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環境農林常任委員会(農政部関係)平成28年12月7日(水曜日)

1.開催日時

平成28年12月7日(水曜日)13時46分開始 15時40分終了

2.開催場所

403委員会室

3.出席委員

委員長:金井康夫、副委員長:高橋正
委員:関根圀男、委員:黒沢孝行、委員:須藤昭男、委員:新井雅博、委員:星名建市、委員:伊藤祐司、委員:金子渡、委員:井田泰彦

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)鳥獣被害対策について

黒沢委員
 鳥獣被害対策実施隊の設置状況はどうか。

今井技術支援課長
 35市町村のうち22市町村に設置されている。また、今年度中に8市町村で設置される予定である。

黒沢委員
 捕獲圧の強化や刈り払い等をしっかりやってほしいと思うが、市町村と具体的にどのように連携していくのか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 地域や市町村、県の地域機関の人材を育成するため、「地域リーダー育成研修」、「地域指導者育成研修」、「高度専門技術者育成研修」を実施している。また、「鳥獣害に強い集落づくり支援事業」では、鳥獣被害対策支援センターがリーダーシップを発揮し、集落や市町村、県の地域機関に対して、話し合いから始めている。集落周辺の刈り払い等は、地域に理解して実施してもらえるよう、進めている。

黒沢委員
 鳥獣被害対策支援センターの研修に市町村担当者の出席は任意としているのか、あるいは必修としているのか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 研修は任意で出席してもらっている。研修は必修とせず、ハードルは下げながらも、繰り返し実施している。

黒沢委員
 金山のイノシシ駆除に関する平成28年度事業の進捗状況はどうか。

曲沢鳥獣被害対策支援センター所長
 今年度、「鳥獣害に強い集落づくり支援事業」により、3つの自治会において、集落環境マップ等の作成、環境整備場所選定、注意喚起、箱おりの設置を行った。太田市では、「ぐんま緑の県民基金事業」等を活用した竹林等の環境整備を実施し、除草等の試験等を行う実証圃を設置した。今年度の有害駆除による捕獲頭数は11月末時点で92頭であり、昨年度11月末時点と同数である。「指定管理鳥獣捕獲等事業」では、11月に地元区長への説明会を開催するとともに、イノシシの生息状況調査を専門家に依頼し、専門家の助言を受けて、1月以降に捕獲を実施する予定である。

須藤(昭)委員
 平成29年度から2年間、イノシシとニホンジカの捕獲頭数をほぼ倍に増やすとのことだが、今年度もしっかりと捕獲対策を講じるべきだと思う。どう考えているか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 平成29年度、30年度、イノシシの捕獲頭数を7,500頭から1万3,000頭に、ニホンジカを5,500頭から1万頭にする計画は、それだけ捕獲しないと目標年数で半減しないとの推定結果から示した数字である。今年度、イノシシ7,500頭、ニホンジカ5,500頭の捕獲頭数で良いとは思っていない。捕獲すべきものは捕るとの方針で、狩猟期間の延長、国の捕獲奨励金の確保、新たな捕獲方法も実施し、取り組んでいきたいと考えている。

新井委員
 カワウの適正管理計画について、目標数はどうか。

曲沢鳥獣被害対策支援センター所長
 カワウの適正管理計画は、平成27年度に策定し、カワウの生息羽数を平成24年度の半減にする目標を掲げている。平成9年以前にカワウは群馬県におらず、コロニーをなくし当時の状況に戻す方針でいる。目標達成に向けて、コロニーをなくすとともに生息羽数を減らしていくため、様々な対策を実施していきたい。

新井委員
 カワウの適正管理計画は5年計画なのか。

曲沢鳥獣被害対策支援センター所長
 そのとおりである。

伊藤(祐)委員
 市町村等が実施する捕獲事業を支援する「鳥獣被害対策地域支援事業」について、どのような費用が対象となるのか。

今井技術支援課長
 例えば、市町村が事業実施主体になった場合、捕獲従事者の人件費、銃弾の購入費、捕獲従事者の保険料、誘引用のエサ代等が対象となる。また、捕獲機材等の導入についても使用できる。

伊藤(祐)委員
 捕獲したクマの運搬に必要なブルーシートや軽トラックは対象外とのことである。鳥獣被害対策の市町村の取組全体に利用できるようにしてほしいとの声があるが、どうか。

今井技術支援課長
 ブルーシートについて、要望は承知しているが、汎用性があるため、対象外としている。軽トラックの購入に関する要望については承知していないが、用途が限定できるかどうかも含め研究したい。

