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本文

厚生文化常任委員会(こども未来部・健康福祉部・病院局関係)平成29年6月9日(金曜日)

1.開催日時

平成29年6月9日(金曜日)10時00分開始 16時22分終了

2.開催場所

402委員会室

3.出席委員

委員長:金井康夫、副委員長:大和勲
委員:南波和憲、委員:須藤昭男、委員:橋爪洋介、委員:伊藤清、委員:山崎俊之、委員:本郷高明、委員:井田泰彦

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)地域医療介護総合確保対策について

須藤委員
 介護高齢費の地域医療介護総合確保対策について、大きな金額が繰越明許となるとのことだが、全体の予算額のうち繰越額の割合はどうか。また、繰越の理由は何か。

田村介護高齢課長
 地域医療介護総合確保対策は、地域医療介護総合確保基金による、29床以下の地域密着型特別養護老人ホーム等の整備である。平成28年度予算額13億円余のうち、10億円余を繰り越したため、割合は76.86パーセントとなっているが、28年度の国交付金の内示が7月末であったことや、工事期間におおむね1年間程度を要することから、繰越明許となったものである。

(2)安中保健福祉事務所擁壁改修工事について

伊藤(清)委員
 安中保健福祉事務所擁壁改修工事の繰越理由は何か。

吉田健康福祉課長
 既存擁壁を一部残す計画であったが、工事を進めていく中で傷みが激しいことが確認され、新設することとしたため、工期が延期となった。

(3)人口減少社会について

山崎委員
 群馬県の少子化の経緯について伺いたい。

吉澤こども政策課長
 本県の年間出生数については、第1次ベビーブームの時で5万人台であり、ピークは昭和22年の54,605人、昭和30年代の半ば以降は2万5千人台、第2次ベビーブームの時で3万人台であり、ピークは昭和48年の32,507人であった。その後、平成2年に1万人台になり、一時的に平成6年に2万人台になったが、その後は1万人台の状況であり、平成28年は13,661人である。合計特殊出生率は平成18、19年で最低の1.36であり、現在は若干回復し、平成28年は1.48である。

山崎委員
 本県の待機児童の状況についてはどうか。

森平子育て・青少年課長
 平成26年及び27年の4月現在では、いずれも0人、28年4月は5人となっている。

山崎委員
 女性の就業率が上昇した場合、本県の保育は対応可能か。

森平子育て・青少年課長
 将来見込みは難しいが、保育の受け皿の確保に向けた市町村の取組を支援し、待機児童の解消に努めていきたい。

山崎委員
 保育士の全国の需給状況と県内の不足状況についてはどうか。

森平子育て・青少年課長
 平成27年1月に厚生労働省が公表した「保育士確保プラン」によれば、平成25年度から29年度末までに、新たに確保が必要となる保育士数は6.9万人とされている。25年度から27年度までの増加人数2.8万人を差し引くと、29年度末までの2年間に4.1万人の確保が必要となる計算である。
 県が保育園・認定こども園に実施した保育士等の採用不足数に係る調査では、29年4月時点で224人が不足という結果であった。なお、国の配置基準は確保されており、より手厚い保育をするために生じた不足数と思われる。

山崎委員
 本県における保育士と他産業の賃金格差についてはどうか。

森平子育て・青少年課長
 厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、本県の女性保育士では、平成24年度は全職種平均の 85.7パーセントであったが、28年度は94.0パーセントと全職種平均に近づいている。

(4)放課後児童クラブの現状と待機児童について

山崎委員
 放課後児童クラブの現状と待機児童について、概要はどうか。

森平子育て・青少年課長
 平成28年5月1日現在、県内には309の小学校区があり、うち288の小学校区に463か所の放課後児童クラブが設置され、21,637人の登録児童が利用している。待機児童数については、平成28年5月1日現在で82人となっているが、年度末までにはほぼ解消している。県では引き続き、市町村の施設整備について、支援していきたい。

山崎委員
 施設整備費として今年度予算計上している9,700万円の内訳はどのようなものか。

森平子育て・青少年課長
 社会福祉法人が整備する施設が、前橋市5か所、太田市1か所、藤岡市1か所、榛東村2か所の合計9か所、市町村が整備する施設が、前橋市1か所、桐生市3か所、千代田町1か所、大泉町1か所の合計6か所である。

