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文教警察常任委員会(教育委員会関係) 平成27年3月4日(水曜日)

1.開催日時

平成27年3月4日(水曜日)10時開始 15時46分終了

2.開催場所

 302委員会室

3.出席委員

委員長:星名建市、副委員長:安孫子哲
委員:中村紀雄、委員:岩井均、委員:塚原仁、委員:あべともよ、委員:岸善一郎、委員:吉山勇、委員:高橋正

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)群馬県いじめ問題等対策委員会(第13号議案)について

中村委員
 委員はどういう人を選任することとなるのか。

関総務課長
 委員は教育委員会が委嘱することとなる。条例では、法律、医療、心理、福祉、教育等の専門知識を有する者の中から選任することとしているが、他にいじめ問題に識見のある人なども含め、重大事態が発生した際に公正中立な立場に立てる人を選任したいと考えている。

中村委員
 教育への信頼回復のため、県民から信頼される人を選任すべきと考えるかどうか。

関総務課長
 ご指摘のとおりであり、いじめられる側の気持ちに立っていじめ問題を解決できる人を選任すべきと考えている。

岩井委員
 再調査委員会はいじめ問題等対策委員会の調査結果に疑義があるときに調査を行うのか。

関総務課長
 法律上、いじめの重大事態があった場合に教育委員会の附属機関で調査し、その結果を知事に報告することとなっているが、その報告を受けて知事が必要と判断した場合に再調査委員会が調査することとなる。

岩井委員
 対策委員は、保護者から事情聴取を行ったり、子供が書いた作文等の資料を確認するというような調査を行うのか。

関総務課長
 条例の第9条で、「学校や関係者に対して資料の提出を求めたり、意見の聴取を行うことができる」としている。

岩井委員
 調査に際し資料提出を拒否されないような制度上の担保はあるのか。

関総務課長
 制度上はない。

岩井委員
 資料提出を拒否されたような場合、対策委員会の調査は意味がないものとならないか。

関総務課長
 重大事態が発生した際、初期対応として学校が調査する時に、必要な資料収集や関係者からの意見聴取は行うこととなるが、対策委員会においては第三者委員会として学校が収集した資料等を学校とは違った視点で見ることに意義があると考えている。

岩井委員
 委員に守秘義務違反に対する罰則規定がないが問題はないか。

関総務課長
 委員に守秘義務があることも踏まえて、信用できる人を選任したいと考えている。

岩井委員
 平成27年4月1日に設置されるが、それ以前にいじめがあったことが発覚した場合も調査を行えるのか。

関総務課長
 現在は重大事態は発生していないと認識しているが、仮に現時点で表に出ていないような重大事態があり、4月1日以降に発覚した場合には対策委員会で調査することもあり得る。

あべ委員
 これまでも群馬県公立学校いじめ問題等調査委員会があったが、今回設置する対策委員会は何が違うのか。

関総務課長
 現在の群馬県公立学校いじめ問題等調査委員会は、要領により設置した任意機関であったが、今回設置する対策委員会は、いじめ防止対策推進法に基づき条例で設置する附属機関であり、設置後は条例を根拠に資料提出等を求めて調査を行うことができることとなる。

あべ委員
 現在、委員の選任についてはどのような状況か。

関総務課長
 現在のいじめ問題等調査委員会において5人の委員を選任しており、それぞれ専門的知識やいじめに対する識見も申し分ないが、新たに設置する対策委員会の委員として選任するかどうかは、現在のところ未定である。

あべ委員
 保護者や当事者が直接、いじめ問題等対策委員会に調査を依頼できるのか。

関総務課長
 直接、対策委員会がいじめの相談窓口となったり、保護者等から調査の依頼を受けたりする制度とはなっていない。

萩本教育次長
 事案発生時は一義的には学校が調査することとなり、調査結果に基づき重大事態かどうかを教育委員会が判断する必要がある。その上で、保護者からの訴え等も勘案し必要と判断したときに対策委員会に調査依頼することとなる。学校や教育委員会は、いつでも対策委員会で調査してほしいという保護者の要望は受けることとなる。

