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議第13号議案(令和5年)

特別支援学校・学級等への教員等の適切な配置を求める意見書

 文部科学省「学校基本調査(令和4年)」によると、特別支援教育を受ける児童・生徒は年々増加しており、10年間で特別支援学校については、学校数が約11%、児童生徒数は約14.3%増加し、特別支援学級は約1.6倍、児童生徒数は約2.1倍に増加している。さらに、通級による指導を受けている児童生徒数は約2.6倍に増えている。教育現場では新たな特別支援教育体制の整備が必要になっている。
 このような状況に適切に対処するためには、特別支援学校・学級への専門的な知識や経験を持った教員等の増員が必要不可欠である。
 また、今日、共生社会の形成に向けて、「障害者の権利に関する条約」に基づき、子どもたちの多様性を尊重するインクルーシブ教育システムの構築が求められており、そのためにも我が国の特別支援教育のさらなる拡充が必要である。
 よって、群馬県議会は国会及び政府に対し、医療的ケアを含めた特別支援教育が必要な子どもの増加や、様々な障がいのある児童生徒に的確に対応した教育を実現するために、特別支援学校・学級等への教員等の適切な配置に向けて、下記の事項について財政措置を含めた特段の措置を講じることを求める。

  1. 特別支援教育支援員の適切な配置
    障がいのある児童生徒に対し、食事、排泄、教室移動の補助等学校における日常生活動作の介助を行ったり、発達障がいの児童生徒に対し、学習活動上のサポート等を行う特別支援教育支援員の適切な配置への支援をすること。
  2. 特別支援教育コーディネーターの適切な配置
    保護者や関係機関に対する学校の窓口として、また、学校内の関係者や福祉・医療等の関係機関との連絡調整の役割を担い、子どもたちのニーズに合わせた支援をサポートする特別支援教育コーディネーターの適切な配置への支援をすること。
  3. 看護師等の専門家の適切な配置
    医療的ケアが必要な子どもや、障がいのある子どもへの支援を的確に実施するために、看護師、ST(言語聴覚士)、OT(作業療法士)、PT(理学療法士)等の専門家の必要に応じた適切な配置への支援をすること。
  4. 特別支援学校のセンター的機能の強化
    各学校でインクルーシブ教育を一体的に進めるために、担当の教員だけでなく学校長等に対する指導や研修等を実施し、校内全体での取組を促進するために、特別支援学校のセンター的機能強化への支援をすること。
  5. 特別支援教育デジタル支援員(仮称)の配置
    GIGAスクール構想により整備された1人1台の端末を、特別支援学級や特別支援学校において、授業はもとより、個々の特性や教育的ニーズに応じた支援ツールとして有効に活用するための特別支援教育デジタル支援員(仮称)の配置への支援をすること。
  6. 特別支援学校教諭免許状の取得支援
    特別支援学校教員の特別支援学校教諭免許状の取得率は87.2%となっており、特別支援学校における教育の質の向上の観点から、教職員への取得支援の強化や、大学等における特別支援教育に関する科目の修得促進等、教職員に対する特別支援学校教諭免許状の取得への支援をすること。併せて、特別免許状についても強力に推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 令和5年12月14日

群馬県議会議長 安孫子 哲

​ 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 文部科学大臣
 厚生労働大臣 あて