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産経土木常任委員会(産業経済部・労働委員会関係)平成28年12月7日(水曜日)

1.開催日時

平成28年12月7日(水曜日)9時59分開始 15時04分終了

2.開催場所

301委員会室

3.出席委員

委員長:安孫子哲、副委員長:大和勲
委員:南波和憲、委員:松本耕司、委員:久保田順一郎、委員:福重隆浩、委員:あべともよ、委員:岸善一郎、委員:伊藤清、委員:本郷高明

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)群馬県における外国人労働者について

久保田委員
 外国人労働者の雇用について、法令が改正されるとの報道がされているが、これについて所管部局の意見を伺いたい。

野口労働政策課長
 外国人人材は、人口減少や人手不足の中で注目されているが、群馬労働局が公表している平成27年10月末の外国人雇用状況の届出集計結果によると、本県の外国人労働者数は20,438人で対前年比12.9パーセント増で過去最高となっている。在留資格別では、永住・定住に係る方が12,833人で全体の62.8パーセント、次いで技能実習生に係る方が4,547人で22.2パーセントとなっており、技能実習生の増加が全体を押し上げている。

久保田委員
 分野を問わず労働力不足は深刻な問題となっており、東毛においては従前から外国人の定住者が増加傾向にある。今回の報道によると、技能実習期間の延長や厳格な条件があるようだが、これらについてどのように考えているか。

野口労働政策課長
 技能実習制度と在留資格の2つの法改正があったが、技能実習制度に関しては、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」が制定され、技能実習制度の適正化を図るとともに、実習生の受入期間が最長3年から5年に延長された。また、在留資格に関しては、いわゆる「入管法」改正により、在留資格に「介護」が追加された。技能実習の統括は「外国人技能実習機構」が実施すると聞いているが、詳細については決定していない部分もあるため、国や関係機関からの情報収集に努めたい。

久保田委員
 農協などでも人材派遣業もどきの事業を展開している中で、低賃金労働力に期待する面が本音のところでかなりあると思うが、どこがこれから厳格なチェックをするのか、それに対してどうするのか。その辺についての見通しはどうか。

野口労働政策課長
 技能実習については、件数が非常に多く、また、県内で実施しているところと広範に実施しているところと多岐にわたっているが、管理をしっかり行っている企業もあることから、「外国人技能実習機構」において、その選り分けを行うと聞いている。

久保田委員
 企業の労務管理部門にどう徹底させるかが、現実問題として立ちはだかってくると思う。企業レベルでの人員確保の計算が狂ってしまうことについてどう考えるか。

野口労働政策課長
 技能実習生の制度については、周知が不足している部分もあるため、労働局や関係機関と連携して、企業等を対象としたセミナーを2回開催したところである。今後は「外国人技能実習機構」が受入機関などに対して指導・監督を強化していくと聞いているが、県でも、個別具体的な事案に対応できるよう、2月頃に東毛地区にて小規模なセミナーの開催も検討しており、労働局と一体となって対応していきたい。

(2)受動喫煙防止について

久保田委員
 厚生労働省で建物内禁煙、敷地内禁煙に向けた動きがある中で、全国的な旅館業組合や飲食業組合から陳情が出ているが、どの程度状況を把握しているか。また、県庁内に喫煙所の案内表示がないと思われるが、状況はどうか。

塚越産業経済部長
 旅館業組合や飲食業組合からの意見についてはよく聞いていない。県庁内の喫煙所のある階にはマークが表示されている。

久保田委員
 旅館や飲食店での分煙室の設置工事費用が営業を圧迫する恐れがあるが、どう考えているか。

吉田観光物産課長
 旅館等の実態や声など、色々と情報収集して検討していきたい。

安孫子委員長
 ここは観光局長に言っていただきますか。

塚越観光局長
 具体的な声は聞いていないので、関係者からの意見を聞いていきたい。

(3)制度融資について

南波委員
 制度融資について、金利が引き下げられたことは大変ありがたいことであるが、これ以上の引下げは難しいのか。また、制度融資には信用保証料がついてくることが多いが、現在の割合と今後の見通しについてはどうか。

上原商政課長
 今回の制度融資の金利引下げにあたっては、地方銀行や信用金庫、信用組合、政府系金融機関の金利等を参考とした。また、引下げ前にあっても、他都道府県と比較して本県が高いという状況ではなかった。金利が高くなる業況の厳しい企業にとって、制度融資の必要性は高く、金利情勢について、当面、様子を見ていきたい。信用保証料について、低いところで0.4パーセント程度、高いところで1.8パーセント程度、平均で 約1.1パーセントであると聞いている。金利が低下傾向にある中で信用保証料の割高感は否めないと考えている。

