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環境農林常任委員会(農政部関係)平成28年10月4日(火曜日)

1.開催日時

平成28年10月4日(火曜日)9時59分開始 15時35分終了

2.開催場所

403委員会室

3.出席委員

委員長:金井康夫、副委員長:高橋正
委員:関根圀男、委員:黒沢孝行、委員:須藤昭男、委員:新井雅博、委員:星名建市、委員:伊藤祐司、委員:金子渡、委員:井田泰彦

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)原子力損害賠償紛争解決センターあっせん申し立てに関する和解について

須藤(昭)委員
 原子力損害賠償紛争解決センターあっせん申し立てに関する和解について、和解金280万円が示されたが、申し立て金額に対する割合はどうか。

高橋農政課長
 申し立て金額は約301万円であり、約93%が認められている。

須藤(昭)委員
 野生鳥獣肉は全頭出荷制限がかけられている。その損害に対する費用は請求しているのか。

高橋農政課長
 農畜産物の放射性物質検査に伴い、県が負担した費用を請求したものである。野生鳥獣肉の損害は含まれていない。

須藤(昭)委員
 請求をしないのはなぜか。

宮崎農政部長
 基本的には被害を受けた当事者が東京電力に補償を求める形になる。今回は、県として被害を受けたものについてあっせん申し立てをした。野生鳥獣肉についても、当事者が補償を求めることになる。

須藤(昭)委員
 野生鳥獣肉に関する損害賠償請求はされていないのか。

宮崎農政部長
 当事者と東京電力との話になるので、どのような請求がされているのかは承知していない。

(2)農畜産物に係る放射性物質検査について

高橋副委員長
 農畜産物に係る放射性物質検査の費用はどこが負担しているのか。

田村生産環境室長
 米や野菜等の検査については、国が費用を負担している。県や農家が検査費用を負担することはない。

高橋副委員長
 野菜等を個人で出荷する場合は、個人で検査をするのか。特に山のキノコ類は個人が検査に出す以外にないのか。また、検査はいつまで続くのか。

田村生産環境室長
 米や野菜等は、各市町村が検査をするが、個人がお金を出して検査をするガイドラインにはなっていないので、個人が検査費用を支払うことはない。野生の山菜、キノコを直売所に出すには、自分で検査をして直売所に持って行く仕組みになっており、仕組みが異なっていると思う。今後の方針については、国が検討する。徐々に検査件数は減ってきているが、今後については、これからの検討だと思う。

(3)農畜産物の海外輸出促進について

関根委員
 農畜産物の海外輸出促進について、今年度の輸出実績見込み及び目標額達成の可能性はどうか。また国・地域別、品目別ではどのような状況か。

真下ぐんまブランド推進課長
 まず、平成27年度については、約8億円強の輸出実績があり、前年度の約1.4倍となった。牛肉とこんにゃく製品が中心であり、両方で約98%である。牛肉の輸出先は、アメリカや欧州が中心で、そのほか香港、シンガポールにも輸出している。こんにゃく製品は、香港、欧州が中心である。平成28年度の輸出実績については、牛肉は昨年度と同様のペースで推移している。概ね今年度並みか、今年度よりも増えると思っている。

関根委員
 昨年度、ミラノ万博への出展、欧州プロモーション、シンガポールでの青果物のテスト販売等を実施したが、どのように活かして、今後に繋げるのか。

真下ぐんまブランド推進課長
 ミラノ万博では、人的なネットワーク等を築くことができた。今年度は、それを活かし、欧州で牛肉とこんにゃくを中心としたプロモーションを実施した。また、現在、牛肉輸出はサーロインやフィレの高級部位が主流だが、肩ロースを普及させたいと考えている。肩ロースはカッティング技術が必要となるため、カッティングセミナーを開催する等、普及に取り組んでいる。ミラノでは、大きな食のイベントがあり、その主催者と連携し、いわゆるスターシェフ5名に、群馬県の牛肉とこんにゃくを材料とした創作料理のメニュー開発を依頼した。11月にマスコミ関係者に披露し、普及を図っていきたい。シンガポールでは、昨年度、北関東三県で連携し、テスト販売を実施したが、フルーツトマトがレギュラー化され、今まで約143キロの輸出実績となっている。

