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本文

厚生文化常任委員会(こども未来部・健康福祉部・病院局関係)平成28年12月8日(木曜日)

1.開催日時

平成28年12月8日(木曜日)9時59分開始 14時56分終了

2.開催場所

402委員会室

3.出席委員

委員長:原和隆、副委員長:川野辺達也
委員:橋爪洋介、委員:須藤和臣、委員:中島篤、委員:井下泰伸、委員:酒井宏明、委員:小川晶、委員:本間惠治、委員:穂積昌信

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)第175号議案「群馬県一般会計補正予算」について

酒井委員
 障害児者施設への防犯対策の補助事業について、補助率及び事業費の下限はどうか。

岡部障害政策課長
 補助率は4分の3で、国庫の補助制度を活用したものである。下限は入所施設の場合が100万円以上、通所施設の場合が30万円以上である。

酒井委員
 防犯カメラや門扉などの大規模なものだけでなく、インターホンの設置なども対象にするなど、使い勝手のよいものにすべきであり、少額なものでも対象になるよう県独自で対応すべきと考えるがどうか。

岡部障害政策課長
 関係団体の意見を聞くなどして対応を検討して参りたい。

酒井委員
 防犯カメラは抑止効果がある一方、プライバシーへの配慮を徹底すべきと考えるがどうか。

岡部障害政策課長
 当然、各施設で十分徹底していただくことが必要だが、県としてもいろいろな機会を通じて、プライバシーの配慮、個人情報の管理徹底について、改めて周知していきたい。

酒井委員
 条例で防犯カメラ映像等の取扱いを規定すべきと考えるがどうか。

岡部障害政策課長
 現時点で条例化までの具体的な取組は考えていないが、防犯カメラ映像に関するプライバシー保護に関しては研究して参りたい。

(2)第196号議案「指定管理者の指定について」について

橋爪委員
 現在の指定管理者が今後も継続して事業実施することをどう考えるか。

塚越健康福祉部長
 指定管理については、サービスの充実を図るため、当事者団体を加えた共同体を選定する等、これまで必要な見直しを行いながら実施してきており、今回選定した指定管理者について、こうした当事者団体と社会福祉事業団による共同体が含まれている。ただし、長く続くと、硬直化する恐れもあるので、県として運営状況をしっかりチェックして参りたい。

橋爪委員
 指定管理団体から、新しい事業を実施したいが、財政的に難しいというような話は受けていないのか。

塚越健康福祉部長
 利用者の利便と福祉の向上に配慮した新たな取組への要望はある。県としても事業が実施できるかどうか、指定管理の予算の中で、指定管理のあり方も含め、検討しているところである。

(3)特別養護老人ホーム入所申込実態調査結果について

穂積委員
 申込者数と実際の入所希望とが一致しなくなってきているのではないかと危惧しているが、申込者数の実態をどのように把握するのか。

吉田介護高齢課長
 市町村を通じて特別養護老人ホームへの入所申込者名簿を確認した上で、重複申込みや死亡者を除いて、申込者数を算出している。ただ、施設側も申込者がすぐに入所したいかどうかまでは把握しておらず、とりあえず申込を行っている方も含まれていることは承知しているので、より実態を反映した調査となるよう、今後検討して参りたい。

(4)県立義肢製作所について

穂積委員
 近年の利用状況はどうか。

岡部障害政策課長
 平成25年度は587件、26年度は569件、27年度は610件となっている。

穂積委員
 内訳はどうか。

岡部障害政策課長
 平成27年度の実績だが、主なものとして義手・義足は101件、装具は178件、車いすの修理等は87件、杖の修繕は63件である。

(5)幼児教育の推進について

穂積委員
 子ども・子育て支援新制度がスタートし、幼児教育の重要性が話題となっているが、幼稚園、保育所、認定こども園の幼児教育の推進について、現在どのような状況か。

中村こども未来部長
 幼児教育の根拠として、幼稚園では幼稚園教育要領、保育所では保育指針、幼保連携型認定こども園では教育・保育要領の3本立てでスタートした。現在、国でそれぞれ見直し作業が進められている。具体的にどのような幼児教育を目指すかは、主に文科省の中教審で審議されており、知識や技能の基礎、思考力、判断力、表現力の基礎、そして学びに向かう力、人間性などを重点的に推進していくとしている。この内容を保育指針、教育・保育要領についても同じように受け継ぐように進めていくことになっており、最終的には、平成30年4月から、3つの要領、指針が改訂される予定である。県としても、来年度に向けて関係団体等と意見交換し、準備を進めていきたい。

