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ぐんまの魅力づくりに関する特別委員会 平成29年6月13日(火曜日)
1.開催日時
平成29年6月13日(火曜日)10時00分開始 14時00分終了
2.開催場所
403委員会室
3.出席委員
委員長:星野寛、副委員長:岸善一郎
委員:腰塚誠、委員:狩野浩志、委員:福重隆浩、委員:角倉邦良、委員:井田泉、委員:大手治之、委員:原和隆、委員:荒木恵司、委員:井田泰彦、委員:加賀谷富士子
4.欠席委員
なし
5.主な質疑
(1)ぐんまの魅力発信について
井田(泉)委員
群馬の魅力を全国に知らしめて、集客することは難しい。自由民主党でもプロジェクトチームを作って、魅力発信について提言しようと考えているが、群馬の知名度を上げることは難しい。先日の自民党県議団研修会で、講師から、ただのすき焼きではだめ、昭和村のとうもろこしを活用したらどうかなど様々な発言があったが、企画部長の感想はどうか。
向田企画部長
何でもあるというのではだめであり、これが一番の魅力というところを推していく必要があるということを講師は強調されていたと思う。群馬県には、自然、歴史、産業、食など、何でもある。それが逆に群馬の弱点となっている可能性はあると感じた。しかし、色々な魅力が重層的に重なり合って地域を構築していくものであり、食と歴史文化を組み合わせるなど、地域を複層型で紹介、あるいは印象づけていく取組が必要かと思う。今回、様々な部局が集まった委員会となっているが、一つの魅力ではなく、その地域にいくつもある魅力を重ねていく形で地域を紹介していくという取組ができたらよいと、研修会を通じて感じたところである。
(2)ぐんま県境稜線トレイル(仮称)について
井田(泉)委員
県が稜線トレイルを整備し、観光誘客の目玉としていこうと考えていると思うが、整備状況と安全対策の状況を伺いたい。
井坂自然環境課長
ぐんま県境稜線トレイルは、みなかみ町土合から嬬恋村鳥居峠までの県境稜線部100キロメートルの登山道を結び、優れた自然環境と周辺の温泉地や歴史・文化を楽しみながら歩いてもらう取組である。自然環境課では登山道等の整備を担当し、未開通区間(三坂峠から白砂山間)の国有林との調整やルート決定、現地の測量調査を行っている。
安全対策については、既設の県管理登山道の施設が劣化しているところもあるので、計画的に再整備することとし、今年度は2箇所の整備に着手している。
井田(泉)委員
稜線トレイルを全国的に広めるためには、楽しく歩けて安全というのが最重要課題となるが、登山道なので、滑落や天候の急変に警戒が必要になる。子どもからお年寄りまで稜線トレイルを楽しむための対策をしっかり考えなくてはならないと思うが、いかがか。
井坂自然環境課長
稜線部の登山道であるため、本格的な登山技術が必要な箇所もある。稜線トレイルのPRにあたっては、安全に対する注意喚起や心構えについて周知していきたい。
井田(泉)委員
ゴミやトイレなどの環境対策はどのように考えているか。
井坂自然環境課長
一般的な登山と同様に、ゴミの持ち帰りなどのマナーについても周知したい。トイレや避難小屋については既存の施設もあるが、全ルート調査の中で設置要望の意見もあったこともあり、関係課で構成する検討委員会でしっかりと検討していきたい。
井田(泉)委員
稜線トレイルに名前が付き、本格的な利用開始はいつ頃になるのか。
井坂自然環境課長
現在は、未整備区間の開通に向けて取り組んでいるところであり、平成30年夏頃の全線開通を目指している。
井田(泉)委員
車を利用して稜線トレイルに来た場合、稜線トレイルを歩いた後に車まで戻りたいという人もいると思う。リピーター確保対策として、足の確保の対策はどう考えているか。
吉田観光物産課長
登山口や下山口への代行・送迎サービスについては、地元市町村も入った検討委員会の中で検討していくこととしており、県タクシー協会や民間旅行業などの意見も聞きながら取り組むこととしている。
(3)上野三碑について
福重委員