関根委員
 世界では和食ブームが起こっており、日本料理店が増えている。現地の飲食店と群馬県の食材を結びつけられれば、輸出が増加すると思うがどうか。

真下ぐんまブランド推進課長
 マッチングについては、ターゲットをしぼって戦略的に進めることが重要だと認識しており、シンガポールのフードジャパン見本市に積極的に県内の意欲のある人を案内して、マッチングをする機会を作りたい。国内においても、海外のバイヤーとマッチングする機会があるので、積極的に売り込みをしたい。

関根委員
 利根沼田のリンゴをアジアに輸出できないか。

真下ぐんまブランド推進課長
 県のオリジナル品種「ぐんま名月」は非常に評価が高く、輸出できれば必ず売れると思っている。しかし、生産量が少ないため、国内でも入手困難である。例えば、中国の旧正月など贈答の時期に小ロットで持って行き、群馬には良いリンゴがあるとPRしたい。海外の人をインバウンドで群馬に誘致するような戦略的な部分でもリンゴを活用し、アジア各地でプロモーションすることが大事だと思う。また、「ぐんま名月」は、船便での輸送について、テストをしたいと考えている。

関根委員
 ベトナムのイオンに北関東三県で出店しているが、何を販売しているのか。また、効果はどうか。

真下ぐんまブランド推進課長
 ベトナムについては、北関東三県でイオンにアンテナショップを設置し、販売促進をしている。青果物は植物検疫の関係で、販売ができない状況にある。加工食品として、こんにゃくゼリーを販売しているが、非常に評判が良い。こんにゃくゼリーが売れている状況をきっかけとして、レギュラー化できれば良いと考えている。

関根委員
 タイも日本料理店が多く、日本の食材を求めている。タイへのアプローチも進めてほしいと思うがどうか。また、台湾の輸入規制解除の状況はどうか。

真下ぐんまブランド推進課長
 タイについては、イチゴの「やよいひめ」や大根、キャベツ等の青果物を輸出し、2千万の実績がある。今後もつなげていけるよう努力したい。台湾については、輸入規制が解除されれば本県にとって有益な輸出相手先になると思う。知事も自ら台湾に行って、関係者等に輸入規制の解除要請をした。また、委員にも協力をしてもらっている。さらに、全国知事会を通じ、各県が連携して解除要請をしている。今のところ解除には至っていないが、解除された場合、すぐに対応できるようにしっかり準備し、プロモーションができるようにしておきたい。

(4)米価及び水稲作付けの状況について

黒沢委員
 水田農業について、米価の状況はどうか。また、水稲作付けの状況はどうか。

吉野蚕糸園芸課長
 米の適正在庫は、民間在庫200万トンが目安になっているが、今年の生産量からすると、来年6月末在庫は200万トンを切るような予測がされている。需給バランスが引き締まることで米価が上がる可能性が高くなると考えている。現在、他県の早場米の仮渡金は、昨年に比べ、1俵当たり500円から2,000円程度上がると報道されている。本県産の米も27年産の米価と同水準以上になることを期待している。水稲作付けについては、農業団体や生産者の協力により、飼料米の作付けが進んだ。昨年と同様に生産目標数量を達成する状況である。

(5)酪農について

黒沢委員
 指定生乳生産者団体制度について、見直しを求める規制改革会議の提言があったが、指定生乳生産者団体制度はどんなものか、また、群馬県では生乳はどういう形で集められているのか。

小茂田畜産課長
 生乳は、非常に腐りやすく貯蔵がきかない。また、季節によって需給が変動することから、指定生乳生産者団体が生産者から販売委託を受けている。指定生乳生産者団体は、飲料メーカーとの価格交渉、効率的な集送乳、季節の変動に応じた需給調整をしている。熊本地震や北海道の台風等において、指定生乳生産者団体の需給調整や配乳調整等により、酪農家の被害は非常に少なく済んだので、有効な役割を果たしていると考えている。

黒沢委員
 指定生乳生産者団体制度が見直された場合、群馬県の酪農への影響はどうか。

小茂田畜産課長
 指定生産者団体は、生乳を乳価の高い飲用牛乳に向けることを第一に考え、処理しきれない生乳は価格が安い加工原乳に振り向け需給調整をしている。指定団体を経由しない生乳は、ほとんど飲用牛乳で取引されているが、すべて飲用に向けることが難しくなっている。国では、価格が安い加工原料乳に対して、再生産を確保するために交付金を交付しているが、指定生産者団体を経由しない生乳に対しても加工原料乳の交付金を交付することが提言された。群馬県では、指定生産者団体を経由しない生乳は、生産量の7%程度となっているが、指定生産者団体制度を維持しながら需給調整に取り組んでいかなければならないと考えている。

