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議第3号議案(令和4年3月18日)

養豚場を豚熱から守るための意見書

 平成30年9月に国内で26年ぶりに発生した豚熱については、飼養豚へのワクチン接種等の防疫対策が継続されているが、ワクチン接種農場においても発生が確認されるなど、3年を経てもなお収束していない状況にある。
 本県においては、令和2年9月に高崎市内で1例目が発生し、家畜伝染病予防法及び豚熱に関する特定家畜伝染病防疫指針に基づき5,887頭の殺処分を行った。その後、飼養衛生管理基準の遵守徹底や野生イノシシ対策、知事認定獣医師等によるワクチン接種など、関係者の必死の対策にも関わらず、令和3年4月には前橋市、8月には桐生市、10月には前橋市、11月には桐生市と立て続けに発生し、いずれも全頭処分を実施している。
 このような中、本県議会には養豚関係者から全頭殺処分のあり方や、農場へのウイルス侵入防止対策の強化、さらにはワクチン接種実施体制について検討してもらいたいと切実な声が届いている。
 本県議会は、このような状況を踏まえ、養豚関係者が安心して事業を継続・発展できるよう、国において、下記の事項について措置を講ずるよう強く求める。

  1. アフリカ豚熱ウイルスの国内侵入を見据え、農場周辺に存在するウイルスを、農場内や畜舎内に侵入させないための農場内舗装や設備改修等のハード支援を創設するなど、財政的支援策の充実を図ること。
  2. 現在、豚熱ワクチンは、知事認定獣医師等による接種となっているが、より適切な時期でのワクチン接種体制を構築するため、獣医師の指示のもとで農家自身による接種を可能とする制度改正を行うこと。
  3. 野生イノシシにおける豚熱感染が継続的に確認される地域では、子豚期のワクチン2回接種が選択できるよう、防疫指針の柔軟な運用を可能とすること。
  4. 効果的な経口ワクチンの散布方法を確立し、そのための必要数量を確保するとともに、経口ワクチンの早期国産化に向けた製造体制の整備を進めること。
  5. ワクチン接種農場で豚熱の感染が確認された場合の殺処分については、野外にウイルスが拡散しないよう防止対策を徹底するなど、一定の措置を講じた上で、感染リスクが極めて低いワクチン接種豚を殺処分の対象外とするなど、全頭殺処分を緩和すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和4年3月18日

群馬県議会議長 井田 泉

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
農林水産大臣 あて