南波委員
 苦しい業者を苦しくない立場に持っていくことが、県のやるべきことではないか。県や市町村が補助率を上げることで、信用保証料を減らせると考えるがどうか。

上原商政課長
 信用保証料については、企業のリスクによって保証料率が異なるが、小口資金については県と市町村でそれぞれ40パーセントを上限に補助している。県は、信用保証料補助以外に信用保証協会が代位弁済をした場合に損失補償を行っているが、制度を導入するにあたり、信用保証料について、約0.1パーセントから0.2パーセントの引下げが行われている。信用保証料の引下げは、信用保証協会の収支に直接関係することであり、十分な検討が必要である。

南波委員
 小口資金については、前橋市と高崎市が補助を手厚くしているが、全市町村に広げられないのか。

上原商政課長
 小口資金の補助については、市町村の財政負担を伴うため各市町村の判断となる。

南波委員
 市町村の負担分の一部を県が負担できないのかという趣旨で質問しているが、部長はどう考えるか。

塚越産業経済部長
 市町村の負担が増えることであり、意見を聴きながら検討していきたい。

松本委員
 お金が必要なのは大企業よりも小規模企業の方である。小規模企業からは余計に利息を取って、大企業からは裕福なのに少なく取るというシステム自体がおかしいのではないか。使いたい方にどんどん使ってもらうシステムに移行すべきと考えるが取り組んでもらえないのか。

上原商政課長
 小規模企業については、景気回復の実感が少ない中、資金繰りが滞ることのないよう対応したい。さらなる支援については、すぐにできるわけではないが、中小企業支援にしっかりと取り組んでいきたい。

(4)群馬県の最低賃金の引き上げについて

南波委員
 最低賃金について、現在、群馬が759円、栃木が775円、茨城が771円、東京が932円であるが、平成18年時点では、群馬が654円、栃木が657円、茨城が655円、東京が719円で、他都県との差が年々広がっている状況にある。最低賃金は中央最低賃金審議会で示す「目安」をもとに決まっていくのは承知しているが、栃木と茨城はBランク、群馬はCランクとされていることから、差はこれからも広がっていくものと思われる。中小企業からすれば低くてありがたい面はあるが、本県の賃金を考える上で好ましくないものと考えている。関東地方でCランクは本県だけであることからも、本県をBランクにするよう中央最低賃金審議会に働きかけるなどの取組を進めるべきではないか。

田中女性・若者就職支援室長
 本県の最低賃金は、栃木、茨城と比較して低い状況である。地域別最低賃金の上げ幅の目安の基礎となる「ランク」は、地域の労働者の生計費や賃金、企業の賃金支払能力等の経済数値を総合的に勘案して、数年に一度中央最低賃金審議会での審議を経て見直しが行われると承知している。本県は、物価をはじめとした労働者の生計費が低く、こうした状況が反映されてCランクになっているが、労働力流出等の課題もある。そのため、本県経済を活性化し、物価を上げるとともに、企業の収益力を上げていくことで、最低賃金の引き上げにつなげていきたい。

南波委員
 例えば、栃木との最低賃金差が広がる状況では、群馬ではなく栃木で働こうとする人が出てくる。このようなことが産業界全体に影響を及ぼすことになる。最低賃金が決まる仕組みは分かるが、問題意識を持って、最低賃金を一気に上げる方策を採らないとこのままいってしまうと思うが、部長の考えはどうか。

塚越産業経済部長
 客観的な経済データ等で判断されるので、どこまで審議会に取り上げてもらえるか分からない部分もあり、また、企業の支払能力の関係もあるが、委員の思いもよく分かるため、研究していきたいと考えている。

(5)障害者雇用について

南波委員
 障害者雇用について、特別支援学校の生徒の身上書の中に保護者等の考え方を入れてもらうよう、県から学校側に要請することはできないのか。

野口労働政策課長
 雇用を継続するには、障害者本人だけでは難しい面がある。学校現場のことで詳しくは承知していないが、重要なことなので教育委員会にも話を伝えたい。

南波委員
 障害者本人の働く意欲は非常に旺盛であるが、面談前あるいは面談後に、家族はどういう立場なのか、周囲のサポート体制がどうなっているのかを把握できるようにしてもらえると企業側としては雇用しやすいと考えるがどうか。

野口労働政策課長
 就労の厳しさもあるが、どのような職場か仕事内容を見てもらうなど関係者で確認することも大切と考える。そのような方法も含め関係者と検討していきたい。

