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労働力確保・働き方改革に関する特別委員会 平成29年6月13日(火曜日)

1.開催日時

平成29年6月13日(火曜日)10時00分開始 14時19分終了

2.開催場所

402委員会室

3.出席委員

委員長:中沢丈一、副委員長:臂泰雄
委員:岩井均、委員:星名建市、委員:水野俊雄、委員:酒井宏明、委員:安孫子哲、委員:高橋正、委員:伊藤清、委員:本郷高明、委員:穂積昌信、委員:多田善洋

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)外国人技能実習生の活用について

岩井委員
 外国人材の活用について、一般質問でも取り上げた。外国人材の活用が重要という観点から質問するが、外国人の雇用状況についてどのようになっているか。

田中労働政策課長
 群馬労働局が発表した昨年10月末現在の「外国人雇用状況の届出」の集計結果では、県内の外国人技能実習生は5,560人で対前年比22.3パーセント増となっている。このうち、ベトナム人技能実習生は1,789人であり、技能実習生全体の32.2パーセントとなっている。国籍別で見ると、中国人実習生の割合は5年前から比べると全体の約7割から約4割に減少し、代わってベトナムからの受入れが全体の約3割を占めるまでになっている。

岩井委員
 だいぶ増えている状況が続いている。外国人材を活用するということは非常に大事であるが、先ほどの説明項目の中には、外国人材についてあまり取り上げられていないように感じる。介護高齢課の日本語研修事業はあるが、他に該当するものがあるか。

田中労働政策課長
 県では、昨年2月にベトナムと覚書を締結し、それに基づき情報交換を行うことになっているが、県庁内に設置した外国人材活用プロジェクトチームにおいて外国人材の適正な活用を検討し、ベトナムとの有益な情報交換を行っていきたい。また、受入れを検討している企業に対し、技能実習制度の趣旨や目的の周知を図るセミナーの開催を予定している。

岩井委員
 外国人材活用プロジェクトチームの運用状況はどのようになっているか。

田中労働政策課長
 県庁内関係課を構成員として外国人材の適正活用について相互に連携・情報交換を行っており、5月の会議に続き今月中にもう1回会議開催を予定している。覚書に基づき今夏に実施するベトナムとの情報交換に向けて情報収集及び議論を進めたい。

岩井委員
 国とベトナム政府との間で労務関係の覚書を締結したとあったが、群馬県が地方自治体で初めて2月に労務関係の覚書を締結した。国の締結した覚書との違いはどのようなものか。

田中労働政策課長
 国の覚書は技能実習法に基づく政府間の取決めであるが、県の覚書は、相互の情報交換や人材交流を共同で取り組む内容となっている。

岩井委員
 国は技能実習法に基づくもの、これによって群馬県に影響があると思う。技能実習法でこの11月に3年から5年で、これに介護が追加されることになる。県内に良い影響があると思うがこの影響についてはどのように考えているか。

田中労働政策課長
 技能実習法の目的は、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図ることである。対象職種の拡大や条件は厳しいが実習期間も延長されるので、企業の活用も進むと思われる。

岩井委員
 今までの技能実習は74職種133作業だが、介護が加わると職種も作業も多くなると思うが、どの程度広がるのか。

田中労働政策課長
 現在公表されているのは介護職種が追加となることのみである。

岩井委員
 介護人材が不足している中で日本語を勉強しながらしっかり働いてもらうことが必要だと思うがどうか。

黒岩介護人材確保対策室長
 技能実習制度における介護については、日本語能力や介護技術の習得など、対人サービスとしての課題があるため、受入れ後の実習生への環境整備が大変重要と考えている。

岩井委員
 介護人材が不足している中で、良い人材を群馬県に送ってもらいたい。また、ベトナムに優良な送り出し機関としてしっかりやってほしいという要望も出ているので、国にも要望しながら県内の外国人材をうまく活用してもらいたい。また、一人の人間としても大事な方なので、群馬県に来てもらって良い所だと思うこともやっていくべきである。

