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産経土木常任委員会(産業経済部・労働委員会関係:平成28年度)平成29年3月6日(月曜日)

1.開催日時

平成29年3月6日(月曜日)10時00分開始 11時24分終了

2.開催場所

301委員会室

3.出席委員

委員長:安孫子哲、副委員長:大和勲
委員:南波和憲、委員:松本耕司、委員:久保田順一郎、委員:福重隆浩、委員:あべともよ、委員:岸善一郎、委員:伊藤清、委員:本郷高明

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)権利の放棄について

あべ委員
 権利の放棄について、貸付当時の審査状況と設立後の経営状況はどうだったか。

上原商政課長
 貸付の審査について、県の経営指導担当部署の職員と、現在の中小企業基盤整備機構である当時の中小企業事業団の職員、外部の専門家が参加して事業計画・建設に対する診断を実施し、制度要件や資金調達、収支計画、返済計画等について調査し、総合的に貸付は妥当と判断した。
 設立後の経営状況について、店舗は団地の集客を見込んでいたが、団地住民の利用は予想を下回り、また、周辺へのスーパー出店の影響により、開店当初から計画どおりの売上が達成できずに赤字が続いた。県では運営診断を重ねて実施し、赤字額は縮小していったが、その後の景気低迷の影響もあり、最終的に倒産となった。

あべ委員
 中小企業高度化資金については、これまで多くの貸付事例があると思うが、このような事例は割合的にどのくらいあるのか。

上原商政課長
 ほとんどの貸付については完済していただいているが、何件かこのような事例がある。最近では、平成26年度に権利の放棄を1件行っている。

あべ委員
 このスーパーができた後に、周辺にスーパーができたとのことだが、そのスーパーにも中小企業高度化資金は入っていたのか。

上原商政課長
 周辺にできたスーパーは民間企業が独自で開設したもので、中小企業高度化資金は入っていない。

あべ委員
 どのような効果を上げるために中小企業高度化資金による貸付を行っているのか。

上原商政課長
 中小企業高度化資金は、昭和に多く利用されたが、当時は金融機関の金利が高かった。中小企業高度化資金は低金利であり、また、集団化を図ろうとする中小企業に多く利用されたことから、効果があったものと考えている。

あべ委員
 今回の事例について、教訓とする部分はあったのか。

上原商政課長
 当時も審査はしっかりとしていたが、今後は更に貸付を行うにあたっての審査をしっかり進めていきたい。

(2)繊維産業高度化のためのオープンイノベーション創出拠点整備について

あべ委員
 繊維産業高度化のためのオープンイノベーション創出拠点整備について、オープンイノベーションルームは、どのようなものを想定しているか。

中村繊維工業試験場長
 オープンイノベーションルームは、多様な産学官の関係者が集まる交流スペースである。具体的には、共同研究の検討、若手人材のワークショップ、プレゼンテーションなどを行うことを想定している。

あべ委員
 この施設を整備したことによって、繊維産業の高度化がどう図られているのかについて、どのように評価するつもりか。

中村繊維工業試験場長
 オープンイノベーションルームのほかに、クリーンルームの整備も予定しているため、健康医療分野の共同研究を更に推進し、その研究成果により施設整備の成果を評価していきたい。

あべ委員
 利用者数ではなく、研究成果で判断するということで了解した。

(3)企業誘致推進について

岸委員
 企業誘致の取組はどのようであったか。

浦部企業誘致推進室長
 産業政策課、東京・大阪・名古屋事務所の誘致担当職員が、3大都市圏を中心に誘致活動を展開している。本社機能移転、工場誘致のため、県内立地に関心ある企業、県内に拠点のある企業、県にゆかりのある企業等を訪問しており、今年度は1月末までの延べ訪問件数が772件となっている。

岸委員
 企業誘致の成果はあったのか。

浦部企業誘致推進室長
 工業団地への立地状況でいうと、伊勢崎宮郷工業団地第1期分及び太田リサーチパークが今年度完売となり、板倉ニュータウン産業用地、多田山産業団地への立地も着実に進んでいる。

岸委員
 地盤ランキングが全国2位との報道もあったが、震災がないとか、災害がないといった、土地に関する問い合わせはあるのか。

浦部企業誘致推進室長
 自然災害が少ないことは多くの企業に認知されており、PRも行っているところである。地盤ランキングも含め、今後も立地環境の良さをPRしていきたい。

