ページの先頭です。

本文

議第17号議案(令和2年12月15日)

台湾の世界保健機関(WHO)へのオブザーバー参加を求める意見書

 日台相互間の人的往来は年々増加傾向にあり、昨年の訪日外客数約3,200万人のうち、台湾からの訪日外客数は、約490万人となっており、文化・観光・経済など、様々な分野で、台湾は日本の重要なパートナーとなっている。本県においても、従業員数10名以上の宿泊施設における台湾からの昨年の延べ宿泊者数は約11万人泊で、全宿泊者数の約4割を占めており、本県と台湾は極めて重要な関係にある。新型コロナウイルス感染症の収束後は、再び交流が活発化することが予想される。
 また、本県議会においては、議員間で活発に交流し、台湾との文化交流や観光などの経済交流を図ってきたところである。
 このように国際交流の進展に伴い相互理解が図られる一方で、新型コロナウイルス感染症などの国境を越える感染症の蔓延など、世界規模の課題に対しては、これまで以上に関係各国・地域との連携が必要となっている。
 しかしながら、このたびの感染症の世界的大流行の中で、保健衛生分野の豊富な知見と経験を有するとともに、新型コロナウイルス感染症対策においても防疫の最前線に立ち、いち早くウイルスの封じ込めに成功するなど、世界各国から高い評価を受けている台湾が、2017年以降、WHOの年次総会にオブザーバーとして参加が認められないことは極めて遺憾である。
 WHO憲章では、「到達しうる最高基準の健康を享有することは、人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件の差別なしに万人の有する基本的権利のひとつである」とうたっており、WHO年次総会へのオブザーバー参加について、台湾を排除することはこの基本理念に反するものである。また、特定の地域が取り残されることによる地理的空白を生じさせないことが、世界全体の感染拡大防止の目的にかなうものでもある。
 よって、国におかれては、台湾のWHO参加支持を表明している関係各国・地域と連携し、台湾のWHOへのオブザーバー参加の実現に向けての取組をこれまで以上に強化するよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 令和2年12月15日

群馬県議会議長 萩原 渉

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官 あて