田中労働政策課長
 外国人技能実習は日本に技能を学びに来てもらうものなので、来て良かったと思って帰ってもらうのが一番である。技能実習の適正な実施について、県で対応できる部分は対応し、国に要望する部分は要望していきたい。

(2)認定職業訓練校について

星名委員
 産業技術専門校で製造業を中心に若年技能者を育成するというのは非常に良いことだが、認定職業訓練校は非常に厳しい経営状態で、なかなか訓練生が入っていない現状がある。鳶、大工、木工、板金といった技術を残していくことは非常に重要だと思うが、産業人材育成課はどのような対応をしているか。

坂庭産業人材育成課長
 県内の認定職業訓練校の訓練生数はピーク時は約6,000人であったが、現在は2,000人程度となっている。訓練生の確保については、企業・商工団体等へ訪問し、認定職業訓練校制度の活用がなされるようお願いをしているところである。また、平成27年度に国の補助基準見直しに伴い、県の補助単価を増額する見直しを行うなど財政面の支援を行っている。

星名委員
 技術の伝承が大きな課題になっており、現代の名工の持っているすばらしい技術を伝えていくことが、認定職業訓練校の大きな要素になる。経営の安定とともに技術を伝えていくことが大きな柱になると思う。ここに県の力を貸していただきたいが、どうか。

坂庭産業人材育成課長
 認定職業訓練校の指導員の高齢化により、今後の技能継承を担う指導員の確保が課題となっており、その確保に努めているところである。また、技能の継承は、大変重要な課題と認識しており、国のものづくりマイスター制度等を活用して、その継承に努めていきたい。

(3)インターンシップについて

水野委員
 Gターンシップとして特徴的に取り組んでいただいているが、就職環境が変化する中で学生が群馬県の企業で職場体験やOJTに匹敵するような経験を積むのは非常に有意義だと思う。インターンシップに取り組む決意を聞きたい
塚越産業経済部長
 企業のことを知らないで入社すると職場定着しないこともあるため、インターンシップは非常に重要である。Gターンシップもかなりの大学と連携を図っている。今後も、全県を上げて首都圏等の大学と連携し、しっかり取り組んでいきたい。

水野委員
 Gターンシップを始めて以降、群馬県の企業に来るまでの交通費の負担についての政策も取り込んだり、様々に企業や大学、学生に働きかけているが、これまでの実績や成果はどうか。

田中労働政策課長
 県外から県内企業でインターンシップに参加する学生の交通費を昨年度から助成している。昨年度は35名が利用した。Gターンシップを促進するアピールポイントになったと考えている。

水野委員
 Gターンシップのこれまでの取組の成果、実績、今後の目標、目標に向かっての取組として具体的にどんなことを考えているか。

上原女性・若者就職支援室長
 昨年度、受入登録企業が500社となった。実施者は延べ168人であり、インターンシップ先への就職者もいた。今年度の目標は200人としている。

水野委員
 普通高校でもインターンシップをやり始めた。Gワークチャレンジの取組について具体的に教えてもらいたい。

村山高校教育課長
 今年度から「Gワークチャレンジ・高校生インターンシップ推進事業」として、これまでのインターンシップに係る事業を統合し、各高校の取組を支援したり、企業への協力を呼び掛けたりするなど、インターンシップを推進するための体制を強化している。新しい取組としては、普通高校の生徒に対象を広げた「Gワークチャレンジ推進フォーラム」の実施、企業・団体や学校、行政の関係者による「インターンシップ推進委員会」の設置等がある。

水野委員
 目標や現状の数字を教えてもらいたい。

村山高校教育課長
 平成28年度卒業生については、3年間で1回以上インターンシップに参加した割合は33.2パーセント、専門高校生徒の参加率は68.1パーセント、普通科高校生徒は15.0パーセントとなっている。県の総合計画では、平成31年度に全体の参加率を50パーセントとすることを目標としており、取組を一層充実させていきたい。

(4)女子大学の就職支援について

水野委員
 法人化を目指す中で、他の大学との競争を含めてブランド力を高めることが大事になる。卒業生が首都圏の一流企業に就職することは大きな競争力になる。一方で県立の大学としては県内の多分野にわたる人材を輩出してもらいたいという気持ちもある。大学の考え方はどうか。

