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環境農林常任委員会(環境森林部関係)平成29年6月8日(木曜日)

1.開催日時

平成29年6月8日(木曜日)10時00分開始 14時40分終了

2.開催場所

403委員会室

3.出席委員

委員長:清水真人、副委員長:穂積昌信
委員:久保田順一郎、委員:狩野浩志、委員:中島篤、委員:岸善一郎、委員:臂泰雄、委員:藥丸潔、委員:小川晶、委員:本間惠治

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)クレー射撃場内のライフル射撃施設整備について

臂委員
 資料1の防音の図面について、計算上のシミュレーションということでよいか。

井坂自然環境課長
 射撃音を実測した結果を基にシミュレーションしたものである。

臂委員
 この図面を基に住民に説明すると思うが、それなりの精度があるということでよいか。

井坂自然環境課長
 このシミュレーション結果を出せるよう、具体的な整備イメージを基本設計の中で詰めているところである。

狩野委員
 ライフル射撃場の整備はありがたいが、クレー射撃場についても設備の老朽化が著しい箇所があることから、再整備に取り組んでもらいたいと考えるがどうか。

井坂自然環境課長
 クレー射撃場の施設について、クレー放出機やスコアボード等が老朽化していることは認識している。今後、設計を進める中で検討していきたい。

狩野委員
 ライフル射撃場についても、コスト削減を図るのはいいが、安かろう悪かろうでは安中市に迷惑がかかることから、最新の施設を整備していただきたいと考えるがどうか。

井坂自然環境課長
 狩猟者の射撃技術の向上や育成の場として有益な施設となるように、整備内容等を検討し進めていきたい。

小川委員
 クレー射撃場の近所の方から射撃音が地域では問題になっており、何とかしてもらいたいという話を聞いている。5月に住民説明会を開催したとのことであるが、防音対策について住民の理解は得られたのか。

井坂自然環境課長
 地元の方々からは、シミュレーション結果で示された効果を実現するよう求める意見が出されたものの、整備内容については理解をいただいた。

岸委員
 ライフル射撃場は平成31年度に開設予定であるが、利用料はなるべく安価にしてもらいたいと考えるがどうか。

井坂自然環境課長
 現時点では、管理運営面の検討まで至っていない状況である。

(2)カラマツ苗木の生産状況等について

久保田委員
 カラマツの需要が高まる中、吾妻地域はカラマツの適地とされているが、吾妻地域森林計画において、カラマツの生産はどう位置付けられるのか。

高橋林政課長
 吾妻地域はカラマツの植栽地が多い地域である。カラマツの母樹林が民有林、国有林内に数箇所あるが、種子がなかなか採れない状況にある。なお、吾妻地域森林計画は、現在、内容の検討を行っているところである。

久保田委員
 カラマツの挿し木による育苗が始まっているようであるが、林業試験場における取組状況を教えていただきたい。

金井田林業試験場長
 今年度から、林木育種場にカラマツの採種園を造成するが、種子が採れるまでの対策の1つとして挿し木による増殖に取り組んでいる。これまでカラマツの挿し木増殖は困難とされてきたが、外部資金を活用し、「密閉挿し」という手法により発根を確認したことから、この技術の実用化に向け研究を進めていきたい。

(3)富山県の無花粉スギについて

久保田委員
 富山県の無花粉スギについて、低花粉スギは聞いたことがあるが、無花粉スギは低花粉スギと比べてインパクトが大きく違う。その辺について伺いたい。

金井田林業試験場長
 富山県が、平成4年に無花粉のスギの個体を全国で初めて発見した。その個体の研究を重ね、「立山森の輝き」という品種を開発し、平成26年から苗木の生産を開始している。

(4)ごみ排出量とその対策について

久保田委員
 長野県は1人1日当たりのごみ排出量が全国で最も少ないが、なぜ群馬県は多いのか、違いについて教えていただきたい。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 平成23年度にぐんま3R推進会議を設置し、原因究明等を進めてきたが、本県特有の原因を見出せるまでには至っていない。ただ、ぐんま3R推進会議で、県内外193市町村にアンケート調査を行った結果では、有料化を導入している、分別の種類が多い、普及啓発を含めリサイクルの推進に力を入れている市町村については、ごみ排出量が少ない傾向が見られた。