(2)高病原性鳥インフルエンザ対策について

黒沢委員
 鳥インフルエンザ対策について、野鳥の糞便検査を実施している県内3つの湖沼は、具体的にどこか。

小茂田畜産課長
 伊勢崎市の波志江沼、太田市の大谷幹線遊水池、旧群馬町の三ツ寺公園である。

黒沢委員
 邑楽町の多々良沼はどうか。

小茂田畜産課長
 多々良沼は、環境省の調査対象となっている。環境省からの依頼で自然環境課が採材している。

(3)指定生乳生産者団体制度の見直しについて

黒沢委員
 指定生乳生産者団体制度を見直すとの報道があった。制度の見直しによって、群馬県の酪農家にどのような影響が出るのか。

小茂田畜産課長
 加工原料乳生産者補給金については、国が基本的なスキームを作り、関係者に意見を聞きながら調整を図っている。現在、国から基本的なスキームが示されておらず、酪農家への影響は推察できない。これまでも日量3トン以下については、直接販売等が可能であったが、乳業メーカーとの直接取引はハードルが高く、取り組む酪農家は少なかった。酪農家からは、指定生乳生産者団体による安定的な乳価交渉や需給調整等を望む声が多く、すぐに自由な取引に移る酪農家は多くないと思っている。

伊藤(祐)委員
 指定生乳生産者団体制度が果たしてきた役割について簡単に説明してほしい。また、外国では廃止した例があると聞いているが、廃止した場合、将来的にはどうなるのか。

小茂田畜産課長
 指定生乳生産者団体の役割は、酪農家から生乳販売の委託を受け、乳業メーカーとの価格交渉、効率的な集送乳、需給変動に応じた適正価格の販売を行う等である。また、「加工原料乳生産者補給金制度」において、国の補給金を酪農家に交付する業務を行っている。制度が廃止された場合の影響については、イギリスのMMBが廃止された後、乳価が非常に下落した。指定生乳生産者団体制度の果たす役割は、非常に大きいと考えている。

伊藤(祐)委員
 県として、安定的な制度の存続を農林水産省に求めていくべきだと思うが、どうか。

小茂田畜産課長
 「加工原料乳生産者補給金制度」の改革について示された案では、計画的な需給調整を守ることを前提条件に、指定生乳生産者団体に販売を委託していない生産者についても補給金交付の対象とする内容である。補給金の交付について、需給生産調整を守ることを前提としてもらえるようお願いしたいと思っている。

(4)農村集落の維持について

黒沢委員
 家族農業を守るための政策を打ち出し、集落を維持してほしいが、どうか。

田島担い手対策主監
 家族経営は、集落を維持する上で、高齢者や女性農業者等を含め、担い手として重要である。集落営農を含め、色々な支援をしていきたい。

(5)野生鳥獣肉の利活用について

須藤(昭)委員
 捕獲のモチベーションを高めるためには、安全な野生鳥獣肉の流通が必要であり、そのためには、食肉加工処理施設の設置や出荷制限の解除が必要である。県としての取組はどうか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 中山間地域の活性化、地域振興のためには、野生鳥獣を地域の資源として活用することが大事だと思う。放射性物質や食肉加工処理施設の経営の問題があるが、県としては、全面的に出荷制限を解除する姿勢でいる。1つ1つ課題をクリアしていきたい。

須藤(昭)委員
 現時点での課題は何か。

須川鳥獣被害対策担当参事
 全面的な出荷制限解除のためには、サンプルが特定の地域に偏らず、1年間を通して安定的に提供され、放射性物質が基準値より下がっていることが必要であるが、現在は、出荷制限の解除に向けた体制になっていない。しっかりと構築していくべきだと思っている。

須藤(昭)委員
 県内で5,000頭を超えるイノシシが捕れている。どうして検体が集まらないのか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 県では、鳥獣被害対策推進会議の関係課で研究会を開催し、野生鳥獣肉に残留している放射性物質の傾向を掴む検査方法を検討している。独自に検査をしている市町村もあり、市町村との協力関係を築きながら、検査サンプルが県域、季節で偏りのないように考えていきたい。

須藤(昭)委員
 食肉加工処理施設の設置を市町村で進めることは難しいと思う。県が積極的に支援を行うということであれば、市町村に対して事業を提案することができると思うが、どうか。

須川鳥獣被害対策担当参事
 野生鳥獣の利活用に熱心な市町村もあると思う。野生鳥獣の利活用に向け、市町村の意向を聞きながら進めていきたい。市町村から声が上がってくれば、県としてできる限りの支援をしたいと考えている。

須藤(昭)委員
 食肉加工処理施設の設置について、部長の考えはどうか。

宮崎農政部長
 野生鳥獣肉の利活用は、地域活性化の面から検討される事例が多い。県が先行するより、地域と連携し、地元と一緒に盛り上がってやることが、最も効果的な動きになると思う。地域から意見が出てくれば、県としてできる支援を検討していきたい。