吉田女子大学管理部長
 平成28年度の就職率は98.5パーセントであったが、そのうち県内出身者の7割程度、県外出身者の1割超が県内企業に就職している。県内企業への就職支援については地方創生の観点からも重要と認識している。そのため、昨年度の大学が斡旋するインターンシップでは、県内企業に26名を送り出すとともに、学内で開催する合同企業説明会に県内企業を62社招くなど、県内企業を知ってもらうための支援に取り組んでいる。今後も、キャリア支援センターにおける県内の求人開拓やジョブカフェぐんまとの連携などを更に進め、県内企業への就職に結びつくよう取り組んでいきたい。

(5)働き方改革の推進について

酒井委員
 昨年の3月22日に群馬県における働き方改革の推進方策について政労使会議が出されたということだが、議論の概略はどうか。

上原女性・若者就職支援室長
 働き方改革推進方策は、平成27年度に開催された政労使会議において、群馬労働局長を座長に県、経済4団体等を構成員に協議され、群馬県の実情を踏まえ、地方創生、全員参加型社会の実現及び労働災害防止等について、県下の労使、行政が認識を共有し連携して推進することで合意したものである。

酒井委員
 非正規労働の拡大という問題で、県内における非正規労働者数がどれくらい増えているか。

上原女性・若者就職支援室長
 非正規雇用者数は増加傾向にあり、全体の4割弱が非正規という状況である。女性は半数以上が非正規で、男性は2割である。

(6)県庁の非正規職員について

酒井委員
 2002年から2012年の10年間で非正規労働者数は22パーセント増えている。雇用者に占める非正規の割合が2012年は38パーセントなので、この間の努力にかかわらず増加していることは真摯に受け止めなければならない。これは県庁や自治体における公務労働の現場でも同様だと思うが、群馬県の実態は何パーセントか。

半田人事課長
 平成28年10月1日時点での知事部局の嘱託職員は697人、臨時職員は431人となっている。知事部局の正規職員数が4,179人であるので、正規78.7パーセント、臨時・嘱託職員21.3パーセントである。ただし、この臨時職員の中には、1日5時間以内の短時間勤務者など様々な勤務形態の者も含まれている。

酒井委員
 県の非正規職員の最低の時給は、どのくらいか。

半田人事課長
 臨時職員の賃金は、一般的な事務補助業務に従事する場合は815円、農作業等の場合は880円となっている。嘱託職員の報酬額を時給換算すると、児童相談所の子育て相談業務で約1,030円、ぐんま学園の児童自立支援業務で約1,046円となる。この他、通勤距離に応じて、別途通勤手当相当額を支給している。

酒井委員
 これでは1人で生活するというのは厳しく、共働きで何とか生活できるというところだと思う。群馬県が815円の底上げを図っていく。嘱託は1,000円を超えているわけだから、臨時もせめて1,000円を超すくらいにしていく必要があると思うがどうか。

半田人事課長
 臨時職員の賃金は、県内の最低賃金や他県における同種の非常勤職員の賃金水準等を考慮して、勤務形態別に単価を定めている。また、臨時職員は雇用形態が多様であるため、例えば一月あたりの勤務時間が短い1種、2種の臨時職員などは、配偶者や親の扶養親族として、県の臨時職員で勤務することもできるため、あえて県の臨時職員を選ぶ人も少なくないと聞いている。

(7)総労働時間について

酒井委員
 平成28年度賃金構造基本統計調査で、労働時間が群馬は男性がワーストワンだった。実労働時間も所定労働時間も上回るということだが、実態について伺いたい。

上原女性若者就職支援室長
 平成24年度の就業構造基本調査によると、本県における週間就業時間60時間以上の雇用者の割合は9.5パーセントであり、全国平均の9.6パーセントを下回るが、全国14番目である。委員ご指摘のとおり、総労働時間の削減は、重要な課題であると認識している。