あべ委員
 条例改正すれば直接申し立てできるようになるのか。

関総務課長
 対策委員会は、教育委員会の附属機関として設置されるため、直接、保護者等の対応をすることは難しい。

あべ委員
 再調査委員会についてはどうか。

関総務課長
 再調査委員会においては、対策委員会の調査結果を再調査するだけでなく、教育委員会の調査と並行して調査を行うこともできることとなっている。

あべ委員
 保護者や関係者に対策委員会の設置を周知する必要があると思うがどうか。

関総務課長
 しっかり周知していきたい。

(2)「偲ぶ毛の国」群馬の魅力発掘・発信(第1号議案)について

中村委員
 事業には、金井東裏遺跡のように埋もれた文化財を事前に調査、分析するような事項は含まれているのか。

洞口文化財保護課長
 地下の遺跡は他の指定文化財とは異なる「埋蔵文化財」として区分されており、埋蔵文化財の分布調査は文化財保護の通常業務であって「偲ぶ毛の国」の事業には含めていない。

(3)新年度予算(第1号議案)について

あべ委員
 新年度予算に関して、教育委員長としての思いはどうか。

坂本教育委員長
 教育という面から、子どもたちが明るく充実した気持ちで自分の夢を追いかけられるような学校生活を送れるようにと思っている。また、大人も含め県民一人ひとりが、生涯、生き生きと学んでいこうと思って生活できるよう予算執行してほしいと考えている。

あべ委員
 教育委員会予算は人件費割合が高く、職員の能力を最大限発揮してほしいと思うがどうか。

吉野教育長
 人件費が予算の9パーセントを占めており、子どもたちが夢や希望を持てるよう、一人ひとりがそれに見合う働きをすることが大事である。その上で、全職種の人が能力を最大限発揮し、やりがいをもって働けるよう、励ましや声かけ等も行っていきたい。

あべ委員
 教職員の多忙感解消のための環境づくりが大事であるが、新たな取組はあるのか。

吉野教育長
 学校、家庭、地域それぞれに、本来果たすべき役割があるが、現在その多くを学校が担っている状況であるため、役割を整理し学校教育の一層の充実を図ることを目的とした検討会議を近日中に開催する予定である。

(4)キャリア教育推進(第72号議案)について

あべ委員
 キャリア教育推進の内容はどのようなものか。

鵜生川高校教育課長
 新規のキャリア教育サポート事業では、生徒を対象にマナーや心構えなどに関する講義等を実施するほか、教員を対象にキャリア教育の全国的な流れや最新情報を周知する講演会等を実施する。また、本年度から実施している「普通科高校等インターンシップ推進」では、対象生徒を1,420人に拡充する。

野村義務教育課長
 学校・家庭・地域が連携し、指定された4つの中学校区にある小学校・中学校においてキャリア教育のモデルをつくり、全県に向けて周知する予定であるが、この事業は28年度まで3年間実施する。

宮内総合教育センター所長
 中学・高校の「新任進路指導主事」などの若手教員を対象とした研修講座を開設し、キャリア教育の基本的な考え方や体系的な実践推進の方法などについての理解を深め、教員の資質向上が図れるよう努めている。

あべ委員
 これまでのキャリア教育の課題解決のため今後どのように取り組むのか。

鵜生川高校教育課長
 「インターンシップ・キックオフ講座」では、より実態に即した内容の講義等を行い、生徒が円滑に職場体験を受けられるようにするほか、「普通科高校等インターンシップ推進」は、高校時代の職業体験によって就職への意識向上を図るものである。

野村義務教育課長
 小学校では、子どもたちが夢や希望をもてるよう各教科等の指導をキャリア教育の視点で捉えなおし指導を充実していくほか、中学校では、全学校で実施している職場体験学習を充実させることができるよう、受入れ企業を増やすなど地域を巻き込んだ教育を推進していく。

宮内総合教育センター所長
 単なる進路選択の指導ではなく、社会的・職業的に自立するために必要な基礎的な能力をどのように養うかの指導の在り方について、研修を深めていく必要があると考えている。