久保田委員
 ごみの減量化について、個人に対する意識付けが効果的と思う反面、ごみを燃やしたり、埋めたりする訳にはいかない状況にあるが、どのように考えているか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 県民意識調査では県民の8割が群馬県のごみの状況を知らないということ、統計データからは生活系収集可燃ごみの排出量が全国ワースト1位、焼却されたごみのうち、生ごみが32.7パーセント、紙・布類が32.2パーセントということが分かっている。このため、ごみ減量の現状・減量化のための広報・啓発、生ごみの発生抑制のための3切り(使いきり・食べきり・水切り)の実践、分別の徹底・分別品目の拡大等に、市町村と連携して取り組んでいる。

臂委員
 一般廃棄物の排出量とリサイクル率の現状はどうか。また、実効性のあるごみ減量化に向けた取組について、市町村の取組も含めて、どのようなことを行っているか伺いたい。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 平成27年度の一般廃棄物の総排出量は772,692トンで、前年度比で約2,500トン減少している。県民1人1日当たりのごみ排出量は1,031グラムで、前年度比で20グラム減少している。順位は全国ワースト3位で、平成26年度のワースト2位から1つ上がった。平成27年度のリサイクル率は15.4パーセントで、前年度比で0.2ポイント低下しているが、ここ10年は概ね横ばい傾向が続いている。ごみ減量化に向けた取組では、昨年度、県内全市町村を訪問し、他市町村の先進的取組を紹介するとともに、取組が遅れている市町村に助言し、取組を促した。今年度も、市町村の取組を後押ししていきたい。

臂委員
 前橋市のごみ減量化の経年変化が分かれば教えていただきたい。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 前橋市における平成27年度の1人1日当たりのごみ排出量は983グラムで、新清掃工場建設計画が議論となった平成23年度の1,081グラムから約100グラム減少している。

臂委員
 前橋市の1人1日当たりのごみ排出量の減少は、評価できるものと考えてよいか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 前橋市における平成26年度の1人1日当たりのごみ排出量は1,044グラムで、平成27年度は61グラム減少しており、県内の市の中でも上位の減少幅である。

小川委員
 ごみ減量化への有効な対策の中で、ごみの有料化があるとのことだが、県内35市町村のうち、ごみ処理手数料を有料化している市町村はいくつあるか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 16市町村である。

小川委員
 有料化している自治体の方が、ごみ排出量が少ない傾向が出ているのか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 1人1日当たりのごみ排出量で比較すると、平成27年度の県全体は1,031グラム、有料化している16市町村は988グラム、有料化していない19市町村は1,041グラムである。

小川委員
 太田市のNPO法人が古布を回収したり、高崎市の団体が衣類や靴、ランドセル等を寄付してもらい、アジアの子どもに送る活動をしているが、これらの民間の活動も情報収集して、広める仕組みをつくっていただきたいがどうか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 群馬県環境情報サイト「ECOぐんま」で、ごみ減量化等に取り組む市民活動団体の活動を紹介する方針なので、その中で取り上げたい。

(5)産業廃棄物の最終処分場について

狩野委員
 企業誘致の観点から産業廃棄物処理施設は必要不可欠であると考えている。県内経済団体から公共関与による処分場の整備の請願・陳情・要望等が以前から出されているが、県内の産業廃棄物処分場の実態を伺いたい。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 処分業者が設置した施設が17箇所、排出事業者が設置した施設が6箇所ある。

狩野委員
 県内における産業廃棄物の発生量は307万3,000トンであるが、約3分の1の96万8,000トンが県外で処理され、中間処理費等で約31億円、委託処理等を含めると約193億円の経済流出がある。これとは別に運賃だけで約50億円ある。県内で処理できるよう、県としてしっかり考えていくべきと思うが、どのように把握しているか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 金額面については把握していない。県内発生産業廃棄物307万トンについては、県内処理211万トンのうち中間処理が207万トン、最終処分が4万トンである。県外処理97万トンのうち中間処理が81万トン、最終処分が16万トンである。県内の産業廃棄物最終処分場の残余年数は、平成28年4月1日現在で16年で、全国平均の13.9年を上回っている。