酒井委員
 総じて群馬は労働時間が長いという統計が出されている。この解決が急務ということだが、労働時間の短縮について具体的にどのように取り組んでいるのか。

上原女性・若者就職支援室長
 国が本年3月に取りまとめた「働き方改革実行計画」について、群馬労働局と連携して周知するほか、いきいきGカンパニー、働き方改革アドバイザーなどの事業により、ワークライフ・バランスの推進に取り組んでいる。

(8)働き方改革アドバイザーについて

酒井委員
 働き方改革アドバイザーが昨年から始まったが、目的や登録している者はどうか。

上原女性・若者就職支援室長
 昨年度から実施しているものであり、誰もが働きやすい職場環境づくりを推進するため、社会保険労務士や中小企業診断士等を対象に研修を実施して認定した。認定者は74名で、4分の3が社会保険労務士であり、日々の業務の中で、顧客企業や訪問先において、働き方改革の取組に関する後押しをしてもらうこととしている。

酒井委員
 4分の3が社会保険労務士ということで、ある程度、資格と経験を積んだ者だが、研修が半日であり、これで認定するのはどうかなと思う。74人の方は意欲もあると思うが、今後どのように増やし、フィードバックしていくのか。

上原女性・若者就職支援室長
 認定者へのフォローアップは重要であり、認定者情報を県のホームページに掲載し、企業へ情報提供を行うとともに、認定者への情報提供や研修などに取り組んでいきたい。

(9)高校生向け労働法リーフレットについて

酒井委員
 労働法や労働者の権利について高校生を対象としたリーフレットを配布しているということだが、ただ読むだけでなく、学校現場でこれを活用する必要がある。サービス残業のようなもっと具体的な問題を盛り込んで、明記すべきと思うがどうか。

上原女性・若者就職支援室長
 7カ条は平成21年度から高校3年生全員に配布し、授業等で活用していただいている。昨年度の特別委員会の「若者を過労死から守る」という提言を踏まえ、現在内容を改訂中である。

酒井委員
 何月ごろできるのか。しっかり明記し、知って得すると思える分かりやすいリーフレットを作ってもらいたい。

上原女性・若者就職支援室長
 夏休み前に配布予定である。

(10)人手不足の要因について

安孫子委員
 今なぜ人手不足が盛んに問題になっているのかを定義しないとスタートしないと思うので、ずばり答えてほしい。

田中労働政策課長
 足元の経済の動きが堅調で企業の求人需要が増えている一方で、少子高齢化で人口減少が進み若者が減っており、これらが複合的な要因となって人手不足が生じていると考えている。

(11)労働力の確保について

安孫子委員
 60歳から65歳の労働を国は推進し始めているが、65歳以上の方々も健康でスポーツジムで活躍してるだけである。そういう引退した人たちに再々雇用の場を環境としてつくってあげるべきではないか。能力も技術もある方もいるのだから、企業に向けて環境整備をしてみてはと思うがいかがか。

田中労働政策課長
 少子高齢化が進み労働力が減少する中、高齢者への対応は重要である。「働き方改革実行計画」や、先週閣議決定となった「経済財政運営と改革の基本方針2017(骨太の方針2017)」においても、「65歳以降の定年延長、継続雇用延長等を行う企業への支援を充実し、継続雇用年齢等の引上げを進めていくための環境整備を行う」とされるなど、更なる年齢の引上げが検討されているところである。県においてもシニア就業支援センターで再就職の支援をしており、引き続きしっかり取り組んでいきたい。

安孫子委員
 雇用戦略本部の場で、県は年間2,000人の外国人留学生をなぜつなぎ止めて雇用につなげないのかという話をされた。これからは留学生をしっかりと確保する施策が大事と言われたがどうか。

田中労働政策課長
 人手不足の中、外国人留学生も大きな戦力と認識している。県では、昨年度、企画部国際戦略課で「外国人留学生のための企業見学バスツアー」を実施したほか、群馬大学等の関係機関と連携し、「留学生就職活動スタートアップセミナー」を開催した。今年度も、国際戦略課ではバスツアーに加え、「留学生就職セミナー」等を開催すると聞いている。労働政策課でも、国際戦略課と連携し、外国人留学生の県内就職支援に取り組んでいきたい。

