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環境農林常任委員会(環境森林部関係)平成28年12月7日(水曜日)

1.開催日時

平成28年12月7日(水曜日)9時59開始13時37分終了

2.開催場所

403委員会室

3.出席委員

委員長:金井康夫、副委員長:高橋正
委員:関根圀男、委員:黒沢孝行、委員:須藤昭男、委員:新井雅博、委員:星名建市、委員:伊藤祐司、委員:金子渡、委員:井田泰彦

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)木材輸出について

関根委員
 先日、議員の上海視察団と一緒に環境森林部長に上海を視察してもらい、中国の木材事情について色々と調査をしてきたが、視察の感想及び成果を伺いたい。

井田環境森林部長
 視察では、中国市場の一部を見たに過ぎないが、まず、中国市場の需要の多様さを感じた。低質なものから高品質なものまで、幅がものすごく広かった。また、労働力に関して、質や賃金等に相当な幅があるということを感じた。さらに、視察した製材工場は、旧式の機械を使い労働環境も悪かったが、別の製材工場では、日本の最新式の工場と同じようなシステムを備えていると聞いた。中国は非常に多種多用で幅のある大きな市場であり、生産環境も同様であると感じた。

関根委員
 今回行った成果を受け、今後の対応はどうか。

井田環境森林部長
 今回の視察で今後の可能性について調査をしたが、中国の需要に対し、本県が今の体制で対応できるかどうかは、心もとない気がした。まず本県でやるべきことは、需要に対応した木材生産ができる安定供給体制を確立することであると思う。また、木材価格の部分でも、供給を安定して行えるアドバンテージを持っていないと相手方との交渉は難しいと感じた。需要や価格に対応した安定供給が課題であり、安定供給体制を確立しなければいけない。「林業県ぐんま」の実現に向けて、今はその政策展開をしているので理解してほしい。

(2)県単独治山事業について

関根委員
 県単独治山事業について、事業費の推移や市町村要望に対する充足率はどうか。

鈴木森林保全課長
 近年の事業費実績の推移については、平成20年度に14億2千万円であったが、27年度は最終的に補正して18億9,500万円、28年度当初は21億円の予算となっている。市町村の要望に対する充足率では、平成20年度は要望に対し53.6パーセント、27年は90.6パーセント、28年は80パーセントという状況である。

関根委員
 対象となる市町村の数と市町村の負担金総額はどうなっているのか。

鈴木森林保全課長
 東部の平地のみの市町村を除くほとんどの市町村が実施しており、数は27市町村である。邑楽町で平地林を整備した時は28市町村であった。平成21年度の負担金は1億1,500万円、27年度が1億6,300万円、今年度は1億8千万円程度を見込んでいる。

関根委員
 財政の厳しい過疎町村にとって負担率が問題になっていると思う。負担金の在り方について検討してほしいが、どうか。

鈴木森林保全課長
 負担金については、現在の県単独治山事業の前身である事業が始まって以来、60年以上にわたって一律工事費の10パーセントを負担してもらうシステムをとっているが、市町村ごとに立地する森林の地形、地質や自然状況が異なることから、市町村の財政状況を踏まえ、県の財政状況、市町村と県との役割等を含め、県単独治山事業の負担の在り方とその水準について検討したい。

(3)イノシシによる死亡事故について

黒沢委員
 桐生のイノシシによる死亡事故について、事故が起きた後に説明がないが、対応してほしい。また、鳥獣被害対策本部はいつ設置されたのか。

松下自然環境課長
 今回の事故について、議会に説明等がなかったことをお詫びする。鳥獣被害対策推進本部については、平成26年度に全庁的な取組を行うため、県、市町村が一体となって対策を講じるための組織として設置された。

黒沢委員
 死亡事故の新聞報道について、新聞により違法という表現と違法ではないという表現があるが、新聞社から事前に問合せはあったのか。

松下自然環境課長
 新聞社からは法律上の問題について質問等はなかった。

黒沢委員
 捕獲の許可手続など、自治体や住民に対する周知をどのように行ってきたのか。

松下自然環境課長
 法律上、原則として県知事から狩猟免許を取り、権限が移譲されている市町村長から捕獲の許可を得て行うことになっている。ただし例外もある。今回の事故を受け、適切で安全な狩猟のため、全市町村に対して文書を出している。また鳥獣被害対策支援センターでも被害があった場合、市町村に相談するよう対応している。