黒沢委員
 群馬県の課題は、クーラーステーションの再編・整備と聞いているが、現状はどうか。

小茂田畜産課長
 県内に6か所あるクーラーステーションを再編・整備することで、集送乳を合理化し、酪農家の収入アップを図ることを考えている。このため、6か所のうち4か所を廃止し、1か所を新設、合計3箇所のクーラーステーションに再編し、合理化を図る計画が進められている。

黒沢委員
 バターの在庫不足が懸念され、農林水産省が対策を取るとの報道があったが、状況はどうか。

小茂田畜産課長
 バターの在庫は、現状でも不足することはないと考えられている。しかし、北海道の台風被害により、飼料作物の品質や収量の低下が予想され、今後、生乳生産量が若干下降傾向になるのではないかと予測されている。そこで、国では、安心してバターを供給できるよう、緊急輸入として4千トンを輸入することにした。本県では、台風や猛暑の影響は少なかったため、影響はないと考えている。

(6)農福連携について

黒沢委員
 農業分野での福祉、いわゆる農福連携の状況をどの程度把握しているか。

澁谷副部長
 農福連携について、農業側には、高齢化や担い手不足、耕作放棄地の問題があり、障害施設には、一般就労の促進、低賃金の問題がある。双方の課題解消を図るということで、関心が高まっている。農業における障害者雇用は、農業技術、障害程度の課題もあり、農家が直接雇用とする例は少ないと思うが、特例子会社が障害者を雇用し、農業生産法人と業務提携をして障害者の働く場を設けている事例がある。また、農業技術センターで開発した乾燥技術を活用し、これまで廃棄していた枝豆を乾燥加工している授産施設がある。農業に取り組む障害者施設について、数は正確に把握できていないが、今後、農業への関心は高まってくるのではないかと思う。

(7)太田市金山のイノシシ捕獲について

黒沢委員
 太田市金山でのイノシシの捕獲について、しっかり捕獲してもらいたいが、今年度の具体的な取組はどうか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 捕獲数は減少傾向にあり、推測であるが、生息数は減っていると思っている。今までは、有害鳥獣捕獲として、森林では捕れなかったが、9月補正の指定管理鳥獣捕獲等事業により、今年度下期から森林で捕れるようになる。平成33年度まで続け、一掃しようと計画している。また、金山では、金山イノシシ被害対策支援チームを設置し、捕獲を進めてきたが、アドバイザーを招き、戦略的に捕獲を進めたい。今後、有害鳥獣捕獲と指定管理鳥獣捕獲等事業を活用し、捕獲を進めていく。

(8)ぐんまフラワーパークについて

須藤(昭)委員
 平成27年度のぐんまフラワーパークの入園者数は、目標の27万5千人をクリアしているとのことだが、27万5千人の根拠を教えてほしい。

吉野蚕糸園芸課長
 入園者の目標値は、指定管理者を決める際に県が示している。指定管理期間の平成23年度から平成27年度までの5年間について、平成23年度は25万5千人、その後5千人ずつ増やすことにして、27万5千人と設定した。

須藤(昭)委員
 ぐんまフラワーパークの年間入場者数は、目標設定が低いと思うがどうか。

吉野蚕糸園芸課長
 ぐんまフラワーパークは建設当初の入場予定者数を30万人と設定しており、それを基本に県が設定している。当初の設定した値に近い数字で推移していると考えている。

須藤(昭)委員
 ぐんまフラワーパークの入園料は季節により変動するのか。

吉野蚕糸園芸課長
 フラワーパークの入園料は、県の条例で設定している。4月から6月は700円、7月から3月は600円になっている。ただし、条例では幅をある程度設定した中で、フラワーパークと協議しながら値段を決定している。

須藤(昭)委員
 条例で設定された幅はどのくらいか。

吉野蚕糸園芸課長
 条例では、4月1日から10月31日までは大人個人で360円から1,080円の間、11月1日から3月31日までは250円から770円の間で設定することになっている。値段の決定にあたっては、指定管理者と県で協議することになっている。