あべ委員
 労働者の権利を守る方法について、キャリア教育で取り上げることはどうか。

鵜生川高校教育課長
 教科での取組のほか、実際の現場の話を聞くことも重要であり、関係機関等と連携した取組を進めていきたい。

(5)特別支援学校職業自立推進事業(第1号議案)について

あべ委員
 これまでの事業内容、評価はどうか。

須藤特別支援教育室長
 平成25年度の県内国公私立特別支援学校の一般就労率は38.7パーセントで全国3位とよい結果であった。これを踏まえ、就労支援員の増員や、高等部1年生を対象に進路ガイダンスを開催することで、早い段階から就労の意識付けを行うほか、企業の方が学校を訪問し生徒の実情を見てもらう機会を増やしたり、卒業後のフォロー体制を整えるなど、今までの取組をより充実させたものとなっている。

(6)定数条例(第45号議案)について

あべ委員
 教職員定数の増減に対し、実際の教職員配置はどのように行っているのか。

松本学校人事課長
 学級数により各学校の定数が決まるが、退職等による不足分は、原則、新採用で補充し、欠員については臨時的任用教職員で埋めることになる。県全体として不合理がないよう配慮している。

あべ委員
 臨時的任用教職員の処遇等についてはどのように考えているか。

松本学校人事課長
 臨時的任用教職員は大切な存在であると考えており、今後も正規教職員と同様、働きやすい環境を整備していきたいと考えている。

(7)管理職手当の見直し(第46号議案)について

あべ委員
 特に中心的な役割を果たす学校及び極めて困難な課題を抱える学校とはどのようなものか。

松本学校人事課長
 本議案は、昨年、国で行われた義務教育費国庫負担金に関する見直しに対応し、校長の管理職手当を3区分から4区分に改めようとするものであり、例えば学校規模や生徒指導等の困難さ、各種団体との関連性など、いろいろな見方が考えられる。

あべ委員
 判断基準はどのようになっているのか。

松本学校人事課長
 現行の3区分は学校規模を基本としており、新たに4区分とした場合でも基本的には同じであろうと思われる。来年度の状況は未定であり、新基準等については、今後、検討していきたい。

(8)桐生市立新里東小学校女子児童の自死に係る損害賠償請求訴訟について

中村委員
 和解は一つの解決方法だが本質的な解決ではなく、事件を反省材料とすべきと考えるがどうか。

野村義務教育課長
 裁判で指摘された安全配慮義務と調査報告義務については検証した上で、全市町村教育委員会の担当者や小中学校長に対して資料配付し説明したところである。

(9)川崎市における中1生徒の殺人事件について

中村委員
 本県で類似事件が起きないよう検討したり、各教委と連携すべきだと思うがどうか。

野村義務教育課長
 事件を受け、各市町村教育委員会あてに通知を発出し、学年末で心が不安定になっている児童生徒の把握や、現在不登校になっている児童生徒をケアするよう依頼した。

中村委員
 全国的に小学生の暴力行為が多発していると聞くが、本県の状況はどうか。

野村義務教育課長
 本県において、平成25年度に発生した対教師暴力、生徒間暴力、器物損壊等の暴力行為は34件であり、前年度に比べ20件減少している。

(10)「教育県群馬」に向けた理念について

中村委員
 子どもたちに誇りを持たせるためには、教育委員会や教員自身が誇りや決意を持つことが必要だと考えるがどうか。

吉野教育長
 「教育県群馬」の理念として、誰に対しても恥ずかしくない生き様ができる人間を育成していかなければならないと考える。誠実に真摯に取り組むことを低学年から身に付けさせ、実際に人に対してきちんと接することで子どもたち自身が磨かれ、それが相手にも伝わっていく。人間性を磨く手立てを大人が考え、大人も自分自身をどう磨くかを考えることがポイントである。

(11)郷土の先人について学ぶことの重要性について

中村委員
 道徳が教科化となるが、郷土の先人について子どもたちに地道に教えていくことが大切だと思うがどうか。

坂本教育委員長
 各学校で学校経営していく中、先人に学び人間としてのあるべき姿を子どもたちに教えていくことは大切であると考えている。

(12)学校と警察との連携について

岩井委員
 学校・警察児童生徒健全育成推進制度の概要はどうか。

野村義務教育課長
 学校と警察が、児童生徒の非行及び犯罪被害の防止に関し、一体となって対応することを目的に、平成16年度に教育委員会と警察の間で協定を結び、現在も運用している制度である。また、各市町村教育委員会でも所轄の警察署と協定を結んでいる。