上野三碑がこの夏にも「世界の記憶」に登録されるという期待が高まっているが、県民運動にしていくためには機運醸成が最も大切だと思う。これまで、県民サポーター向けの講演会や県立女子大学の熊倉教授による地元小学生向けの授業が行われたようだが、県民向けの講演会や学習会などの開催状況はいかがか。
高原文化振興課東国文化推進室長
昨年度は、9箇所で開催、延べ331名が参加した。今年度も6月の前橋会場を皮切りに7月と8月に開催を予定している。また、登録後も毎月1回程度、開催していきたい。
福重委員
世界遺産の富岡製糸場を訪れると、ボランティアガイドの説明で価値を学ぶことができる。清掃やガイドなど、地元のボランティアの活動がうまくいっていると思うが、上野三碑の地元ボランティアの育成状況はいかがか。
高原文化振興課東国文化推進室長
地元高崎市が中心となり「上野三碑ボランティアの会」を昨年度設立した。現在約60名が登録して、予約団体への現地での説明や三碑周辺の清掃活動に取り組んでいる。高崎市とも連携して活動を充実させていきたい。
福重委員
ボランティアガイドでも、多胡碑は熟知しているが、山上碑と金井沢碑については知らないケースも多いと聞いている。勉強会の開催や広報誌の発行などを通じて、地元の人たちに学んでもらう取組が必要である。県と市が連携して取り組むことが群馬の魅力を発信することにつながると思うが、どうか。
高原文化振興課東国文化推進室長
「世界の記憶」登録後には、一般の方が分かるストーリーを周知して理解を深めていきたい。ボランティアについては、育成が難しい面もあるが、引き続き、高崎市と連携しながら登録者の増加など検討していきたい。また、山上碑、金井沢碑の音声ガイドの設置などについても、今後、高崎市と協議していきたい。
(4)上信電鉄との連携について
福重委員
上信電鉄沿線には上野三碑や富岡製糸場があり、世界遺産鉄道ともいえる全国でも珍しい沿線になっている。上信電鉄と連携して様々な企画を考えることも必要だと思うが、いかがか。
高原文化振興課東国文化推進室長
上信電鉄では、上野三碑を巡るフリー乗車券の設定や駅舎での説明板の標示、上野三碑ハイキングなどを実施している。今後も連携して取り組んでいきたい。
(5)「お前はまだグンマを知らない」について
福重委員
群馬の情報発信について伺う。「お前はまだグンマを知らない」が非常に売れていて、7月22日には映画が公開される。映画や著者とコラボして群馬を売り込んでもいいと思うが、そういった取組はないのか。
坂田ぐんまイメージアップ推進室長
「お前はまだグンマを知らない」は県内を紹介している関係で「ぐんまちゃん」を所管している本室が著者や出版社と著作権の関係等調整などをした。また、テレビドラマについては必要な映像資料の提供や県マーク使用など撮影支援をしたところである。
福重委員
県外の人に本県を知ってもらうきっかけとして、ぐんまちゃん家、大阪事務所、名古屋事務所などで、「お前はまだグンマを知らない」のイベントや著者のサイン会等を実施するなど、色々なツールを利用して群馬を売り込んでみてはどうか。
坂田ぐんまイメージアップ推進室長
現時点においては、著者からの連絡を待っているところであるが、今後そのような申し入れがあった場合には、ぐんまちゃん家をはじめ、大阪事務所や名古屋事務所の活用も含め、県としてできることは協力していきたい。
(6)産業観光について
福重委員
大人の社会科見学といわれる工場見学・産業見学が首都圏を中心に盛り上がっていると聞いている。群馬ではガトーフェスタハラダなどで工場見学を受け入れているが、群馬県の取組状況等を教えていただきたい。
吉田観光物産課長
県内には、ダム見学やビール工場見学、自動車工場見学など、自然と歴史に根ざした様々な産業遺産や生産拠点があり、現在においても観光資源としての魅力や潜在力は十分にあるものも多い。これまでにも「ぐんまの産業観光ガイドブック」を作成したほか、7月から始まるググっとぐんま観光キャンペーンでも、八ッ場ダム見学会や神流川発電所見学、AGF関東(太田市)の工場見学を紹介しており、今後も、旅行商品造成の提案などを通して、さらなる産業観光の推進に取り組んで参りたい。
(7)7つの交通軸について
福重委員