安孫子委員
 民間の方々が取り組んでいる事例を把握して施策に反映させるべきだと思うがいかがか。

田中労働政策課長
 働き方改革を進める上で、実際に取り組んでいる企業の話を聞き、参考とさせていただくのはよいと考えている。提案を踏まえ、企業の声を聞く機会を検討していきたい。

安孫子委員
 これからロボット産業やAIなどが重要になる。これから企業を支えるのはロボットになると思うが、どうか。

塚越産業経済部長
 ロボット産業は製造業で特に活躍の場面が多いが、そのプログラムを組む人材が足りないとも聞いている。人材を育成していくことが重要であると考えている。

(12)シルバー人材センターについて

高橋委員
 シルバー人材センターについて、町村部ではハードルが高い。会員数が100人、時間にして500時間以上といった活動がないと法人化にならない。町村部では夏は除草くらいしか仕事がなく、冬は女性はほとんど仕事がない。シルバー人材センターについて広域連携などができないか。

田中労働政策課長
 少子高齢化の進展に伴い、高齢者の活躍に対する社会のニーズに加え、まだまだ働きたいという高齢者のニーズも高まっている。シルバー人材センターでは、主に市町村内の業務を請け負っているが、平成27年からは群馬県シルバー人材センター連合会が主体となって労働者派遣事業を実施するなど、仕事の幅も広がってきている。市町村を越えた広域連携については、連合会の派遣事業で行われていることが多いと聞いている。県としては、県のホームページや新聞、ラジオなどの広報媒体を活用して、シルバー人材の活用について広報等により支援している。今後も、国や市町村とも連携してしっかりと支援していきたい。

(13)ハンディを持つ労働者の自立支援推進について

伊藤(清)委員
 ハンディを持つ労働者の自立支援推進について、群馬県内で一般就労している方々の総人数が分かれば教えてほしい。また、その中の就労継続支援A型事業所及びB型の内訳が分かれば教えてほしい。

上原特別支援教育課長
 平成28年度の特別支援学校高等部等の卒業生が306名、うち一般就労した人数は110名、就労継続支援A型事業所が11名、B型が31名である。

伊藤(清)委員
 昨今、発達障害の方も増えつつある。特別支援学校の卒業生のうち、就労できた方は生きがいを持って働く意欲もわくが、就労ができない方にはどのように対応しているのか。

上原特別支援教育課長
 障害者総合支援法によるサービス名称でいう、療養介護、生活介護、自立訓練等を利用している卒業生などが23パーセント程度いる。特別支援学校は、視覚、聴覚、病弱、肢体不自由、知的の5障害の種別があり、その中には医療的ケアが必要な重複障害の生徒や訪問教育の対象の生徒もいて、卒業後も病院や施設で生活している人もいる。それぞれの学校では、一人一人の生徒の障害の状況に応じた進路につけるよう、指導と保護者への相談や支援を行っているところである。

伊藤(清)委員
 福祉事業所ではどのような支援が行われているか。

小林障害政策課長
 就労支援に加えて、日常生活上の支援を行っている。

伊藤(清)委員
 A型事業所で働く人の収入は、群馬県の最低賃金を下回らないと思うが、平均月収はどれくらいか。

小林障害政策課長
 A型事業所の平均月収は、7万円弱だったと記憶している。

伊藤(清)委員
 B型事業所ではどうか。

小林障害政策課長
 現在86か所の事業所があり、1,940人がサービスを利用している。その方々の工賃の向上を図るために、平成18年度に工賃倍増計画を策定した。平成27年度から29年度を計画期間とする第2次群馬県工賃向上計画では、29年度までに20,000円を目標としているが、27年度は17,082円であった。

伊藤(清)委員
 就労の場づくりに企業が参加するような機会を県で設けていただきたい。
 一般就労では、ある程度給料が支払われると障害基礎年金がカットされ、40代、50代を過ぎると雇用が継続されない状況もあると聞いている。親御さんからは将来設計ができるようにしてほしいという声を聞くが、どう捉えているか。