黒沢委員
 捕獲の許可権限は、県内全市町村に移譲しているのか。

松下自然環境課長
 イノシシの捕獲許可については、全ての市町村長に権限を移譲している。

黒沢委員
 「鳥獣被害対策実施隊」が設置されている自治体とされていないところがあると聞いているがどうか。

松下自然環境課長
 実施隊は農政部が所管しており詳しくは分からない部分もあるが、ほとんどの市町村で設置しているのではないかと思う。

黒沢委員
 自然環境課長名で環境森林事務所長あてに通知しているが、市町村には出したのか。

松下自然環境課長
 通知には、環境森林事務所から市町村に指導するよう記載している。

黒沢委員
 市町村担当者を集め、法令等の再確認をする必要があったのではないかと思うがどうか。

松下自然環境課長
 法令の運用については、市町村等に周知徹底を図っていきたいと考えている。

黒沢委員
 鳥獣被害対策については、市町村により取組に温度差がある。また、広域の連携が必要と思う。県が積極的に市町村に対して啓発していくことが必要と思うがどうか。

松下自然環境課長
 市町村、関係する猟友会、そのほかの団体で情報共有をする各地域の推進会議があり、事故後、情報共有等を行って事故防止に努めている。

黒沢委員
 自然環境課が予算、鳥獣被害対策支援センターが捕獲というすみ分けをどう一元化するのか、事故を機に組織機構も含めた議論をしなければいけないと思うがどうか。

井田環境森林部長
 鳥獣被害対策は、農政部に予算がある場合や環境森林部が実施する場合もある。一概に予算と実行で線引きがされているわけではない。鳥獣被害対策は、副知事を本部長とする鳥獣被害対策本部が統括する体制となっており、鳥獣被害対策支援センターを設置し、事務的な一元化を図っている。ただし、狩猟行政は自然環境課で行い、環境森林事務所、森林事務所が窓口になっている実態がある。今の体制の風通しを良くすることが重要だと考えており、今の体制の見直しも含め、連絡調整等をしっかりできるよう対応していきたい。

黒沢委員
 イノシシ対策は一連のもので、県民は、県という大きなくくりの中で見ているが、どうか。

井田環境森林部長
 PR不足は否めないと思う。窓口は鳥獣被害対策支援センターということをもっと県民に知ってもらうように努めなければいけないと感じている。

黒沢委員
 わなも含めた狩猟免許の所有者をどのように増やしていくのか。

松下自然環境課長
 狩猟免許取得者は昭和56年頃と比べ、約4割に減っている状況である。状況を踏まえ、地域での試験実施やテキスト無償化を行っている。このほか、学生や関係団体職員に取得してもらえるよう取組をしているが、すくには増えず、厳しい状況にある。また、わな猟免許取得者は増えており、初心者も含め安全に捕獲してもらうため、平成25年からわな猟初心者講習を行い、多くの人が参加している。少しずつでも狩猟者養成に努めていきたい。

黒沢委員
 猟友会とは県、市町村レベルで良い関係を構築する必要があると思うが、猟友会との関係はどうか。

松下自然環境課長
 県の猟友会を含め、県内には4つの団体がある。狩猟者は、主たる捕獲の担い手となっており、連絡等を含め、関係構築を進めていきたい。

須藤(昭)委員
 イノシシの死亡事故について、事故の経緯や再発防止等の説明がなかったが、どうか。

井田環境森林部長
 事故は非常に遺憾と考えている。事故防止や狩猟免許取得、運用に関しては、日頃から業務の重要項目としているが、今回は無免許の人が、自宅敷地内で許可対象外のわなを使用して事故が起きてしまった。地元の人たちが切羽詰まった状況にあることは承知しており、市町村を通じて捕獲をする場合の指導をしていた矢先のことで、内心忸怩たる思いはある。議会に対しては、一般質問での本部長答弁において、県の意思は一定程度示されたものと解釈している。委員会での説明については、一元化の中で鳥獣被害対策支援センターが窓口になるべきと考えている。環境森林部として責任を逃れるものではなく、鳥獣被害対策本部の一員として重責を感じている。狩猟という部分では自然環境課が担当しているので、責任は重々感じている。