須藤(昭)委員
 料金設定に関し、良い花を提供することが大前提だが、例えば、ぐんまフラワーパークならではの花を提供して料金を千円とするなど、もう少しメリハリをつけるべきだと思う。どう考えるか。

吉野蚕糸園芸課長
 料金設定は、指定管理者からの申請に基づき、協議して決めている。値段があまり高いと入園者が減るのではないかとの懸念がある。指定管理者としっかり相談して対応を検討したい。

須藤(昭)委員
 ただ料金を上げるのではなく、花の内容が大事である。また、入場者数のうち、外国人はどれくらいいるのか。

吉野蚕糸園芸課長
 花の植栽について、4、5月は花に非常に良い時期として力を入れている。冬場の展示はコレクションの多いアザレアに力を入れ、閑散期の誘客に努力している。外国人の入場者数については、個別にカウントしていない。

(9)野生鳥獣肉の放射性物質検査及び出荷制限解除について

須藤(昭)委員
 野生鳥獣肉の放射性物質検査について、検体数が少ないと思うがどうか。また、一定地域に偏らず検体を集める必要があると思うがどうか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 野生鳥獣に関する放射性物質検査の検体数が少なく、地域的に偏っていることは事実である。また、検査に手間と時間がかかっている。現在鳥獣被害対策本部の下部組織として野生鳥獣の利活用に係る検討会を設け、野生鳥獣の利活用について話し合っているが、放射性物質検査の検体数を増やすことや体制整備についても検討しており、具体的に進めていきたい。

須藤(昭)委員
 茨城や栃木では、基準値以下のイノシシについて出荷制限が一部解除されているが、群馬県は全ての野生鳥獣肉の出荷が制限されている。どう考えるか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 出荷一部解除については、国の原子力災害対策本部で一定の制限がある。食肉加工処理施設に入荷したものを全頭検査し、衛生面や放射性物質の基準をクリアしたもののみ、出荷できることになっている。群馬県には食肉加工処理施設がないため、原子力災害対策本部の基準に沿う事例はない。ただし、足を止めているわけにもいかないので、現状を把握するためサンプル数を多くとり、精度の高い公表をしたいと考えている。

須藤(昭)委員
 食肉加工処理施設を整備し、検査をして安全なものを流通させることが最優先課題である。食肉加工処置施設ができないのはなぜか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 他県の事例を聞いた中では、一番厳しいのが経営的な面である。安定的に継続した経営がなかなか難しい。野生鳥獣肉は、入荷や需要のマーケティングが十分でないことがネックと考えている。

須藤(昭)委員
 ビジネスとして難しい部分はあると思うが、鳥獣被害が軽減したと感じられる対策が必要であり、県が緊急的な対策として食肉加工処理施設を整備し、その後は、市町村との連携や指定管理とするなど、やり方はあると思う。今は一歩踏み出すことが求められていると思うがどうか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 食肉加工処理施設について、県がある程度声を出しながら野生鳥獣対策や有効活用を進めるべきと考えている。ただし、継続的なことを考えると、市町村との連携が必要であり、現場で捕獲する自治体や狩猟者の意見も聞かなければならないと思う。研究会で市町村と野生鳥獣の有効活用について話し合っていきたいと思う。

須藤(昭)委員
 他県のイノシシの食肉加工処理施設の資料を見ると、大きな負担はないと思う。農政部として取り組むべきと思うが、部長はどう考えるか。

宮崎部長
 食肉加工処理施設そのものより、その先の事業化が難しい。需要がないから造らないということもないかもしれないが、慎重に考えねばならないと思っている。捕獲した有害鳥獣を有効活用する上で、象徴としては非常に良い取組だと思うが、実態に結びつくか含め検討させてほしい。

須藤(昭)委員
 収支も大事だが、鳥獣被害で県民は困っている。鳥獣被害対策として早急に実施することが大事だと思うがどうか。

宮崎部長
 鳥獣被害は農作物被害だけでなく、気持ち等も含め大変な問題であり、様々な取組をしている。その一つとして有効利用は重要であるが、効果を良く見極めてやる必要がある。食肉加工処理施設については、現段階で検討もなしに取り組むわけにはいかない。また、難しい課題を含んでいると思っている。有効活用の方法の一つに当然なり得るものであるため、しっかり検討したい。