狩野委員
 今後、災害廃棄物を県内のみならず県外からも受け入れるべきであるという視点から、最終処分場を整備すべきと考えている。災害発生時の廃棄物の受け入れに際して、最終処分場の残余年数は16年とのことであるが、それで大丈夫なのか伺いたい。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 群馬県災害廃棄物処理計画では3つの活断層による地震と水害を大規模災害と想定し、災害廃棄物の発生量を推計している。災害廃棄物は一般廃棄物であることから、一般廃棄物最終処分場での処理が原則であるが、非常災害のため必要な応急措置として一般廃棄物を処理するときは、廃棄物処理法上、事後届出で産業廃棄物最終処分場に埋め立てできる。

(6)事前協議規程における最終処分場設置の立地基準について

狩野委員
 最終処分場設置に関して、本県独自に1キロルールを設けているが、経済活動や企業誘致の推進による雇用の場の確保において、1キロルールが足かせになるのではないかと心配している。1キロルールが導入された経緯を伺いたい。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 最終処分場が特定の地域に過度に集中して立地及び計画されていることで、平成21年3月以降、県議会の一般質問・委員会等でたびたび取り上げられ、平成22年6月、平成24年8月に、安中市の住民から知事に対し、産業廃棄物最終処分場設置計画反対の要請書・要望書が提出された。これを受け、廃棄物処理施設等の事前協議規程改正案を取りまとめ、平成24年12月の環境農林常任委員会に改正案の成案を提示し、改正事前協議規程を平成25年3月1日に公布、同年4月1日に施行した。

狩野委員
 地元が最終処分場の設置に了解しているケースや、安定型から管理型へ高度処理する最終処分場を設置するケースについても1キロルールが足かせになっている現状にある。地域経済の活性化につながる最終処分場の計画までできなくなるのは損失であるため、民間事業者育成の観点からも、1キロルールを見直していただきたいと考えるがどうか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 廃棄物処理施設は循環型社会を構築する上で必要不可欠の施設であることから、県としても事前協議規程を設けて、関係市町村や周辺地域住民と良好な関係が構築されるよう取り組んでいる。産業廃棄物処理施設の設置に関する公共関与には、経営参加や、用地確保支援、補助・融資等といった経済的手法、規制・指導・誘導策といったソフト的手法など、様々な形態があり、現在のところソフト的関与である公共関与として事前協議制度を運用している。今年度はモデル研究事業の検証を予定していること、経済界から最終処分場の建設促進の陳情がされていること、今年度末で改正事前協議規程の施行から5年経過すること、県内廃棄物の優先処理のため県外廃棄物の搬入を規制している道県が36もあることなどから、事前協議規程の内容も含め、県による公共関与の在り方については、モデル研究事業の検証を踏まえて点検したい。

(7)黄砂の現状と対策について

中島委員
 黄砂が気候や生態系、人体に影響を及ぼしているが、どのような対策を取っているか伺いたい。

根岸環境保全課長
 気象庁の観測によると黄砂の観測は西日本が多く、本県では、今年の5月7日に、平成23年以来6年ぶりに観測した。県では黄砂の観測は特に行っていないが、類似のものとして大気中の粒子の規制であるSPM(浮遊粒子状物質)とPM2.5の観測を県内9箇所で行っている。これまでに例はないが、PM2.5の濃度が一定基準を超えた場合は、注意報を発令し、県民に注意を促すこととしている。

中島委員
 PM2.5の注意報が発令された場合、具体的に注意すべきことを教えていただきたい。

根岸環境保全課長
 PM2.5の注意報を発令した場合は、「不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動を控えること」、「特に呼吸器、循環器系疾患のある方、小児、高齢者等は体調に応じて、より慎重に行動すること」を市町村、教育機関、マスコミ等へ情報提供し、県民に注意を促すこととしている。