須藤(昭)委員
 直接的には鳥獣被害対策支援センターが説明すべきで、環境森林部は主体的に説明する立場にないということか。

井田環境森林部長
 死亡事故については、説明をしていかなければならないと思っている。統括的に今後どうするかということは、鳥獣被害対策支援センターの担当と考えている。

須藤(昭)委員
 わなの個人に対する許可について、狩猟免許を所持していない者も、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律により、一定の条件で捕獲が認められているが、許可権限は市町村に移譲しているということで良いか。

松下自然環境課長
 捕獲の許可になるので、市町村に移譲している。

須藤(昭)委員
 捕獲した際に最も困ることは、止め刺しである。対策はどうか。

松下自然環境課長
 例えば、電気や二酸化炭素を使うなど、市町村でそれぞれ止め刺しをしていると思う。

須藤(昭)委員
 県には止め刺しで困っているとの情報はないのか。

松下自然環境課長
 困っているという話は今のところ聞いていない。

須藤委員
 私は何人かから捕まえたがどうすれば良いのかという話を聞いたことがある。

松下自然環境課長
 市町村から相談等はないため、聞いていないと答弁させてもらった。

須藤(昭)委員
 今回の事故については、イノシシを捕獲すると市に届出がしてあったのか。

松下自然環境課長
 捕獲の届出ではなく許可申請である。捕獲前に市町村に許可申請し、安全に狩猟して最終的には止め刺しをすることになるが、許可手続はなされなかった。

須藤(昭)委員
 事故発生後1か月近く経過する。対策はしっかりできているのか。

松下自然環境課長
 地域推進会議で情報共有や安全の徹底を進めている。安全管理について引き続きやっていきたい。

須藤(昭)委員
 対策はできているということでよいか。

松下自然環境課長
 どこまでやれば十分かは分からないが、広報等で安全管理を徹底するよう市町村や住民に啓発を行っている。

(4)野生鳥獣肉の出荷制限解除について

須藤(昭)委員
 イノシシの出荷制限解除について、10月3日の委員会で、放射性物質検査の検体をもっと集めるべきとの質問に対し、市町村に依頼しているとの答弁があった。みどり市に確認したところ、イノシシについては依頼されていないとのことであったが、どうか。

松下自然環境課長
 みどり市を訪問し、イノシシ肉の提供を依頼し、郵送の約束を取った。その他の市町村についても電話で協力を依頼している。

須藤(昭)委員
 自然環境課長がみどり市に行ったのは、10月3日以降の話ではないか。

松下自然環境課長
 10月3日以前は、野生鳥獣肉の放射性物質検査をする度に、文書で各市町村に検体提供を依頼している。その後、委員から検体数をもっと集めるべきとの話があり、みどり市を訪問し、検体の提供を依頼した。

須藤(昭)委員
 みどり市によると、イノシシの検体は、2か月に1回程度提出してほしいと依頼されたそうであるが、どうか。

松下自然環境課長
 2か月に1回との話は、その時にはなかったはずである。

須藤(昭)委員
 野生鳥獣肉の一部解除をするためには、加工処理施設が必要である。また、原子力災害対策本部が一部解除をするためには、1つの市町村で1か月に3体は集めなければならない。最低でもみどり市から3体以上の検体の提供を依頼することが必要と思うが、どうか。

松下自然環境課長
 一部解除と全面解除の考え方は異なっている。全面解除は1市町村当たり3検体が安定的に基準値以下であることが県下全域の解除条件である。一部解除は加工施設が仮にできた時に、持ち込まれたものが基準値以下であれば良いのであって、趣旨としては異なる。

須藤(昭)委員
 全面解除と一部解除を混同して話してしまったことは訂正したい。とにかく検体を集めることが大事だと思う。35市町村から月3頭程度は提出してもらえるよう依頼すべきだと思うが、どうか。

松下自然環境課長
 全面解除については、なかなか基準値を下回る状況にはないと思う。まずは、県下を網羅できる体制を作ることが必要であり、その後、ある程度、基準値を下回る状況となった段階で、全面解除に取り組んでいく方が良いと思っている。現在検体数が少ないことは指摘のとおりであり、全体が網羅できるように取り組んでいきたい。