(10)県立日本絹の里について

新井委員
 県立日本絹の里について、資料では、年間利用者数が4万5,296人とあるが、これは1年間に絹の里を訪れた人数という理解で良いか。

岡野絹主監
 絹の里では、展示や体験、展示に関連した講演会やワークショップを行っているが、それらを全て足した合計値となっている。

新井委員
 同じ人が、一日で展示を見て、体験学習をし、企画関連イベントに参加したのであれば、入館者1人とカウントするのが適切だと思う。資料のカウント方法では1人が複数カウントされ、トータルの人数になっていると思うがどうか。

岡野絹主監
 展示については、ほぼ毎年3万人程度、2万数千人から3万人強の間で推移している。施設の目標としては、指定管理者の第三者委員会で、絹の里は展示だけでなく、体験も重要とのことで全てを包括した利用者数で目標を決めることになった。第2回目の指定管理者指定時に、第三者委員会からの指摘を受け、利用者の目標数は全て包括した形で4万5千人と決めたものである。

新井委員
 施設を訪れた実際の人数を把握する必要があると思うがどうか。

岡野絹主監
 次回の第三者委員会で、委員や指定管理者の意見を聞きながら、指摘のことを検討したい。

金子委員
 日本絹の里で「群馬県作家協会展」が開催されたが、経過を教えてほしい。

岡野絹主監
 群馬県作家協会展は、今年4月から5月まで実施した。県内で創作活動をする作家の協力により、絹文化をテーマに絵画や彫刻、工芸等の展覧会を行った。関連行事として、美術工芸の実演や染色の体験等を実施した。作家の技を広く県民に知ってもらう展覧会として、指定管理者の公益財団法人群馬県蚕糸振興協会が企画したものである。

金子委員
 作家協会からのオファーで実施したのではなく、蚕糸振興協会から作家協会に声をかけて開催したのか。

岡野絹主監
 企画展示スペースの展示については、指定管理者が企画した色々なテーマに基づいて行われ、今回は作家協会に依頼し、協力を得て展示した。

金子委員
 企画展示室の貸出をPRし、利用してもらうことが、公共施設の有効活用や集客につながると思うが、企画展示室の利用料金はどうか。また貸出の実績はどうか。

岡野絹主監
 企画展示室の貸出は、「群馬県立日本絹の里の設置及び管理に関する条例」により定められ、1日当たり5,200円となっている。過去の事例では、「群馬の絹」活性化研究会が、群馬の絹展を約1週間企画展示室で展示した。

(11)ぐんま・すき焼きアクションについて

新井委員
 すき焼きについて、「すき焼き応援県」を宣言し、「すき焼きの日」を制定したが、これまでの取組やその成果及び課題はどうか。

真下ぐんまブランド推進課長
 「すき焼き応援県」を宣言して3年目、「すき焼きの日」を制定して2年目である。当初は認知度が低く、なぜすき焼きと受け止める人もいたが、群馬県では素材が全て賄え、良い物があるというのがポイントである。群馬県としては、おもてなし料理としてすき焼きを考えている。また、肉の消費拡大につながる取組である。すき焼きアクションに賛同してもらった関係者や企業は約200程度あり、すき焼きを盛り上げるためのミーティングを年3回開催し、すき焼きの素材販売にプレゼントをつけるキャンペーンや「すき焼きの日」のPR、すき焼きマップ作成などの取組をしている。県の取組以外に独自商品の開発などの取組も出てきており、徐々に動き始めていると感じている。また、今年度は、すき焼き弁当コンテストを実施し、すき焼きの日に合わせて表彰する取組を考えている。

新井委員
 すき焼きの取組は、長く続けていかなければ、ブランド力がついてこないと思うがどうか。

真下ぐんまブランド推進課長
 一朝一夕にはブランド化は成し遂げられないと思っている。ブランドは消費者が決めるものと考えている。少しずつ輪が広がり、人と人が繋がって盛り上げるような取組を、時間をかけて地道に続けていきたい。

(12)県農畜産物「統一ロゴマーク」について

星名委員
 ぐんまちゃんを活用した県農畜産物「統一ロゴマーク」について、群馬県の農畜産物のロゴマークということを浸透させ、県外でも分かるようにしてもらいたいがどうか。

真下ぐんまブランド推進課長
 ロゴマークを作成する時に、ぐんまちゃんを使用することは基本にあった。ぐんまちゃんは人気があるため、一目で群馬と分かるようにしたい。今後の活用が重要であり、協議会をつくり、活用法を考えていきたい。関係者とコンセンサスを得ながら、最も有効に活用できる方法を吟味しながら取組を進めていきたい。