(8)坂東工業団地周辺の土壌汚染対策について

岸委員
 6月1日の上毛新聞に坂東工業団地の土壌汚染問題の記事が掲載されていたが、県の見解を伺いたい。

根岸環境保全課長
 昭和30年代に埋め立てられた工場の汚泥に含まれるテトラクロロエチレンが地下水まで達し、下流の前橋市の水源井戸で検出されたものである。現在のところ、検出されている井戸でも基準を下回っている状況が続いている。更に、前橋市水道局では安全を期すために曝気処理を行い、テトラクロロエチレンが検出されない状態で水道水を供給している。県では、引き続き下流の井戸で有害物質のモニタリングを継続することにしている。

岸委員
 県の方で調査しているから大丈夫ということでよいか。

根岸環境保全課長
 現段階で直ちに健康上問題が出るということはない。

(9)山林の所有者不明問題について

岸委員
 山林の相続登記が全国的に進んでいないとの新聞報道があったが、県としてどのように捉えているか。

高橋林政課長
 県が持つ森林簿データと法務局の登記簿データを合わせて、より正確に所有者や境界を把握する林地台帳を市町村で作成する予定であり、林地台帳の整備が順調に進めば、所有者の特定ができるようになると考えている。

岸委員
 本県は森林が3分の2を占めていることから、林地台帳の整備を早くしていただきたいと考えるがどうか。

高橋林政課長
 林地台帳は平成29年度から平成30年度までに作成し、平成31年度から市町村で公表できるよう準備を進めているところである。

岸委員
 所有者が不明な山林への対応はどうか。

高橋林政課長
 山林であるため所有者や境界が不明なところも多くあるが、森林に詳しい地元の森林組合が施業する時などに所有者や境界を把握する事例もある。

(10)こども環境教育推進について

岸委員
 こども環境教育推進について、これまでの推移を教えていただきたい。

松下環境政策課長
 環境学習を推進するために、移動環境学習車「エコムーブ号」を活用した体験型の環境学習プログラムを実施している。平成28年度の実績は、小中学校で88回、行政イベントで6回実施している。参加者の合計は5,633人で、そのうち小中学生が4,918名、行政イベントが715名で、平成27年度と比較して増加している。

岸委員
 環境学習プログラムの内容はどのようなものか。

松下環境政策課長
 「水環境」、「地球温暖化対策」、「ごみとリサイクル」など6つのテーマを用意している。

岸委員
 6つのテーマのうち、最も要望の多いテーマは何か。

松下環境政策課長
 最も要望の多いテーマについては、資料がなく不明であるが、各小中学校の先生が地域の実情等に応じ、興味のあるテーマを選択していただいていると認識している。

(11)尾瀬学校について

岸委員
 尾瀬学校への参加について、地域的な傾向はあるか。

堀越尾瀬保全推進室長
 東毛、西毛、吾妻地域の参加が少ない傾向にある。

岸委員
 自宅の近所に住んでいる山小屋の組合長から参加者が少ないという話を聞いている。小学校の先生にも参加するよう働きかけているが、参加が少ないのではないか。

堀越尾瀬保全推進室長
 尾瀬学校については、ガイド料とバスの借り上げ料を補助している。未実施の理由としては、学校行事が多く時間が確保できない、尾瀬までの距離が遠い、地元で環境学習を行っている、といったことが多く挙げられている。

岸委員
 子どものうちに1回は尾瀬に行ってもらいたいと思っているが、尾瀬学校への参加者の増加に向けてどのように取り組んでいく考えか。

堀越尾瀬保全推進室長
 実施率100パーセントの目標に向け、教育委員会と連携を図りながら、参加を呼びかけているところである。小中学生のうちに1度は尾瀬を訪れてもらいたいと考えており、引き続き参加について理解を求めていきたい。

岸委員
 尾瀬学校に年平均で何校参加しているか。

堀越尾瀬保全推進室長
 平成28年度の実績は、小中学校で133校、9,495人で、実施率は51.3パーセントであった。平成29年度の実施計画では、小中学校で132校、10,196人が参加予定で、実施率は55.1パーセントである。