(5)生物多様性ぐんま戦略(仮称)について

須藤(昭)委員
 生物多様性ぐんま戦略(仮称)について、基本目標と基本戦略との整合性が分かりにくいと思うが、どうか。また、「生物多様性ぐんま戦略(仮称)」では、群馬県の特徴を具体的に示すべきだと思う。例えば、ラムサール条約湿地である芳ヶ平湿地群や渡良瀬遊水地等は入っているのか。

松下自然環境課長
 基本目標と基本戦略については、一対になっているものではない。一つの目標が、5つの戦略に関連しているとの考えである。また、ラムサール条約湿地については、それぞれの名称を入れて記載している。さらに県の取組事例の中で、芳ヶ平湿地群の施設整備や環境学習のためのガイド育成の事例を紹介している。なお、群馬県らしさを出すために群馬県としては、保全は当然であるが、地域の宝としてより積極的に生物多様性を使っていくことを他県に比べ多く打ち出していると考えている。

須藤(昭)委員
 誰がどのような取組をするのかわかりにくい。より分かりやすくするためには、担当課がどこかを明示すると、より地域に密着した個別計画になると思う。今後、その部分を盛り込む余地があるとの理解で良いか。

松下自然環境課長
 これからパブリックコメントや意見を聞く機会があるので、委員の指摘を踏まえ検討していきたい。

須藤(昭)委員
 「生物多様性関連活動」のところで、21の団体中8の団体からアンケート等をもらったと記載されている。団体はこの程度しかないのか。

松下自然環境課長
 回答をもらったのが21団体で、照会は約100団体にアンケートを出している。

須藤(昭)委員
 「群馬の自然を未来に活かす県民ミーティング」を県内5か所で開催しているが、タウンミーティングに参加した人たちから出た意見は、8つしか記載されていないのか。

松下自然環境課長
 タウンミーティングには、ここには記載していないがトータルで153名が参加していて、色々な意見をもらってワークショップもした。それを8つにまとめたが、意見はもっと出ている。

(6)鉄鋼スラグ問題について

伊藤(祐)委員
 先ほど上武道路工事現場の鉄鋼スラグの調査結果について報告されたが、県の調査では、スラグ混入の経路は分からなかったということか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 調査結果にあるように、村上採石場から出荷された可能性があるところまでしか認定できなかった。

伊藤(祐)委員
 私たちは、石合資材置場に積んでいた砕石をトラックに載せる時に、そこの敷砂利に使っていたスラグを掻き込んで載せたとの情報を得ているが、それは確認できなかったのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 石合資材置場については、国道沿いにスラグが一定範囲あったが、そこは砕石が堆積された場所とは異なる場所であった。砕石を積み込む場合には、砕石が堆積されている場所から積み込むため、砕石を全て移動し、その下を掘って確認した結果、スラグは確認できなかった。

伊藤(祐)委員
 スラグを掻き込んで積み込めば、そこにはスラグはもうない。そういうことではないか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 天然砕石がある一定程度置いてあったわけだが、それを全て他の資材置場に移動させて、地面まで確認したが、スラグは見つからなかった。

伊藤(祐)委員
 作業道路のぬかるみ補修のための仮設道路の路盤材として、鉄鋼スラグを使用したとなっているが、これは誰の発言か。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 これは、資料の1番に調査結果等があるが、廃棄物処理法に基づく報告徴収に対する佐藤建設工業からの回答である。

伊藤(祐)委員
 国土交通省の発表では、新聞報道のとおり上武道路の盛土材から発見されたとなっている。このへんの齟齬はどうなのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 村上採石場で作業用道路の仮設道路材として鉄鋼スラグが敷かれていたが、それが「山砕300-0」の中に混入し、上武道路の工事現場に出荷された可能性があると考えられる。