(5)地域包括ケア総合推進センター構想について

山崎委員
 実効性のある地域包括ケアシステムを構築していくため、関係団体から提案のあった「地域包括ケア総合推進センター構想」を進めていく必要があると考えるが、検討・進捗状況はどうか。

中島地域包括ケア推進室長
 県では、地域包括ケアシステムの構築に必要とされる事業を来年4月までに全ての市町村で実施できるよう、地域の実情に応じた様々な支援を行っている。より実効性のある地域包括ケアシステムを構築するためには、県が市町村を広域的に支援するセンターを設置し、地域包括支援センターの支援や事業評価を行っていくことも一つの方法であると考えられることから、県では、昨年8月に調査研究検討会を設置し、これまでに2回、関係団体と意見交換を行ってきたところである。今後、センターに求められる機能等も含めて、更に研究・検討を進めて参りたい。

須藤委員
 地域包括ケア総合推進センターの設置について、調査研究検討会を設け、検討しているとのことだが、いつ頃までに結論を出すというスケジュールは決まっているのか。

中島地域包括ケア推進室長
 昨年度、調査研究検討会を設置したばかりであるので、そうした点も含めて、今後、意見交換を進めていきたい。

橋爪委員
 県内の地域包括ケアシステム構築を推進するため、センター機能の設置を駆け足で準備する必要があると思うが部長の考えはどうか。

川原健康福祉部長
 関係団体と県との間で調査研究検討会を設置して意見交換を行っているが、重要なことは、平成30年4月以降も引き続き、実効性のある地域包括ケアシステムの構築を推進していくことである。県としては、地域ごとの課題をしっかり把握し、どのような取組が必要か、また、その上で、センター機能が必要かどうかをしっかり検討していきたい。

(6)赤い糸プロジェクト、ぐんま縁結びネットワークについて

須藤委員
 総合的な少子化対策の推進ということで赤い糸プロジェクト、ぐんま縁結びネットワークを実施しているが実績はどうか。

吉澤こども政策課長
 赤い糸プロジェクトについて、平成28年度の登録は315団体、イベントの開催は157回、延べ参加人数は4,422人、成立カップル数は572組で、平成20年3月の第1回イベントからの累計カップル数は2,179組である。また、ぐんま縁結びネットワークについては、平成28年度の登録者は650人、お見合い回数は157回、成婚数は18組、平成22年9月に事業を開始してからの累計成婚数は88組である。

須藤委員
 これらの事業は、少子化対策の一環として実施していることからカップルが成立したり、結婚することが成果ではなく、このことによってどのくらいの子どもが誕生したかであると考えている。事業の成果として、出生数は把握しているか。

吉澤こども政策課長
 誕生したカップル等の出生数は把握していない。

須藤委員
 少子化対策の一環として実施しているので、少子化対策にどれだけ貢献したかだと思う。官制のお見合い事業に対しては、賛否両論あるが、少子化対策に特効薬は無く、様々な事業を実施することが重要であり、積極的にやっていただき、成果をしっかり把握することが必要だと思うがどうか。

吉澤こども政策課長
 成婚から出産まである程度の年数が経過するので、出生数まで追いかけるのは難しい。今後、どう把握できるのか検討したい。

須藤委員
 マーケティングを行い、県民に求められる事業を行うことが一番効果的であり、総合的な少子化対策にも繋がると思うがいかがか。

吉澤こども政策課長
 未婚者のうち約9割が結婚を望んでいるが、経済面の不安や適当な人に巡り会わないといった理由で結婚できないと答えているデータがあることから、現在の施策に取り組んでいる。今後とも、県民が何を望んでいるかについて、常に情報収集に努めながら、施策に取り組んでいきたい。

(7)子どもの居場所支援について

須藤委員
 県内の子ども食堂の実施状況はどうか。

森平子育て・青少年課長
 子ども食堂の開設については、届出事項ではないため、市町村や県社会福祉協議会への聞き取りや新聞報道などにより把握しているものは、5月末現在で、9市町で、11団体が実施している。現在、開設準備中の団体や、検討している団体が13団体あり、今後も増加していく見込みである。