あべ委員
 障害者雇用について、各事業の進捗状況はどうか。

野口労働政策課長
 障害者雇用の各事業については、おおむね順調に推移している。9月に開催した障害者雇用促進トップセミナーでは、約250人の参加があり、参加企業の幅も広がってきており、トップ等への理解が年々進んでいると感じている。就労開拓支援事業では、4月から10月までの期間で99名の就職決定に結びつき、昨年同期を34名上回る成果となっている。

あべ委員
 企業訪問集中強化、障害者就労サポートセンター、地域連携ネットワーク、サポーター企業といった個別事業の進捗状況はどうか。

野口労働政策課長
 企業訪問集中強化では、11月末時点で約320件の企業訪問を実施しており、昨年度の年間205件を既に上回っている。障害者就労サポートセンターは1名増員し、企業訪問等を実施しており、企業訪問件数の増加に繋がっている。また、地域連携ネットワークでは、地域ごとに企業見学会や交流会等も実施している。なお、今年度新たな事業として、サポーター企業制度を立ち上げ、登録のあった優良企業24社で様々な課題を検討している。

あべ委員
 サポーター企業制度の取組で出てきた意見を内部で完結させず、他部や教育委員会も交えて共有して、可能なものは施策に反映させることによって、参加企業が増えるし、企業も行政のサポートがあるから安心して雇用できるということにつながっていくのではないかと考えるがどうか。

野口労働政策課長
 サポーター企業制度は、登録企業24社によるネットワークを築いて課題を共有したうえで、障害政策課や教育委員会とも連携し、今後の施策に活かしていく取組としていきたい。

(6)中小企業振興について

あべ委員
 中小企業振興について、中小企業の経営力や技術力、ネットワーク強化などを支援する事業の今年度の実施状況と成果はどうか。

上原商政課長
 中小企業の経営力の強化としては、産業支援機構の経営総合相談窓口やよろず相談窓口では経営課題等の解決のための相談事業、さらに専門知識を有する方の指導が必要な場合は専門家派遣事業がある。また、県では、新商品開発などの新たな取組を行おうとする事業者に対して、審査を行い経営革新計画の承認を知事名で実施している。承認を受けると低利融資や信用保証の特例などを受けることができる。平成28年10月末現在の状況は、経営総合相談645件、専門家派遣20件86日、経営革新計画の承認22件となっている。

鬼形工業振興課長
 中小企業の技術力強化支援の方策としては、研究開発補助金と公設試験研究機関による技術支援・共同研究を主軸事業としている。研究開発補助金の今年度実績については、現在46社で総額6,500万円を採択している。研究開発補助金を利用した企業に対するアンケート調査では、経済波及効果は補助金額の5.6倍、企業化率は63パーセント、特許化率は35パーセントとなっている。

宮下産業技術センター所長
 産業技術センターの今年度利用状況について、前年度比で依頼試験件数は26パーセント増加、外部研究資金は20パーセント増加している。また、利用企業を対象としたアンケート調査では、90パーセント以上の企業が当初の目的を達成し、産業技術センターの売上貢献度は数十億円規模になると推計される。さらに、全国の公設試験研究機関に対する実績調査では、産業技術センターが利用率の総合指数で11年連続全国第1位を獲得した。

中村繊維工業試験場長
 繊維工業試験場の今年度利用状況について、前年度比で依頼試験件数は10パーセント増加、外部研究資金はほぼ横ばいである。

下山次世代産業課長
 ネットワーク強化についてであるが、8月1日に、群馬大学、前橋工科大学、前橋商工会議所との共催で、「群馬産学官金連携推進会議」を開催した。当日は456名の来場があり、3つのテーマでパネルディスカッションを行うなど、産学官金で情報交換や交流を図った。また、来年1月の「ぐんま次世代産業参入促進交流会2017」では、大学などの研究シーズや、次世代産業分野への県内企業の参入事例の発表等を行うが、このような取組により、県内中小企業のネットワーク化にも結びつけていきたい。

(7)県内産業振興への取組について

松本委員
 以前、群馬は栃木をはるかに上回っていたが、今でははるかに抜かれてしまっている。栃木は企業誘致で資金提供をしたが、群馬は対応しなかったため、企業が群馬から出て行ってしまった。行政がしっかり対応しないから、栃木に差をつけられてしまう。せめて栃木よりは上に行ってもらいたいのが本音である。免税軽油制度も栃木では当時7,000件利用されていたのに対し、群馬は手続の煩雑さから8件程度しか利用がなかった。現在、どのくらい利用があるか分かるか。