伊藤(祐)委員
 私たちが石合資材置場を見た時には、かなり奥まで敷砂利としてスラグが使用されていた。それを掘って移動させたわけだが、どのような意図でなぜ撤去し、どこに移動させたのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 石合資材置場については、職員が確認したところ、入口部分の一定部分しかスラグは見つからなかった。天然砕石を移動させた理由については、前回の決算特別委員会の分科会で、伊藤委員から天然砕石と一緒にスラグを掻き込んだのではないかとの指摘があったため、地盤面と天然砕石の間にスラグがあるかどうか確認するために天然砕石を撤去させた。

伊藤(祐)委員
 国道に面したところにしかなかったとのことだが、鉄鋼スラグはどこに運んだのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 今でも石合資材置場にフレコンバッグに入れて保管させている。

伊藤(祐)委員
 それは事実と違う。私たちは確認しているが、運んだ先はそこではなく、近くにある佐藤建設工業の事務所のわきではないか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 職員が立ち会って、フレコンバッグに入れさせて石合資材置場に保管させている。

伊藤(祐)委員
 廃棄物性の確認はいつ、どのようにしたのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 廃棄物性の判断については、環境省の行政処分の指針に示されており、廃棄物該当性の判断基準が書いてある。それを見ると、廃棄物処理法の規制の対象となる行為の時点で判断することになっているため、掘り出した時点で廃棄物性を認定している。

伊藤(祐)委員
 毒性の検査はしたのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 今、県で検査をするための手続をしている。

伊藤(祐)委員
 ずいぶん遅いがどうしてか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 まずは上武道路の工事現場に鉄鋼スラグが搬入された経路を確かめた。また、佐藤建設工業が他にスラグを持っていないか確認し、なおかつ発見したスラグは周辺の土壌とかなり混ざっており、それを全て撤去するための工事をさせ、監視していたためである。

伊藤(祐)委員
 佐藤建設工業の事務所のわきにフレコンバッグが40、50袋あるが、あれは何か。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 村上採石場で発見されたスラグを周辺の土砂と一緒にフレコンバッグに入れて、佐藤建設工業が事務所に運んだものである。

伊藤(祐)委員
 それはいつのことか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 この事案については、昨年9月7日に県警に告発している。今回の調査結果についても県警に情報提供しているので、詳細については答弁を差し控えさせていただく。

伊藤(祐)委員
 私たちは、フレコンバッグが11月の初旬くらいまではなかったこと、また、最近県が指導に行った後に積まれていることを確認している。県が指導している中においても、佐藤建設工業はスラグ入りの敷材、あるいはスラグそのものを運搬する行為をしているのではないか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 本社に運んだのは、県が検査をする前のことと認識している。

伊藤(祐)委員
 佐藤建設工業は、一連の問題で県警に告発され、反省したはずである。しかし、許可取消後もスラグを混入した砕石を運搬しているが、どうか。また、天然砕石を使用すると設計書に書かれた建設工事の現場にそれを持って行っていることから、この問題について反省していないと思うが、どうか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 1点目の佐藤建設工業が土砂とスラグが混じったフレコンバッグを運んだことについてだが、廃棄物処理法では、廃棄物は排出した本人が処理することが基本原則となっており、他人に委託する場合は、許可を持っている事業者に委託する必要がある。今回は、佐藤建設工業がスラグ、あるいは回りの土砂を一緒に撤去したので、行為の時点を考えると佐藤建設工業が排出事業者になる。佐藤建設工業が排出事業者であるため、自分のものを自分で運ぶことについては許可はいらない。佐藤建設工業が村上砕石場から本社の駐車場に運んだ行為については、廃棄物処理法上違反を問われることはないと考える。2点目の上武道路の工事現場にスラグが混入した事実については、故意か過失かは先ほど説明したとおり県警に情報提供している事案のため言及は差し控えるが、仮設道路として使用していたところが土砂に埋まってしまい、そこを押したため材料と一緒に混ざってしまった可能性が高いと県は考えている。

伊藤(祐)委員
 混入させないという意識が全然ないではないか。仮設道路の敷砂利として使っていることを佐藤建設工業は承知しており、それを押して混ぜて入れたら大変なことになると意識するのが普通ではないか。混ざってしまうかもしれないが、かまわないと考える業者ではないのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 仮設材に使用したのは平成22年頃である。砕石場では一般的にそうだと思うが、砕石の採取に伴い、作業用道路は位置を変えていくものである。そのため今回もスラグを仮設材として使用した作業用道路が土砂等に埋まってしまった可能性も否定できないと考えている。

