、いわゆるソフトターゲットに対し、管理者と連携してパトロールなどの警戒警備を行った。また、開催一週間前から、新幹線停車駅や高速道路インターチェンジ、大型商業施設等における警戒警備を強化しテロ等の未然防止に努めた。

角倉委員
 後方治安態勢についてはどうであったか。

前原警備部長
 特別派遣中には、県内の災害や重要突発事件事故等に対応する部隊として臨時第二機動隊を編成したほか、一般治安対応として警察署の実情に応じて宿直の周期を短縮するなど、万全の体制を維持しながら県内の治安維持に当たったところである。隙を見せることなく警備を完遂し、県内治安も維持できたと認識している。

角倉委員
 陣頭指揮にあたった所管はどうか。

前原警備部長
 特に国際テロに関しては、警察だけで対応することは極めて難しい状況にあり、官民一体のテロ対策を推進していくことが必要である。テロ集団が爆発物を入手できないよう原材料販売業者の協力で不審情報を入手したり、基幹産業の協力を得て行くが、一般の方にどの程度の危機感があるのか不安もあり、今後も継続的にテロ対策を一層推進していきたい。

(4)サイバー犯罪への対応について

角倉委員
 サイバー犯罪の現状と取組の成果についてはどうか。

金田生活安全部長
 サイバー犯罪の検挙実績は、本年1月から4月まで76件と、前年同期比42件増、4月中は10件で、昨年4月比で5件増となっている。サイバー犯罪被害防止を図るため、学校等と連携した「情報モラル講習会」を、本年4月現在で48回、5,298人に対し実施しているほか、各種教養の実施により全警察官の9割以上がサイバー犯罪捜査検定初級を取得している。

角倉委員
 今後の課題は何か。

金田生活安全部長
 全警察官の意識改革、サイバー犯罪捜査能力の向上等が課題として挙げられるが、サイバー犯罪捜査検定取得者を9割以上に引き上げたことや、捜査員・幹部職員の徹底した意識改革を図ったことでセキュリティに関する意識が向上したり、セキュリティ対処能力向上の第一歩として、年間計画を策定したところである。

角倉委員
 サイバー犯罪対策の組織体制強化の考えはどうか。

金田生活安全部長
 本年度、サイバー犯罪対策課を新設し、3人増員して25人体制としたほか、システムエンジニア職務経験者2人を中途採用しており、来年度以降も継続採用するとともに、一般の警察官も将来的にサイバー犯罪の専門的捜査ができるよう育成していく方針である。

(5)街頭防犯カメラの設置状況について

臂委員
 県内の街頭防犯カメラ設置状況はどうか。

金田生活安全部長
 防犯カメラは、犯罪の未然防止や発生時の的確な対応に有効であり、設置拡充が必要だと考えている。県内では、警察が管理・運用するものが4か所、33台のほか、市町村や関係団体が設置したものが486か所、1,664台の計490か所、1,697台を把握している。

臂委員
 防犯カメラ設置に対する市町村等への指導・助言についてはどうか。

金田生活安全部長
 市町村等に対しては、地域の犯罪情勢を踏まえつつ、犯罪の発生状況や効果的な設置場所・運用方法に関する指導・助言等の支援を行っている。

(6)多文化共生事業について

臂委員
 外国人による犯罪及び犯罪被害を防止するための取組はどうか。

金田生活安全部長
 本県の外国人住民数は昨年12月末現在、約4万5千人であり、うち約2万6千人が伊勢崎市、太田市、大泉町に集住している。県警察では平成19年6月に「来日外国人共生対策指針」を策定し、外国人が日本人同様に治安サービスを受けるとともに、外国人からも防犯活動に対する協力を得ること等を通じ、安全・安心な群馬県を実現することを目的に対策に取り組んでいる。

(7)摩耗した道路標示の補修の現状について

臂委員
 道路標示の維持管理や補修の現状はどうか。

上原交通部長
 道路標示の塗り替えは年2回行っており、視認性が悪くなるなど緊急性の高い箇所から工事発注している。良好な状態で維持管理することは、交通事故防止や円滑な交通の流れを確保するため重要であり、今後も状態を的確に把握し、緊急性の高い場所は個別に対応していくとともに、住民の意見や要望を踏まえて計画的な塗り替えを行っていきたい。

臂委員
 塗り替えの回数を増やした方がいいと思うがどうか。

上原交通部長
 塗り替えは、昨年度まで年1回だったものを今年度から年2回としたところである。

(8)犯罪被害者支援について

藥丸委員
 犯罪被害者支援の状況はどうか。

田島警務部長
 犯罪被害者やその家族は、直接的な犯罪被害に加え、精神的なショックや身体の不調、医療費、休業、転職等による経済的負担などの二次的被害に苦しんでおり、発生直後から個々のニーズに応じた、きめ細かい精神的・経済的な負担軽減についての支援を行っている。

藥丸委員
 犯罪被害者支援の具体的な取組(実績)はどうか。

田島警務部長
 精神的負担軽減としては、事件の捜査状況や被疑者検挙等の情報提供を行ったり、実況見分や病院へ等への付添いなどの活動を行っている。また、経済的負担軽減では、国の犯罪被害者給付金制度を補填するため、性犯罪被害者や身体犯被害者に対する初診料、検査料、転居費用やハウスクリーニング費用など、平成27年中では63件、約87万円を支出している。