須藤委員
 子ども食堂に取り組んでいる11団体は、どういった団体か。

森平子育て・青少年課長
 公営は太田市の1か所であり、それ以外の10団体は民間団体である。

須藤委員
 平成29年度新規事業である子どもの居場所づくり応援事業補助金は、新規及び既存団体の事業拡大が補助対象か。また、その補助率はどうか。

森平子育て・青少年課長
 子どもの居場所づくり応援事業補助金については、既に取り組んでいる事業であっても、定員増や機能の追加等の事業拡大については補助対象としていきたい。補助率は10分の10とし、1か所あたり上限20万円とする県単補助である。

須藤委員
 子ども食堂に取り組む団体の数から、子どもの居場所づくり応援事業の予算額300万円は少ないと思うがどうか。

森平子育て・青少年課長
 子どもの居場所づくり応援事業補助金については、募集開始はこれからであり、7月2日に開催する子どもの居場所づくりフォーラムにおいて告知できるようにしたいと考えている。応募状況によって、今後の対応を検討したい。

(8)ドクターヘリ運航事業について

須藤委員
 ドクターヘリ運航事業について、ここ最近の出動件数はどうか。

武藤医務課長
 ドクターヘリの出動件数については、平成28年度が776件、27年度が869件となっている。

須藤委員
 一般的にドクターヘリは救急車と同様に無料だと思っている人が多く、後日、日赤から請求書が送付され驚き、なぜ、支払わなければならないのかという問合せがあった。そこで、傷病者の搬送に係る費用負担はどのようになっているのか伺いたい。

武藤医務課長
 ドクターヘリの最大の目的は医師を傷病者のところに迅速に届けることであり、診療報酬上、往診扱いとなる。このため、初診料や往診料、救急搬送診療料などが発生し、患者の医療費の負担が3割の場合、約7千円の支払が生じることになる。ドクターヘリを利用した場合、患者に費用負担が発生することについては、制度の周知が進むよう、県ホームページ等により、一層の周知を図りたい。

須藤委員
 ドクターヘリを要請する際は、消防隊員から患者等へ承諾の確認があるとのことだが、冷静な状況でないため理解せずに頼んでしまうケースが多々あると考えられる。このため、実際に請求書が送られても払わず未収になるものがあると聞くが、この状況を医務課として把握しているか。

武藤医務課長
 実際に未収になるケースがあるということは耳にするが、具体的な件数等は把握していない。

(9)住宅宿泊事業法について

須藤委員
 住宅宿泊事業法案(民泊新法)が閣議決定された。住宅宿泊事業法成立後、観光という部分で捉えるのか、食品・生活衛生課が窓口となるかでは大きく違ってくると考えるが、事業を所管する県の部局は決まっているのか。

中村食品・生活衛生課長
 本日、法律が成立し、国は平成30年1月の施行を目指すと聞いている。県における所管部局については昨年度から関係課で協議しているが、政省令が定められておらず、具体的な事務が明らかになっていないことから、まずはこの内容を確認して、速やかに対応したい。

須藤委員
 平成30年1月の施行を目指すとのことだが、施行まで1年を切っている状況で、まだ、どこが所管するのか決まっていないのか。待ったなしの状況であり、どこが所管するかは、群馬県で決めることができると思うので、どこが所管するか答弁いただきたい。

中村食品・生活衛生課長
 部をまたぐ所管事項で、現在、どこが所管するかは申し上げられない。

須藤委員
 部長にどのような方向で検討しているのか伺いたい。

川原健康福祉部長
 今後公布される政省令を確認した上で、速やかに所管部局を決定し、施行までに遺漏のないようしっかり対応したいと考えている。

須藤委員
 観光として訪れる方の目線、旅館業等を営まれている方の目線、地域住民の目線に立って検討いただき、早めに対策を講じていただきたいが、スケジュールについてどうか。

川原健康福祉部長
 スケジュールについては、政省令を確認した上で、速やかに対応するとしか申し上げられない。また、観光、衛生のどちらに重点を置くべきか、関係者の意見も聞きながら、所管部局を決定したいと考えている。

須藤委員
 部長は、どちらが所管すべきと考えるか。

川原健康福祉部長
 これまで関係業界から意見を聞いているが、意見が分かれている部分もある。また、群馬県では慎重な対応を求める意見が多くある状況の中で、当部が担当する可能性が高いと感じているが、政省令を確認した上で判断したい。