伊藤(祐)委員
 仮設用道路にたくさん使用しているから、注意しようと普通考えるのではないか。そういう配慮もないではないか、どう考えているのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 先ほど説明したとおり答弁は控えるが、混ざってしまってもかまわないとの未必の故意があったかどうか、また、認識ある過失になるかと思うが、混ざる可能性はないと考えていたかは、個人の認識の問題であるので、調査の中では確定は難しかった。

伊藤(祐)委員
 私たちは、廃棄物・リサイクル課長が述べたような事実関係ではない情報を得ているから、あえて言うが、県がしっかり業者を疑いの目で見ていかないと、県の環境を守れなくなると思う。県の環境を守るために廃棄物処理法を所管しているのだから、そういう立場に立って、この問題に対処してもらわないと困ると思うが、部長はどうか。

井田環境森林部長
 県としては、県民の生活環境を保全する上で、しっかりと監視していく立場にある。今回の調査では客観性を確保しつつ事実関係に沿って判断している。指導面においては最初の報告にあるとおり、今後の対応についてしっかり指導している。行政処分をするかしないかは、客観性の担保が非常に必要なため、しっかりと確認した上で、指導とするか行政処分にするか考えているので、理解してほしい。

伊藤(祐)委員
 廃棄物・リサイクル課長の答弁で産廃の排出者が自分のところに運ぶことは、法律上問題ないと言っていたが、例えば、村上砕石場から出た廃棄物を、公道を通って運ぶことも良いのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 建設会社が解体工事を請け負って、中間処理業者まで持っていく場合、元請業者がやることが前提であるが、廃棄物処理法では元請業者が排出事業者になるとされている。それが公道を通って、中間処理業者、再生砕石を作る工場まで運んでも違法とはならない。同様に今回は、スラグの撤去工事に伴って、佐藤建設工業が自ら工事をしたので排出事業者となり、自ら運んでいるので、廃棄物処理法上問題はないと考えている。

伊藤(祐)委員
 村上採石場に県の立入調査が入ったのはいつか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 資料には1番最初の日しか記載していないが、11月初旬と認識している。

伊藤(祐)委員
 私たちの調べでは、石合資材置場に県が行ったのが11月4日、村上採石場に行ったのが11月7日と認識している。4日の時に、私たちは事務所にフレコンバッグがたくさん積まれていることを確認していない。その後、県が村上採石場に行く前にこれがやられたと考えられるが、確認しているか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 事実関係は確認している。報告徴収をかけており、虚偽の報告をすれば罰則が適用されるので、それで担保されていると考えている。
日付等は全て特定しているが、先ほど答弁したとおりこの件は、県警に資料提供しているので、詳細については差し控える。

伊藤(祐)委員
 三者協議会に処理方針を立てさせるのではなく、県として方針をどうして示さないのかあらためて伺いたい。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 これまでの調査では地下水への影響は確認されておらず、直ちに廃棄物処理法等に基づく措置命令が必要となる事例は認められていないと考えている。「鉄鋼スラグに関する連絡会議」が示した対応方針については、措置命令の対象とならないものについて、工事実施主体として可能な限り環境への影響を抑制する観点から、対応方針を申し合わせたものと承知している。なお、スラグの使用箇所については、有害物質の量、使用形態等、状況によって異なるので、使用箇所の状況に応じて県は対応する方針でいる。

伊藤(祐)委員
 萩生川西地区の農道では、スラグを敷砂利として使用しているにもかかわらず、県はそれを被覆することでOKしているのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 この事案については住民訴訟が継続中なので、個別のコメントは差し控えたい。

伊藤(祐)委員
 井戸水について、今回の事案では、路盤材や盛土材に産業廃棄物が置かれて捨てられている。これは産廃処分場と同じではないか。周辺の地下水を監視するとのことだが、産廃処分場であれば、一番下流のところで地下水を監視するではないか。

根岸環境保全課長
 土壌汚染対策法の目的は、汚染による人の健康への被害の防止で、この観点から言うと飲用の井戸が重要になると思う。こうしたことから、これまで周辺の井戸の調査を行っており、スラグによる地下水汚染のモニタリングとしては適切ではないかと考えている。

