ページの先頭です。
現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 令和6年5月24日~令和7年3月19日委員会から知事への提言 > スポーツ・文化の振興に関する提言 スポーツ・文化の振興に関する特別委員会(令和7年3月14日)

本文

スポーツ・文化の振興に関する提言 スポーツ・文化の振興に関する特別委員会(令和7年3月14日)

 スポーツや文化は、明るく心豊かな活力ある社会の形成や、心身の両面にわたる健全な発達に必要なものであり、人々の心の絆の深まりや、相互に理解し尊重し合うこと、健康寿命の延伸実現等に不可欠である。
 群馬県では昭和53年に「スポーツ県群馬」を宣言して、昭和58年開催の「第38回国民体育大会(あかぎ国体)」を成功させた。そして、平成25年には2巡目国体(国スポ)開催を見据えて「群馬県スポーツ振興条例」を議員発議により制定し、本県スポーツ及び競技力向上推進対策を計画的に、県議会として県当局に対して提言をしてきた。
 文化面においては、昭和56年に「文化県群馬」を宣言し、その精神を引き継ぎながら平成24年には「群馬県文化基本条例」を制定し、我が県が誇る文化、芸術の振興の支えとしている。
 令和の時代を迎え、社会環境等が変化する中で、部活動の地域移行、開催を4年後に控える「湯けむり国スポぐんま」総合優勝に向けた競技力向上、「湯けむり全スポぐんま」全競技出場に向けたパラスポーツ普及拡大、温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録推進、eスポーツ推進、伝統文化の継承支援など、様々な課題を理解して解決に導き、各々の目標達成に向けた施策や財政措置が求められる。さらには、これまでに至る先人達が積み重ねてきた歴史や功績を尊崇の念を抱きながら次世代に継承してゆくことも大切である。
 県当局におかれては、これらを踏まえた上で次の事項に留意し、本県におけるスポーツ・文化の振興に対する施策の充実と必要な財政措置を強く要望する。
                                    記