金子委員
 群馬のローマ字表記には「GUNMA」と「GUMMA」がある。統一ロゴマークに記載されているが、県としては「GUNMA」で統一しているということでよいか。

宮崎農政部長
 「M」を使っているところもあるので間違いではないが、県が使う場合は「N」を使っている。

井田(泰)委員
 統一ロゴマークが粗悪な農産物に利用されると、かえってイメージダウンになる懸念がある。利用する場合の要件があるのか。

真下ぐんまブランド推進課長
 多くの人が使いやすい形にしたいと考えているが、オール群馬になるので、粗悪な農産物が出ると県全体に影響が出るリスクがある。クオリティを守ってもらうために、ロゴマークを使用する際は、信頼してもらうための責任が発生するという意識を持つよう伝えたいと考えている。

(13)馬事公苑について

星名委員
 馬事公苑の施設利用について、目標利用者数が1万2千900人とあるが、どのような目標か。

小茂田畜産課長
 この目標利用者数は、馬事公苑の有料利用者数の目標である。1万2千900人中には通常乗馬8,500の目標も含まれた数字となっている。

(14)畜産のチェックオフ制度について

星名委員
 日本養豚協会が国にチェックオフ制度の導入を求めたと聞いたが、県は把握しているか。

小茂田畜産課長
 チェックオフ制度は、国のTPP対策大綱の中で今後検討を進める項目になっている。この制度は農畜産物の生産者が出荷時、輸入業者が輸入時に一定の拠出金を徴収し、生産者が消費拡大や研究等に使うものである。諸外国では法律に基づいて決められて、一定の額を徴収することになっている。日本養豚協会が養豚チェックオフ制度の法制化を農林水産大臣に要請した内容は、日本のチェックオフ制度はと場への出荷段階で一律50円を徴収するというものであり、国産豚肉の消費拡大や防疫対策、養豚の研究、セミナーの開催を行うとしている。また、制度が定着するまでの間、国から同額の拠出を要請している。現時点では、国で内容が定まっていないので、県としては、情報収集した上で、検討を進めたいと考えている。

星名委員
 チェックオフ制度について、情報を把握し、良く考えておいてほしいがどうか。

小茂田畜産課長
 日本でチェックオフ制度に似たものでは、法律には基づいていないが、生乳生産者団体に出荷している者が4銭を納め、その拠出金が消費拡大や牛乳の正しい理解の普及に使われている。豚についても生産者が拠出金を出し合いながら、畜産振興に努めることは重要であると考えている。

(15)集落営農の取組について

伊藤(祐)委員
 集落営農について、集落ぐるみで取り組んでいる福井県勝山市と滋賀県甲賀市の事例を視察したが、群馬県も参考にできると思う。県は「ぐんま型集落営農」の取組を強化するとしているが、「ぐんま型集落営農」の取組はどうか。

田島担い手対策主監
 集落営農は、国の政策に基づいて組織を作り、法人化した。「ぐんま型集落営農」は、米麦に加え、収益性の高い野菜の導入などを各集落営農組織に定着させ、組織の経営体質強化をより一層進めるものである。

伊藤(祐)委員
 中山間地域では、集落全体が加入する営農組織を作り、農地を集積しないと、発展が難しいと思うがどうか。

田島担い手対策主監
 中山間地域等では、「人・農地プラン」の作成において、地域の農業を5年後、10年後地域としてどうしていくのか話し合いを進めている。その中で、集落営農を作らねばならない危機感を地域が共通認識として持ってもらえればと思う。中山間地域には、おいしい米やブランドのそばなど地域の特産物があるので、それを核に上手く取り組んでいければと思う。

伊藤(祐)委員
 集落営農組織にはリーダーがいることが大きいと思う。人材づくりが求められていると思うが、どのように進めていくのか。

田島担い手対策主監
 昨年集落営農組織にアンケート調査をしたところ、法人運営の後継者の確保や組織運営等に支援を望むとの回答が多くあったため、今年度、リーダー研修を行うことを考えている。組織の人材育成やマネジメントできる人材を育てるため、座学だけでなく、共通テーマによる意見交換等を行う研修を計画している。