伊藤(祐)委員
 産廃の地下水汚染の監視は、既設の飲用井戸でやるのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 監視用の井戸を掘って監視をしている。

伊藤(祐)委員
 産業廃棄物の最終処分場では有害物質の監視は、きちんとやっている。今回は産廃が捨てられていたが、既設の飲用井戸に汚染が出てないから良いと。これで地下水の安全は確保されたと言えるのか。

根岸環境保全課長
 この問題が発覚して以降、周辺の地下水調査を約180本の井戸でしている。180本の中にはスラグのすぐそばの井戸も含まれているが、基準値超過はみられない。また、県では毎年地下水概況調査を行っており、これまで1,800本ほどの井戸を調査しているが、スラグによる基準値超過はみられない。

伊藤(祐)委員
 地下水を監視するなら、隣接した地下水の流れも勘案した場所に観測用の井戸を作らせるべきではないか。

根岸環境保全課長
 法令に基づいて調査を行っており、周辺の地下水の汚染の状況を確認する上で、現在の方法は適当であると思っている。

伊藤(祐)委員
 今回は原因者に対し、措置命令とはいかないまでも撤去させる指導ができるはずである。そういうこともやらないで被覆するならば、地下水の流れも勘案しながら、最も観測できる場所に井戸を掘って監視するよう指示すれば良いではないか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 今回の事案については、これまでもそうであるが、今後も廃棄物処理法、土壌汚染対策法に基づいて、適正に対応したいと考えている。

(7)循環型社会づくりの推進について

井田(泰)委員
 群馬県は、平成26年度の一般ごみの1人1日当たりの排出量が全国ワースト2位、可燃ごみはワースト1位となっている。第二次群馬県循環型社会づくり推進計画を推進するため、県民に周知していかなければならないと思うが、広報はどうか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 県民の8割が群馬県の1人1日当たりのごみの排出量の現状について認識がなかったことから、広報が非常に重要であると考えている。計画をより広く県民に周知するために、出前講座や関係団体等の研修会等で広報をしている。また、全市町村を訪問し、先進的な取組や課題について意見交換を行い、市町村と顔の見える関係を築いてきたし、今後も取り組みたい。

井田(泰)委員
 学校現場での循環型社会づくりの教育等について、把握しているか。

須藤環境政策課長
 移動環境学習車「エコムーブ号」を活用し、小中学校の要望に応じて「動く環境教室」を実施している。その中のメニューの1つ、ごみとリサイクルについてのプログラムにより、循環型社会づくりやごみの減量化に向けた環境学習に取り組んでいる。

井田(泰)委員
 本県のリサイクル率も全国ワースト10であり、再生利用について、市町村がごみの堆肥化施設やごみ燃料化施設等を設置できるよう県がバックアップすることが大切であると思うが、どうか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 現在県内には、市町村が設置した再生利用施設が19ある。内訳は、資源化等施設が13、堆肥化施設が3、ごみ減量化施設が3である。市町村が再生利用施設を整備する費用については、国の循環型社会形成推進交付金があり、交付金の効果的な活用を通じて、市町村の再生利用施設の整備を支援している。

井田(泰)委員
 県には、国の補助メニューのような制度はあるのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 県としては今のところ補助制度はない。

井田(泰)委員
 市町村のごみ処理経費について、県は、現状をどう捉え、どう取り組んでいくのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 県民1人当たりの1年間のごみの処理経費は、増加している。原因としては、施設の老朽化に伴う修繕や更新、また燃料費の高騰等が考えられる。処理経費の増加を抑える方法としては、既存施設の長寿命化と新規施設をより広い市町村単位で設置することの2つがあると考えている。県では、平成11年から一般廃棄物処理施設の広域化計画を作り、市町村に呼び掛け取組を進めている。現行一般廃棄物処理マスタープランの計画期間が満了するため現在改定中であり、新しいマスタープランにより、一般廃棄物処理施設の広域化を進めていきたい。

井田(祐)委員
 新しく作るマスタープランにおいてサーマルリサイクルは位置づけられているのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 ごみから発生するエネルギー利用も考えてマスタープランを作成している。


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