7つの交通軸整備強化について、県民生活の利便性向上、産業の活発化など素晴らしい結果を残している。一方、都市と都市の間に挟まれた町村部が通過点になり、買い物も地元ではなく都市部に行くようになるなど、通過点になることで衰退する状況が見られると思うが、どう考えるか。
林都市計画課まちづくり室長
まちづくりは市町村が主体となって行っており、県も支援を行っている。まちづくりのための開発では、開発を行う場所や種類により開発計画の策定手順は異なるが、市町村から相談があった場合、町全体で不都合が生じないように注意し、柔軟に対応する。
(8)酒米「舞風」について
角倉委員
本県育成の酒米「舞風」と群馬の水で群馬の酒を作っているが、おいしくなっていると思う。舞風は5~6年前から実用化されているが、品種改良する予定はあるか。
新井ぐんまブランド推進課長
「舞風」の開発にも多くの時間がかかっている。直接の担当課ではないが、品種改良の動きは特にないと聞いている。
(9)県民への情報発信について
角倉委員
群馬の地酒をアピールするために、工業振興課が県内外で群馬の地酒を飲むというイベントをしているが、まずは県民に地酒、すき焼き、下仁田ネギがうまい、ということを感じてもらわないといけない。群馬のものを売り出すためにはまず県民が消費しないと、県外に広げていくことは難しいと思うが、いかがか。
新井ぐんまブランド推進課長
「ぐんま・すき焼きアクション」は、県産農畜産物が多彩で高品質である象徴として取り組んでいる。県外への情報発信だけではなく、県民にも取組を知っていただく必要があり、県内スーパーに協力いただき「すき焼きのプレゼントキャンペーン」を実施したり、「お弁当コンテスト」では県内企業に商品化していただくなど、県民に食べていただく工夫をしている。
(10)豚肉の輸出規制について
角倉委員
群馬県の豚には、麦豚や伊勢崎の氷室豚など、ブランド高級豚があるが、輸出できない状況である。その理由と輸出規制に対する取組を教えていただきたい。
新井ぐんまブランド推進課長
豚肉における各国の輸入規制は2種類ある。原発事故以降の放射性物質によるものと、動物検疫によるものである。現在、放射性物質による輸入規制により輸出できないのは中国と台湾のみである。主には動物検疫であり、EUやアメリカ等については、現在、規制解除に向けて二国間協議が行われている。なお、香港、シンガポール、マカオ、ベトナムへは輸出可能である。放射性物質と動物検疫については、国と国との交渉であるため、主に知事会等を通じて国に規制解除に向けた取組強化を要請している。また平成28年3月には、規制対象の5県である福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県が合同で訪台し、台湾民進党に対して規制解除の要請をしてきたところである。
角倉委員
豚肉のブランド展開をしている業者に海外輸出の意思を確認していただき、もしあるならば、豚肉についても農林水産省に規制解除に向けた改善を求めていただきたいが、いかがか。
新井ぐんまブランド推進課長
国に輸出規制解除のお願いをする際、豚肉だけ除いているわけではなく、本県の農畜産物全てについて行っている。
角倉委員
全てを要望すると、何もやっていないのと同じになってしまうと思うが、農林水産省から規制解除に向けた二国間協議等の交渉状況について、情報提供があるのか。
新井ぐんまブランド推進課長
二国間協議の交渉過程に係る情報は入ってこない。
角倉委員
県として内容を確認することはできないのか。
新井ぐんまブランド推進課長
交渉ごとなので、途中経過を教えていただくのは難しいと思われるが、ある程度協議結果の目処が付けば提供してもらえるのではないかと考えている。また、本県では農畜産物等の輸出促進は、品目と輸出相手国をアクションプログラムで定めて、それに基づいて実施している。実際に豚肉の輸出を希望する事業者等の情報がつかめたら、どのような支援ができるか検討して参りたい。
角倉委員
輸出可能な国もあり、少しずつ実績をつくっていくという部分で、県としてサポートいただけるという認識でよいか。
新井ぐんまブランド推進課長