岩井委員
 本制度が機能している事例はどのようなものがあるか。

野村義務教育課長
 学校から警察への情報提供で改善した事例では、暴力行為を起こした小学生を児童養護施設につなげたり、暴走族に加入していた中学生を脱退させたケースがある。逆の事例としては、近隣で発生した殺人・強盗事件に対し、的確な下校指導等ができたケースなどがある。

鵜生川高校教育課長
 各高校の生徒指導主事が所轄警察署を定期的に訪れ、「顔の見える関係」を構築しており、近年、増加傾向にある女子生徒へのわいせつ事案等について速やかな連絡が行われているほか、校内での盗難事件や暴走族の対応等に協力してもらうこともある。

(13)家庭教育支援について

岩井委員
 家庭教育に係る取組の現状はどうか。

下田生涯学習課長
 実施事業として家庭教育応援企業登録制度があり、登録企業の子育て研修等に講師を派遣しているほか、「家庭教育電話相談よい子のダイヤル」や生涯学習センターでの指導者養成講座を実施した。また、県PTA連合会と連携し、実践目標の一つに「家族のふれあい」を取り上げてもらった。

野村義務教育課長
 保育者向けの「はぐくみガイド」を配布し、家庭における子育ての充実と豊かな親子関係づくり支援をできるようしたり、4・5歳児の保護者向けの「めぶき」を作成し、子育ての際のポイントがわかるようしたりしている。また、小学校入学時に「ぐんまの子どものためのルールブック50」を各家庭に配布したり、小学校5年生の家庭に人権教育啓発資料を配布したりしている。

宮内総合教育センター所長
 家庭教育の充実支援として、保育者が集まる会などへの保育アドバイザーの派遣や、「子育て支援者のための研修会」、「子育て・発達相談」などを行っている。

岩井委員
 「家庭教育応援企業登録制度」予算について、もう少し踏み込む必要があると思うがどうか。

下田生涯学習課長
 予算額は講師派遣料である。今年度は、病院での看護師等の研修会に講師を派遣し、スマートフォンの使い方等について講演を行ったが、今後は新企業認証制度の中で家庭教育推進の項目を取り入れたため、制度の普及が進めば講師派遣の依頼が増えると見込まれる。

岩井委員
 家庭教育支援条例の制定意義や議会による条例化推進について考えはどうか。

下田生涯学習課長
 当該条例は、熊本県、鹿児島県、静岡県で制定されているが、より効果的な条例とするためには、どの程度の文言を盛り込み、実行計画とあわせてどのように体系化していくかの検討が必要であると思っている。

岩井委員
 教育委員会として、家庭教育支援条例を提案することについての考えはどうか。

下田生涯学習課長
 教育基本法では、「地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」とされており、家庭教育について、しつけ等の問題に行政がどこまで踏み込めるのか、また、条例化した場合の実効性をどう確保していくのかが課題であると考えている。

岩井委員
 家庭教育支援条例制定により動きやすくなる面もあると思うがどうか。

吉野教育長
 条例制定は様々な選択肢の中の一つであるが、家庭教育を支援する手立てについては、他にも宣言やアピール等の方法もあるため、先進事例等を参考に、より効果的な方法を検討していく必要があると考えている。

(14)教員採用について

岩井委員
 教員の大量退職を受け、教員確保ための採用試験志願者増加の工夫は考えているのか。

松本学校人事課長
 現在、採用試験では、受験年齢は39歳以下を条件としているが、これを引き上げることを志願者増加策として検討しているほか、様々な特別選考を行っている一つとしてスポーツの得意な者が受験できるような特別選考を実施し、多様な人材を確保したいと考えている。

岩井委員
 教育学部卒業生の志願者を増やす工夫についてはどうか。

松本学校人事課長
 いくつかの教育学部のある大学には、例年、採用担当者が訪問して本県の採用試験のPRに努めている。なお、教育学部卒業生の一定割合の者が教員になっていないという現状も認識している。

岩井委員
 何らかのメリットがないと教員になろうという者が増えないのではないか。

松本学校人事課長
 年齢制限の緩和で、子育てなどを理由に一度辞めた人や長く臨時教員をしている人なども受験できるようになり、志願者増加に一定の効果はあると考えているが、様々なアプローチが必要であることも事実であり工夫していきたい。