(9)幹線道路の中央分離帯開口部に係る安全対策について

藥丸委員
 本年5月、太田市吉沢町内の国道50号中央分離帯開口部の交差点で4人が死亡する重大事故が発生したが、同所における規制の考えはどうか。

上原交通部長
 6月3日に、国交省高崎河川国道事務所、太田市、地元区長及び警察の合同による事故現場とその付近の視察を行い協議した結果、今後、本件現場を含む3か所の中央分離帯の開口部を塞ぐ方向で検討することとなった。

藥丸委員
 全ての開口部を塞ぐと利便性を失うため、今後も点検のうえで事故防止に努めてもらいたいがどうか。

上原交通部長
 道路交通の安全性を優先しつつも、中央分離帯を一様に塞ぐことは、地元住民の利便性に配慮を欠くため、安全対策を検討するにあたっては、道路管理者や地元住民と協議しながら対応していくことが望ましいと考えている。

(10)ストーカー対策について

加賀谷委員
 県内のストーカー相談受理と検挙の状況についてはどうか。

金田生活安全部長
 本県のストーカー事案相談受理状況は、平成27年中が408件、本年4月末現在では107件で、平成25年をピークに高止まり状態が続いている。また、検挙を含む対応状況は、平成27年中で、検挙件数72件、書面警告件数96件、口頭警告件数198件となっている。なお、SNSでメッセージを送る行為のうちストーカー行為に該当するケース等では、ストーカー規制法や脅迫等の他法令を適用し、本年4月末までに7件検挙している。

加賀谷委員
 ストーカーの被害者に対し、安全確保のためにどのような援助活動をしているのか。

金田生活安全部長
 被疑者の検挙、警告等のほか、被害者に対し、本年4月末現在で、110番緊急通報登録システム56件、住民基本台帳閲覧制限措置7件、防犯ブザー等の物品貸出し7件などの対策を行っている。また、必要に応じ24時間警戒、重点警戒、定期連絡等の保護対策を実施しているほか、早急に安全確保が必要な事案では、一時避難や転居費用の一部公費支出も行っている。

加賀谷委員
 「110番緊急通報登録システム」とはどのようなシステムなのか。

金田生活安全部長
 被害関係者の希望に基づき、あらかじめ自宅や携帯電話の番号をシステム登録しておき、通報が入った際に登録者からの通報であることを瞬時に判明させることで、組織を挙げて迅速・的確に対応し、被害の未然防止を図ることを目的としたシステムである。

(11)負傷した動物を保護した際の対応について

加賀谷委員
 4月9日に前橋市内で負傷した犬を保護した際の対応はどのようであったのか。

大橋会計参事官
 通報に基づき交番勤務員が電車に轢かれたと思われる犬を発見・保護したもので、閉庁日であったため前橋市役所に連絡したところ、「生きているのであれば月曜日の朝、前橋保健所に連絡してほしい」との回答を受けたため、犬を檻に入れて水を与えながら様子を確認しつつ収容していたものである。

加賀谷委員
 保護した犬のケガの措置がされなかったことについて、どのように考えているか。

大橋会計参事官
 市役所からの回答に従ったものであるが、結果としてケガの措置がなされなかったことについては、配慮が至らなかったと認識している。

加賀谷委員
 今後はどのように対応をしていく考えか。

大橋会計参事官
 今回の事案を踏まえ、今後は負傷の程度によっては、管内の動物病院等で応急処置を行うよう各警察署に指示したところである。また、閉庁時における関係機関の緊急連絡先を各警察署に周知し、夜間、休日等に適切な対応ができるよう、連絡体制を確保した。さらに、県、中核市、県警とで「動物愛護業務関係機関連絡会議」を設置し、動物愛護等の業務を円滑に推進していくこととしたところである。

(12)ヤード対策について

山崎副委員長
 県内におけるヤード(周囲を鉄壁等で囲まれた作業所等で、海外への輸出等を目的に自動車等の解体、コンテナ詰め等の作業に使用していると認められる施設)の実態はどうか。

北爪組織犯罪対策統括官
 平成27年末現在、全国に約2,100か所存在すると言われており、県内では、本年4月末現在、ヤード及びその機能を有する施設を89か所把握している。地域別では、北毛地区8か所、東毛地区41か所、西毛地区17か所、中毛地区23か所となっており、本年は、そのうちの45か所に立入りを実施している。なお、経営者の国籍別では、上位からパキスタン30人、ベトナム14人、日本13人となっている。

山崎副委員長
 ヤードの問題点及び今後の方針についてはどうか。

北爪組織犯罪対策統括官
 ヤードは実態把握が難しく、各種犯罪の温床となる可能性があり、短期間で新設・廃止が繰り返されるという特徴を有している。全国での違法事案は、覚醒剤を隠匿して中古車を輸入しヤードで取り出した事案や、盗んだ自動車をヤードで解体してコンテナに積み込み、海外輸出した事案などが過去に発生している。警察では、犯行ツール対策や犯罪のグローバル化対策などを推進しているが、ヤードの存在は治安に対する重大な脅威を伴っているため、引き続き実態把握と関連情報の収集強化に努めていく所存である。


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