(12)住宅用太陽光発電設備等導入資金について

岸委員
 住宅用太陽光発電設備等導入資金について、これまでの推移を教えていただきたい。

品川環境エネルギー課長
 平成28年度からの事業であり、昨年度の融資実績は63件である。

岸委員
 今年度の予算は昨年度と同じか。また、対象は個人か、それとも企業か。

品川環境エネルギー課長
 予算規模は同じで、対象は個人の住宅である。

岸委員
 1件あたりの融資額はどのくらいか。

品川環境エネルギー課長
 融資実績63件に対し、融資総額は1億1,351万円であることから、平均で約180万円である。この制度融資は金融機関との協調融資という形を採っており、県が一定の金額を出すことにより、金融機関も上乗せして、利率を下げるものである。予算額イコール融資枠ではない。融資枠は昨年度と同額で、1件あたり300万円の100件分で3億円であるが、県の拠出する部分が予算額となっている。

(13)小水力発電有望地点調査について

岸委員
 小水力発電有望地点調査について、これまでの取組を教えていただきたい。

品川環境エネルギー課長
 これまでは、市町村等が行う事前調査に対して、補助事業により個別に支援してきた。平成28年度は、河川の砂防ダムにおける小水力発電の可能性について、2,000を超える地点から絞り込みを行った上で、調査を実施した。現在、調査地点における採算性などを検討しており、できる限り早期に公表したいと考えている。

岸委員
 有望地点はどのくらいあるか。

品川環境エネルギー課長
 まだ公表できる状態ではない。できるだけ早期に調査結果を公表するよう努力しているので、ご理解いただきたい。

(14)大規模太陽光発電設備の設置規制について

岸委員
 県内各地の山の斜面に大規模な太陽光発電のパネルが新設されているが、周辺に降った雨が勢いよく流れ、土砂災害を引き起こす新たな危険性が指摘されている。実際に、昨年、榛名山に想定外の雨が降り、その雨水がゴルフ場に流入し、被害が出ている。県として今後どのように対応する考えか。

品川環境エネルギー課長
 今年4月に、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法)が改正され、設備の設置や維持管理、廃棄処分に至るまで適切な対応が求められたところである。また、既に設置されている事業についても、改正後6か月以内に事業計画を提出することになっていることから、今回の法改正による効果を見極めたいと考えている。

岸委員
 太陽光パネルを急斜面には設置しないよう働きかけるべきと考えるがどうか。

品川環境エネルギー課長
 今回の法改正を含め、事業者にはしっかり法令を遵守してもらうことにより、問題は改善されていくものと考えている。

岸委員
 今回の法改正等について、地主や事業者に対して啓蒙、周知徹底していただきたいがどうか。

品川環境エネルギー課長
 発電事業者のほか維持管理を行う業者も含めて、FIT法の改正等の内容について十分周知し、啓発を進めていきたい。

(15)指定廃棄物について

臂委員
 福島第一原発事故の影響で県内でも放射性廃棄物が出ているが、指定廃棄物の処理について、現状と課題、今後の対応について伺いたい。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 県内で保管している指定廃棄物は1,186.7トンある。下水汚泥の焼却灰、浄水発生土など、比較的性状が安定しており、県内7市村9箇所の公的施設においてしっかり保管されている。今後は、保管状況の把握、必要に応じて保管の強化・改善など安全に保管が継続されるよう、国、保管市村と連携して対応する。また、国には、約束どおり処分先の確保も含め、安全に処理がなされるまで全面的に責任を持って対応するよう求めていく。

臂委員
 8,000ベクレルを下回っても、処理されるまで国が継続して面倒を見るということでよいか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 そのとおりである。一旦指定廃棄物に指定されると、8,000ベクレルを下回っても、一時保管者や地元市町村との協議が整わないと指定解除はできない。例え指定解除されても、処分先が確保されないといつまでも保管しなければならないので、処分先が確保されるまでしっかり管理することが何よりも重要である。県も管理の状況について定期的に立入検査で確認し、また、国も責任を持って対応するとのことであるので、そのとおりに対応したい。

