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次世代産業・人材確保に関する提言 次世代産業・人材確保に関する特別委員会(令和7年3月14日)

 人口減少・少子化に歯止めがかからない現状において、今後その影響は社会的に様々な分野に及ぶことが懸念されている。
 こうした中において、持続可能な群馬県を実現していくため、新たな価値の創造が必要とされており、デジタル・クリエイティブ産業の育成・振興と、これに関わる人材の育成・確保は、群馬県の将来にとって重要な意義をもつものと考えられる。
 人材の育成に当たっては、既に県内2か所のtsukurunに加え、本年夏にTumo Gunmaの開設が予定されており、今後一層の進展が期待されるところである。
 また、人手不足に起因する問題は、ものづくり産業や農林畜産業など本県の代表的な産業のみならず、あらゆる分野にその影響を広げており、人材の確保・育成は喫緊の課題となっている。
 さらに、「誰一人取り残されない群馬県」の実現に向けては、人口減少対策や子育て支援はもちろん、障害の有無や国籍などに関わらず、誰もが等しく尊重される多様性社会に係る取組や、衰退が懸念される地域交通の課題解消に向けた交通イノベーションの取組は、必要不可欠なものである。
 本委員会では、このような視点から、1年間にわたり、活発な議論を行ってきたところであり、県当局におかれては、次の事項に留意され、引き続き、次世代産業の振興や人材確保をはじめとした、持続可能な群馬県の実現に取り組まれるよう、強く要望する。

  1.  次世代産業(デジタル・クリエイティブ産業)の振興に関すること
    (1)Tumo Gunmaについて
    ア 魅力的な施設となるよう努めるとともに、多様性に配慮し分かりやすい周知・広報 に取り組むこと。
    イ 受講後のスキルの活用や交通手段確保等を検討するとともに、具体的な費用対効果が分かる成果指標の設定に努めること。
    ウ 事業について県民への説明を十分に行い、特に、教育現場に対しては丁寧な説明を行 い、現場の新たな負担とならないよう努めること。
    (2)デジタル・クリエイティブ産業や、データセンターの県内誘致の推進に努めること。 また、誘致に当たっては、電力供給対策や環境への配慮に努めること。
    (3)デジタルソリューションラボに係る成果の周知・広報や、ぐんま未来共創トライア ル補助事業に係る事業効果の県内蓄積及び情報発信に努めること。
    (4)全県リビングラボ構想について、ワンストップでの相談体制の整備に努めること。
    (5)自動車産業の変革期の中で困難に直面している、県内自動車サプライヤーへの支援 に努めること。
    (6)tsukurunの利用者増加に向け、市町村教育委員会との連携に努めること。 また、tsukurunサテライトの設置場所について、県内で偏りが生じないよう努める こと。
     
  2. 人材の確保・育成に関すること
    (1)人材確保に向けて、群馬の強み・弱みを把握した上での戦略的目標の設定及び、 企業誘致に当たっては、県内企業の人手不足解消の観点による成果目標の設定に努 め、部局横断で取り組むこと。
    (2)U・I・Jターン及び奨学金返還支援制度の促進に向けて、事業の積極的な周知・ 広報に取り組むこと。
    (3)リスキリングに関して、従業員へのフォローアップ体制の必要性について、企業へ の働きかけに努めること。 また、サイバーセキュリティを担う人材の育成推進に努めること。
    (4)Maitsuruプロジェクトについて、選考に漏れた方のフォローや、より受講しや すい制度設計、受講者のキャリア形成につながる環境づくりなど、事業の発展的継続 に努めること。
    (5)介護人材不足への対策として、介護テクノロジー導入モデル事業については、小規 模事業者においても生産性向上に取り組めるよう、事業成果の周知に努めるととも に、外国人人材の活用については、安上がりな労働力として捉えずに、処遇改善に努 めること。
    (6)障害福祉分野の人手不足対策について、介護テクノロジー導入支援事業の積極的な 推進など、中小事業者への支援に努めること。
    (7)農林業を含めた産業全体のDX化等の支援に努めること。
    (8)高齢者就労支援について、企業における働きやすい環境整備の取組促進に努める こと。
     
  3. 交通イノベーションに関すること
    (1)Gunmaasについて、誰もが利便性を享受できるように努めるとともに、県内各地域の取組への支援に努めること。
    (2)自動運転の実装や、自治体のライドシェアの導入や代行運転アプリの導入等の先 進的な取組について、関係機関と連携し、調査・研究に努めること。
    (3)県内中小私鉄3社について、今後の三社連携に向けて、県が主導的役割を果たすよ う努めること。
    (4)上毛電気鉄道の利用促進について、バスやJR等の乗り継ぎに当たり、運賃割引な ど、スムーズな乗換の実現に向けた検討に努めること。
    (5)バス路線の表示について、利用者に分かりやすい表示の検討に努めること。
    (6)ラストワンマイルについて、電動キックボードなどの研究や安全対策に努めるとと もに、多様な取組に対する積極的な支援に努めること。
     
  4. 人口減少対策・子育て支援に関すること
    (1)こどもまんなか推進プログラムに関して、子育てを社会全体で支援するという 考えの下、県営住宅の改修を含めた地域資源の活用等による、こどもの居場所づくりなど、こども施策の充実に努めるとともに、経済的負担軽減施策に係る効果の可視化の検討に努めること。
    (2)保育環境の充実に関して、保育士配置基準の見直しに対する状況調査や、保育士の 配置基準の改善に伴う施設の負担軽減に努めるとともに、保育所等に提出する書類に 係る保護者の負担軽減に努めること。 また、潜在的待機児童の解消に向けて、保護者のニーズや地域の実情が反映されるよう努めること。
    (3)放課後児童クラブの実情把握に努めるとともに、市町村と連携して、運営に係る保護者負担の軽減や、より良い運営に向けた支援の強化についての検討に努めること。
    (4)結婚支援について、他の自治体で実施している結婚支援アプリの研究に努めること。
     
  5. 教育(非認知能力の育成、インクルーシブ教育)に関すること
    (1)未就学児を含めた非認知能力の育成について、成果の周知に努め、教員・児童・生 徒など、幅広く関係者の理解促進・意識醸成に努めること。
    (2)国際バカロレアの導入について、早期に方向性を示すよう努めること。
    (3)インクルーシブ教育の推進に当たり、教職員の適切な配置や、義務教育部門との連携及び先進事例の調査・研究に努めるとともに、特別支援教育のあり方の見直しに努めること。
    (4)特別支援学校高等部及び高等特別支援学校の作業学習において、時勢に合わせた学習内容の見直しの検討に努めること。また、作業学習の製品の広報による販路の拡大に努めること。
    (5)県立みらい共創中学校について、関係部局と連携し、夜間の託児等の学びやすい環境整備に努めること。
    (6)外国籍生徒への日本語指導について、生徒が将来に希望が持てるよう努めること。
     
  6. 多様性社会に関すること
    (1)障害者雇用について、企業の開拓や働きやすい環境づくりの啓発に努めること。
    (2)外国人が活躍できる環境づくりのため、教育を主とした環境整備に努めること。
    (3)ぐんま外国人総合相談ワンストップセンターについて、多様な相談内容に対応できるよう相談員のスキルアップに努めること。

 令和7年3月14日

群馬県議会次世代産業・人材確保に関する特別委員会

 群馬県知事 山本 一太  様


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