岸委員
 団地の在庫状況はどうか。

浦部企業誘致推進室長
 分譲中の団地は、企業局と市町村の造成分をあわせて30ヘクタール余りである。さらに、伊勢崎宮郷工業団地第2期分、板倉ニュータウン産業用地拡張分、甘楽第一産業団地、藤岡インター西などの新たな産業団地の計画・造成も進められている。

(4)技術と経営のワンストップ相談窓口について

あべ委員
 技術と経営のワンストップ相談窓口について、利用見込みはどう想定しているのか。

西村産業政策課長
 当相談窓口は、県内企業や商工会・商工会議所などの要望に応える形で実現したものである。産業技術センターの利用実績は、平成27年度は約31,000件となっており、今年度も1月末現在で28,400件を超えている。一方、産業支援機構の利用実績は、平成27年度で約9,700件、今年度も1月末現在で9,600件を超えている。今後は、既存の群馬県発明協会も合わせた各機関が1か所で業務を行うことで、利用者の利便性の向上と交通の利便性が相まって、相談件数の増加や県内産業の振興に資するものと考えている。

あべ委員
 産業技術センターの平成27年度の利用実績が約3万件、産業支援機構の平成27年度の利用実績が約1万件あることから、約4万件の相談件数を見込んでいるのか。

西村産業政策課長
 両者を合わせた平成27年度実績は約41,500件となるが、平成29年度はこれを上回れるよう、積極的にPRしていきたい。

あべ委員
 相談窓口の存在をPRすることと合わせて、相談したことによる成果・実績をPRすることにより、いい相談窓口にしていただきたいと思うがどうか。

西村産業政策課長
 各機関が互いの相談窓口に利用者を紹介・誘導し合うなどの取組により、両者が一緒になって良かったと利用者に喜ばれるよう、しっかりと実績をPRしてまいりたい。

(5)ベトナム訪問の成果について

伊藤(清)委員
 今回のベトナム経済訪問の成果はどうか。

鬼形工業振興課長
 今回の訪問での、1つの成果として「産業人材の育成及び活用に関する覚書」を締結した。内容は、ベトナム側では優良送出機関の推薦、技能・技術者の適正な教育を推進する一方、群馬県側では公的機関における技能技術者の受け入れ、関係機関と連携して受入企業の指導及び情報提供に努めることとしている。今後、ベトナム労働省等と細部を詰めていく予定であるが、具体的には技能実習生など産業人材の活用促進につながるセミナーの開催や、定期的な情報交換を実施し、円滑な産業人材の受け入れを図ると共に、産業技術センターなどの試験研究機関で技術者の受け入れなども推進したい。

伊藤(清)委員
 昨年ベトナムに調査に行った際に、技能実習生が来日する時にしっかりした送出機関を使う場合は問題ないが、ブローカーを使うと日本に来ても渡航費用を返していけないという現状を聞いてきた。優良な送出機関の把握など、今後、日本向けの技能実習生を迎える上で明確な考えはあるのか。

鬼形工業振興課長
 ベトナム国の労働省や大使館を通じ、連携しながら優良な送出機関の把握に努め、監理団体や受入企業に情報提供していきたい。

伊藤(清)委員
 他の地方自治体が何度も足を運んでいる中で県の取組は大分遅れているように感じる。また、既にベトナムに進出している県内企業から県の取組は遅いのではないかという話も聞いている。労働人材の不足など、本県にとって不足しているものを補うことを目的にベトナムとの友好関係を構築する必要があると思うがどうか。

鬼形工業振興課長
 労働部門との覚書を締結したのは、都道府県では本県が初めてである。本県でも既に23社、27事業所が展開しているが、現時点でも、企業経営者の関心は、アセアンの中ではベトナムが最も高いので、引き続きしっかりと経済交流に取り組んでいきたい。

(6)ベトナムとの協定(覚書)について

南波委員
 技能実習生の群馬県側の受入窓口はどこになるのか。

鬼形工業振興課長
 技能実習生の受け入れに関しては、監理団体が窓口となる。また、中小企業団体中央会が管轄する組合団体が受け入れ、企業への紹介をしている例もあるが、県が直接受け入れて紹介するものではない。送出機関や受入団体等に対して、優良事例の紹介を行ったり、情報提供に努めることとしている。

南波委員
 その監理団体とはどこか。

鬼形工業振興課長
 監理団体については、公益財団法人が運営している場合もあるし、また、中小企業団体が組合をつくって運営する場合もある。中小企業団体中央会が所管する団体については、30組合ほどあると承知している。