当課では群馬県農畜産物等輸出推進機構をつくり、そこを通じて色々な支援を行っている。まず、輸出希望の事業者にはそこに加入してもらい、関係構築をして支援を行いたい。
(11)上海事務所について
角倉委員
中国からの本県旅行者が増加しているが、民間レベルの動きによる影響があり、上海事務所が直接観光誘客に関与して増加したとは思えないが、いかがか。
山田国際戦略課長
日本への送客実績が多い現地旅行会社を訪問し県内観光をPRしたことで、旅行会社利用客に群馬の情報が伝わり観光客が増えている。昨年度は現地旅行会社とタイアップして30件の本県旅行商品を作ることができ、多くの誘客につながった。
角倉委員
ゼロからのスタートで、中国本土から群馬への観光客が増えたということで、上海事務所は大きな役割を担っていると感じる。上海事務所の活動を更に拡大するべきだと思うが、機能強化についてどう取り組んでいくのか。
山田国際戦略課長
上海事務所設立当初は中国本土や香港で取組を行っていたが、その後台湾にも取組を拡大している。また、中国では口コミが重視されており、SNSなどインターネットを活用した情報発信に今後も力を入れていく。さらに、駐在中のぐんまちゃんを活用した本県認知度アップや、現地企業とのネットワークを活用した取組を実施していきたい。
(12)ぐんまちゃん家について
角倉委員
ぐんまちゃん家についてだが、来年で設置10年となる。これまでを総括し、ぐんまちゃん家が果たしている役割をさらに群馬県に還元していくために、ぐんまちゃん家の取組を強化していくための県の考えを示してほしいが、いかがか。
坂田ぐんまイメージアップ推進室長
ぐんまちゃん家は様々な機能を有する「群馬県の総合情報発信拠点」として東京・銀座に設置した行政機関であり、平成20年7月に開所した。
設置の目的は、激しさを増す地域間競争を勝ち抜くため、首都圏に向け群馬県のあらゆる魅力を発信することである。このため、平成22年度に増床したほか、これまでの実績、効果を検証し、平成28年度には移住・就職相談機能を強化してきたところである。今後も首都圏における情報発信機能が最大限に発揮できるよう関係者と連携しながら対応していきたい。
角倉委員
ぐんまちゃん家には宮崎所長がいるが、10年を節目と位置づけて、今後5、10年先までの活動の大きな絵を示し、県として戦略・戦術をまとめる良い機会だと思うが、いかがか。
坂田ぐんまイメージアップ推進室長
ぐんまちゃん家は、所長の手腕・人脈によるところが大きいことは承知している。所長の指導の下、OJT等により職員の人材育成を行っているほか、当課とぐんまブランド推進課、観光物産課で構成する情報発信強化戦略チームで意思統一をして発信をしている。メディア取材については、親切な対応を心がけるとともに、移住・定住機能の強化等、今後も引き続き強化していきたい。
角倉委員
所長の手腕は素晴らしいが、個人の能力に頼る部分が大きいのもどうかと思う。今のノウハウや人脈の継承、さらにぐんまちゃん家の活動の機能強化と拡大など、個人の能力ではなく組織としてのシステム強化を積極的に行っていただきたいが、いかがか。
坂田ぐんまイメージアップ推進室長
ぐんまちゃん家の検証は設置後3年に行ったほか、平成28年度に庁内、外部の意見を聞いて検証し、引き続き設置の必要性を確認したところである。
(13)富岡製糸場と絹産業遺産群について
大手委員
富岡製糸場について一般質問をさせていただき、まだまだ集客が少ないということだったが、「富岡製糸場と絹産業遺産群」について、今後どのような扱いをしていくのか。
吉田観光物産課長
これまでも、富岡製糸場だけでなく他の3資産への周遊を促進するため、「富岡製糸場とぐんま周遊観光ガイドブック」やその他のパンフレットで、富岡製糸場から、他の3資産やぐんま絹遺産と併せて県内各地の観光地や温泉地を巡るコースを紹介し周遊観光の促進を図っているほか、旅行エージェント向けに商品造成の働きかけを行っている。
7月からググっとぐんま観光キャンペーンでも、PRしていくほか、9月に東京ビッグサイトで開催予定の「ツーリズムEXPOジャパン」では、「紅葉」、「富岡製糸場と絹産業遺産群」、「スキー」などをメインに、秋・冬の観光素材を全面に押し出してPRしたいと考えている。