(6)国保制度改革について

本間委員
 平成30年度の国保制度改革に向け、どのような工程で進めているのか。

大山国保援護課長
 平成30年度の国保制度改革に伴い、県に特別会計を設置するとともに、29年度末までに県内の国民健康保険運営の基本的な考え方となる国民健康保険運営方針を策定する。この運営方針の主な内容は、国保事業費納付金などの算定方法であり、現在、市町村と協議を進めているところである。

(7)子ども医療費無料化及び国保の国庫負担金の削減措置について

酒井委員
 現在、厚生労働省において、国保の国庫負担金の削減措置の廃止について検討が行われているが、どのような議論が行われていて、本県にどのような影響があるのか。

大山国保援護課長
 平成28年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」中に「減額調整措置について見直しを含め検討し、年末までに結論を得る」と記載された。また、11月30日に開催された社会保障審議会医療保険部会では、見直し対象を未就学児として削減措置を廃止する案1と、同じく見直し対象を未就学児とするものの、何らかの一部負担や所得制限を設けている場合のみ廃止対象とする案2が示された。案1のとおり未就学児の削減措置が廃止された場合、県予算では約5,000万円の経費削減になると試算している。

酒井委員
 中学の卒業までの無料化に伴うペナルティーにより、国庫負担金はいくら削減されているか。

大山国保援護課長
 平成27年度では、約2億円削減されている。

酒井委員
 削減措置の廃止について、国に対し更に働きかけていく必要があると思うが、今後の取組はどうか。

大山国保援護課長
 現在検討されている未就学児の医療費助成に伴う削減措置の廃止に留まることなく、重度心身障害者、母子家庭等を含めた福祉医療費助成に伴う削減措置を廃止するよう、引き続き他県と連携し、今後も国に対して要望していく。

(8)児童相談所における一時保護の実態とその対策等について

酒井委員
 児童相談所の一時保護について、定員を超えて保護している実態が報道されたが、現状はどうか。

野村児童福祉課長
 一時保護件数は、平成26年度372件に対して、27年度476件と26%増加している。定員36人に対して、27年度の定員超過は120日で、特に夏から秋にかけて多く見られた。28年度の定員超過は8月までで55日である。9月から11月までは定員超過なしの状況である。

酒井委員
 定員超過への対策はどうか。

野村児童福祉課長
 一人部屋を二人で使用したり、食堂が満席の場合は、他の部屋で対応したりしている。また、今後も増加が心配されるため、緊急的な対応策としては、児童養護施設への一時保護委託の一層の受入れを要請しており、里親への一時保護委託も検討している。さらに、恒久的な対応策としては、一時保護所の増設も視野に入れた対応も検討している。

酒井委員
 児童養護施設における一時保護の実態はどうか。

野村児童福祉課長
 児童養護施設における一時保護委託件数は、27年度214件である。

酒井委員
 児童養護施設において一時保護委託として受け入れた場合に、児童1人当たりの1日の措置費が1,630円と非常に少ない。衣類を購入した場合などは施設の持ち出しとなってしまうと聞いており、県単で実費を支給できるようにしてほしいとの要望があるがどうか。

野村児童福祉課長
 一時保護する場合、保護者から同意を得られているケースがほとんどなので、生活に必要な衣類等は保護者から預かって対応している。中には、緊急的に施設で用立ててもらうこともあるが、児童相談所からは極めてまれなケースであると聞いている。施設の負担にならないように、一時保護所にある衣類等の補填で対応したい。

酒井委員
 児童養護施設において被虐待児を受け入れた場合、被虐待児受入加算が1年間付くとのことだが、その割合はどのくらいか。

野村児童福祉課長
 平成28年10月時点の児童養護施設における入所児童数は380人となっている。これに対して、被虐待児受入加算の該当児童数は26人であり、その割合は約6.8%である。

酒井委員
 1年経過すると加算が打ち切られるとのことだが、加算の延長や県単の上乗せが必要ではないか。

野村児童福祉課長
 被虐待児加算については、1年限りであるが、全体の底上げがなされているので、その後の状況を見て、加算の延長の必要性があれば、国に要望していきたい。

酒井委員
 児童福祉法の改正に伴う児童相談所への弁護士配置の義務化について、本県の現状と今後の対応はどうか。

野村児童福祉課長
 現在、各児童相談所において、弁護士を法律アドバイザーとして委嘱している。今年の法改正によって、児童相談所に弁護士を配置することとされたが、委嘱では基準を満たさないとされているので、来年度予算編成作業の中で、対応を検討しているところである。