上原商政課長
 所管外のため分からない。

松本委員
 免税軽油制度は県税の減収につながることは分かるが、農業者等への支援と考えればいい。議員連盟を設立して小規模企業振興条例を制定したが、小規模企業対策をしっかり行わなければ、群馬はますます伸び悩んでいくと思う。ジェトロの事務所がないのも、群馬を含めて5県とのことである。ビリの方でなく、這い上がろうとする姿勢が求められるが、部長の考えを聞きたい。

塚越産業経済部長
 企業誘致は反応がよく、今の知事になってからトップセールスも実施し、状況もよくなってきている。栃木、茨城とはイメージアップの面では最下位を争っているが、産業の面では健闘していると思う。ジェトロについては、現在、東京での相談対応となっているが、ジェトロの事務所が県内にあれば、利便性が増す。「設置検討委員会」を設け、速やかに検討を進めていきたい。

(8)温泉マークの国際規格への変更について

松本委員
 温泉マークの国際規格への変更について、磯部温泉が日本の温泉マークの存続を経済産業省に要望しているが、県として支援しているのか。

吉田観光物産課長
 県としても情報収集を行い、地元とも連携しながら、存続に向けて支援を行っていきたい。

松本委員
 県として温泉マーク発祥の地を守りたいという意識を磯部温泉に示す気がないのか。そういうことがないから、群馬は全て遅れてしまう。もう一度答弁をお願いしたい。

吉田観光物産課長
 そのようにしっかりと磯部温泉を応援していきたい。

(9)技能五輪全国大会について

伊藤(清)委員
 技能五輪全国大会では金賞2名等の成果を収める一方、ものづくり県として人材を育成していかなければならないと思うが、どのように考えているか。

坂庭産業人材育成課長
 本県の基幹産業であるものづくりを支える人材の育成を着実に進めていかなければならないと考えており、技能検定の受検推進や県立産業技術専門校における若年技能者の育成、技能五輪参加者への支援等を行っている。

伊藤(清)委員
 来年開催する栃木県では多量の資材提供を受けると聞いているが、さらに多くの選手を出場させるための支援についてどう考えているか。また、本県ではいつ開催したのか。

坂庭産業人材育成課長
 産業技術専門校では協力企業から資材の提供を受けるなど、企業からの支援も受けている。また、本県では平成10年に全国大会が開催されている。

伊藤(清)委員
 企業に対して社員を技能五輪に出場させるよう働きかけるべきであると考えるがどうか。

坂庭産業人材育成課長
 企業から多くの選手が出場できるよう働きかけていきたい。

(10)ベトナム国との経済交流について

伊藤(清)委員
 知事トップセールスにおけるベトナムとの経済交流について、ベトナムは平均年齢も28歳と若く、人材には事欠かないといわれている。県の産業の発展のためには、人材の確保が重要であるが、経済交流を進めていく上での課題や今後の取組はどうか。

鬼形工業振興課長
 本年2月に知事が訪問し、政府要人との面談など関係を構築してきたところである。経済成長率が6パーセントを超え、人口も近く1億人に達するということ、また平均年齢も28歳と非常に若く、さらに賃金も中国の約半分であり、生産拠点としての優位性だけでなく、マーケットとしても伸びしろも高く、可能性を秘めた魅力的な国である。ベトナムが最も求めているのは、ものづくり基盤技術であり、本県には、こうした企業も多く、期待されている。人材面では、技能実習生が非常に増えており、法改正も踏まえ、しっかりとした体制を構築して、本来の目的どおり技能を学んでもらい、本国に戻り基盤技術の一翼を担って欲しいと考えているので、これに沿った形で対応したい。

伊藤(清)委員
 現地のイオンの一角で事務所を構え展示をしているとの話を聞いたが、既に始まっているのか。

鬼形工業振興課長
 ハノイのイオンロンビエン店で、北関東三県プロモーション事業として、来年2月までの期間限定でアンテナショップを展開している。地場産品や工芸品など、テストマーケティングを兼ねて販売している。

伊藤(清)委員
 人材育成について、ベトナムからの来県に際して、手続面で負担が大きいことから、窓口や現地事務所を設けて対応するなどの必要性があると思うがどうか。

鬼形工業振興課長
 本年4月に労働省の副大臣が来県し、技能実習や人材育成について意見交換を行ったところであり、来年2月の訪問では、実習生の円滑な受入や技術者交流について、労働副大臣と覚書を締結する予定である。

(11)女性の就業支援について

福重委員
 女性の就業支援について、本年、各市で就業セミナーの開催が計画されているが、現状はどうか。

田中女性・若者就職支援室長
 「出張ジョブカフェ・マザーズセミナー」については、昨年度はじめて開催したが、今年度は現在まで、8市町で実施し、88名の参加者があった。今年度中には、昨年度と同様、県内13カ所で開催する予定である。

