ページの先頭です。
現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 令和元年5月17日~令和2年5月22日委員会から知事への提言 > 外国人との共生に関する提言 外国人との共生に関する特別委員会(令和2年3月13日)

本文

外国人との共生に関する提言 外国人との共生に関する特別委員会(令和2年3月13日)

 日本は、少子高齢化・生産年齢人口の減少が進展しており、とりわけ製造業、建設業、介護及び農業をはじめ、多種多様な分野において労働力が不足している。
 このように人材を確保することが困難な状況にある中において、今後も本県経済の活力の維持向上を図るためには、外国人の人材をどのように確保し、どう活用していくのか、また、外国人との共生社会の実現に向けた環境整備にどのように取り組んでいくのかが課題となっている。
 本県においても、今年度から「外国人活躍推進課」が設置され、更に「ぐんま外国人総合相談ワンストップセンター」が開設された。また、2020年1月に多文化共生・共創「群馬モデル」が公表されたところであるが、その内容を踏まえながら外国人の受入れ態勢を整え、様々な相談対応を図り、世界から日本、その中でも群馬県を外国人から選んでもらうためには、更なる支援制度の推進が必要である。
 「外国人との共生に関する特別委員会」は、様々な観点から、活発な議論を行い、本県における外国人との共生に関する提言をまとめた。
 ついては、県議会と県当局が連携を一層密にして施策を実施していかなければならないため、県当局においては、下記について取り組むように強く要請するものである。

外国人労働者への対応に関すること

  • 外国人材の受入れ等の専門相談について、他県では行政書士会等との連携により、相談窓口を開設し、受入れ側の企業等からの相談に対応していることから、本県でも設置を検討すること。また、中小企業が外国人材を積極的に活用できるよう、外国人材の受入れを検討している中小企業の実態調査を行うこと。
  • 技能実習生受入れの監理団体の情報交換の場について、他県の事例を参考にしながら、本県での設置を検討すること。
  • 外国人労働者への日本語教育について、企業等に日本語講師を派遣するための人材バンクや相談窓口の設置を検討すること。

外国人住民の生活支援に関すること

  • 外国人住民の生活支援を行っているNPO法人等の関連団体に関して、市町村を越えていてもお互いに連携して活動できるよう、県が協力すること。
  • 医療通訳に関して、本県は先進的な取組をしているリーダーとして、国に対して現状の様々な課題を伝えるとともに、統一的な基準創設をするよう働き掛けに努めること。また、県内病院の連携や事業実施主体のNPO法人との調整に取り組むこと。
  • 外国人が利用可能な社会保障制度等について、出産育児一時金や奨学金などの給付制度等の案内・周知に当たり、多言語で情報提供していけるように国に働き掛けること。
  • ぐんま外国人総合相談ワンストップセンターの相談対応について、外国人は横の繋がりが広いことから、来所と電話による相談だけでなく、SNSの活用を検討すること。また、利用者の利便性を高めるため、積極的に相談できる内容及び解決例等を紹介すること。さらに、市町村の窓口が延長対応していることを踏まえ、県も窓口の延長対応を検討すること。加えて、多様化する相談に応じて女性相談センターやこころの健康センターなど県内各種相談窓口との協力体制の強化に努めること。
  • 県営住宅に入居する外国人世帯について、外国人と日本人の入居者の間で文化や生活習慣の違いから、社会生活上のルール等についてトラブルが見受けられるため、コミュニケーション不足の解消に取り組み、住まい方のルールを周知するとともに、県営住宅の管理人等に対して支援をすること。
  • 外国人住民の生活支援に関して、外国人にとって分かり易い日本語のリーフレットやパンフレットの作成を検討すること。また、生活文化交流を図っている県内の各種団体の支援に努めること。

外国人材の活躍推進に関すること

  • 多文化共生推進月間について、県内で生活している外国人や県民にとって、共生が最重要であると知っていただくことをはじめ、本県が外国人との共生を重視していることを県内外に発信していくためにも、効果的な活用を検討すること。
  • 国際化や情報化の進展など社会情勢の変化に伴い、県民総参加による共に支え合う社会づくりを目指す必要があることから、外国人も権利を有し義務を負っていると認識した上で、多文化共生・共創「群馬モデル」において執行部で条例制定に向けた検討を行っていく中で、全県民が「同じ船に乗っている仲間」であるという、共生の理念を恒常的に共有できるような条例を制定すること。

外国人児童生徒の教育に関すること

  • 夜間中学について、2016年の教育機会確保法で、国は少なくとも各都道府県1校の設置を促しており、既に全国で設置が進み、関東でも本県を含む2県以外で設置されている。多文化共生・共創「群馬モデル」の実現に向けて、学齢期を超えた外国籍の方への教育の充実を図るため、設置に向けた取組を進めること。
  • 外国籍の高等学校受検者について、高等学校入学者選抜における入学枠を設ける等の制度改善に向けた研究に努めること。また、高等学校入学後、在留資格は生徒の進路に関わることもあるため、進路指導の担当教員へ在留資格確認の周知を図ること。
  • 外国人との共生に向けて、世界で通用する言語として子どもたちへの英語教育を充実させる必要があるため、市町村で雇用しているALT(外国語指導助手)の指導力の向上を図り、英語を話せるようになる環境整備に関して、市町村と連携を取りながら、必要な取組を行うこと。
  • 2019年に日本語教育推進法が制定されたことから、外国人の日本語教育の機会拡充に努めるため、県内各地の国際交流協会や民間団体等に教材等の支援の充実を図ること。
  • 県教育委員会で開催された外国人の子供等の就学に関する検討会(日本語指導や就学の在り方)について、結果を市町村に広く周知するとともに、今後も県内外国人児童・生徒の支援については、県教育委員会が中心的役割を担い、必要な取組を行うこと。

 以上、提言する。

 令和2年3月13日

群馬県議会外国人との共生に関する特別委員会

群馬県知事 山本 一太 様


現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 令和元年5月17日~令和2年5月22日委員会から知事への提言 > 外国人との共生に関する提言 外国人との共生に関する特別委員会(令和2年3月13日)