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脱炭素社会・新エネルギーに関する特別委員会(3月18日)
脱炭素社会・新エネルギーに関する特別委員会 委員長 中沢 丈一
委員長 中沢 丈一
脱炭素社会・新エネルギーに関する特別委員会における審査経過と結果について、ご報告申し上げます。
なお、本委員会の設置目的及び付議事件については、本定例会の3月8日に報告いたしました委員長報告のとおりであります。
本委員会は、昨年5月に設置以来、付議事件に関し、活発な議論を行ってまいりました。
また、委員会審査と並行して、11月には、ぐんま5つのゼロ宣言や脱炭素社会づくりに係る県内調査として、草津町にある太陽光発電設備や八ッ場発電所などの調査を実施いたしました。
さらに、8月には、前環境副大臣 衆議院議員笹川博義(ささがわひろよし)氏を講師とする勉強会を、12月には内閣官房まち・ひと・しごと創生事業本部事務局RESAS(リーサス)専門委員 赤川彰彦(あかがわあきひこ)氏を講師とする講演会を開催し、今後の取組への参考にすべく認識を深めてまいりました。
なお、3月4日の委員会におきまして、今定例会をもって本委員会における付議事件の審査を終了するとともに、3月15日の委員会において、知事あてに提言書を提出することを確認いたしました。
提言書については、これまでの審議や調査などにおける議論を踏まえ、全21項目からなる「脱炭素社会・新エネルギーに関する提言」を取りまとめ、これを全会一致をもって決定したところであります。
以下、主な項目を申し上げます。
はじめに、家庭等に対する県の取組に関することでは、
- 省エネルギー対策として、省エネ家電や家庭用蓄電池等への買い換えを促進する環境づくりに努めること。
- 県産木材を使用した高断熱・高気密住宅を推進するためにも、高断熱・高気密住宅に係る県の補助制度の創設を検討すること。あわせて、一般住宅を省エネ化することで脱炭素社会の実現に寄与するということを県民に周知すること。
次に、事業者等に対する県の取組に関することでは、
- 脱炭素社会の実現に向けて、SDGsの考え方を広く普及させることは重要な取組である。一方、SDGsは大企業を中心に取組が進むものの、依然として中小企業等における取組は人的資源の不足等により進んでいない状況があるので、県内企業等に広くSDGs・脱炭素の取組を浸透させるために、事業者向け脱炭素ガイドブック等、効果的な情報発信を行うこと。
次に、2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」実現条例に関することでは、
- 条例における再生可能エネルギー設備の設置義務を達成するには、事業者にとっての具体的なインセンティブが必要なので、支援策について検討すること。特に、条例によって再エネ設備設置が義務付けられる企業に対しては、負担軽減のための支援策がセットとなるよう検討すること。
次に、再生可能エネルギーの導入・促進等に関することでは、
- 再生可能エネルギーを導入・促進するためには、送配電網の強化が重要であり、接続可能量のさらなる拡大を図るよう国や関係機関に働きかけること。
- 電気自動車や燃料電池自動車の普及のため、県内各地の道の駅に設置するなど充電ステーション等の設置を具体的に検討すること。
次に、プラスチックごみの削減等に関することでは、
- 本県の1人1日あたりの生活系ごみ排出量は5年連続で全国最下位となっており、生活系ごみの排出削減の取組を積極的に推進する必要がある。生活系ごみの排出量を削減するためには、一人一人の小さな積み重ねが重要であり、数値目標に対する進捗状況を毎年公表したり、生ごみの減量に力を入れるなど、市町村と連携して、生活系ごみの排出を抑制する取組を積極的に推進すること。
次に、食品ロスに関することでは、
- 食品ロスを削減するための、地域内で農畜産物が地産地消できるような仕組みを検討すること。また、観光地の旅館等から排出される食品ロスは特に多いので、減量する方法を検討すること。
最後に、県の推進体制に関することでは、
- 脱炭素社会を実現するため、行政の縦割りを排除して、全庁を挙げた組織を構築し、効率的・効果的に施策を実施すること。
以上のとおりであります。
なお、審査終了に伴う委員会報告書につきましても、内容審査を行い、全会一致をもって決定し、過日、議長あてに提出したところであります。
以上、申し上げまして、委員長報告といたします。