福重委員
 高崎にあるジョブカフェ・マザーズの開所以来の実績はどうか。

田中女性・若者就職支援室長
 ジョブカフェ・マザーズの開所以来の来所者数は、累計で約2,500人である。

福重委員
 そのうち、就職が決まった方はどのくらいか。

田中女性・若者就職支援室長
 開所以来の就職等決定者数は、およそ220名程度となっている。

福重委員
 ジョブカフェ・マザーズの利用者に話を聞くと、カウンセリング業務が肝になっている気がしている。各地域で出張セミナーを開催するのであれば、カウンセリング業務も高崎のジョブカフェ・マザーズに限らずきめ細かくやっていただきたいと考えるがどうか。

田中女性・若者就職支援室長
 子育て中の女性等を対象としたキャリアカウンセリングについては、現在、高崎のジョブカフェ・マザーズを拠点として行っている。このほか、高崎まで足を運ぶのが難しい方に対しては、桐生と沼田に設置されたジョブカフェのサテライトにおいてもカウンセリングに応じているほか、県内で実施している子育て中の女性等を対象とした合同企業説明会等の場で簡単なキャリアカウンセリングを実施するなど、できるだけ多くの方がカウンセリングを受けられるよう工夫している。「出張ジョブカフェ・マザーズセミナー」に参加した方から、身近なところでキャリアカウンセリングを受けたいという要望もいただいているところであり、引き続き対応を検討していきたいと考えている。

福重委員
 子どもを安心して預けられる場所として企業内保育所が必要になると思うが、県内の状況について、分かるようであれば教えていただきたい。

田中女性・若者就職支援室長
 今年度、事業所内の保育施設の設置・運営について、認可施設並の手厚い助成が受けられる国(内閣府)の事業「企業主導型保育事業」が創設された。労働政策課では、商工団体等と連携しながら積極的に本制度の周知広報を行ってきたところであり、現在、県内での助成決定数は4件、保育定員は計141名となっている。

(12)高齢者の就業支援について

福重委員
 高齢者雇用について、県内企業においても定年の廃止や延長、再雇用制度が大分進んでいると認識しているが、県内の実態について教えていただきたい。

野口労働政策課長
 国が毎年6月に実施している調査によると、高年齢者雇用確保措置の実施状況は、従業員31人以上の規模の事業所では、99.5パーセントとなっており、ほぼ100パーセントに近い事業所で措置が講じられていることから、高齢者を評価していると認識している。

福重委員
 平成26年度の求職者の年齢別就職率では、65歳以上は17.8パーセントとなっている。就労を希望しても実態としては17.8パーセントの方しか仕事に就けていない状況にあるが、県として希望と就職率の乖離をどのように埋めていくのか教えていただきたい。

野口労働政策課長
 県では、平成20年度に、シニア就業支援センターを設立し、中高年齢者の就業支援に取り組んできている。平成23年度からは、職業紹介を開始し、相談からあっせんまでワンストップで実施し、サービスの向上に努めているところである。シニア就業支援センターでは、一人一人に応じたきめ細かな対応を行い、相談者の希望に合った求人を確保し、丁寧に就業支援を行っているところである。また、就職が決まった後も、折に触れ、企業や利用者に対しフォローを行うなどして、継続的な支援を行っている。こうした取組により、より多くの方が希望に添った就職ができるよう支援している。

福重委員
 シニア就業支援センターでは、平成23年度から職業紹介も行うようになり、これまでハローワークの求人情報だけでなく、独自の求人開拓で得た情報をもとに、きめ細かな就業支援を行ってきたが、今年度になって独自の求人開拓を行っていないと聞いたが、その理由は何か。

野口労働政策課長
 国の資金を活用して独自の求人開拓を実施していたが、現在はハローワークの求人情報を活用している。10月末現在の実績は前年同月比で相談者数は95.3パーセントであるのに対し、就職決定数は77.1パーセントと落ち込んでおり、以前のようなきめ細かい職業紹介ができなかったのが要因であると感じている。独自の企業開拓については企業訪問の機会を通じてフォローしていければと思う。

福重委員
 ジョブカフェの利用者に話を聞くと、ジョブカフェはきめ細かい支援をしてくれると本当に喜ばれている。ジョブカフェで蓄積したノウハウをシニア就業支援センターに活用する試みが必要であると考えるがどうか。

野口労働政策課長
 ノウハウは重要であると考えている。ジョブカフェでやっていることをシニア就業支援センターにつなげて活用していく、そういった横連携を我々が戦略的に実施していく必要があると感じている。