(10)獣医師不足について

橋爪委員
 獣医師の不足が報じられているが、獣医師の確保についてどのように考えているか。

中村食品・生活衛生課長
 獣医師の業務は、食品安全や動物愛護など様々な業務があり、例えば食肉衛生検査所においては、退職した獣医師を嘱託採用するなどして、適性に応じた業務に携わっていただいている。今後も獣医師確保について、しっかり対応していきたいと考えている。

(11)群馬県歯科総合衛生センターについて

橋爪委員
 群馬県歯科総合衛生センターでは、一般の歯科診療では治療が困難な障害児(者)の治療を行っており、3台の(ユニット)診察台のうち1台が故障して使えなく、また、他の2台も劣化していると聞くが、今後の対応はどうか。

武藤医務課長
 県では、群馬県歯科総合衛生センターに、障害児(者)歯科診療を委託し、毎年約延べ6,000人の障害児(者)の歯科診療を実施しており、非常に重要な施設と考えている。ユニットの故障の状況を早急に把握し、障害児(者)への歯科診療が適切に提供できるよう、速やかに対応を検討して参りたい。

(12)県立病院の運営について

橋爪委員
 県立病院の平成28年度決算速報が出て、29年度決算での黒字化を目指すとのことだが、今後の改善策について、4病院の院長に伺いたい。

大島心臓血管センター院長
 今年度収支が改善したのは新規入院患者数と手術件数が増えたことによる。一方で、平均在院日数は減ってきており、空き病床は増えている。心臓血管センターは寒い時期とそうでない時期の患者数の差が大きいため、比較的患者数の少ない夏季に4床室を個室化して収益改善を図りたい。また、緊急的な医療が常時提供できること、TAVRや植え込み型補助人工心臓など、当院でしかできない医療があること、不整脈のカテーテル手術は毎年全国一位を争っていること、最近注目されている心臓リハビリテーションも充実していることをアピールしていきたい。

鹿沼がんセンター院長
 厳しい経営環境の中、職員のモチベーションを下げないようにしながら、効率化を推進することが重要と考えている。
 平成28年度には、43床を減床し、外来での化学療法を行う通院治療センターを拡充整備した。仕事をしながら通院治療をすることができる体制を整えたことで、患者ニーズに対応しながら黒字化ができた。
 今年度は、入院患者の手続き等を一元管理する入院支援センターの本格運用が始まる。医師等の負担軽減を図るための取組と併せ、患者の流れをマネジメントし、患者の待機期間の縮減や手術件数増を行って患者サービスの向上を図りながら更なる収支改善を行いたい。

赤田精神医療センター院長
 精神医療センターは入院の多寡が収益に直結するが、昨年度は診療報酬上の単価の高いスーパー救急の患者が減ったこと、重症患者の入院が長期化して一日当たりの入院料が減少するケースが増えたこと、司法病棟の患者が減少したことが、収支が悪化した要因である。
 今後は重症化する前の早めの入院を勧めたり、難治性統合失調症のクロザピン治療などの県内では事実上当院でしかできない治療も周知していきたい。また、経営戦略会議を通じて職員に経営意識を徹底し、医療資源を無駄なく活用しながら、選ばれる病院を目指して参りたい。

丸山小児医療センター院長
 県内の分娩数は前年度対比で595件減少している中、当院でも70件減少し、約5,000万円の減収になったこと、心臓カテーテル手術の技術進歩により、心臓血管外科手術の件数が減少し、約5,000万円の減収となったこと、PICUやNICUなどの集中治療室において、難しい症状の患児が増え、入院収入の高い加算期間を超えての集中管理が増えていることなど、収支悪化の原因は明確になっている。原因の中には、当院の努力だけではどうにもならないこともあるが、集中管理室の運用方法の改善を行うなど、収支改善を図る取組を推進したい。

橋爪委員
 繰入金については減少傾向にあるか。

青木病院局長
 病院運営に係る繰入金については、かつては50億円をいただいていたこともあったが、病院の努力により、近年は37億円前後まで減少してきたところである。

(13)医師確保対策について

橋爪委員
 県として医師確保は必須であり、また、地域の偏在、診療科目の偏在対策についてもこれから取り組んでいかなければならないと思うが、医師の確保対策、偏在対策についてどのように考えるか。