岩井委員
 スポーツ特別選考では一定の知識、経験等の資質がある者を前提に選考すべきではないか。

松本学校人事課長
 他の特別選考と同様、一定の試験を免除したいと考えているが、採用したいのは優秀な教員であり、教員としての資質を持っていることは担保したい。

(15)教員の不祥事と再発防止の取組について

岩井委員
 本年度の教職員に対する懲戒処分の現状はどうか。

松本学校人事課長
 本年度では、現在、7件7名の懲戒処分を行ったが、内訳は、免職2件、停職3件、戒告2件である。

岩井委員
 再発防止への取組についてはどうか。

松本学校人事課長
 市町村教委や各校長会とも連携し、各種研修会での指導や通知の発出、各学校への注意喚起等に取り組んできた。また、教職員の服務規律確保に対する自覚を促すため「規律確保行動計画」を立てて取り組んでいるほか、行動計画の検証として自己評価シート等を活用し、次年度へ向けた取組の評価を行っている。

(16)高校教育改革等について

塚原委員
 公立高校の志願状況等の表における学校の順番はどのように定めているのか。

鵜生川高校教育課長
 学習指導要領で示されている教科順を踏まえ、普通科、総合学科、農業科、工業科、商業科の順としており、これに基づき各校に学校番号が付き様々な場面で多用している。順番を変えるとこの番号にも影響して混乱が生じるため、できるだけ変更しないことが望ましい。

塚原委員
 定員割れをしている学校について、どのような取組をしているのか。

鵜生川高校教育課長
 山間部の小規模校では、地域との連携強化を図り連携型中高一貫教育を推進したり県研究指定校の取組を進めている。尾瀬高校や万場高校等では高校教育改革推進計画に基づき来年度入学者選抜から1学級定員の引下げを行うこととした。館林・邑楽地区では、公私立高校9校のリーフレット作成で広報活動を充実させたり、中学校との連携強化を図るなどしている。

塚原委員
 県外から県内、県内から県外へ通学している生徒はどれくらいいるのか。

鵜生川高校教育課長
 公立高校では隣接県協定により、埼玉県や栃木県にそれぞれ入学できるのは10パーセント以内と定めているが、私立高校にはそのような制限はない。本年度入学者選抜で、公私合わせ隣接3県(栃木県、埼玉県、茨城県)から本県への流入は302人、流出は964人であった。

塚原委員
 東毛地区における進学の状況と、魅力ある高校づくりについてはどうか。

鵜生川高校教育課長
 栃木県や埼玉県に大学の附属高校等の大規模私立高校があるため、他地区に比べて県外への進学者が多い状況にある。高校の魅力づくりに関しては、今後とも各学校の取組を指導・支援するなど、地域や学校の実態に応じたより良い教育環境づくりに努めていきたい。

塚原委員
 平成30年度以降の生徒数急減期への対応はどうか。

鵜生川高校教育課長
 中学校卒業者数の著しい減少が見込まれる富岡・甘楽地区、吾妻地区及び桐生・みどり地区の再編整備を推進しており、富岡・甘楽地区と吾妻地区では、本年6月に再編整備計画を策定し、桐生・みどり地区でも33年度までに公立高校を7校から5校に再編する方向性について地元関係者の了承を得たところである。

(17)命を大切にする授業について

塚原委員
 命の大切さを子どもたちに理解してもらう取組についてはどうか。

野村義務教育課長
 学校では、道徳教育や人権教育を中心に指導したり、総合的な学習の時間等を使った体験的な学習や社会奉仕活動等も行っている。道徳の時間では、読み物資料を中心に友達の考えに触れて自分や友達の考えを大切にしていくことに取り組んだり、人権週間に命の大切さについての講話をしたりしている。

鵜生川高校教育課長
 高校では「道徳教育の全体計画」を作成し、全ての教育活動において道徳教育を実践することとしているほか、家庭科や保健の授業を中心に命の尊さや素晴らしさ、生まれてくる命に対する責任等を教えている。また、児童生徒主体のいじめ防止活動を推進することで、他人の痛みを理解し、命を大切にする心を持った生徒の育成に努めている。