臂委員
 新たに8,000ベクレルを超える廃棄物の発生はないか。

岩瀬廃棄物・リサイクル課長
 現在のところ、8,000ベクレルを超える新たな廃棄物の発生はない。

(16)土砂条例の適用状況等について

臂委員
 群馬県土砂等による埋立て等の規制に関する条例(県土砂条例)による特定事案の許可状況、市町村における土砂条例の制定状況及び今後の対応について伺いたい。

木島不法投棄主監
 県土砂条例が施行された平成25年10月以降、特定事業の新規許可申請は36件で、うち31件を許可した。特定事業の目的は、残土処分と事業用地造成が多い。市町村土砂条例については、現在、県内35市町村中16市町で制定している。県では、県内全市町村での条例制定を目標としており、条例未制定の市町村に対しては、市町村条例の「例」の提供や、市町村長等に条例の必要性を説明するなど、引き続き、条例制定を働きかけていきたい。

臂委員
 県土砂条例の許可申請書類は、細かく煩雑であると見受けられる。より申請しやすくする考えはあるか。

木島不法投棄主監
 県土砂条例は、特定事業の許可申請に当たり、勾配の計算などの許可基準を満たすこと、平面図、断面図などの審査に必要な書類の提出を求めている。審査に必要な書類は提出を求めるが、簡素化できるものがあれば検討したい。

(17)地球温暖化防止活動推進センターについて

臂委員
 地球温暖化防止活動推進センターの指定の経緯と今後の対応について伺いたい。

品川環境エネルギー課長
 地球温暖化防止活動推進センターは、温暖化対策推進法において、各都道府県で1箇所指定できるものであり、唯一申請のあったNPO法人地球温暖化防止ぐんま県民会議をセンターに指定した。温暖化対策の取組については、市民運動の広がりが大切であり、その意味では、県や財団法人、社団法人よりはNPO法人が実施主体にふさわしいと考えている。地球温暖化防止ぐんま県民会議は温暖化対策に対する思いを持って活動しており、県としても大変敬意を持って共働させていただいていることから、今後も継続していきたいと考えている。

臂委員
 温暖化対策推進法が制定されてから、地球温暖化防止活動推進センターを指定できない中で、NPO法人が対象に追加されたことにより、地球温暖化防止ぐんま県民会議を設立してセンターに指定した経緯があることから、今後も支えていく必要がある。国の支援が少なくなる中で、地球温暖化防止ぐんま県民会議の方でも企業からの寄付金を集めようとしているが、県として、寄付を行った企業に対し、何らかのインセンティブを与えるといった側面からの支援を検討してもらいたいがどうか。

品川環境エネルギー課長
 温暖化対策に取り組んでいるセンターの存在を、企業に対し啓発していきたい。

(18)環境新技術導入促進について

藥丸委員
 環境新技術導入促進について、事業の詳細を伺いたい。

松下環境政策課長
 本事業は、県内中小企業等の循環型社会づくりや環境保全に資する新技術・新製品を広報するとともに、県の公共事業への活用を図ることを目的とし、リサイクルの原材料が使用された技術・製品や技術・製品を利用することで自然環境や生態系の保全に寄与するものを対象としている。平成13年度に開始し、平成28年度までに延べ171企業から225件応募があり、158企業、207件が採用されている。公共事業への導入実績は、119事業に延べ75企業、78件が採用され、事業費総額は8億9,162万円である。所期の目的を達成したことから、平成28年度に募集を終了したが、3年後の平成31年度まで広報を行い、廃止する予定である。

(19)渡良瀬川上流に設置されたオートサンプラーの稼働および水質の状況について

藥丸委員
 渡良瀬川上流に設置されたオートサンプラーの稼働の状況と水質の状況について伺いたい。

根岸環境保全課長
 オートサンプラーは大雨や増水時にリアルタイムで河川水を採水できるように、平成26年に沢入発電所取水口に設置したもので、これまで8回の採水を行い、pH(水素イオン濃度)、浮遊物質、銅、ヒ素、亜鉛、鉛、カドミウムの分析をしている。水質の分析結果は、濁流により一時的に重金属濃度が高くなる傾向が見られるものの、その影響は本県には及んでいないことから、県民生活に影響はないと考えている。オートサンプラーは順調に稼働しており、引き続き監視を続けていきたい。