南波委員
 その組合に対してどういう働きかけを県でしているのか。協定書をつくっても意味がないのではないか。

鬼形工業振興課長
 詳細は今後詰めるが、ベトナム側にある約230の送出機関のうち、優良な実績のある機関について、ベトナム大使館やベトナム労働省の推薦をいただいて、監理団体に紹介することを考えている。

南波委員
 一番重要なのは受入側の問題ではないか。ベトナムから人材を受け入れる場合、どういう経緯でどういう人が関わってどういうふうにするかという部分で具体的なものが何一つ見えてこないが、その点についてどうか。

鬼形工業振興課長
 県としては、よい事例をこれからどのように周知していくか、関係機関とよく連携して取り組んでいきたいと考えている。

南波委員
 具体的な話が全然ない。具体的にはどうなのか。

鬼形工業振興課長
 具体的には、中小企業団体中央会と連携して、優良事業所の紹介セミナーや見学ツアーなどの実施を考えている。

南波委員
 全然具体的な話になっていない。協定書を結んだだけの話ではないか。

塚越産業経済部長
 入管法の改正に伴い、制度の本来の趣旨にそって監督も厳しくなる。県には、指導監督の権限がないので、その辺りの普及も含めてセミナーを実施していく。また、今回JAも一緒に訪問したが、他県ではJAが受入団体になっているところがあることから、そうしたことも参考に各業界とも相談したいと思っている。基本的には、県が受入団体となる仕組みにはなっていないので、それを補完する形になっている。

南波委員
協定書を結んでも何の意味がないのではないか。友好的にやりましょうといった話だけではないか。

塚越産業経済部長
 ベトナムの送出機関で実習を受けてから群馬に来てもらう方が即戦力として役立つことから、ベトナム労働省と県との間で送出機関の情報交換を行うことにより、互いにメリットのある形で技能実習制度の運用を図ることが覚書の趣旨である。県の方で直接的にできることとして、産業技術センターにおける人材の受入・育成がある。受入団体については、群馬労働局などの関係機関と連携して、しっかりした対応をしていきたい。

南波委員
 県がそこにどういう形で入っていくのか全然見えない。コンサル的に気分良くやっただけの話で具体性が何一つ感じられない。去年の暮れに、東京のNPO法人から、自分のところに土木技術の習得を目的にベトナム人を3人雇ってほしいとの話があったが、そのNPO法人の実態がよく分からないことなどから受け入れを見合わせることにした経緯がある。県が真剣に取り組むのであれば、中小企業団体中央会に加盟している団体をはじめとした受入団体に積極的に儲けさせる仕組みをつくらなければならないと思うし、県が受け入れに対してどのように関与していくかをしっかりと検討してもらわなければ、こうしたことを思い描いても動かないと考えるがどうか。

塚越産業経済部長
 関係機関と連携してしっかり研究していきたい。

(7)制度融資について

久保田委員
 東毛の金融機関を回ると、貸出状況がいまいちよくない。マイナス金利が導入されている中、融資がもっと活発になってもよいのではないかと思うが、制度融資の動きをどのように認識しているか。

上原商政課長
 制度融資の利用については、リーマンショック後がピークで、ここ数年の利用は減少しているが、県全体の金融機関の融資残高は5兆円台で大幅な変動はない。制度融資は、民間金融を補完する位置づけにあり、経済状況によって増えたり減ったりする。

久保田委員
 平成28年度の代位弁済の状況はどうか。

上原商政課長
 信用保証協会の代位弁済について、平成29年1月末現在、959件、68億3,300万円となっている。

久保田委員
 どう評価するか。

上原商政課長
 保証についても代位弁済についても減少しており、代位弁済は平成21年度がピークで256億円であった。

久保田委員
 巷の金融機関の空気を反映しているように思う。日銀の認識はずれていると感じるがどうか。

上原商政課長
 マイナス金利導入から1年経つが、国債の金利も低下しており、金融機関も積極的に融資を行いたいという姿勢である。県としても制度融資の金利について12月に引き下げ、企業が利用しやすいよう対応している。

久保田委員
 もっとお金が動いてもよいのではないかと思うがどうか。

上原商政課長
 金融機関も経営が厳しくなっている中、新規貸出先や優良貸出先の開拓に努めていると聞いている。中小・小規模事業者が困ることのないよう、資金が回るようになってもらいたいと考えている。

久保田委員
 県内経済がよくなっているといっても、資金動向が少ないという感触が否めないことから、引き続き積極的な支援策を取っていただくようお願いしたいがどうか。

上原商政課長
 県の制度融資の金利を12月に引き下げていることから、そのことを金融機関にPRし、制度融資の活用を再度積極的に呼びかけていきたい。


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