  1. スポーツの推進に関すること(eスポーツ含む)
    <部活動地域移行>
    (1)学校だけではなく社会全体の問題として捉え、受け皿となる地域クラブの状況など、地域の実情に合わせて取り組むこと
    (2)推進計画の策定や相談窓口の整備など、市町村の取組を支援していくこと
    (3)移行後の競技種目において、生徒の大会参加に支障が出ることがないよう体制を整備すること
    (4)保護者の理解が深まるよう取り組むとともに、移行後の保護者負担が増えることのないよう、引き続き予算を確保すること
    (5)部活動改革の本質が正しく伝わるよう、「地域移行」の表現を検討すること
    <ぐんまマラソン>
    (1)温泉文化など群馬県の魅力を伝えるようPRすること
    (2)安全第一を心がけ、ぐんまマラソンが選ばれ続けるよう工夫すること
    (3)地域の方がより多く参画し応援してもらえるよう、県民にPRすること
    <その他>
    (1)伊香保リンクについて、夏期の利用も含めて積極的に活用すること
  2. 湯けむり国スポ・全スポぐんまに関すること(施設整備含む)
    <競技力向上>
    (1)主催県にふさわしい結果、すなわち総合優勝を目指し競技力向上を図ること
    (2)スポーツ医・科学データを収集・活用し、データ分析に基づいた選手強化及び指導者資質の向上を図ること
    (3)ジュニア選手の発掘・育成を各競技団体と進め、その選手育成を、中学生・高校生年代まで継続していくよう支援すること
    (4)短期で成績が向上する取組をしっかりメニュー化し実施すること
    (5)活動拠点となる施設等の使用について、競技者が優先的に使えるよう関係者と調整すること
    (6)競技力向上対策の拠点校・拠点クラブは、競技団体と調整し設置すること
    (7)強化指定選手制度について、選手だけでなく、指導者も含め認定すること
    (8)一過性のものでなく国スポ終了後も継続的に競技力を向上させるため、競技団体の組織力強化にも取り組むこと
    <教育委員会への要望>
    (1)熱意のある教員が指導者として協力できる環境を整備すること
    (2)来る国スポ・全スポを見据え、各競技団体の意向を確認しながら、競技力向上推進対策のための教員・指導者適正配置や、教員採用選考においてスポーツ特別選考枠の拡充や一般選考における加点措置等を配慮すること
    (3)教員が学校外でのスポーツ指導に携わるにあたり、その教員の在籍校を支援する体制を整備すること
    <施設整備>
    (1)選手が意欲を持って競技に取り組めるよう、また応援する方にも配慮した施設整備を行うこと
    (2)競技団体の意向を確認し、市町村と連携し整備を進めること
    (3)備品や消耗品について、必要なものには適切に対応すること
    (4)敷島公園新水泳場の整備について、設計、建設、工事監理、運営維持管理の各業務において適切に対応すること
    (5)開会式は、会場となる施設や周辺エリアの環境を整備した上で臨むこと
    <アスリートの就職支援>
    (1)アスリート引退後のセカンドキャリアの環境を整備し、多くの企業が受け入れられるよう施策を講じること
     (2)アスリートを雇用した企業がメリットを感じられる施策を他部局と連携し検討すること
    (3)企業とのマッチングにおいて他県に劣らない支援金制度を設けること
    <予算>
    (1)ぐんま未来創生基金を施設整備、競技力向上対策推進などに活用すること
    (2)クラウドファンディングは個別の案件ではなく、国スポ・全スポ全体を成功させるための施策に活用すること
    <全国障害者スポーツ大会>
    (1)選手の育成や競技力向上など障害者スポーツ競技団体の活動を促進する指導者の確保を図ること
    (2)市町村における障害者スポーツの推進を図ること
    (3)特別支援学校の部活動の地域移行を円滑に推進すること
    (4)障害者福祉施設等からの競技参加を促進すること
    (5)総合型地域スポーツクラブへの障害者の参加を促進すること
    (6)選手が少ない競技、特に団体競技について選手育成・確保策を講じること
    (7)体験教室や強化練習が実施できるバリアフリー整備された活動場所を確保すること
    (8)体験や練習の会場等への移動困難者への対応を検討すること
    (9)開会式会場をはじめ、各競技会場に参加するすべての人にとって利用しやすい会場となるようバリアフリー化へ整備・改修すること
    (10)選手団等が利用する宿泊施設は、障害特性に配慮し、バリアフリー化されている施設を確保すること
    (11)選手団輸送にあたり、福祉車両(リフト付きバスなど)を必要台数確保すること
    (12)多くの関係者が来県するので、タクシーの配備や駐車場を増設すること
    (13)選手団担当、競技会場担当など、大会運営に多くのボランティアを確保すること
    (14)本大会を一過性にすることなく、持続可能な誰もが生涯にわたってスポーツを楽しむことができる共生社会を実現すること
    <その他>
    (1)国スポの在り方等の議論は関係団体や選手の気持ちに配慮して進めること
    (2)事柄や予算規模の大きさなど、重要なものについては議会側にも情報を提供し議論をすること
    (3)情報発信の強化や県民運動を推進し、県民総参加の大会となるよう機運の醸成を図ること
    (4)する側(選手)だけでなく、見る側、支える側からの視点も取り入れ準備を進めること
    (5)知事や教育長も国スポ・全スポの現地に行って選手を激励すること
    (6)ぐんまマラソンなど大規模なスポーツ大会の課題を整理し国スポに活かすこと
    (7)大会期間中に地域特有の文化イベントを開催するなど、競技以外の楽しみを増やし大会を盛り上げること
    (8)eスポーツ競技を湯けむり国スポぐんまの文化プログラムとして実施し、大会を盛りあげるよう積極的に推進すること
    (9)第83回国民スポーツ大会・第28回全国障害者スポーツ大会開催基本構想について必要な修正を行うこと
  3. 健康増進に関すること
    (1)市町村ウォーキングマップの周知を図るなど、県民が自然と健康になれる環境づくりを推進すること
    (2)県公式アプリ「G-WALK+」の活用を促進するなど、県民の自主的な健康づくりをサポートする取組を推進すること
  4. 観光・温泉文化の振興に関すること
    <温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録>
    (1)機運醸成について、温泉文化の価値をしっかり発信し、狙いを明確にして取り組むこと
    (2)様々なメディア、コンテンツを活用し取組を進めること
    (3)県内の温泉関係者と連携し、県民の意識の高揚を図ること
    <リトリート推進>
    (1)OTA(Online Travel Agent)に頼るのではなく、施設自らリトリートプランを作るという機運を醸成するなど、現状をしっかり受けとめて立て直しを図ること
    (2)1泊2日のプランも取り入れるなど、創意工夫すること
    (3)費用対効果等、検証を適切に行うこと
    <インバウンド>
    (1)欧米をターゲットにした体制づくりを行うこと
    (2)外国の富裕層をターゲットにした、アドベンチャーツーリズムもインバウンド政策として検討すること
    <その他>
    (1)上毛三山、日本百名山を中心とした山岳観光を積極的に振興すること
    (2)ユニバーサルツーリズムを推進し、さらなる情報発信の強化に努めること
  5. 伝統文化の支援に関すること
    (1)後継者の育成や子どもたちへの伝統文化の体験・継承する取組を継続して実施すること
    (2)子供たちに伝統文化の大切さを伝える取組を実施すること
    (3)県職員が海外に行く際には、伝統芸能を披露するなど伝統文化のPRに努めること

以上、提言する。

 令和7年3月14日

群馬県議会スポーツ・文化の振興に関する特別委員会

 群馬県知事 山本 一太  様


現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 令和6年5月24日~令和7年3月19日委員会から知事への提言 > スポーツ・文化の振興に関する提言 スポーツ・文化の振興に関する特別委員会(令和7年3月14日)