大手委員
先日の自民党県議団研修会で、群馬県には素晴らしいものがありすぎるため、一極集中するべきという話があった。世界遺産で国宝でもある富岡製糸場をいかにブランド化して世界に、日本につなげていけるかが今後の課題である。それに伴い、設置予定の「世界遺産センター(仮称)」の考え方について伺いたい。
向田企画部長
富岡製糸場は群馬県にとって核となるものである。「世界遺産センター(仮称)」はその核と群馬県の食や文化、温泉などをつなぐ大切な施設となる。富岡に来た方が絹遺産をはじめ、食や温泉を楽しんでいただくきっかけになるものとしたい。そのため、多くの人が来ていただけるような魅力あるセンターになることを一番に考えて進めていきたい。
大手委員
来年度オープン予定なので、「世界遺産センター(仮称)」の「仮称」を取ることも大切だと思うが、それについてはいかがか。
佐藤世界遺産課長
有識者からの意見や他県の例も参考にして、「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産センターだと分かるような名称にしていきたい。
大手委員
富岡製糸場は一番知名度が低い世界遺産だと報じられており、残念に思っている。また、子どもたちの来場者数もそれほど多くなく、昨年度は東京に次いで2番目が群馬県だが、0人の自治体も多い。子どもたちに来てもらうような取組をしてほしいが、いかがか。
佐藤世界遺産課長
県内の小中学生については、学校キャラバンとして富岡製糸場世界遺産伝道師に学校に出向いてもらい、絹遺産の価値について講義をしてもらっている。世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」は4資産から成り立っているため、全てについて理解してもらって価値が分かるものである。そのためにも、学校教育の一環として子どもたちに「世界遺産センター(仮称)」を訪れていただきたい。
大手委員
尾瀬学校のように、世界遺産を子どもたちに周知していただきたい。これらのことについて、観光局長はどう考えるか。
真下観光局長
富岡製糸場と絹産業遺産群は、県の核になる観光資源と認識している。魅力ある街づくりと併せて県内での滞在時間が増えるよう、観光サイドのコンテンツの充実が重要であると考えている。
(14)職員の人材配置について
狩野委員
群馬の魅力づくりには、職員の適材適所の人材配置が必要だと思う。「継続は力なり」ということもあり、人脈を築いたり、対マスコミ対策も考慮していかなければならない。企画部長の考え方をお聞きしたい。
向田企画部長
自分を含め、ブランドや観光など、魅力づくりに関係する所属を回っている職員もおり、その辺は人事課も配慮しているのかと思う。例えば、農業の振興だけから魅力づくりを見るのではなく、観光からも見る、あるいは文化的なところからも見るということが、行政の幅を広げてくれる。そのような人事配置をしていただけるよう、人事課にも伝えていきたい。
(15)「ぐんまがいちばん!」について
狩野委員
「ぐんまがいちばん!」について、今年度は何部増刷するのか。
坂田ぐんまイメージアップ推進室長
2,000部である。
狩野委員
「ぐんまがいちばん!」は小学校4年生にしか配布していないということだが、県民が自分の県に誇りを持たなければいけないので、県民全員・来県者に配布するべきでないか。2,000部ではやる気が感じられない。
坂田ぐんまイメージアップ推進室長
部局横断で取り組んでいる庁内のプロジェクトにおいて「ぐんまがいちばん!」の利活用について検討しているほか、今年度の県政県民意識アンケート調査において、「ぐんまがいちばん!」を知っているか、内容についてどう思うのかなどアンケート調査を実施している。その結果を見て周知方法を検討したい。
(16)道路・河川の維持管理について
狩野委員
ぐんまのイメージアップを図るのに、7つの交通軸整備は良い政策だが、道路の維持管理が不十分で、雑草が生い茂っていてイメージが悪い。こまめに除草対策をしている県もある。また、道路標識、標示も見にくいので、しっかり対応していただきたいがいかがか。また、川の中に草木が生い茂っていると、河川の氾濫の恐れもあるため、早急に除草するべきである。さらに、鳥獣も川を使って都市部に出てきている。安心・安全の確保、景観の保持、鳥獣害対策ということで、是非お願いしたいがいかがか。