酒井委員
 配置するとは決まっていないのか。

野村児童福祉課長
 国の基準では配置となっているので、基準を満たせるように検討しているところである。

(9)神奈川県相模原市で起きた津久井やまゆり園事件について

酒井委員
 二度とこのような事件が起こらないようにしなければならないが、県としてどのように受け止めているか。

岡部障害政策課長
 県では、障害のある人もない人も共に生きる「共生社会」を目指している。また、障害などを理由とした不当な差別は絶対に許されないものと考えている。

(10)障害者のグループホームについて

酒井委員
 障害者のグループホームが地域によっては不足しており、ある法人では20人の待機者がいるとのことであるが、実態を県は把握しているか。

岡部障害政策課長
 本年11月1日時点のグループホーム数は309施設、定員数は1,990人である。これは、群馬県障害者計画の平成28年度における目標数を上回っている。しかし、不足している地域もあるので、こうした地域を中心に一層の整備を関係者に働きかけて参りたい。

酒井委員
 空き家をグループホームとして活用するための補助制度の実績はどうか。

岡部障害政策課長
 既存の建物を改修してグループホームとして利用するための県単独補助事業がある。平成25年度から27年度までの実績としては、各年2件となっている。

(11)障害者施設等の共同受注窓口について

酒井委員
 売上を向上させて工賃につなげていくため、共同受注窓口が作られているとのことであるが、取組状況はどうか。

岡部障害政策課長
 27年度は51事業所、受注件数393件、売上8,176千円、28年度は、半年間で56事業所、受注件数289件、売上9,601千円と徐々に実績を上げている。

(12)心臓血管センター等における時間外勤務について

酒井委員
 心臓血管センターにおける時間外勤務手当が未払である等の報道があったが、実態及び改善措置はどうか。

内田心臓血管センター事務局長
 8月22日に前橋労働基準監督署の立入調査が実施され、8月26日に勧告が発出された。勧告の中で、時間外勤務の一部について割増賃金が支払われていないとの指摘がなされたものである。年600時間を超える時間外勤務については、昨年度の包括外部監査において、臨床工学技士の勤務状況について指摘されたものである。その後改善のために1名増員し、来年度からはもう1名増員する予定である。

酒井委員
 未払い分はその後支払われたのか。

内田心臓血管センター事務局長
 4月から8月の時間外勤務分について11月に支払い済みである。

酒井委員
 法定労働時間を超える場合に必要な書面を労働基準監督署に届け出ておらず、がんセンターと小児医療センターでも同様の状況だったと報道されていたが、実態はどうか。

歌代がんセンター事務局長
 昨年度の包括外部監査では、労働基準監督署への届出はなされていたものの、協定を超えた時間外勤務を行う場合、事前に限度時間を変更する必要があるが、これがなされていなかったとの指摘があったものである。現在では対応済みである。

原澤小児医療センター事務局長
 包括外部監査指摘事項の時間外勤務特別延長手続については心臓血管センターと同様の状況で、臨床工学技士の時間外勤務についての事前変更がなされていなかったものである。現在は、本年度の4月から1名正規職員を増員し、協定についても事前に変更するようにしている。

(13)家庭的養護の推進について

小川委員
 社会的養護を必要としている子どもはたくさんいる中で、施設の養護に偏っており、家庭的養護に結びついていないのは大きな課題があるからではないかと考えるが、その原因はどこにあるのか。またどのように改善するのか。

野村児童福祉課長
 原因は大きく分けて4つある。第一に、実親の理解が得にくいということであり、実親に里親制度についての理解が得られるよう、丁寧に説明していきたい。第二に、そもそも子ども本人が望まないということであり、乳児院からの里親委託に力を入れていきたい。第三に、里親が安心して養育出来るように里親への支援の充実が必要ということであり、今年度、県里親の会から、児童相談所をはじめ関係機関を含めた支援会議の設置要望があり、これについて取り組んでいきたい。第四に、子どもと里親とのマッチングの問題があり、子どもを中心に考えることが大事で、選択肢を増やすために、里親登録数を増やす必要があると考えている。

小川委員
 例えば、里親の名称を変えるなどの検討も必要と思うがどうか。

野村児童福祉課長
 今回の児童福祉法改正をめぐり有識者会議の中でも、名称を変えてもよいのではないかという議論も出ていたようだ。名称を変えるのも一つの方法ではあるが、これまで里親として広く広報してきたこともあり、デメリットもあると考えている。