(6)水産試験場に対する試験研究要望について

新井委員
 水産試験場に対する漁業関係団体からの研究要望事項の実施状況はどうか。また、対応できない場合の理由はどうか。

重田水産試験場長
 水産試験場では、現場のニーズに応えるため、農業研究要望事項を漁業関係団体から受けている。平成28年度は、「サクラマスの増殖」、「ギンヒカリ、ハコスチの種苗の安定供給」の要望があり、研究を行っている。また、要望に対する予算確保のため、県単予算のほか、文部科学省の科学研究費補助金等の外部資金に応募している。漁業関係団体からの要望については、漁業関連団体と協議し、試験研究ができるものは予算要求しているが、試験研究になじまない要望には応じられない。

(7)酪農振興について

伊藤(祐)委員
 群馬県の酪農家の戸数や頭数、1戸当たりの規模や生産量はどのように推移しているか。また、現状はどうか。

小茂田畜産課長
 平成28年2月1日現在の酪農家の戸数・飼養頭数は、酪農家の戸数が556戸、飼養頭数が3万6,100頭、1戸当たりの飼養頭数が64.9頭となっている。5年前では戸数・飼養頭数が706戸・3万9,200頭で1戸当たりが55.5頭、10年前では914戸・4万5,700頭で1戸当たりは50頭である。1戸当たりの飼養頭数は、10年前、5年前に比較してかなり伸びているが、酪農家戸数は減少傾向が続いている。

伊藤(祐)委員
 1戸当たりの規模が拡大している要因は、メガファームという大きな会社のようなところが増えていることがあるかと思うが、県はどのように捉えているのか。

小茂田畜産課長
 大規模と言われる200頭以上を飼養する酪農家の戸数は、県内に12戸ある。若手の酪農家には、規模拡大志向で大きく広げていこうとの意欲がある。

伊藤(祐)委員
 県が描いている将来の酪農像は、大規模な酪農家を中心に育てていこうという考え方なのか。

小茂田畜産課長
 現在県では、年間生乳生産量24万トンを目標にしており、目標を達成するためには、規模拡大とともに、中小規模の酪農家にも経営を維持してもらうことが必要だと考えている。中小規模の多くの酪農家は家族経営で、そのような酪農家では自給飼料生産を基本とし、経営的には効率が良いと思っている。そのため、この経営体を維持することは必要だと考えている。

伊藤(祐)委員
 家族経営の酪農家の問題として、ふん尿対策がある。家畜排せつ物法施行から10年以上経って、法施行前に補助金で整備した堆肥化施設等が老朽化し、施設の更新が問題となっている。この問題で廃業した酪農家も見受けられるが、県はどのように考えているか。

小茂田畜産課長
 家畜排せつ物法が平成16年11月に完全施行され、その2~3年前に酪農家や畜産農家における環境の施設整備を行った。10年以上経過し、設備の老朽化が進んでいることは承知しているが、単純更新では県の補助事業では対象とならない。規模を拡大する酪農家では、「畜産クラスター関連事業」、規模を拡大しない酪農家でも効率的に収益力を上げるために機械整備をする場合には、クラスター事業を利用できる。「畜産環境整備リース事業」もあり、この事業の利用も考えてもらえるよう畜産農家に話をしている。

伊藤(祐)委員
 家族経営の酪農家では、規模拡大や収益性を高めるための機械化は難しい。どう考えるか。

小茂田畜産課長
 単純更新では「畜産環境整備リース事業」といったリース事業が最も適していると思う。また、中規模の酪農家がクラスター協議会を作り、共同で機械を整備するのであれば、クラスター事業の利用も考えられると思う。

伊藤(祐)委員
 畜産関係の普及員数の推移をみると、平成17年度に14人だったが、平成28年度には6人になっている。現場に行って中小の酪農家の相談に乗りながら営農を指導する体制になっていないと思うが、どうか。

今井技術支援課長
 現在は畜産担当として県内で6人が現場指導にあたっている。6人になった経緯は、普及指導員全体の人数が減っている中での減少である。6人でできることは絞られてきているが、自給飼料対策や経営指導、鳥インフルエンザ等の防疫対策等の業務に組織として対応している。

伊藤(祐)委員
 酪農家の減少に歯止めをかけることや普及指導の体制について、農政部長の考えはどうか。

宮崎農政部長
 酪農については、大幅に戸数は減っているが、生乳量はほぼ横ばいで推移している。今後とも、この水準を確保していきたいと思っている。これを支えているのは、家族経営であり、県としては、人的には限られているが、今後とも家族経営が継続していけるよう色々な面で親身になって対応していきたいと考えている。

(8)11月の降雪により被災した農業用施設の支援について

高橋副委員長
 11月末の降雪で、榛東村のりんご農家の農業用施設に被害があったが、復旧を支援する制度はあるか。

小林農業構造政策課長
 被災農業者向けの補助制度として、県単独事業の被災農業者向け復旧支援事業があるが、農災条例の適用が前提になっている。今回の雪による被害は、農災条例の適用になっていなかったと記憶している。


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