若田部道路整備課長
道路整備と管理は両輪で行っていることから、しっかり対応していきたい。
平山河川課長
河川についても木が生えたり、土砂がたまることにより草が生える悪循環もある。河川の容量を確保する上でも適切な管理を行いたい。また、地域の方の力も借りながら取り組んでいきたい。
(17)本委員会の目標設定について
原委員
ぐんまの魅力づくりに関する特別委員会は、部局横断で7部局が出席している。第15次群馬県総合計画でも、「魅力あふれる群馬の実現」という理念をあげている。特別委員会と総合計画とをどう整合性を取っていくかということだが、企画部長の考える魅力づくりとはどんなものか。
向田企画部長
一つは外から見た群馬に行ってみたい、群馬のものを買いたいと思っていただくことが一般的な魅力の一つであるが、もう一つは中から湧き出す魅力として、県民が誇りと愛着を持っていられることも魅力であって、こちらも重要である。
まずは外へ向けた魅力発信が最優先であると考えているが、両方が相まって群馬県の魅力に繋がると考えている。
原委員
総合計画では、各施策で目標を立てている。本委員会でも政策体系を作ることが必要だと思うが、どのように考えるか。
向田企画部長
設定しているKPIの109項目のうち、魅力づくりに関するものを集めてもう一つ政策体系を作るということだと思うが、これからそれを作るのか、それとももう一度それを再認識して、大きな目標に向かって各施策を運用していくのかは、今後しっかり議論したい。
原委員
群馬の魅力を集めて外に向けて発信していくという部分に関して、今年だけで終わるものではないので、今後もマネジメントしていかないといけない。この委員会で議論したことがどういう目標に向かっていくのかはっきりしないと、それぞれの部だけの対応に分かれてしまう。ブランド論の第一人者のデビット・アーカー博士によれば、ブランド戦略と目標を立て、そこに権限と予算をつけなければならないということである。自治体のブランドは議論がぼやけてしまいがちなので、目標を立てて議論したらよいと思うが、いかがか。
向田企画部長
しっかりとした目標があって、初めて同じ目標に向かえるのだと思う。その目標をどこに置くのか議論しなければならないし、今あるものではないので、今後の審議の中で一緒に定めていければいいと考えている。
(18)群馬のお土産コンテストについて
荒木委員
群馬のお土産コンテストについて、魅力度ランキングのアンケート項目と現在の事業がどうマッチしているかという検証も大切だと思う。アンケートの中で、「買いたい土産や地域産品がある」という項目は35位であり、ブランド総合研究所の田中社長からも「群馬は食と土産が弱い」という指摘があった。今回のお土産コンテストが非常にいいきっかけ作りになると思うが、概要と実施時期について伺いたい。
吉田観光物産課長
コンテストの実施方法であるが、一次審査では、「あなたがあげたいお土産」「もらってうれしいお土産」をテーマに、県内で製造されている商品の中からお土産として渡したい商品、あったらよいと思うお土産などウェブや直接投票により募集する。
二次段階で、一次審査結果をカテゴリ別に仕分けし、エントリーされた品目の中から良いと思われる商品に投票し、上位商品の選定を行い、ウェブや直接投票の結果を集計し、発表する。
集計結果をもとにパンフレットを作成するほか、CASAぐんまにおける特集ページ掲載などにより、選定された商品を中心に広くPRしたい。
さらに、県観光物産国際協会が実施する物産展や店舗等における販路拡大の支援を行うことで、「これぞぐんまのお土産」と広く認知していただきたいと考えている。
実施時期については、現在、プロポーザル等で準備を進めており、年内には、結果発表をする方向で検討している。
荒木委員
上位に選ばれた産品をどのように反映していく予定か。
吉田観光物産課長
パンフレット等を作成するほか、ホームページや物産展でもカテゴリ上位のものを広くPRしていきたい。