小川委員
 乳児院から里親へ委託された今年の件数はどうか。

野村児童福祉課長
 今年度のデータはまだ取りまとめていないので、過去のデータとなるが、里親への新規委託数について、乳児院からの委託件数は平成26年度は14件中7件、27年度は16件中7件である。

小川委員
 里親等委託率の目標値は、「県家庭的養護推進計画」では、平成41年度に3割という長いスパンで考えているが、もっと短い期間で、具体的な目標値を掲げてもよいのではないか。

野村児童福祉課長
 県の総合計画で、平成31年度末までに17.1%を目標にしている。

(14)子どもの貧困について

小川委員
 今年度実施している実態調査の結果に基づき、施策を実施することになると思うが、来年度以降どのような施策を展開していくのか。

福田子育て・青少年課長
 来年度以降の施策については検討中である。調査の結果を踏まえて、経済的な面だけでなく、人とのつながりを含めた様々な側面を幅広く捉えて、教育委員会や福祉分野など関係部局と連携しながら施策を充実させ、また、調査で把握した課題やニーズを反映させられるよう検討していきたい。

小川委員
 正確な調査結果が出るのは予算編成後の3月と聞いているが、今の段階でも調査結果の内容は把握しているのか。

福田子育て・青少年課長
 子ども食堂や学習支援などに実践的に取り組んでいる方のニーズや課題は実際に聞かないと分からないため、調査の中で反映できるよう考えていきたい。

小川委員
 県内の子ども食堂の状況はどうか。

福田子育て・青少年課長
 子ども食堂に関しては、高崎、館林、安中で民間団体が取り組んでおり、太田市が今年度取り組む予定であると聞いている。

小川委員
 民間団体の子ども食堂の運営はボランティアで行うなど、大変な面があると聞いているが、何か支援ができないか。

福田子育て・青少年課長
 どのような支援ができるか検討していきたい。

小川委員
 フードバンクの取組が全国で広がっていると聞いているが、県内の状況はどうか。

福田子育て・青少年課長
 館林のNPO法人が東毛地域や埼玉県、栃木県でも活動を展開していると聞いている。

(15)生活困窮者の自立支援について

小川委員
 生活困窮者自立支援法に基づく相談の中で、引きこもりの相談件数はどれくらいか。また、任意事業の中間的就労の実施状況はどうか。

平井地域福祉推進室長
 自立相談支援事業の相談実績は、本年10月末で、県が所管する町村部で90件、うち就労につながったものが15件、増収となったものが7件となっている。市部を含めた県全体では相談実績1,485件のうち就労238件、増収102件となっている。

小川委員
 任意事業のうち中間的就労の実施状況はどうか。

平井地域福祉推進室長
 認定就労訓練事業いわゆる中間的就労は、社会福祉法人等が自治体の認定を受けて生活困窮者に就労の機会を与えようとするものである。現在認定を受けているのは1社会福祉法人のみで、利用者も1名のみとなっている。

小川委員
 今後の対応はどうか。

平井地域福祉推進室長
 全国的には、社会福祉法人改革における「地域における公益的取組」の一環として実施する法人も増えてきており、県内社会福祉法人に対しても引き続き働きかけて参りたい。

(16)障害者差別解消法を踏まえた取組について

小川委員
 法律が施行されて半年ほど経過したが、合理的な配慮について、県が具体的に取り組んだ事例はあるか。また、県の差別相談窓口にはどのような相談が寄せられているか。

岡部障害政策課長
 庁内の各課に照会をかけ、事例を集めているところである。今後もしっかり対応を図り、研修等により合理的配慮を広めていきたい。相談窓口の対応状況については、月に数件という状況で、電話での対応により、ほとんどが解決している状況である。

小川委員
 「群馬県における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領」がホームページに掲載されているが、これ以外に職員に対して、個別の対応マニュアルはあるのか。

岡部障害政策課長
 現段階では、対応要領のみであるが、今後、事例を積み重ねて、対応要領の中に具体的な事例を入れ込んでいき、対応を職員に促したい。

小川委員
公的な施設や観光地に対して、バリアフリーマップを作成してはどうか。

岡部障害政策課長
 車椅子の方々に話を伺ったところ、マップも必要だが、それぞれの施設の状況がインターネットなどで、すぐ分かるようにしてもらうことが必要ではないかとのことであったので、各施設のホームページなどで、バリアフリーに関する情報提供ができないか検討したい。