(20)アスベスト使用建築物の解体・更新への対策について

小川委員
 アスベストを使用した建築物の解体・更新が2020年から2040年にピークを迎えると言われているが、抑制対策の現状はどうか。

根岸環境保全課長
 我が国のアスベスト使用の約9割が建材製品であり、今後、アスベストを使用した建物が、平成40年頃をピークに解体されていくと言われている。飛散性の高いアスベストを使用している建物を解体するときは、大気汚染防止法の届出が必要であり、これまで、立入検査を実施し適正な解体が行われているか確認してきた。飛散性の低いアスベストを使用している建物に対しては、これまで、立入検査が充実していなかったことから、解体業者にアスベストの取扱いのノウハウや法令の遵守を指導していくことが有効な手段であると考え、建設リサイクル法に基づく解体の届出のデータを利用して、通常の解体工事においても、今年度、専任の職員を1名配置して、法令上の遵守事項の履行状況について、立入検査を始めたところである。

小川委員
 建設リサイクル法に基づく解体の届出の件数はどのくらいか。

根岸環境保全課長
 年間2,000件程度である。

小川委員
 解体の届出がなされずに解体されてしまうケースはあるか。

根岸環境保全課長
 一定規模以上の建物の解体について、建設リサイクル法に基づく解体の届出が義務付けられるが、ほとんどの建物が該当するので、届出自体は比較的徹底されていると考えている。

小川委員
 解体時には、ほとんど解体の届出がなされて、そこでアスベストの対策がしっかり取られるような仕組みになっているということでよいか。

根岸環境保全課長
 建設リサイクル法に基づく解体の届出には、アスベストが含まれる建材の使用に関する記載はない。約2,000件の中からアスベストが含まれる建材が使用されている可能性が高い店舗や倉庫を中心に立入調査を行い、その際に解体事業者に対して指導することにより適正処理を担保している。

小川委員
 他県の自治体では、アスベストの飛散防止対策をせずに、無届出で解体された事例があると聞いている。チェックはしているが、全部防げるかは分からないということか。

根岸環境保全課長
 大気汚染防止法の届出、建設リサイクル法に基づく解体の届出、及びこれらの届出がないまま解体が行われたものも含めて、調査の対象にしていきたい。

(21)ヤマビルの生息状況及び対策について

小川委員
 ヤマビルについて、県内の生息状況はどうか。

井坂自然環境課長
 過去の調査によると、県の北部と西部の一部地域に生息している。

金井田林業試験場長
 林業試験場では平成28年度からヤマビルについて研究を始め、分布を調べている。鳥獣保護管理員、自然保護指導員、森林組合等247名・組織にアンケート調査を実施した結果、中間的な取りまとめではあるが、平成21年度に比べ、分布域が1.3倍に広がっている。

小川委員
 県として観光客や一般の方からの被害情報を把握しているか。

井坂自然環境課長
 観光客等からの被害情報等は把握していないが、ヤマビルに咬まれるなどの被害が出ていることは承知している。

小川委員
 一般の方が出入りするような場所で注意を呼びかけるなどの対策は行っているか。

井坂自然環境課長
 平成26年度に庁内関係課で連携して、生息地域の分布や吸血時の処置の方法などを掲載したリーフレットを作成し、配布している。また、平成28年度には、吾妻地域において、地元と協力して薬剤散布試験を実施し、その効果を確認した。

(22)前橋バイオマス発電施設について

小川委員
 前橋の木質バイオマス発電施設について、当初地元の反対があったと聞いているが、進捗状況はどうか。

桑原林業振興課長
 前橋の木質バイオマス発電施設は、発電を担う前橋バイオマス発電株式会社と燃料供給を担う前橋バイオマス燃料株式会社により整備が進められているもので、事業費は発電施設が43億8,000万円、燃料供給施設が8億6,400万円、合計52億4,400万円である。発電規模は6,700キロワットで、一般家庭の約7,700世帯分に相当し、年間約7万トンの燃料用木質チップの需要が見込まれている。進捗状況については、燃料供給施設は5月19日に完成済みであり、秋口までには発電施設が完成し、その後、試験運転を行う予定である。

小川委員
 地元の方々とのやりとりについて、県に情報が入っているか。

桑原林業振興課長
 地元の方々の不安を解消するために、事業者が市に環境配慮計画を提出し、自主管理基準に基づいて事業を行っている。


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