(19)ググっとぐんま観光キャンペーンについて
荒木委員
ググっとぐんま観光キャンペーンについてだが、実施が秋から夏に変わったが、心配なのが、夏の時期の豪雨、台風、猛暑など、天候による入り込み客数の減少である。その対応はどのように考えているか。
吉田観光物産課長
昨今の気候変動によるゲリラ豪雨や猛暑が、顕著となっているが、誘客に対しての影響も、少なからずあると予想される。
一方、県内市町村にキャンペーン開催時期の意見を聞いたところ、地域の観光資源の特性から春秋の開催を希望する市町村もあったが、強く固執する意見はなく、「夏には集客が見込めるイベントや観光資源があるので期待できる」「東京オリンピック・パラリンピックの観光誘客の下地づくりができる」等、夏キャンペーンの開催に好意的な意見が多かったことから、平成29年度は夏の開催としたところであるが、天候には注意して参りたい。
(20)外国人向けパンフレットについて
加賀谷委員
外国人観光客向けのガイドブックについて伺いたい。県でも色々なガイドブックを作成していると思うが、注意している点等あったら教えていただきたい。
吉田観光物産課長
外国人向け観光パンフレットの作成にあたっては、これまでの海外での旅行博出展、商談会等の経験などを参考に海外向けの内容としている。特に外国人観光客に人気のある、花や紅葉、雪山などの四季の美しい写真を多く使いながら、群馬が誇る温泉、絹遺産などの歴史、伝統工芸、すき焼き、果物狩り、さらに外国人観光客に人気の高いアウトドア体験などを紹介している。
加賀谷委員
紙媒体のガイドブックにはダルマや天狗などが掲載されているが、説明が少ないので、ストーリー性のある説明があるとおもしろいと思う。紙で見て興味を持ったらホームページを見ると思うが、ホームページでは詳しい説明が掲載されているのか。
吉田観光物産課長
ホームページの方が詳しい説明になっている。また、旅行博や商談会では市町村作成のパンフレット等も持参しており、それらも併せて活用して詳しく説明している。
加賀谷委員
台湾や中国では縁起を担ぐ人が多いと聞いている。群馬県にはパワースポットとして有名な榛名神社、赤城神社、水澤観音などがあるため、そういったところを売り込んでいってもいいのではないか。台湾の旅行組合の幹部と県職員が面談したということで、これからつながりができてくるかと思うが、そういった際にPRするとよいのではないか。
吉田観光物産課長
そうした点も含め、色々な切り口でPRしていきたい。
(21)ぐんまのプロモーション事業について
井田(泰)委員
最近、テレビ等で群馬が取り上げられていることが多いと感じる。これは、県や市町村の在京メディアへの売り込みの成果だと思うが、具体的な売り込み方法について教えていただきたい。
坂田ぐんまイメージアップ推進室長
ぐんまちゃん家でサロン・ド・Gを実施して、定期的に記者を招いた情報発信を行っている。記者と懇談して関係を築き、PR素材の売り込みをしている。
井田(泰)委員
競争相手がたくさんいる中では人間関係が大切だと思うし、特定のテレビ局と強いパイプができているという印象も受ける。先ほど適材適所という話もあったが、人ありきの面がある。何人くらいでその職務に当たっているのか。
坂田ぐんまイメージアップ推進室長
直接的に関連している本室の係員は3名で、その他室長、課長である。また、ぐんまちゃんによるイメージアップを担当している情報発信係の職員は3名である。ぐんまちゃん家には県職員6名、市町村派遣職員が3名が在籍している。
井田(泰)委員
人間関係を密に築くためには、ある程度東京に滞在することも必要だと思う。ぐんまイメージアップ推進室ではどのくらいの頻度で上京しているのか。
坂田ぐんまイメージアップ推進室長
最低月1回は上京している。
井田(泰)委員
月1回では少し物足りない気がするので、取組に力を入れていただきたい。東京事務所との連携はどうか。
坂田ぐんまイメージアップ推進室長
直接連携することはないが、前回のサロン・ド・Gには東京事務所長も出席している。今後も力を合わせて情報発信に取り組んでいきたい。
井田(泰)委員