(17)がん対策推進条例の見直し及びがんセンターにおける就労支援について

井下委員
 がんセンターとハローワークが連携したがん患者への就労支援の実績はどうか。

歌代がんセンター事務局長
 相談支援件数が6件、うち就職に至ったのは2件である。

井下委員
 就労支援に係る規定を条例に明文化するということでよいか。

中島がん対策推進室長
 再就職支援に加え、がんと診断された方が仕事を継続できるよう支援体制を全県的に広げていくため、条例に明文化してはどうかと考えている。

(18)県立障害者リハビリテーションセンターの就労支援について

井下委員
 現在の就労の状況はどうか。

岡部障害政策課長
 リハビリテーションセンターの就労支援部は、障害者総合支援法に基づく就労継続B型事業所及び就労移行支援事業所として、現在、45名が利用している。そのうち、入所者が6名、通所者が39名である。

井下委員
 現在の指定管理者は再来年までということであるが、再編の整備をしている中で、今後就労はどのようになるのか。

岡部障害政策課長
 リハビリテーションセンターの再編整備計画では、民間施設での対応が困難で、入所が必要な重度障害者等は、引き続き県立としてしっかりと対応することとしている。一方、障害者総合支援法のもとで、就労支援事業については、民間での代替が可能であることから、地域移行を進めて参りたい。

井下委員
 民間に委託をして、地域に移ってもらうとのことだが、利用者が滞りなく、まとまって移行することはできるのか。

岡部障害政策課長
 現在の利用者が引き続き就労支援事業を利用できることを前提に、指定管理者である社会福祉事業団と協議を重ねているところである。県としても、利用者の要望を最優先して、利用者が困ることがないよう、社会福祉事業団と協力して、丁寧に説明したいと考えている。現在利用者がいるので、利用についてはしっかりと継続していく。

井下委員
 リハビリテーションセンターの就労部門が廃止の方向で検討されているようだが、就労を希望している障害者が多数いるにも関わらず、手本となるべき県立施設が廃止され、希望をかなえることができないのはいかがなものかという趣旨の手紙が本委員会宛てに届いた。いままで培ってきた関わり合いやつながりが分断されることも心配しているのではと思われるが、そのような点も含めて、社会福祉事業団と検討しているのか。

岡部障害政策課長
 現在の利用者が困ることがないよう、利用者の希望を最優先に考えている。施設についても、現施設を当面利用しながら、移行について今後検討していく。改めて利用者に対して、丁寧に説明して参りたい。

井下委員
 利用者が日々心配しながら、利用していること自体きちんと対応していないということではないか。

岡部障害政策課長
 できるだけ早い段階で、改めて利用者の希望を伺うとともに、説明についても丁寧に行って参りたい。

(19)夜間透析について

井下委員
 県内における実施状況はどうか。

津久井保健予防課長
 群馬県統合型医療情報システムによると約40の医療機関が実施している。

井下委員
 需要は広がっているか。

津久井保健予防課長
 日本透析医学会によると、平成26年の県内の夜間透析利用者数は923人、全透析患者数に占める割合は15.9%で、この割合は全国平均よりも高い。

井下委員
 利用する場合は患者個人が各病院に問合せをして調べるのか、それとも県のホームページにより紹介されているのか。

津久井保健予防課長
 病院で透析導入が必要と診断された時に、主治医から地域の医療機関を紹介するのが一般的である。

(20)災害時における動物救護体制の整備について

井下委員
 県獣医師会による災害派遣獣医療チーム「群馬VMAT」の被災ペットに対する救護訓練について、県はどう関わっているのか。

下田食品・生活衛生課長
 同訓練には県の直接的な関わりはないが、県動物愛護センターの職員が群馬VMATのメンバーになっており、当日の訓練にもメンバーの一員として、センター職員が2名参加した。

井下委員
 災害時における被災ペットの救護活動を円滑に行うには、平常時から関係者の連携が重要だと考えるがどうか。

下田食品・生活衛生課長
 現行の県地域防災計画では、負傷動物や飼い主不明の動物の救護について、県獣医師会、動物愛護団体等と連携して、動物愛護センターに「動物救護本部」を設置し、救護等の対応を行うこととしている。現在、県地域防災計画との整合性を図りながら、役割分担等のより具体的な内容を盛り込んだ「災害時の動物救護に関するガイドライン」を策定中であり、この中に群馬VMATとの連携についても組み入れたいと考えている。