江原医師確保対策室長
 医師の確保と県内定着、偏在の解消については、総合的な対策が必要であり、群馬大学医学部地域医療枠による医師総数の増加を図る取組や、小児科、産婦人科、麻酔科、救急医などを対象とした修学研修資金の貸与による診療科間の偏在対策に取り組んでいる。
 その他、若手医師を増やすため、県内の臨床研修病院や医師会などと連携し、研修医の合同研修会や医学生へのPRなど、様々な取組を展開している。

(14)重粒子線の治療実績について

橋爪委員
 群大病院の事故により、重粒子線の治療実績にも影響があるようだが、どうか。

武藤医務課長
 平成22年3月の治療開始から重粒子線の治療患者は順調に増加し、平成26年度は約500人となったが、群大病院の事故の影響等により、27年度及び28年度は約350人に減少した。このうち、県外患者の減少が大きいことから、隣接県のがん診療連携協議会に説明に出向くなど、群大病院の改革の取組も含め、重粒子線治療の広報に取り組んでいきたい。

(15)本県の補助犬の現状と仕組みについて

伊藤(清)委員
 本県の補助犬の仕組みと利用状況はどうか。

小林障害政策課長
 補助犬には、盲導犬、聴導犬、介助犬の3種類があるが、県内の盲導犬利用者は9名、聴導犬利用者は1名である。補助犬の利用に際し、必要な訓練の費用は県が負担しており、予算額は2頭分で3,564千円を計上している。過去5年間、同額の予算を計上し、平成24年度、27年度、28年度に1頭ずつ、計3頭の給付を行っており、希望者の要望に応えているものと考えている。

伊藤(清)委員
 ホテルや飲食店において補助犬の入店を拒否されないよう、どのような啓発を行っているか。

小林障害政策課長
 補助犬に対する理解を促進するため、身体障害者補助犬法が制定され、法律上、飲食店等では入店を拒否してはならないとされている。飲食店等に対しては、厚労省作成のステッカーやリーフレットを配布し啓発を行っているが、引き続き周知を図って参りたい。

(16)「手洗いマイスター」について

伊藤(清)委員
 公益社団法人日本食品衛生協会が取り組んでいる「手洗いマイスター」制度は、食中毒予防として良い取組だと思うが、県の支援はどうか。

中村食品・生活衛生課長
 食品衛生の確保は、食品衛生協会と県が両輪で以前から取り組んでいる。「手洗いマイスター」は、食品衛生指導員が講習を受け、称号を授与されるものであり、食中毒予防に効果的な取組だと考えている。県としては、以前から食品衛生協会に対して業務委託や事業費補助を行っているが、その中で活動を支援していきたい。

(17)がん患者への対応について

伊藤(清)委員
 県内の17施設に設置されているがん相談支援センターでは、どのような相談が多いか。

柿沼がん対策推進室長
 例えば、県立がんセンターでは、「症状・副作用・後遺症」「介護・看護・養育」「転院」が相談内容の上位を占めている。

伊藤(清)委員
 先日、県がん対策推進協議会委員の公募について新聞に掲載されたが、応募状況はどうか。

柿沼がん対策推進室長
 県がん対策推進協議会委員として、女性特有のがん対策に関心がある女性と、がんと就労についての知見を持つ企業経営者等を対象に、合計2人を募集したところ、女性特有のがん対策で2人、就労で1人の応募があり、現在、選考作業中である。

伊藤(清)委員
 がん患者の就労支援について、県はどのような取組を行っているか。

柿沼がん対策推進室長
 診断技術や治療方法の進歩により、がんを患っていても治療を受けながら仕事を続けられる可能性が高まっている。一方、疾病に対する理解不足などで離職するケースも生じており、がん患者の就労支援はがん対策の中でも重要な課題となっている。
 県では、これまでもがん診療連携拠点病院の相談支援員の方を対象とした就労支援セミナーや、企業向けのがん就労支援セミナーを開催しており、今年度も開催する予定である。また、今年度の新たな取組として、がん診療連携拠点病院等の相談支援員が就労支援を行う中で、必要なときにアドバイスを求めることができる体制を整備するため、社会保険労務士に委託してコンサルテーションを実施する。また、薬物治療などにより頭髪などの外見に変化が生じる場合があり、就労に当たってのネックとなることもあるため、拠点病院が相談員をアピアランス支援研修に派遣する経費を県が補助する。さらに、がん患者の就労支援は国でも力を入れてきており、労働局やハローワーク、産業保健総合支援センターなどの関係機関とも情報共有を図り、それぞれの強みを生かして、総合的な施策を進めて参りたい。