福重委員
 ジョブカフェとシニア就業支援センターの委託先はどこか。

野口労働政策課長
 ジョブカフェは(株)ワークエントリーで、シニア就業支援センターは(公財)群馬県長寿社会づくり財団である。それぞれの強みやノウハウが異なっているため、我々が中に入って横連携を図っていく必要がある。

福重委員
 ワークエントリーは実績を残さなければ、次につながらないという問題意識の中で年々やっていることが充実している。一方で、長寿社会づくり財団は、財団ということもあって主導性はないと思う。そこに対して、職員の方々が横展開を、と言っても難しいのではないか。シニア就業支援センターにそれなりの予算を取っておいて、結果が出ないのであれば、新たな方策を考えなければいけない。横展開ではなく、ワークエントリーのようにやれるところにやってもらうこともしっかり考えていくことがお金を活かすことになる。そういったことを来年度に向けてしっかり考えていただきたいがどうか。

野口労働政策課長
 そういった戦略的な部分も踏まえて、来年度に向けて取り組んでいければと思う。

(13)ムスリムの誘客について

福重委員
 海外からの誘客が2,000万人を超える中で、ムスリムの誘客が宿泊、飲食、物品販売において急拡大している。栃木県ではムスリム誘客のセミナーを開催するとのことで、全国的に分捕り合戦の状況となりつつあるが、ムスリムの誘客について、どういった対応をしているのか。

吉田観光物産課長
 県では、平成26年にムスリム講演会を開催した。今年度は、民間団体が主催してムスリムセミナーを開催している。ムスリムは、宗教上の制約がいろいろあるが、受入側でハードルを上げず、まずは何ができるか情報開示をし、ムスリムの方に判断してもらってはどうかと話があった。県も観光関係者等と一緒になって取り組んでいきたい。

福重委員
 本県には外国人観光客がどのくらい訪れているか。そのうちムスリムはどのくらいか。

吉田観光物産課長
 平成27年の本県への外国人宿泊者数は、過去最高の148,780人泊で、そのうち約半数を台湾が占め、次いで中国、香港となっている。ムスリムの方は、主にインドネシアとマレーシアの一部と考えられるが、インドネシアは1,420人泊で前年の3.8倍以上、マレーシアは1,250人泊で前年の約2倍となっている。

(14)商工会青年部グルメグランプリについて

岸委員
 12月4日に第5回商工会青年部グルメグランプリが高崎市のもてなし広場で開催された。県には第1回開催から支援をいただいているが、所感等があれば聞きたい。

西村産業政策課長
 県としては、特に若い方々のこうした取組が県内の小規模事業者の活躍、発展につながるものと考えている。また、グルメグランプリということで、地場産品、地産地消につながることでもあるので、できるだけの支援をさせていただきたい。

岸委員
 近年はもてなし広場で開催されているが、県内他地域でも開催してもらえるとありがたいがどうか。

西村産業政策課長
 第1回は高崎市のビエント高崎で開催されたが、屋内施設のため火気使用等の制約があり、開催場所が高崎もてなし広場に変更されたと伺っている。今後の開催地については、商工会青年部において検討するものであると考えている。

岸委員
 予算をかけていただけるとありがたいがどうか。

西村産業政策課長
 予算に関しては、小規模事業経営支援事業費補助金の中で支援している。

(15)企業誘致推進について

岸委員
 企業誘致について、一生懸命取り組んでいると認識しているが、現況はどうか。

浦部企業誘致推進室長
 本庁並びに東京、大阪、名古屋の各事務所に担当職員を配置し、企業誘致推進補助金を効果的に活用しながら、企業からの引き合いや企業訪問にきめ細かく対応している。こうした取組の成果として、近年の工場立地動向調査において全国上位を継続している。

岸委員
 工業団地の在庫が少なくなっていると聞いているが、状況はどうか。

浦部企業誘致推進室長
 伊勢崎宮郷工業団地の第1期分が過日完売したことにより、企業局が保有する産業団地は約26ヘクタールとなった。引き続き堅調な引き合いに対応するため、企業局では、伊勢崎宮郷工業団地の第2期分、桐生武井西工業団地、板倉ニュータウン産業用地拡張分の造成を進めているほか、甘楽町や藤岡市で新たな産業団地の造成を計画しているところである。