(21)群馬大学医学部附属病院の再生に向けた取組について

中島委員
 群大病院について、前回の委員会から様々なことが早いペースで進んでいると聞いているが、進捗状況はどうか。

武藤医務課長
 11月1日に、第3回群馬大学病院の再生を促進する協議会を開催し、群馬大学から「改革への取り組み」と「改革工程表」の提示を受けた。また、新たな取組として三つの取組が発表された。一つ目は、国際標準の医療安全研究、教育、研修等を行う「医療安全・管理学講座」の開設、二つ目は、高難度医療や未承認薬を使用する医療、保険外診療などの実施を集中管理する「先端医療開発センター」の設置、三つ目は、県や医師会等と連携して医師の適正配置や人材育成、県内医療のネットワークの充実を図る「地域医療研究・教育センター」の設置である。

中島委員
 文部科学省の群馬大学の評価結果が悪いが、その理由はどうか。

武藤医務課長
 文部科学省が各国立大学法人の中期計画・中期目標の27年度の事業結果について評価し、発表したものである。結果は、全体としては「目標に沿って計画的に取り組んでいる」とされたが、個別項目の一つである「業務運営の改善及び効率化」という項目において「目標達成には、やや遅れている」とされた。外科の一連の死亡事案を受け、群大病院では改革の一つとして、インフォームド・コンセントの充実を図る観点から、説明事項を網羅した書式の整備などを進めてきたが、その最中、整形外科の手術において、院内ルールが守られていないことが判明し、27年度評価では、院内ルールが周知徹底されていないことを「やや遅れている」と評価された。

中島委員
 病院長選考の外部審査に対する見解はどうか。

武藤医務課長
 厚生労働省では、群大病院や東京女子医大の医療事故を踏まえ、大学病院等のガバナンスに関する検討会を開催し、この中で病院長の選考方法等についても検討をしている。今後、関係法令の改正がなされるものと考えているが、検討会や法令の趣旨を踏まえ、病院長が中心となって改革を病院職員が一致団結して進められるよう、制度設計がなされることを期待している。

中島委員
 群大病院を特定機能病院に復活させないと、医師不足から始まり、様々な問題が生じるのではないかと懸念している。部長の見解はどうか。

塚越健康福祉部長
 群大病院においては、これまで自主的に進めてきた改革や改革委員会等の提言等を踏まえ、これからどう改革を進めていくか工程表にまとめたが、今後、これを浸透させ、しっかり機能させていく取組が求められている。群大からは地域医療のレベルアップに貢献していくという具体的な取組内容が示されており、大学だけではなく県内医療機関の医療安全にも貢献をしたいというものや、高度先進医療にしっかり取り組んでいくという意思表示もあった。さらに、群大が地域医療に貢献していくため人材育成や地域医療をベースにした医師の派遣についても取り組んでいくことが示されたことは評価をしている。ただ、特定機能病院については、国は群大に対して厳しい見方をしている。群大にはしっかり意識改革をしてもらい、群大がこう変わったということを県民に示し、理解を得ることが必要であると考えている。群大、県、県内医療機関、それと県民も群大を応援していただけるような形で特定機能病院の再承認に向けて努力をしていきたいと考えている。

(22)抗がん剤治療により脱毛したがん患者への支援について

中島委員
 前回の常任委員会で、がん患者のかつらに係る助成について質問したが、その後の検討状況はどうか。

中島がん対策推進室長
 直接的に脱毛対策に対して補助を出すかどうかはともかく、何らかの形で支援ができないか検討しているところである。

(23)こども未来部・健康福祉部・病院局の所管施設等における災害訓練について

須藤(和)委員
 県立病院における災害訓練の実施状況はどうか。

内田心臓血管センター事務局長
 心臓血管センターでは年2回防災訓練を実施しており、上半期、下半期で1回ずつ、うち1回は夜間を想定した訓練である。

歌代がんセンター事務局長
 がんセンターでは年2回実施しており、うち1回は夜間を想定した訓練である。第1回は11月に消防署と連携して実施した。

志村精神医療センター事務局長
 精神医療センターでは年2回実施しており、そのほかに医療観察病棟では年2回実施している。

原小児医療センター事務局長
 小児医療センターでは年2回実施しており、うち1回は夜間を想定した訓練で、本年度すでに実施している。もう1回は下期に予定している。

須藤(和)委員
 10月に第1回を実施したとの答弁があったが、他の病院では第1回目は何月に実施したか。

根岸病院局総務課長
 平成26年度実績だが、心臓血管センターは6月26日に、がんセンターは11月12日に、精神医療センターは7月17日に、小児医療センターは8月21日に実施した。