小林障害政策課長
 障害基礎年金は、扶養親族がいない場合、控除後の所得が4,621,000円以上で全額停止、3,604,000円以上で半額停止となる。雇用契約を結んだからといって年金が制限されるわけではない。

伊藤(清)委員
 一般就労で、462万円以上の方はどのくらいいるか。

小林障害政策課長
 所得制限を受けている方の人数は把握していない。

伊藤(清)委員
 昨今、農業に就労の場を設けたり、菓子やパンの製造現場、富岡製糸場の関係では桑摘みなどにも就労の場を与えてもらっているが、県内に障害者が就労している事業所はどれくらいあるか。

田中労働政策課長
 正確な数は把握していないが、法律上、障害者の雇用が義務づけられている企業は昨年度で1,336社ある。

伊藤(清)委員
 県や県内市町村の法定雇用率の達成状況はどうか。

田中労働政策課長
 県では、知事部局を含む全ての対象機関で法定雇用率を達成している。市町村では、雇用義務の対象外である上野村を除く34市町村中、33市町村で達成している。県及び市町村教育委員会でも雇用義務の対象となる7機関全てで達成している。

伊藤(清)委員
 障害者の雇用の場を広げるため、中小企業にも障害者雇用にしっかりと取り組むよう県が指導すべきと考えるがどうか。

田中労働政策課長
 中小企業では、受入れ体制の整備や障害者が行う仕事の切り出しに困難を抱えているところも多いと聞いている。ハローワークと連携した企業訪問や障害者就労開拓支援事業を活用し、企業へ具体的なアドバイスをするなど働きかけを行っている。

(14)がん患者の就労支援について

伊藤(清)委員
 がん患者の就労支援について、リーフレットはどのくらい作成するのか。

柿沼がん対策推進室長
 がん患者の中には、治療しながら働き続けられるにもかかわらず、自ら離職する方も少なからずいる。そのような方に、辞めない選択肢もあることを周知するためリーフレットを15,000部作成する予定である。可能な限り多くの方に配布したいと考えている。

(15)労働生産性の向上について

穂積委員
 今ある人材を活かすということで労働生産性について伺いたい。県内企業ではどういう状況かということと、生産性についての県の考え方について伺いたい。少ない人材で大きな成果を上げるような取組が必要だと思うので、考えがあれば伺いたい。

上原女性・若者就職支援室長
 日本の時間あたりの労働生産性は44.8ドルで、OECD加盟国中19位であり、名目GDP3位と大きな開きがある。日本において労働生産性の向上は課題であり、国の骨太の方針にも、製造業のカイゼン活動のノウハウをサービス業等に展開し、生産性の向上を図ること等が盛り込まれた。本県においては、ものづくり改善インストラクタースクール等を実施し、県内中小企業の生産性向上を支援している。

穂積委員
 ものづくり改善インストラクタースクールとはどのような制度か。

坂庭産業人材育成課長
 ものづくり改善インストラクタースクールとは、製造業OBや現役の現場リーダーを対象に、現場改善や生産性向上の専門家を養成するスクールであり、平成22年度開校以来、平成28年度までに11期127名のインストラクターを養成している。今年度6月に第12期を開校したところであり、定員は12名である。また、スクール修了生を中小企業へ派遣し、生産管理、品質管理及び生産性向上のための支援を行っている。

穂積委員
 労働生産性の向上対策は、業種ごとに異なり、製造業では積極的に進めている反面、飲食業や介護では遅れていると思う。ものづくりでは進んでいると思うが、例えば介護事業では人に接する仕事なので簡単に効率化はできないが、介護保険ソフト一つとっても、改善に積極的ないいソフト会社に巡り会えた場合は効率化が進むが、そうでない場合もある。製造業はもちろんだが、それ以外の産業についても労働生産性の向上を図っていただきたいがどうか。