昨年度女性のモニターツアーを実施したとのことだが、今年度の取組はどうか。
坂田ぐんまイメージアップ推進室長
本室ではこれまで、動画等を活用し、幅広い対象者に向けたプロモーション活動を行ってきたが、昨年度から人口減少問題の鍵を握る若い女性を対象とした「女性の視点を活かしたイメージアップ推進」事業に取り組み、今年度もモニターツアーを実施する予定である。
今年度は、「ググっとぐんま観光キャンペーン」が実施される7月~9月を目指し「水」や「山」をテーマとしたモニターツアーを実施する予定である。
(22)「ぐんま・すき焼きアクション」について
井田(泰)委員
すき焼きマップにはすき焼きが食べられる店が掲載されているが、PRが先行して食べられる店舗が追いついていないように感じる。すき焼きアクションについて、現状の取組と認知度の状況について伺いたい。
新井ぐんまブランド推進課長
昨年度の取組については、県産食材100パーセントのすき焼きプレゼントキャンペーンや老舗すき焼き店とのコラボレーション、親子で作ったすき焼きのぬり絵キャンペーン、お弁当コンテスト、プロモーションビデオの作成などに取り組んだ。プロモーションビデオは、6月いっぱい高崎駅のデジタルサイネージで上映されているので御覧いただきたい。認知度については、平成27年度に行った「県政県民アンケート」では、21.2パーセントであった。また、同じ調査ではないが、県内在住の男女にインターネット調査したところ、平成26年度が31.9パーセントであったものが、平成28年度の調査では58.5パーセントとなっている。
井田(泰)委員
認知度については独自調査とのことだが、実際そのくらいの認知度はあると感じている。ただそれが先行してしまい、食べられる店が追いついていない状況だと思うが、現状を打破するためのアプローチはしているか。
新井ぐんまブランド推進課長
すき焼きマップを作成しており、ホームページでも見られるようにしている。また、フェイスブックでも情報発信をしている。ぐんま・すき焼きアクション賛同企業は、旅館・ホテルが多く地域的なバラツキもあるが、お弁当コンテストなどにより食べていただく機会を増やしたり、実際にすき焼きを提供している店舗の情報を把握し、さらに発信していきたい。
井田(泰)委員
すき焼きを夏に食べてもらう取組も必要と考えるがどうか。
新井ぐんまブランド推進課長
ひめラボを活用し、夏に食べるすき焼きレシピを考えていただいているところである。
(23)「群馬県観光親善学生大使」について
岸副委員長
先日、上毛新聞の投稿欄に県立女子大の学生と思われる方から投稿があり、アメリカ留学中に群馬の魅力をアメリカ人や他国からの留学生にPRしたことが紹介されていた。県内の小中高含め多くの学生が留学しているが、留学する人には群馬県の魅力を伝えてもらうなど、海外での群馬のイメージアップにつなげることはどうか。
吉田観光物産課長
御指摘の記事は群馬県立女子大で「群馬県観光親善学生大使」になっていただいた方だと思う。観光誘客にあたって、このような県民の「生の声」で群馬県の魅力を伝えることが大変効果的であり、特に海外からの誘客にあたって、留学生に御協力いただけることは、県のPRに有効と考えている。この群馬県立女子大学の事業は平成20年から実施されており、同大学から留学する学生に対して、事前に群馬県の魅力や英語でのプレゼンテーションについて研修を行って、留学先で群馬県の魅力をPRしてもらうもので、平成20年度~平成27年度までで延べ759人と聞いている。
(24)おもてなしトイレ整備について
岸副委員長
県立公園のおもてなしトイレの整備についてだが、県立の3公園の公衆トイレの洋式化整備について、進捗状況を教えていただきたい。
井坂自然環境課長
観光地でもある県立公園の魅力アップにつながるよう、公衆トイレの洋式化改修に取り組んでいる。現在、調査設計業務を実施しており、今年度中に順次使用できるように整備していきたい。
岸副委員長
トップシーズンに向けた整備の対応はどうか。
井坂自然環境課長
利用状況を勘案し、利用のトップシーズンには工事は避けることになると考えるが、今年度中の整備完了を予定している。