須藤(和)委員
 健康福祉部及びこども未来部の状況はどうか。

北爪健康福祉課長
 総務部危機管理室が全庁的な防災訓練を実施しているが、それに合わせて実施している。当部でも、不特定多数の方が利用している入所施設や医療機関でもある保健福祉事務所については、同様に年2回消防訓練、防災訓練を実施している。

須藤(和)委員
 県として危機管理室が全庁的に統合型の図上訓練を実施している中で、統合型の図上訓練の前に、本来であれば、各部署で図上訓練を実施しておくことが望ましいのではと思うが、健康福祉部では実施しているか。

北爪健康福祉課長
 個別の図上訓練は実施していない。

須藤(和)委員
 こども未来部はどうか。

吉澤こども政策課長
 こども未来部では全庁を対象とする訓練は実施しているが、部局単位での図上訓練等は4月以降実施していない。なお、児童相談所一時保護所等においては、避難消火訓練を法定通り毎月1回実施している。

須藤(和)委員
 県庁職員は4月に人事異動があるが、災害はいつ起こるか分からないので、本来であれば4月に訓練とまでは言わないが点検や図上演習など確認作業が必要ではないか。

青木病院局長
 4月又は5月に図上訓練を実施するというのは重要な指摘であり、今後検討して参りたい。

塚越健康福祉部長
 災害に対する訓練については、県庁で一斉に防火訓練を実施しているほか、全庁的に1、2月頃に防災図上訓練を実施している。健康福祉部は、災害が発生したときに県民の命と健康を守るのが使命である。災害時における救急医療に関する訓練については、前橋日赤を中心にしっかり訓練が行われている。また、最近では、高齢者施設での防災対策が強く求められており、施設間の応援体制の整備を進め、先日も、社会福祉総合センター内で、図上訓練を実施したところである。今後は医療だけでなく、保健衛生・介護・福祉も含めて、健康福祉部全体として図上訓練を実施できるかどうかを検討して参りたい。

(24)医師会等5団体の災害医療チームについて

須藤(和)委員
 医師会を始め5団体が災害医療チームの協定を締結したが、この動きに対する県の考えはどうか。

武藤医務課長
 県の災害対策本部とも連携して、災害医療サブコーディネーターのメンバーに取り込んでいきたいと考えている。

須藤(和)委員
 災害拠点病院を中心としたDMATとのすみ分けはどのように考えるか。

武藤医務課長
 DMATは発災直後の、48時間なり72時間という急性期に対応し、5団体のチームは、その後に避難所や病院での活動に従事することを想定している。急性期の部分とそれ以降の部分という形ですみ分けを考えている。

須藤(和)委員
 研修費用について、団体からの補助の要請には対応するのか。

武藤医務課長
 29年度当初予算編成の中で検討したい。

須藤(和)委員
 研修は県内を11ブロックに分けて、毎年2ブロックずつ6年をかけて実施するとのことだが、もっと短期間で実施する方法はないか。

武藤医務課長
 すべての地域でできるだけ早く研修を実施したいと考えているが、講師を派遣する前橋赤十字病院などでは、他の災害医療研修も頻繁に行っていることから、関係者とスケジュール等を協議しながら進めたい。

(25)動物愛護について

橋爪委員
 食品・生活衛生課が動物愛護行政を所管し、食品安全検査センター、食肉衛生検査所、動物愛護センターが置かれているが、もう少し動物愛護を所管していることが分かるような課の名称にしてもよいのではないか。

塚越健康福祉部長
 狂犬病予防法を所管していた旧衛生食品課(現食品・生活衛生課)が、業務上関係性の強い動物愛護業務も所管し、現在に至っている。課の名称から動物愛護業務等を連想しづらいことは認識しているが、業務のすべてを盛り込んだ名称設定は難しいことから、食品・生活衛生課が動物愛護行政を所管していることを県民に分かりやすく説明していきたい。

橋爪委員
 動物愛護法第4条には動物愛護週間が明記され、同条第3項には、国及び地方公共団体は、その趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならないとされている。本県では、9月22日に動物愛護ふれあいフェスティバルが開催されたが、県は法の趣旨にのっとり、主体性を持って、このイベントを実施したのか。

下田食品・生活衛生課長
 県は、準備段階からの実行委員会への参画、開催案内・チラシの配布、動物愛護センターの独自ブースの出展等、人的支援を中心にして主体的に関わっている。負担金として20万円を負担しているが、そもそも県の動物愛護の普及や適正飼育の指導については、動物愛護ふれあいフェスティバルのみならず、動物ふれあい教室や動物愛護ポスターコンクール等、様々な啓発事業を実施している。