(18)生活保護について

本郷委員
 神奈川県小田原市において、生活保護ケースワーカーが不適切な内容の記載があるジャンパーを着用して業務に当たっていた事案があったが、本県ではどうか。

島田地域福祉推進室長
 そのような事例はない。

本郷委員
 ケースワーカーの業務は特殊業務で時間外勤務が多く、その要因として担当世帯数が不適切に多過ぎることと認識している。国の標準数は、1人当たりの市部担当世帯数は80世帯と定められているが、ほとんどの自治体でそれを超える状況であると聞く。そこで、県内のケースワーカー1人当たりの担当世帯数、ケースワーカーの平均年齢及び平均残業時間数はどうか。

島田地域福祉推進室長
 ケースワーカー1人当たりの担当世帯数には基準があり、県が保護を実施する郡部は65世帯、市部は80世帯となっている。郡部においては、おおむね基準内となっており、市部においては、市ごとにばらつきも見られ、基準を超える市もあると聞いている。なお、平均年齢及び平均残業時間数は把握していない。

本郷委員
 平均年齢及び平均残業時間数について、分かる範囲で資料を収集していただきたい。
 一度、生活保護を受けると自立するのは困難であると考えるが、自立した件数はどのくらいか。

島田地域福祉推進室長
 平成27年度の保護廃止世帯数は1,472世帯であり、うち就労収入の増加による廃止は285世帯で、約20パーセントを占めている。

(19)健康寿命について

本郷委員
 平成26年度都道府県別医療費と平均寿命をみると、長野県では医療費が低く平均寿命が高いが、群馬県はどうか。

阿部健康増進主監
 平均寿命と医療費の関連は明らかではないが、医療費の削減のためには、平均寿命と健康寿命の差である「不健康な期間」を短縮することが重要である。高齢化が進展する中、今後、更に平均寿命が延びることが予想されることから、平均寿命の延び以上に、健康寿命を延ばしていく対策が必要であると考える。

本郷委員
 健康寿命を延ばしていく取組が必要であると考えており、先日、自転車活用推進法が施行されたが、自転車活用による健康増進について、県ではどう考えるか。

阿部健康増進主監
 第15次群馬県総合計画「はばたけぐんまプラン2」では、県民の健康寿命の延伸を目的とし、スポーツを通じた健康づくりを施策の柱の一つとしている。自転車の利用を促進することは健康づくりにも資することから、今後、関係各課と連携を図り、スポーツを通じた健康づくりに取り組んでいきたい。

本郷委員
 健康づくりにはインセンティブが有効であることから、従業員にポイントを付与する取組などを行っている企業もあるが、県の取組はどうか。

阿部健康増進主監
 企業が従業員の健康に配慮し、健康づくりに投資することを「健康経営」と言うが、従業員の健康づくりにインセンティブなどを与える健康経営の取組は、県民の健康増進につながるものと考えている。県としては、全国健康保険協会群馬支部(協会けんぽ)と、健康づくりの推進に向けた包括的な連携に関する協定を締結し、県内の中小企業においても健康経営に取り組むことができるよう支援に取り組んでいる。今後も、それぞれの企業が健康経営に取り組むことができるよう、健康情報の提供や健康づくり事業の支援などに努めていきたい。

(20)B・C型肝炎の検査受検機会について

本郷委員
 B・C型肝炎のキャリア数と患者数はどのくらいか。また、患者数の推移はどうか。

中村感染症対策主監
 B・C型肝炎のキャリア数は、平成26年3月に策定した群馬県肝炎対策推進計画において、B型肝炎8,000人、C型肝炎14,500人と推計している。なお、本県の患者数は、26年10月の厚生労働省による患者調査で4,000人と推計している。また、20年の県の実態調査では患者数を、B型肝炎1,150人、C型肝炎6,600人と推計しているので患者数は減少している。

本郷委員
 厚労省が実施している平成23年度肝炎検査受検状況実態調査では、未受検者の7割が機会があれば受検したいとの回答が出ているが、肝炎検査の受検機会を作ることに関して、県として取り組んでいることはあるか。