上原女性・若者就職支援室長
 業界の要望などもしっかりと受け止め、関連部局と連携して取り組んでいきたい。

(16)副業について

穂積委員
 副業の状況と今後の取組について考えがあれば伺いたい。

上原女性・若者就職支援室長
 副業については、国においても働き方改革の中で検討が進められているところである。リクルートキャリアが行った全国調査によると、副業を就業規則等で禁止している企業が77.2パーセント、推進及び容認が22.9パーセントである。帝国データバンクの調査によると、県内企業の11パーセントが副業を認めているが、農業など家業を手伝う場合などに認められているケースが多い。国で進めている働き方改革実行計画では、労働者の健康に配慮しつつ副業を認める方向であり、そのためのガイドライン作成が進められているところである。今後も国の動きを注視するとともに関係部局等と連携し、適切に対応していきたい。

(17)県内の雇用者数の推移について

本郷委員
 県内での過労死をどれくらい把握しているのか。

田中労働政策課長
 把握していない。

本郷委員
 国任せでなく、県で注視してほしい。県内の雇用者の推移はどうか。また、どのような職種や産業を中心に雇用が推移しているか。

田中労働政策課長
 平成24年度就業構造基本調査によると、県内の有業者数全体は平成19年から24年にかけ減少しているものの、女性及び60歳以上の有業者数は増加している。産業別の推移までは把握していないが、県内はものづくりの分野が多くなっている。

(18)消える仕事、無くなる仕事について

本郷委員
 県内のテレワークの現状や企業内保育所の設置状況はどうか。

上原女性・若者就職支援室長
 テレワークは、情報通信技術を活用した在宅勤務や、サテライトオフィスを活用し、場所や時間にとらわれない働き方を用いて継続雇用を目指すものであり、県内でも、みなかみ町や高崎市で事業が展開されていると承知している。また、企業内保育所は県内の病院や事業所などに約100か所設置されている。昨年、国の待機児童解消策として制度化された企業主導型保育事業については、全国871施設、県内では8施設が設置されている。

(19)若者の県内就職促進について

本郷委員
 ロボットやコンピューターで仕事がほとんど賄えるような時代がやってくる中で、後に無くなる仕事に就いても将来が見えなくなるのだから、県として警鐘を鳴らしていかなければならないと思う。そういったことを前提に労働力確保を進めているのか。

田中労働政策課長
 AIなどの技術が急速に進歩しており、今後無くなる仕事が確実に出てくるだろうが、その見通しは難しく、行政側から誘導することは難しい。まずは一人一人が業界の将来性を見通した上で職業を選択し、たとえ仕事が無くなったとしても再就職できるような支援を、県でも取り組んでいきたい。

本郷委員
 若者の県内就職促進について、セミナー等、どのようなイベントを実施しているのか。

田中労働政策課長
 Gターン全力応援事業の中で、昨年度は、U・Iターン就職促進合同企業説明会を開催したほか、ぐんまちゃん家でのGターンカフェ、Gターン倶楽部参加大学での出張Gターンカフェ等を実施している。

本郷委員
 イベント参加者がどれくらいいるか分かれば教えてほしい。

田中労働政策課長
 合同企業説明会は3回実施し計523名が参加した。Gターンカフェは11回開催し計152名、出張Gターンカフェは23回開催し計166名が参加した。

(20)有効求人倍率について

多田委員
 館林は有効求人倍率が高い地域で2倍を超えている。県内企業の労働力確保の今年の具体的な取組について全般的に伺いたい。

田中労働政策課長
 館林の有効求人倍率は、平成29年4月に原数値で2倍を超えるなど、県内でも高いところである。製造業、運輸業などで新規求人数が多い一方、新規求職者が減っていることもその要因の一つと考えられる。県全体でも有効求人倍率が高く、人手不足の声も聞こえており、県でも問題意識を持っている。
 県では就業支援として、ジョブカフェではGターンや若者就職支援に取り組み、ぐんま暮らし支援センターでは就職相談員を配置し、ジョブカフェマザーズでは女性の就業支援を行い、シニア就業支援センターでは高齢者の就職支援を行うなど労働者の支援を行うほか、いきいきGカンパニー認証制度など企業側の環境整備を総合的に実施している。