塚原委員
 来年度に向けた新たな取組はどうか。

野村義務教育課長
 新たに道徳教育の指定校を指定し、より良い道徳教育が進められるようしている。また、国で「わたしたちの道徳」という資料を作っているが、その活用がまだまだ十分でないため、活用方法について協議会等で話をしていきたい。

鵜生川高校教育課長
 平成25・26年度の伊勢崎清明高校に続き、来年度は渋川青翠高校が道徳教育指定校となるが、これらの取組成果を全県で共有していきたい。

塚原委員
 教育委員会が窓口になり助産師会主催の生命を育む講座を体系的に行うことはできないか。

野村義務教育課長
 保健予防課の実施事業で、実際に学校へ妊婦を呼び胎児の心音を聞かせたり、生まれてくる様子を模型で示したりして命の大切さを教えている。今年度は小学校・特別支援学校60校、中学・高校で10校分の予算をとり実施してもらっており、応援したいと思っている。

(18)大学入試改革について

塚原委員
 2020年実施の新大学入学試験について何か対策はしているか。

鵜生川高校教育課長
 授業を大きく変えようと考え、各校で授業改善に取り組んでいる。特に、昨年度から推進しているステップアップサポート事業を来年度から全校で実施予定であるが、これはグループワーク等の中でコミュニケーションを大切にしながら、生徒が主体的・協働的に課題を解決していこうとする授業づくりの取組であり、「大学入学希望者学力評価テスト」が求めている思考力や判断力などにも対応するものである。

塚原委員
 再来年には体制が確立すると考えてよいのか。

鵜生川高校教育課長
 この学習を通して、社会人になった時にも必要な課題解決力等の能力が得られるため、取組が県下全体へ浸透するには時間がかかるが、粘り強く取り組んで2020年には結果を出せるようにしたいと考えている。

(19)上野国分寺跡整備事業について

岸委員
 発掘調査の予定や金井東裏遺跡事業と比べた予算の状況はどうか。

洞口文化財保護課長
 上野国分寺跡では、よりリアルな国分寺像が描けるよう28年度まで調査を進め、29年度に報告書作成作業を行う。発掘調査は県直営で行っており、県埋蔵文化財調査事業団に委託実施している金井東裏遺跡甲着装人骨等の調査とは事業形態が異なり経費の比較はできない。

岸委員
 西毛広域幹線道路との関係はどうか。

洞口文化財保護課長
 西毛広域幹線道路と国分寺を結ぶ橋や道路ができており、公園としては未完成ではあるが地元の国分寺祭りと連携するなどして活用に努めていきたい。

(20)児童生徒を危険な状況から守る体制について

吉山委員
 現在、不登校になっている児童生徒で連絡がとれないケースはあるのか。

野村義務教育課長
 小中学校においては連絡がとれないケースはない。

吉山委員
 連絡がとれない場合にはどのように対応するのか。

野村義務教育課長
 本人に会えない場合には、担任だけではなく、スクールカウンセラーや生徒指導担当教員、相談員などでチームを組んで粘り強く対応し、親にも会えない場合は、民生児童委員や児童相談所と連携しながら対応していく。

吉山委員
 会えない状況では、学校・警察児童生徒健全育成推進制度を活用して連携できないか。

野村義務教育課長
 犯罪が絡む場合や遊び非行型の場合では警察等に協力を得る。暴走族やチームに入っている場合については、警察や少年育成センターに協力を得て対応する。

(21)吉岡の誘拐未遂事件に係るスーパーバイザー等の対応について

高橋委員
 スーパーバイザーは各教育事務所に配置されているのか。

野村義務教育課長
 平成22年度から各教育事務所に配置している。今回の場合も中部教育事務所に配置しているスーパーバイザー派遣について照会したが、被害者の保護者から要請がなかった。必要があればいつでも派遣する。

高橋委員
 報道陣に対し、教育委員会から学校への取材の規制をかけてもらえないか。

野村義務教育課長
 PTA会長名で、取材の自粛について報道関係者に通知を出したと聞いている。

高橋委員
 子ども防犯の合い言葉である「イカのおすし」は、県内全校に紹介しているのか。

吉野教育長
 全校に紹介している。


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