中村感染症対策主監
 近年、治療効果の高い新薬が開発されたことから、ウイルス性肝炎の早期発見・早期治療が重要になっている。肝炎ウイルス検査の受検機会としては、法定の肝炎ウイルス検査として健康増進法に基づく40歳以上を対象とした市町村実施の検診がある。
 県の取組としては、平成14年度から特定感染症検査等事業による無料検査を保健所で実施している。また、受検機会を増やすために平成27年度からは、契約医療機関でも受検できる体制を整え、受検者の利便性を高めてきたところである。さらに、県ホームページや広報誌、リーフレットの配布、市民公開講座などで肝炎ウイルス検査受検の周知に努めている。

(21)子どもの居場所支援について

本郷委員
 日本は子ども6人に1人が貧困状況にあり、ひとり親家庭では2人に1人が貧困状況であると言われている。子どもの貧困対策について、県内では、子ども食堂、フードバンク、無料学習塾の開設が続いている。一方で、元々の生活困窮者の支援施策を充実させていくべきとの考え方もあるが、県としては、どのように対策を展開していくのか。

森平子育て・青少年課長
 県としては、経済的な困窮に限らず、困難を抱えている子どもたちを幅広く支援していきたいと考えている。7月2日に開催する子どもの居場所づくりフォーラム等の機会を通じて、民間団体、地元市町村、農業団体など関係者の連携を促進するなど、地域的に広がりのある取組を展開していきたい。

(22)ひとり親世帯等調査の結果を活用した今後の取組について

井田(泰)委員
 ひとり親世帯等調査の結果を活用した今後の取組について、離婚時の養育費確保支援というのは、具体的にどのような支援を行うのか。

野村児童福祉課長
 離婚後の子どもの養育は大事な問題で、養育費の取り決めがきちんと出来るよう、群馬県母子寡婦福祉協議会へ委託して養育費相談に応じている。

井田(泰)委員
 弁護士への相談もできるのか。

野村児童福祉課長
 現在の相談事業の中で、弁護士への相談も行っている。その後の、弁護士による弁護士活動の部分の支援はしていないが、そのようなことも視野に入れて検討したい。

井田(泰)委員
 この調査の中で「心配ごと等の相談先」という項目について、当然のことながら家族、友人等が50パーセント以上の割合を占めている。県が配置している母子・父子自立支援員への相談件数が非常に少ないようだが、どのように考えるか。

野村児童福祉課長
 各市や保健福祉事務所の母子・父子自立支援員や、群馬県母子寡婦福祉協議会の相談員が相談を受けているが、個人的なことなので相談しづらい面があると思う。また、支援策の広報を求める意見が多く、児童扶養手当受給者の現況届の際にパンフレットを配付しているが、スマホで見られる県の子育て支援サイトをPRするなど、取組を強化する必要がある。

(23)女性の加齢による妊孕力の低下、出産リスクの上昇について

井田(泰)委員
 医学的には、女性が自然妊娠しやすい年齢は18歳から30歳であると言われているが、女性の加齢による妊孕力の低下、出産リスクの上昇について、県はどのように考え、また、県民、特に学生など若い世代へのアナウンスはしているか。

野村児童福祉課長
 妊娠・出産についての正しい知識を持つことは、ライフプランや自身・子どもの健康を考える上で大切なことである。特に若い世代には、高校の保健体育の教科書で思春期の体(生殖機能)の成長や家族計画等を扱っており、加齢による妊孕力の低下、出産リスクの高まり等を体系的に理解できるようになっている。妊娠・出産の時期については、個人の選択や価値観の問題もあり一律には扱えない。自身で適切に判断できるように情報提供していくことが望ましく、高校教育の状況等を見ながら研究していきたい。

(24)献血の推進について

井田(泰)委員
 県献血推進計画の目標と県内の献血の状況はどうか。

齊藤薬務課長
 県献血推進計画では、目標の柱として、若年層の献血者の増加、安定的な集団献血の確保、複数回献血者の増加、献血の周知度の上昇の4項目を定めている。また、県内の献血の状況については、平成23年度から26年度までは、8万5千人を超えていたが、27年度には8万1千人に減少したものの、28年度は8万6千人に回復している。献血量としては一定量を保っているが、全体として20代、30代の献血離れの傾向がある。