多田委員
 館林の有効求人倍率の確定値があれば教えてほしい。また、各市町村別、地域単位での県の取組はどうか。

田中労働政策課長
 有効求人倍率について、県内の1.63倍は季節調整値であり、館林は原数値で2.02倍である。県内の原数値が1.49倍となることを考慮するともう少し高い数値であると思われる。地区ごとでは、前橋、太田、高崎では労働局と連携した相談を行っている。女性は住まいの近くで働きたいというニーズがあるので、市町村と連携して出張相談など地区ごとの取組も進めていきたい。

(21)県内企業の労働力確保について

多田委員
 館林地区や太田を中心とした東毛地区は工業の集積地であり、製造業、金属加工業の労働者不足で困っている。建設業も派生的に労働力不足になっているので、具体的な施策を聞かせていただきたい。

田中労働政策課長
 製造業を対象とした雇用対策としては、「戦略産業雇用創造プロジェクト」を実施し、新たな成長産業として期待される「次世代自動車・航空宇宙関連」及び「医療・ヘルスケア関連」分野の製造業を対象とした、産業政策と一体となった雇用対策を実施している。この事業の中で、企業における人材確保支援、求職者に対する就職支援の事業として「ものづくり企業への就業支援事業」「合同企業面接会事業」「理系学生・求職者とものづくり企業の交流会事業」などを実施し、ものづくり産業の労働力確保を支援している。

坂庭産業人材育成課長
 本県では、ものづくり産業で活躍できる人材を育成するため、産業技術専門校で若者を中心に職業訓練を実施している。金属加工関係では、機械系や溶接系のコースが3校で6コースあり、194名が訓練を行っている。今年の3月にはこれらのコースから105名が就職しているが、県内への就職者が9割を超えており、産業界からも高い評価をいただいている。この4月には約120名が入学しており、引き続き実践的な訓練を行い、産業界の期待に応えられる人材の育成に努めていきたい。

尾内建設業対策室長
 平成25年度に産学官連携会議を立ち上げ、建設業界の労働力確保のための各種取組を行っている。平成29年度の主な施策は、建設業での就業体験を通して将来を考えるきっかけとしてもらうために、建設系高校等と連携してインターンシッププログラムを実施する。また、早い段階で建設業に興味を持ってもらうため、建設会社での中学生の職場体験を推進する。情報発信として、県内建設関連企業に特化した就職情報誌を作成する。

(22)大学生・高校生の県内企業への就職促進について

多田委員
 大学生や高校生の県内企業への就職支援の取組はどうか。

上原女性・若者就職支援室長
 ぐんまちゃん家で学生と県内企業の若手社員との意見交換などを実施したところ、学生は県内企業のことをほとんど知らない。県としては、県内企業を知ってもらうため、インターンシップやバスツアーのほか、県内高校卒業者に住所等を登録していただき、就活時に「群馬」という選択肢が残るよう、県内就職情報発信に努めている。

(23)群馬県内への工場立地による雇用創出について

臂委員
 企業誘致をすると雇用が大きく変わると思うが、企業の立地の状況と雇用の状況について伺いたい。

田中労働政策課長
 経済産業省の工場立地動向調査によると、県内への工業立地件数は、平成28年の調査では56件、全国3位であり、計画雇用数は1,425人となっている。また、優良企業の誘致のための企業誘致推進補助金には雇用要件があり、平成28年度に企業誘致推進補助金を交付した企業数は23件、新たに雇用された正規社員は253人、非正規社員は81人となっている。

(24)労働力不足の現状と今後の取組について

臂委員
 労働力が不足している現状をどのようにとらえ、どのように解決していくのか。

田中労働政策課長
 有効求人倍率が1.63倍と高く、有効求人数も25か月連続して増加するなど、人手不足が顕著となっており、若者、女性・高齢者の就業や活躍推進等を全力でやっているところである。

臂委員
 住宅政策や土地の政策など様々なことを考えていかなければならないし、市町村との連携も大変大事になると思うが、労働力確保・働き方改革について市町村との連携は何か機会を持っているのか。

田中労働政策課長
 女性活躍の分野では、県内13の市町を構成員とする連携会議もあり、各市町村と連携して事業に取り組んでいる。若者の関係では、市町村の取組を県のホームページ等で紹介するなど、適宜連携している。


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