岸委員
 西毛広幹道の整備に合わせて、旧群馬町の旧前橋飛行場跡地を工業団地としてはどうか。

浦部企業誘致推進室長
 新たな産業団地候補地については、市町村から提案をいただいた上で庁内で検討を進めることとしており、まずは市町村での検討をお願いしている。

大和副委員長
 企業誘致について、新規産業団地の選考委員会が開催されたと聞いたが、現状と今後の予定はどうか。

浦部企業誘致推進室長
 新規産業団地候補地の選定については、都市計画区域の定期見直しに合わせて5年おきに行っているところであるが、今回は通常より1年半前倒しで開始した。候補地が10市町村から提案されており、ワーキンググループにおいて提案市町村と農林調整や都市計画における位置づけ等の課題について、調整を進めている。個別候補地のさらなる検討、提案全体としての検討、関係課長で構成する幹事会での審議、企業誘致推進本部での決定というスケジュールを考えており、今年度末を目途に決定したい。

(16)小口資金について

岸委員
 小口資金について、運転資金と設備資金のそれぞれの実績はどうか。

上原商政課長
 運転資金と設備資金の内訳については、手元に資料がないので、後日回答したい。小口資金全体では、昨年度の実績は、件数3,652件、金額201億346万円、今年度10月末の実績は、件数2,858件、金額173億4,004万円となっている。昨年度における、小口資金の制度融資全体に占める割合は約51パーセントであった。

岸委員
 運転資金と設備資金の割合については、把握しているか。

上原商政課長
 手元に資料がないので、後日回答したい。年末を控えていることから、運転資金の需要が多いと聞いている。設備資金の需要が多いことは確かによいことであるが、企業経営上、運転資金は必要なものである。今回、制度融資の金利を引き下げたところであるが、今後も企業に利用しやすいものとなるよう努力していきたい。

(17)大型小売店舗出店の規制緩和と商店街への影響について

本郷委員
 大型小売店舗の出店に際しての規制が緩和されたり、ネット販売が普及することにより、商店街はシャッター通りと化している。このような規制緩和は、地方に対して何のメリットももたらさないと思うが、県として危惧していることがあれば伺いたい。

上原商政課長
 大型小売店舗の出店については、昭和49年に施行された「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律」(通称:大店法)で出店調整を行っていた。同法により設置された商業活動調整協議会には地元の商業者等も加わっていたが、平成4年の法改正により同協議会が廃止され、大型店の出店が増加した。平成12年には、同法に替え、それまでの出店規制から環境問題に視点を移した現行の大規模小売店舗立地法が施行され、平成19年には都市計画法の改正による10,000平方メートル以上の店舗への規制強化といった動きがあったものの、この間の出店数に直接影響を与えたと考えられるデータは見受けられない。しかし、大型小売店舗は品揃え等において個人店と比して差があり、集客力があることから、出店による地域の小売店舗への影響は否めないものと思われる。県としては、商店街のイベント等を対象とした商店街活性化支援事業、山間部のみではなく都市部でも増加している買い物弱者への支援事業等に取り組んでいるところである。

(18)雇用に関する規制緩和について

本郷委員
 国の雇用に関する規制緩和について、雇用や労働の面で県民生活に大きな影響を及ぼすことになると思うが、県としての考えがあれば伺いたい。

野口労働政策課長
 日本再興戦略改訂2014を契機として、規制緩和で様々な動きが起こっていることは承知している。ただし、労働者保護等の基本的ルールは、全国一律の制度として国会において制定されるものであり、その動向を注視していきたい。本県では、ジョブカフェなどを通じた就労支援の強化により、正社員の就職率が76.3パーセントとなっている。今後とも、全ての県民がいきいきと働くことができる労働環境の整備を関係機関と連携のもと進めていきたい。

(19)ハローワークの全面移管について

本郷委員
 全国知事会ではハローワークの地方移管を推進している。平成24年10月から今年8月までハローワーク特区を佐賀県と埼玉県で試験的に実施して、全国知事会による検証ではかなりの成果が出ているとのことだが、本県でもハローワーク特区の成果を検証しているのか。

野口労働政策課長
 ハローワーク特区については、良い点、悪い点があり、全国知事会ではハローワークの地方移管を早期に実現すべきとした。一方、第6次地方分権一括法により、地方版ハローワークが創設された。しかし、国の財政的支援がないこと、県直営で行わなければならないこと、国のハローワークと二重行政となってしまうなど、課題があるため、ハローワークの全面移管を求めていくべきと考えている。

(20)消費税率の引き上げ延期について

本郷委員
 消費税率の引き上げを2年半延期したが、県税収入や県内経済への影響はどうか。

西村産業政策課長
 産業経済部としては、県税への影響は把握していない。本年8月に県が実施した景況調査結果では、引き上げ延期の影響について、影響がないと回答した企業は74.5パーセント、良い影響があると回答した企業は20.0パーセント、悪い影響があると回答した企業は5.5パーセントにとどまっている。今回は増税ではなく延期ということもあり、消費増税延期に伴う県内経済への影響は少ないと考えられる。