井田(泰)委員
 高校献血実施状況については、79校の全日制高校のうち58校で実施しており、5年前から実施校数が増えない要因は何か。

齊藤薬務課長
 既に多くの高校に御協力いただいており、高校の個別の事情などもあるため、これ以上増やすことは難しいと考えている。

井田(泰)委員
 複数回献血者の増加には、献血ルームに足を運んでもらうのが一番であると思う。全献血者数の53パーセントが献血ルームにおいてされている。最近、献血ルームは、ホスピタリティが充実していてくつろぎのスペースとなっており、また、検査結果が送付されることから生活習慣病の予防や日々の健康管理として活用できるなど、様々な取組を実施している。そのような中で、複数回献血者確保のためには、県としても常設献血ルームをPRする必要があると思うがどうか。

齊藤薬務課長
 現在、前橋、高崎、太田の3か所に常設の献血ルームが設置され、十数年以上経過していることから、県民に一定程度認知されていると考えているが、更なる献血者の確保のため、ホームページ、各種広報誌等において積極的にPRしていきたい。

井田(泰)委員
 平成26年度の骨髄ドナー登録者267人のうち、3か所の献血ルームで受け付けたのは109人となっており、来場者数と比較すると寂しいと感じている。骨髄ドナー登録者数を増やすには、献血ルームを活用する必要があると思うがどうか。

齊藤薬務課長
 骨髄ドナー登録者を増やす取組として、現在、県では、移動献血会場における献血併行型ドナー登録会の開催や説明員の養成に力を入れている。今後は、献血ルームでの骨髄ドナー登録者数を増やす取組について、検討して参りたい。

(25)戦争体験の次世代への承継について

南波委員
 戦争に行かれた方で、現在も御存命の方及びその配偶者はどのくらいいるのか。

堀越国保援護課長
 戦傷病者の手帳を交付されている方は、県内で平成13年度は1,012名、18年度は686名、28年度は391名であり、この15年間で600人ほど減少している。配偶者の人数については、正確な数を把握していない。

南波委員
 戦争の悲惨さを次世代に伝え、そうした取組を発展させることが重要だと思うが、県としてどのように考えているか。

堀越国保援護課長
 日本遺族会では、最近、青年部を組織したところであり、県の遺族会でも、孫やひ孫世代が会員として加入する青年部を組織することを検討している。また、県の戦没者追悼式に若い世代の方に出席していただいているが、更に多くの若い世代の方に出席していただけるよう工夫して参りたい。

(26)児童養護施設に入所している児童支援について

大和副委員長
 児童養護施設に入所している児童の支援について、退所後の児童とのつながりは、どのような関係になっているのか。

野村児童福祉課長
 アフターケアについては出身施設において、年に1度は施設に集まって交流したり、退所時には、困ったことがあればいつでも施設を頼るように言って送り出す等、しっかり対応していただいている。中には施設を頼らない子もいるため、県では昨年度、相談窓口の必要性について、施設職員等と意見交換をした。その中で、施設に相談に来ない児童が他の相談窓口に来るだろうかとか、県内1か所の窓口を設置するよりも、各施設におけるアフターケアを充実した方がよい等の意見がありまとまらなかった。今後も施設等の意見を聞いて、アフターケアのあり方を検討していきたい。

(27)県の思いやり駐車証制度について

大和副委員長
 県の思いやり駐車証制度について、利用証が交付される対象者、申請方法等はどうか。

小林障害政策課長
 利用証の交付対象者は、身体障害の方、重度の知的障害、精神障害の方、要介護認定を受けている高齢者、難病患者の方、妊産婦の方である。申請は、市町村、県保健福祉事務所、市町村社会福祉協議会等で受け付け、交付している。交付実績の累計は、平成29年3月末時点で長期利用証が50,848枚、妊産婦向けの短期利用証は13,944枚である。

大和副委員長
 県有施設での対応状況はどうか。協力施設でないところも利用はできるのか。

小林障害政策課長
 単独庁舎のうち協力施設は、71施設ある。協力施設となっていない施設においても、障害のある方等に不便のないよう利用できる体制をとっている。今後、更に利用証制度をPRし、普及していきたい。


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