伊藤(祐)委員
 集落営農組織と県との信頼関係を高めるためには、職員が何度も出向いて議論するなどの努力が必要と思うが、県の人員体制については、どのように考えているのか。

今井技術支援課長
 職員が農家に何回も出向き信頼関係を構築しないと本当の情報交換はできないと感じている。それには手間暇や時間がかかる。普及指導員については、一時期よりは減少したが、最近7年間、人数は維持されている。必要な人数は確保し、農家に直接出向いて支援する体制となっている。

澁谷副部長
 普及指導員の仕事は汗をかく仕事である。使命感を持って現場で取組を進めること、農家に出向いて膝をつき合わせて色々な話をしながら地域の問題を解決することが大事だと思う。農政の課題は人と農地の問題であるが、全普及指導員が意識を持って地域に入り、課題解決に取り組んでもらいたい。しっかりと取り組んでいきたい。

(16)TPPの本県農業に対する影響について

伊藤(祐)委員
 TPPに関して、輸入米のSBS価格が偽装されていた事実が発覚した。誤った前提に基づく政府試算は撤回し、それに基づく県の試算も撤回して、改めてTPPの影響を試算し対応を考えなければならないと思うがどうか。

高橋農政課長
 SBSの偽装の問題は、現在国が調査をしている。それに伴う米価への影響も現段階では影響はないとしている。県では、国の試算に準じて本県農業への影響額を試算したところ、生産額が最大で約47億円減少する結果になった。この試算は前提条件によってかなり結果が異なってくる。参加国の農業生産や国内対策の実効性、産地の動向など様々な要因があり、本県農業への影響を今の段階で見極めることは厳しいと考えている。

(17)農地中間管理事業について

井田(泰)委員
 群馬県農業公社の農地中間管理事業について、平成27年度の事業報告を見ると、市町村により取組にバラツキがある。また突出して取り組みが多い地域もあるが、どのように分析しているか。

小林農業構造政策課長
 平成27年度は26年の大雪の復旧作業が優先され、市町村のマンパワーが割かれてしまった。前橋市と明和町で事業が進んでいるが、前橋市は農地のマッチングを中間管理事業が始まる前から行っていたことから、事業が始まって2年目に実績を出すことができた。また、明和町は職員が事業に積極的で、土地改良の多面的機能支払のベースがあったため、事業を推進することができた。

井田(泰)委員
 平成28年度はどのように取り組んでいるのか。

小林農業構造政策課長
 集積が見込める、あるいは近い将来見込めるエリアを重点区域等に指定し、重点的に対応することで対策の実績を伸ばすこととしている。また、県としては、「人・農地」政策推進会議を県域及び農業事務所に設置し、県や市町村、JA、関係機関、各農業委員会をメンバーとして、共通認識の下にこの事業を推進していこうと考えている。7月には意識醸成を図るため、農家や農業委員会、市町村が集まって、前橋市で推進大会を開催した。その他、農地中間管理機構の嘱託職員を農業事務所に配置したり、農業委員会に設置される最適化推進員との連携等、様々な手を打っている。

井田(泰)委員
 平成28年度は1,500ヘクタールを貸し付ける目標とあるが、現在の状況はどうか。

小林農業構造政策課長
 8月末時点で210ヘクタールになっている。

(18)農林大学校のコース新設について

井田(泰)委員
 農林大学校農林業ビジネス学科の「農と食のビジネスコース」について、詳細を教えてほしい。

樋口農林大学校長
 来年度新たに設ける「農と食のビジネスコース」は、現在の「農業コース」を改組するもので、大きな変更点は、新たに6次産業化に対応したカリキュラムを導入したこと。また、実習・演習の比率を高め、実践力の養成に重点におくことである。教育内容は「農産加工流通専攻」と「地域営農専攻」の2つの専攻を設ける予定である。「農産加工流通専攻」では消費者ニーズの把握から商品の企画、加工、販売、PRまで商品開発の一連の過程を実習・演習を通じて深く学ぶ内容であり、「地域営農専攻」は、作物栽培の実自習と農業機械の演習等により、農業分野で即戦力として活躍できる人材を育成する内容となっている。

(19)「高校生×(かける)県議会」における高校生からの提言について

井田(泰)委員
 8月に高校生と県議会で「高校生×(かける)県議会議員」という意見交換会を開催し、高校生から議会に提言をもらった。農業に関しては、県内農業に関する科がある公立高校8校が合同して文化祭をして、それぞれの学校の特色のあることをPRしたいということであった。農業に熱い思いを持った高校生を応援するためにも、農政関係のイベントでブースを設けたらどうかと思うが、考えはどうか。