(21)本県の特産について

本郷委員
 産業振興基本計画の「物産振興と食の魅力向上」について、食べ物や特産品、土産物の評価が低いという課題に対する具体的な施策として、「『すき焼き』、『おっきりこみ』の情報発信等」とあるが、実際盛り上がってきているのか分かりかねるところがあるがどうか。

吉田観光物産課長
 民間調査において、本県の「食・土産品」への観光客の満足度は、全国に比べて低くなっており、危機感をもっている。すき焼きについては、昨年、ぐんま・すき焼きの日を制定するなど取り組んでおり、来月からは群馬テレビで、すき焼きの食材をキャラクター化したアニメも放映される。JTBでは、加盟旅館において「すき焼き堪能プラン」としてポイントプレゼントなどを行っている。おっきりこみについては、わが家のおっきりこみコンテストの実施により、優秀作をアレンジしたものを実際の店舗で提供しスタンプラリーにも取り組んでいる。観光物産課でも、冬用の観光ポスターでおっきりこみ、観光情報誌ですき焼きを取り上げているほか、マップの配付等により情報発信に取り組んでいる。

本郷委員
 群馬のお土産と聞かれてもピンとこないが、これだというものがあれば教えていただきたい。

吉田観光物産課長
 本県では、古くから小麦栽培が盛んだったことから、小麦加工品による「粉食文化」が発達、定着しており、焼きまんじゅうや温泉まんじゅうに代表される「まんじゅう」、おっきりこみや水沢うどんに代表される「うどん」が挙げられ、銘菓としては「旅がらす」や「七福神あられ」のほか、近年では「ハラダのラスク」がヒット商品となっているが、1つに絞り込むのは難しい。

(22)離職者等再就職訓練について

大和副委員長
 離職者等再就職訓練について、就職率が全国1位となった理由は何か。

坂庭産業人材育成課長
 労働局やハローワーク等と連携しながら、県内の求人・求職ニーズに沿った訓練コースの設定に努めたほか、本県独自の就職支援として、訓練期間の後半に就職活動日を設けて、ハローワークで就職相談等を実施したり、訓練終了後も3ヶ月間、委託先機関が毎月1回以上未就職者への面談指導を実施するなど、きめ細かな就職支援に取り組んだ結果であると考えている。

大和副委員長
 訓練内容と関係のない職種に就職してしまう職業訓練のミスマッチについて、本県と全国の状況はどうか。

坂庭産業人材育成課長
 平成27年度は就職者のうち約9割が訓練に関連する職種へ就職している状況である。なお、全国は約7割である。

大和副委員長
 訓練コースで人気のあるコースは何か。

坂庭産業人材育成課長
 事務スペシャリストコースは応募者が多く、応募倍率が2倍を超えることもある。

大和副委員長
 コースを増やす取組はしているか。

坂庭産業人材育成課長
 各県の定員数は国から示されることから、コース設定も含めて労働局と協議しながら毎年検討を行っている。

(23)ニート自立支援について

大和副委員長
 ニートは県内にどのくらいいるのか。

田中女性・若者就職支援室長
 若年無業者、いわゆるニートとは、15~34歳の若者で、就業・求職活動をしておらず、家事も通学もしていない者をいう。ニートの数は、平成24年就業構造基本調査によると、全国で約61万7,000人、県内で約8,700人と推計されている。

大和副委員長
 ニートの自立支援の内容について、説明していただきたい。

田中女性・若者就職支援室長
 ニートの自立支援については、厚生労働省委託事業の「地域若者サポートステーション」が、前橋市と太田市に設置され、相談・訓練・就労体験などの支援が行われており、県も連携して支援に取り組んでいる。具体的には、臨床心理士を配置して、心理カウンセリングを行ったり、簡易な職業トレーニングを行ったりしている。

大和副委員長
 地域若者サポートステーションの登録者数はどのくらいか。

田中女性・若者就職支援室長
 平成27年度の新規登録者数は162人、利用者数は延べ5,320人、就職決定者数は109人となっている。

大和副委員長
 支援策の周知にどのように取り組んでいるか。

田中女性・若者就職支援室長
 教育機関を含めた「群馬県若者自立支援ネットワーク会議」において高校中退者への周知について協議を行ったり、ジョブカフェ等の相談者のうち支援が必要な方は「地域若者サポートステーション」につなぐなどしている。今後も引き続き周知に努めていきたい。


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