橋爪委員
 開催経費はどうか。

下田食品・生活衛生課長
 同フェスティバルに係る経費は、会場設営に係る業者委託等を含めて約150から200万円と聞いている。

橋爪委員
 獣医師会はいくら負担しているのか。

下田食品・生活衛生課長
 詳細は把握していないが、150万円から県が負担している20万円を引いた額を県獣医師会が負担していると思われる。

橋爪委員
 協賛している15社からは協賛金はどうか。

下田食品・生活衛生課長
 会計についての詳細は、県獣医師会が担っている。

橋爪委員
 実行委員会では、県はどのような立場なのか。

下田食品・生活衛生課長
 毎年度、委員として参加して、当該年度のフェスティバルの催物や人員配置、県が独自に出展するブースに関して説明や助言などを行っている。また、フェスティバルの譲渡のやり方についても、今年度の実行委員会において、県の動物愛護センターで行われているような適正な順序による譲渡事業を実施するよう助言も行っている。内容や啓発などに対する適正な助言指導という立場で参加している。

橋爪委員
 動物愛護法には、地方公共団体はその趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならないとあるが、法律の解釈として、実施主体はイコール県でなくてもよいということなのか。

下田食品・生活衛生課長
 動物愛護ふれあいフェスティバルを開催しなければならないという法的なものはなく、普及啓発のための一つのツールである。様々なイベントを通して、動物愛護の普及啓発、適正飼養が実施されるよう、努力義務が地方公共団体に課せられていると考えている。

橋爪委員
 法律に規定されている9月20日から26日の間に開催される最大のイベントは、動物愛護ふれあいフェスティバルなので、逆から考えるとイコールと思われるがどうか。

下田食品・生活衛生課長
 他の都道府県を見ると、動物愛護週間にそのようなイベントを実施している県が多いかもしれないが、別の催物で動物愛護週間に普及啓発している都道府県もある。

橋爪委員
 動物愛護センターの開設から1年を経過したが、利用状況はどうか。

下田食品・生活衛生課長
 中核市である高崎市、前橋市はそれぞれ動物愛護を所管しているので、基本的にはそこの住民からの犬猫の引取は、それぞれの市で対応している。動物愛護センターの引取状況だが、犬については、顕著な改善傾向にある一方、猫については引取数が急激に増加している。犬の引取数は、平成26年度137頭、27年度136頭と横ばいである。今年度の上半期は55頭となっている。迷い犬の収容数は、平成26年度951頭、27年度819頭、今年度上半期は340頭となっている。猫の引取数は、平成26年度1,133匹、27年度1,321匹、今年度上半期は1,300匹となっており、このままでは2,000匹を超える状況にある。

橋爪委員
 市町村別の持込み数はどうか。

下田食品・生活衛生課長
 動物愛護センターでの市町村別の引取数は、多い順に館林市、伊勢崎市、太田市、沼田市、桐生市となっている。

橋爪委員
 東毛地区が多いことについてはどうか。

下田食品・生活衛生課長
 動物愛護センターには3か所の出張所がある。東毛地域には太田保健福祉事務所の敷地内に東部出張所を設置しており、他の出張所の倍の職員を配置して対応している。東毛地域では、大泉町や邑楽町等の自治体が動物愛護に熱心であることから、市町村と連携して動物愛護業務を進めて参りたい。

(26)ニューギニア戦没者の碑の老朽化への対応について

橋爪委員
 先般、東部ニューギニア海外戦跡慰霊巡拝に参加し、ウエワクの平和公園で慰霊式を行ったが、施設が老朽化していた。このことに対する所感はどうか。

大山国保援護課長
 私も同行したが、特に屋根が老朽化していると感じた。今後、補修について、何らかの対応が必要であると感じた。

(27)拉致問題パネル展について

橋爪委員
 12月10日~12月16日に県民ホールにおいて予定されている拉致被害者のパネル展については、どのように周知をして、風化をしないようにどのように取り組んでいるのか。

平井地域福祉推進室長
 啓発週間のパネル展については、先日、救う会、議連、県で記者会見を実施し、記者クラブに関係資料を提供した。また、県のホームページでも周知の準備をしている。一刻も早い拉致問題の解決を目指すとともに、風化をさせないことを念頭に置き、パネル展や講演会等を引き続き実施したい。

橋爪委員
 ぐんま広報は、有効だと思うので、紙媒体にも掲載していだだきたいが、来年はどうか。

平井地域福祉推進室長
 活用して参りたい。


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