澁谷副部長
 各高校で地域を元気にしようという農業の取り組みが行われており、高校生の意欲が高まっている。文化祭等を通じて若者が交流し、色々な発表の場を設けて地域の活性化に取り組む農業の重要性をPRすることは大事だと思う。昨年学校農業クラブの全国大会がグリーンドームで開催されたが、非常に立派な大会で感動した。高校生の若い感覚を取り入れ、地域の人たちと一緒に取り組むことで、地域も農業も元気になる。教育委員会では農業、工業、商業の実業高校の文化祭的な発表する場である産業教育フェアを毎年開催しているが、農政部としても教育委員会と連携しながら、高校生が発表や活躍する場を設けるなど協力していきたい。

(20)榛名酪連の火災について

高橋副委員長
 榛名酪連で火災があり、先週の金曜日(9月30日)に学校牛乳の供給ができなくなる影響があった。県は情報をどのように把握したのか。

小茂田畜産課長
 榛名酪連から学校牛乳を供給している関係で学校牛乳協会に連絡が入り、そこから県に状況説明があった。午前中に連絡があり、教育委員会に学校給食への供給状況を説明した。学校牛乳は、月曜日(10月3日)には、ほかの業者から供給できるという報告を受けた。

(21)農業用ハウス耐雪補強工事に対する補助制度について

高橋副委員長
 第2回定例会において、農業用ハウスの補強に関する請願を採択したが、対応はどうか。

小林農業構造政策課長
 請願の対応については、県単事業のはばたけ「ぐんまの担い手」支援事業で、産地における自然災害リスクに対応するための取組を支援することとした。具体的には、地域の農業者が協力してパイプハウス等の農業用施設の強化に関する実証や研究等に取り組む場合、25万円を限度に必要な資材の購入費用等の半分を県で支援するものである。現在降雪に備えて、要望を取りまとめ、要望に基づいたヒアリングをすべく準備している。

(22)ニホンザル及びツキノワグマの適正管理計画について

須藤(昭)委員
 ニホンザルやツキノワグマの適正管理計画は、第12次群馬県鳥獣保護管理事業計画の下位の計画ということであるが、上位計画に縛られることはないという理解で良いか。

曲沢鳥獣被害対策支援センター所長
 上位計画では、特に被害が多い獣種について、適正管理計画を作成することとするなど、おおまかな方針を示すものである。実際の対策等については適正管理計画に記載することになり、上位計画には縛られない。

須藤(昭)委員
 ツキノワグマ適正管理計画の下位計画の地域計画と適正管理計画との整合性はどうか。

曲沢鳥獣被害対策支援センター所長
 適正管理計画は5年間であるが、地域計画は毎年実施方針等を検討会議で検討している。今回、クマの適正管理計画を策定するにあたり、地域計画の策定指針を定めるよう準備を進めている。地域計画の策定指針に基づき、各地域計画は今後見直しの検討をしていくことになる。

須藤(昭)委員
 ツキノワグマの地域計画があるのは桐生・みどり地域だけであり、他の市町村には地域計画がないが、どう考えているのか。

曲沢鳥獣被害対策支援センター所長
 クマは、生息地である山の中で駆除するので有害鳥獣駆除としては認めていない状況にある。ただし、桐生・みどり地域はクマ剥ぎの林業被害が特に激しいため、地域計画を立てることでクマの個体数調整での有害捕獲を認めることになった。ほかの市町村については、地域計画を立ててクマを捕獲するまでにはなっていないということである。

須藤(昭)委員
 先日委員会でみどり市のクマ剥ぎの状況を見てもらったが、ごく一部である。クマ剥ぎの被害状況は、どのようにカウントされているのか。

曲沢鳥獣被害対策支援センター所長
 クマ剥ぎの被害は毎年あり、1年前、2年前の被害が残っていて、その年の被害はその場で実際に見ないと確認できない。そのため、クマ剥ぎの被害は全部カウントできない。また、森林の奥にも被害があり、被害があっても分からないものが多々ある。林業サイドになると思うが、被害の把握については、特に桐生、みどり地域においては地域計画を見直す中でモニタリングし、被害調査を確実にしていかなければならないと考える。


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